ダイコク電機株式会社

ブランドなど:VEGASIABiGMO PREMIUMClarisLinkMarket-SIS
機械パチンコプライムTOPIX Small 1

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E02073 Japan GAAP

売上高

538.6億 円

前期

318.2億 円

前期比

169.2%

時価総額

573.6億 円

株価

3,880 (07/12)

発行済株式数

14,783,900

EPS(実績)

572.56 円

PER(実績)

6.78 倍

平均給与

958.8万 円

前期

795.4万 円

前期比

120.5%

平均年齢(勤続年数)

46.4歳(19.3年)

従業員数

393人(連結:644人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社と子会社6社(孫会社1社を含む)で構成されており、パチンコホール向けコンピュータシステムの開発・製造・販売及びパチンコ遊技機の一部ユニットの開発・製造・販売、パチスロ遊技機の企画・開発・製造・販売を主な事業として取り組んでおります。

当社グループの事業における位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。

なお、2023年4月より制御システム事業はアミューズメント事業に名称変更しております。

 

情報システム事業

当部門においては、パチンコホール向けコンピュータシステム、景品顧客管理システム、情報公開システムの開発・製造・販売をしております。

(主な関係会社)

当社、ダイコク産業株式会社及び株式会社グローバルワイズ

 

アミューズメント事業

当部門においては、パチンコ・パチスロ遊技機に関わるソフトウェアの開発及びハードウェアの開発・製造・販売並びに遊技機に使用する部品の販売をしております。

(主な関係会社)

当社、元気株式会社、DAXEL株式会社、ダイコク産業株式会社、アロフト株式会社及び株式会社ライリィ

(注)ダイコク産業株式会社は、2024年4月1日に「ダイコク電機コミュニケーションPLUS株式会社」と商号を変更しております。

 

事業の系統図は、次のとおりであります。

※画像省略しています。
24/06/27

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度(2023年4月1日~2024年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に関する規制が緩和されたことにより、社会経済活動の正常化が進み、景気はゆるやかな回復基調で推移しました。しかしながら、国際情勢に起因するエネルギー価格や原材料価格の高騰による物価上昇の影響により、消費者の節約志向が高まるなど、依然として先行き不透明な状況が続きました。

当社グループが携わるパチンコ業界におきましては、警察庁の集計(2024年4月発表)によると、2023年12月末時点のパチンコホールの営業店舗数は7,083店(前年比92.4%)、遊技機設置台数はパチンコ機・パチスロ機ともに減少し、342万5,246台(前年比96.1%)と厳しい市場環境が続いておりますが、1店舗当たりの設置台数は483.6台と前年比+18.6台と大幅に増加し、パチンコホールの大型化が進んでおります。市場ではスマート遊技機の登場から1年余りが経過しました。当連結会計年度末時点におけるスマート遊技機の導入状況は、パチスロ機全体におけるスマートパチスロ機の設置割合は36.4%(第3四半期末比+5.4ポイント、前年同期比+28.2ポイント)、パチンコ機全体におけるスマートパチンコ機の設置割合は4.7%(第3四半期末比-0.2ポイント、前年同期比+4.7ポイント)となりました(当社「DK-SIS」データ参照)。

次に遊技機の稼動状況ですが、2024年1月~3月の期間平均で前年同期比106.4%、前年度(2022年4月1日~2023年3月31日)比較では105.6%となりました。種別稼動状況につきましては、パチスロ機はファンから高い支持を得たスマートパチスロ機が複数市場投入されたため、前年同期比117.7%、前年度比較では122.1%と好調に推移しました。パチンコ機は前年同期比99.5%、前年度比較では97.1%とやや低迷しましたが、今年3月よりラッキートリガーという新たな遊技性を持った遊技機が複数登場し、ファンから高い支持を得た遊技機があったため、3月単月では前年同期比103.1%と上昇しました(当社「DK-SIS」データ参照)。スマート遊技機は、今後もファンの支持を得ながら順調に設置割合を増やしていくと見込んでおり、スマート遊技機に対応するための設備投資需要は堅調に推移するものと思われます。

