ダイコク電機株式会社

ブランドなど:VEGASIABiGMO PREMIUMClarisLinkMarket-SIS
機械パチンコプライムTOPIX Small 1

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E02073 Japan GAAP

売上高

318.2億 円

前期

243.9億 円

前期比

130.5%

時価総額

526.3億 円

株価

3,560 (04/23)

発行済株式数

14,783,900

EPS(実績)

198.04 円

PER(実績)

17.98 倍

平均給与

795.4万 円

前期

672.1万 円

前期比

118.3%

平均年齢(勤続年数)

46.3歳(18.9年)

従業員数

402人(連結:645人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社と子会社5社で構成されており、パチンコホール向けコンピュータシステムの開発・製造・販売及びパチンコ遊技機の一部ユニットの開発・製造・販売、パチスロ遊技機の企画・開発・製造・販売を主な事業として取り組んでおります。

当社グループの事業における位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。

 

情報システム事業

当部門においては、パチンコホール向けコンピュータシステム、景品顧客管理システム、情報公開システムの開発・製造・販売をしております。

(主な関係会社)当社、ダイコク産業株式会社及び株式会社グローバルワイズ

 

制御システム事業

当部門においては、パチンコ遊技機用表示ユニット、制御ユニットの開発・製造・販売、パチスロ遊技機の企画・開発・製造・販売並びに遊技機に使用する部品の販売をしております。

(主な関係会社)当社、元気株式会社、DAXEL株式会社、ダイコク産業株式会社及びアロフト株式会社

 

事業の系統図は、次のとおりであります。

 

※画像省略しています。
23/06/30

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染予防対策や、ウィズコロナ下での各種政策の効果により、景気の持ち直しが見られました。しかしながら、国際情勢に起因する資源価格の高騰や供給面での制約による物価上昇など、先行き不透明な状況が続いております。

当社グループが携わるパチンコ業界におきましては、警察庁の集計(2023年4月発表、5月改訂)によると、2022年12月末時点でのパチンコホールの営業店舗数は7,665店(前年比90.6%)、遊技機設置台数はパチンコ機・パチスロ機ともに減少し、356万4,039台(前年比93.4%)となりました。1店舗当たりの設置台数は465.0台と14台増加し、店舗の大型化は続いております。

全遊技機の稼動状況は、2023年1月~3月の期間平均で前年同期比105.9%に達しました。種別稼動状況につきましては、パチンコ機は前年同期比100.6%、パチスロ機は昨年6月よりパチスロ6.5号機、11月よりスマートパチスロの導入が順調に始まり、ファンから高い支持を得た遊技機の登場もあって、前年同期比117.8%と大幅に上昇しました(当社「DK-SIS」データ比較)。

スマート遊技機に対する市場の期待感は高く、2023年3月末時点でスマートパチスロは4機種導入され、パチスロ機全体におけるスマートパチスロの設置割合は8.2%(当社「DK-SIS」データより)と堅調に推移しております。4月からはスマートパチンコの導入も控えており、今後はパチンコ、パチスロ共にスマート遊技機に対応するための設備投資がさらに活発化する見込みです。

このような市場環境のもと、2021年11月24日に発表した中期経営計画の初年度におきましては、将来の市場環境の変化に対応するため、事業領域の再設定を重点施策として、以下の取り組みを行いました。

情報システム事業におきましては、既存サービスのクラウド化の早期実現に向けて、クラウドサービス等のシステム開発を行うグローバルワイズ社を株式取得により子会社化しました。既存製品におきましては、スマート遊技機のデータ管理に最適なAIホールコンピュータ「X(カイ)」へのシステムアップによる入替促進の提案、煩雑な機種入替時の作業が短時間で完了し業務効率化に貢献する「楽らく入替運用オプション」のサービスを開始しました。また、スマート遊技機登場による市場変化への対応に関連したMIRAIGATEサービスの提案や、同サービスのさらなる拡大を目指し、クラウドチェーン店舗管理システム「ClarisLink」、周辺エリアの集客状況を提供する商圏分析サービス「Market-SIS」の普及促進活動を行いました。

制御システム事業におきましては、今後のスマートパチスロ事業参入に向けて、当社子会社であるアロフト社がパチスロの開発を行うライリィ社と株式譲渡契約を締結し、2023年4月より子会社化しました。また、既存のパチンコ機に加え、パチスロ機の開発体制の強化及び製造環境の再整備に取り組み、パチスロ機1機種の製造を行いました。

サステナビリティへの取り組みにおきましては、昨年12月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明し、当社ウェブサイトにてTCFD提言に沿った情報を開示しました。また、温室効果ガス排出量の削減に向けて、当社春日井事業所の屋上にソーラーパネルを設置し、再生可能エネルギーの導入を進めました。依存症への対応として、ギャンブル依存症チェックゲーム「チェッパチ」をリリースしました。今後も、持続可能な社会の実現と当社グループの成長に向けて、当社が特定した重要課題(マテリアリティ)の解決に取り組んでまいります。

この結果、当連結会計年度の業績は、売上高318億24百万円前年同期比30.5%増)、営業利益40億19百万円同237.4%増)、経常利益42億60百万円同211.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益29億27百万円同138.2%増)となりました。

 

セグメント業績は次のとおりであります。

 

情報システム事業

当連結会計年度におきましては、パチンコホール経営企業の設備投資は、昨年11月からのスマートパチスロ導入、4月からのスマートパチンコ導入による活発な設備投資需要に対し、最大限に応えられるよう準備を進めてまいりました。

 

このような市場環境のもと、『パチンコホール向け製品等』の売上は、電子部品等の調達難により販売台数を調整せざるを得ない製品はありましたが、AIホールコンピュータ「X(カイ)」へのシステムアップや、スマート遊技機専用ユニットを含む当社カードユニット「VEGASIA」、パチスロ機への需要が高いファン向け情報公開端末「BiGMOPREMIUM」の販売台数が好調に推移した結果、前年同期を大幅に上回りました。『サービス』の売上は、主要なサービスが堅調に推移したほか、「ClarisLink」、「Market-SIS」、スマート遊技機登場による市場変化への対応に関連したMIRAIGATEサービスの加盟店舗数が増加したこともあり、前年同期を上回りました。

この結果、当事業の売上高は262億9百万円前年同期比40.6%増)、セグメント利益54億90百万円同152.8%増)となりました。

 

制御システム事業

当連結会計年度におきましては、前期に実施された新規則機への入替が完了したことによる反動と、スマート遊技機の動向を探る動きが期初より続いたことにより、市場全体における遊技機販売台数は減少しました。しかし、昨年11月にスマートパチスロの導入が順調に始まり、また4月からはスマートパチンコの導入も控えており、今後の市場の活性化が期待されます。このような市場環境のもと、パチンコ機向けの表示ユニット及び制御ユニット販売は前年同期を下回りましたが、部品販売は好調に推移し、前年同期を上回りました。また、取引先遊技機メーカーの民事再生手続きによる債権に対する貸倒損失及び子会社の未回収の債権に対する貸倒引当金を計上しました。

この結果、当事業の売上高は56億39百万円前年同期比2.1%減)、セグメント利益1億40百万円同73.8%減)となりました。

 

(注) セグメント業績の金額には、セグメント間取引が含まれております。

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

 

① 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2022年4月1日
  至 2023年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

制御システム事業

2,628,118

79.0

 

(注) 1 金額は製造原価によっております。

2 情報システム事業において、提出会社は製品の製造はOEM先で行っており、当社内で製造作業は行っておりません。また、提出会社の子会社は金額的重要性がないため記載を省略しております。

 

② 受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2022年4月1日
  至 2023年3月31日)

受注高

受注残高

金額(千円)

前年同期比(%)

金額(千円)

前年同期比(%)

制御システム事業

4,942,553

81.2

1,030,942

60.5

 

(注) 情報システム事業について、提出会社は見込み生産をしており、工事は製品販売に伴う付帯工事のため受注扱いしておりません。また、提出会社の子会社は金額的重要性がないため記載を省略しております。

 

 

③ 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2022年4月1日
  至 2023年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

情報システム事業

26,209,586

140.6

制御システム事業

5,614,737

97.8

合計

31,824,323

130.5

 

(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2 総販売実績に対する相手先別の販売実績の割合が10%未満のため、主要な販売先については記載を省略しております。

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末の総資産は、今後利用計画のない遊休資産の減損計上や減価償却費計上などにより固定資産は減少しましたが、業績が好調に推移したことで営業債権が大幅に増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ68億8百万円増加482億98百万円となりました。

当連結会計年度末の負債は、製品仕入の増加に伴う営業債務が増加しております。また、業績が好調に推移したことによる所得の増加に伴う未払法人税等が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ45億50百万円増加148億98百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産は、配当の支払などがありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、前連結会計年度末に比べ22億58百万円増加333億99百万円となりました。自己資本比率は69.2%(前連結会計年度末比5.9ポイント下落)となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3億41百万円増加169億22百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動におけるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は、29億83百万円前年同期は32億20百万円の収入)となりました。その主な要因は、支出として売上債権の増加19億64百万円や、棚卸資産の増加40億94百万円などがありましたが、収入として税金等調整前当期純利益41億37百万円、減価償却費15億89百万円、仕入債務の増加27億59百万円などがあったことによります。

(投資活動におけるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は、19億76百万円前年同期は5億64百万円の支出)となりました。その主な要因は、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出や、既存製品に関連したバージョンアップ用ソフトウエアなどの固定資産の取得による支出があったことによります。

(財務活動におけるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は、6億66百万円前年同期は18億14百万円の支出)となりました。その主な内訳は、配当金の支払によります。

 

 

(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(a) 財政状態の分析

当連結会計年度末の流動資産につきましては、下期に導入されたスマートパチスロに対応するための設備投資需要が高まったことにより「売掛金」などの営業債権が大幅に増加いたしました。たな卸資産につきましても、翌連結会計年度から導入されるスマートパチスロに対応するための設備投資需要に応えるため「製品」は大幅に増加いたしました。また、保有している無担保普通社債の満期日が1年内になったことにより、固定資産からの振替により「有価証券」が増加いたしました。この結果、流動資産は前連結会計年度末に比べ68億62百万円増加336億26百万円となりました。

固定資産につきましては、製品用ソフトウェアの取得、グローバルワイズ社の株式取得による子会社化によるのれんの計上を行いました。また、保有している無担保普通社債の満期日が1年内になったことにより、流動資産への振替により「投資有価証券」が減少いたしました。これらにより、固定資産は前連結会計年度末に比べ53百万円減少146億72百万円となりました。

これらの結果により、当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ68億8百万円増加482億98百万円となりました。

流動負債につきましては、前述したとおりスマート遊技機導入による設備投資需要に応えたことにより、仕入債務が大幅に増加いたしました。また、業績が好調に推移したことによる所得の増加に伴う「未払法人税等」が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ45億46百万円増加139億66百万円となりました。

固定負債につきましては、前連結会計年度末に比べ4百万円増加9億32百万円となりました。

これらの結果、当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ45億50百万円増加148億98百万円となりました

純資産につきましては、配当金の支払いがありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、前連結会計年度末に比べ22億58百万円増加333億99百万円となりました。以上により自己資本比率は69.2%(前連結会計年度末比5.9ポイント低下)となりました。

 

(b) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

パチンコホール経営企業におきましては、パチンコホール営業店舗数が年々減少する厳しい市場環境にありますが、動向が注目されていたスマートパチスロの市場導入は順調に始まり、大手企業を中心に、スマート遊技機用カードユニットや関連設備の需要は旺盛となりました。

このような市場環境のもと、中期経営計画の初年度におきましては、将来の市場環境の変化に対応するため、事業領域の再設定を重点施策として、事業部毎に以下の取り組みを行いました。

(1) 情報システム事業

既存サービスのクラウド化の早期実現に向けて、クラウドサービス等のシステム開発を行うグローバルワイズ社を株式取得により子会社化しました。

(2) 制御システム事業

今後のスマートパチスロ事業参入に向けて、当社子会社であるアロフト社がパチスロの開発を行うライリィ社と株式譲渡契約を締結し、2023年4月より子会社化しました。

サステナビリティへの取り組みにおきましては、2022年12月にTCFD提言への賛同を表明し、当社ウェブサイトにてTCFD提言に沿った情報を開示しました。また、温室効果ガス排出量の削減に向けて、当社春日井事業所の屋上にソーラーパネルを設置し、再生可能エネルギーの導入を進めました。依存症への対応として、ギャンブル依存症チェックゲーム「チェッパチ」をリリースしました。

当社グループが携わるパチンコ業界は、業界固有の法規制等が業績動向や経営戦略に影響を及ぼす可能性があります。2018年2月1日に施行された新規則により、2022年1月末に旧規則機の撤去は完了し、パチンコ・パチスロ機は共に新規則機に置き換わりました。動向が注目されていたスマート遊技機ですが、「スマートパチスロ」は2022年11月、「スマートパチンコ」は2023年4月より市場導入が始まりました。今後、スマート遊技機に対応するための設備需要は活発化する見込みです。現時点では需要に比べ、電子部品等の調達難による製品供給不足は継続していますが、調達改善の兆しもあり、スマート遊技機の普及とともに設備市場は堅調に推移することが見込まれます。

 

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ、74億34百万円増加318億24百万円前年同期比30.5%増)となりました。

情報システム事業におきましては『パチンコホール向け製品等』の売上は、電子部品等の調達難により販売台数を調整せざるを得ない製品はありましたが、AIホールコンピュータ「X(カイ)」システムアップ件数や、スマート遊技機専用ユニットを含む当社カードユニット「VEGASIA」、パチスロ機への需要が高いファン向け情報公開端末「BiGMO PREMIUM」の販売台数が好調に推移した結果、前年同期を大幅に上回りました。『サービス』の売上は、主要なサービスが堅調に推移したほか、クラウドチェーン店管理システム「ClarisLink」、周辺エリアの集客状況を提供する商圏分析サービス「Market-SIS」、スマート遊技機登場による市場変化へ対応するため、MIRAIGATEサービス加盟店舗数が増加したこともあり、前年同期を上回りました。

制御システム事業におきましては、前連結会計年度に実施された新規則機への入替が完了したことによる反動と、スマート遊技機の動向を探る動きが期初より続いたことにより、市場全体における遊技機販売台数は減少しました。しかし、昨年11月よりスマートパチスロの導入が順調に始まり、今年4月からはスマートパチンコの導入も始まったことで、今後の市場の活性化が期待されております。このような市場環境のもと、パチンコ機向けの表示ユニット及び制御ユニット販売は前年同期を下回りましたが、部品販売は好調に推移し、前年同期を上回りました。また、取引先遊技機メーカーの民事再生手続きによる債権に対する貸倒損失及び子会社の未回収債権に対する貸倒引当金を計上しました。

 

(営業利益)

売上総利益は、売上高の増加により前連結会計年度に比べ43億64百万円増加145億7百万円前年同期比43.0%増)となりました。

販売費及び一般管理費では、取引先遊技機メーカーの民事再生手続きによる債権に対する貸倒損失及び子会社の未回収債権に対する貸倒引当金を計上したことや、販売促進費及び業務委託費の増加により、前連結会計年度に比べ15億35百万円増加104億87百万円同17.2%増)となりました。

以上の結果、当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度に比べ28億28百万円増加し、40億19百万円同237.4%増)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

営業外収益は、受取利息の減少はありましたが、雇用調整助成金が63百万円増加したことにより、前連結会計年度に比べ65百万円増加3億円前年同期比27.6%増)となりました。この結果、当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度に比べ28億92百万円増加し、42億60百万円前年同期比211.5%増)となりました。

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ16億98百万円増加し、29億27百万円同138.2%増)となりました。

 

(情報システム事業)

当事業におきましては、新店や大規模改装工事が減少する厳しい状況が続くなか、『サービス』売上につきましては、前連結会計年度に比べ76百万円増加の64億74百万円(前年同期比1.2%増)となりました。「サービス」の中でも、パチンコホールの運営支援や分析支援により経営のサポートを行う「MIRAIGATEサービス」は継続的に収益が得られるストック型収益モデルであり、商圏分析サービス「Market-SIS」やクラウドチェーン店管理システム「ClarisLink(クラリスリンク)」等のサービスを次々に市場投入し、成長させ続けることが重要と認識しております。AIホールコンピュータ「X(カイ)」の普及促進と活用提案の強化を継続し、パチンコホール経営企業の業績向上につながる経営支援サービスの価値向上を目指してまいります。

 

(制御システム事業)

当事業におきましては、1機種当たりの販売台数減少など事業環境の厳しさが増すなか、開発管理の一層の強化と業務効率向上によるコスト低減をはかるとともに、事業部の主軸を「パチンコ機」から「スマートパチスロ」に移行し、事業領域の拡大を推進してまいります。パチンコ機向け事業におきましては、企遊技機メーカーのニーズにこたえた有力コンテンツ(IP)の提供を行うことで、ハード・ソフト案件の獲得につなげてまいります。

 

(c) 経営成績に重要な影響を与える要因について

[第2 事業の状況 3 事業等のリスク]に記載されておりますように、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」や一般財団法人保安通信協会による遊技機の型式試験の改正や許認可方針の変更等が行われた場合に、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(d) 経営戦略の現状と見通し

パチンコ業界を支援する情報システム企業として、どこよりも優れた情報インフラを提供していくことが当社の使命と考え、全国のパチンコホールに対しては、「DK-SIS」による遊技機の有効活用や、煩雑な機種入替時の作業が短時間で完了し業務効率化に貢献する「楽らく入替運用オプション」の提案、周辺エリアの集客状況を提供する商圏分析サービス「Market-SIS」の普及など、MIRAIGATEサービスの拡充を推進し、堅調に推移しております。

遊技機メーカーに対しては、市場環境の変化に対応した迅速な戦略の立案により、魅力のあるユニット及び遊技機の新たな企画提案に取り組み、徐々に実績を上げております。

また、ファンに対しては、スマートフォン向けのパチンコ情報アプリ「パチロボ」で大当り回数、各ランキング、動画、収支帳をはじめ、自分が打った台のその後がわかる便利な機能等を提供しており、今後もファンが楽しめる機能強化に取り組んでまいります。

 

(e) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、独自の発想と技術力で市場創造型の製品を提案し、経営の効率化と高付加価値化を推し進め、収益力を高めることが、競争力を維持強化し、企業価値の増大に繋がるものと考え、「売上高営業利益率」を重要な経営指標としております。当連結会計年度の「売上高営業利益率」は、前連結会計年度に比べ7.7ポイント増加の12.6%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(a) キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、3億41百万円増加169億22百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

営業活動により得られた資金は29億83百万円となり、前連結会計年度と比べ2億36百万円の減少となりました。主な要因は棚卸資産の増減であります。翌連結会計年度のスマートパチンコ導入による設備投資需要に応えるため製品在庫が増加したことなどにより、38億65百万円減少いたしました。売上債権の増減におきましては、当連結会計年度は下期において好調であったことにより、受取手形及び電子記録債権が増加したことなどにより、10億86百万円減少いたしました。仕入債務の増減におきましては、スマートパチンコ対応製品の在庫確保を先行して行ったことから残高が前連結会計年度よりも増加したことにより、18億22百万円増加いたしました。

 

投資活動により使用した資金は19億76百万円となり、前連結会計年度に比べ14億11百万円増加いたしました。主な要因は、グローバルワイズ社の株式取得によります。また、投資有価証券が前連結会計年度に償還されたことも要因の一つとなっております。

財務活動により使用した資金は6億66百万円となり、前連結会計年度に比べ11億47百万円減少いたしました。主な要因は、短期借入金10億円を前連結会計年度に返済したことによります。また、一株当たりの配当金が前連結会計年度に比べ10円減少したことも要因の一つとなっております。

 

(b) 財政政策

当社グループは運転資金及び設備資金において、営業収益による内部資金及び金融機関からの調達を基本方針としております。子会社の資金需要は当社において調達をいたします。当社は、取引先金融機関と当座借越の枠を設けていただいており、使用用途及び金利情勢等を鑑みて短期借入金及び長期借入金を決定いたします。

中期的な方向性としましては、当社グループは営業活動による収益力の向上により営業キャッシュ・フローを増加させ、健全な財政状態を維持した上で、適宜適切な設備投資を既存事業及び新規事業に積極的に投下することにより、事業の持続的成長に繋がると考えております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

当社グループが連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。