このような市場環境のもと、情報システム事業におきましては、2024年2月~3月にかけて全国主要都市で5年ぶりとなるリアル展示会&セミナーを開催し、多くのパチンコホール経営企業に参加していただきました。展示会場では、業界最大かつ最高画質となる13.3インチフルHD液晶、タッチパネルを採用した「情報公開端末「REVOLAⅡ」(レボラツー)」や、業界史上最大のデュアルセグを搭載し、出玉数や盛況感をアピールする「上部設置端末「DUALINA」(デュアリナ)」、業界初となる耳への負担軽減でホールスタッフを騒音環境から守るパチンコホール特化型「ノイズキャンセリングイヤホン「Wellph」(ウェルフ)」の3製品を発表しました。セミナーでは、2023年のパチンコ機・パチスロ機毎の業績を振返り、パチンコホールの業績回復に向けた遊技機管理手法について、受講者参加型のリアルタイムアンケート結果を踏まえながら講演を行いました。また、スマート遊技機による市場変化への対応に関連したMIRAIGATEサービスのさらなる拡大を目指し、煩雑な機種入替時の作業が短時間で完了し業務効率化に貢献する「楽らく入替運用オプション」、クラウドチェーン店管理システム「ClarisLink」(クラリスリンク)、周辺エリアの集客状況を提供する商圏分析サービス「Market-SIS」(マーケット-エスアイエス)の普及を促進しました。

アミューズメント事業におきましては、スマートパチスロ事業への早期参入に向け、アロフト社及び2023年4月より孫会社化したライリィ社との連携による「パチスロ機の企画・ソフト開発」、DAXEL社との連携による「ハード開発及び製造・販売体制の構築」を推進しました。

この結果、当連結会計年度の業績は、売上高538億61百万円前年同期比69.2%増)、営業利益120億1百万円同198.6%増)、経常利益121億2百万円同184.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益84億64百万円同189.1%増)となりました。

 

セグメント業績は次のとおりであります。なお、従来「制御システム事業」としていた報告セグメントの名称を「アミューズメント事業」に変更しております。

 

 

情報システム事業

当連結会計年度におきましては、パチンコホール経営企業において、スマート遊技機導入による活発な設備投資需要が継続しております。このような市場環境のもと、『パチンコホール向け製品等』の売上は、スマート遊技機専用を含む当社カードユニット「VEGASIA」(ベガシア)、情報公開端末「REVOLA」(レボラ)、「BiGMO PREMIUM」(ビグモプレミアム)の販売台数が好調に推移し、また、2024年7月からの新紙幣流通に先駆けてカードユニットの改刷対応需要により、前年同期を大幅に上回りました。『サービス』の売上は、主要なサービスが堅調に推移し、スマート遊技機登場による市場変化への対応に関連したMIRAIGATEサービスの加盟店舗数が増加したこともあり、前年同期を上回りました。

この結果、当事業の売上高は494億12百万円前年同期比88.5%増)、セグメント利益146億3百万円同166.0%増)となりました。

 

アミューズメント事業

当連結会計年度におきましては、市場全体のパチンコ機販売台数が減少した影響もあり、遊技機向けの表示ユニット及び制御ユニット販売は前年同期を下回りましたが、部品販売は前年同期を上回りました。

この結果、当事業の売上高は44億99百万円前年同期比20.2%減)、セグメント損失3億90百万円前年同期はセグメント利益1億40百万円)となりました。

 

(注) セグメント業績の金額には、セグメント間取引が含まれております。

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

 

① 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2023年4月1日
  至 2024年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

アミューズメント事業

1,676,480

63.8

 

(注) 1 金額は製造原価によっております。

2 情報システム事業において、提出会社は製品の製造はOEM先で行っており、当社内で製造作業は行っておりません。また、提出会社の子会社は金額的重要性がないため記載を省略しております。

 

② 受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2023年4月1日
  至 2024年3月31日)

受注高

受注残高

金額(千円)

前年同期比(%)

金額(千円)

前年同期比(%)

アミューズメント事業

3,783,815

76.6

365,564

35.5

 

(注) 情報システム事業について、提出会社は見込み生産をしており、工事は製品販売に伴う付帯工事のため受注扱いしておりません。また、提出会社の子会社は金額的重要性がないため記載を省略しております。

 

 

③ 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2023年4月1日
  至 2024年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

情報システム事業

49,412,082

188.5

アミューズメント事業

4,449,456

79.2

合計

53,861,539

169.2

 

(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2 総販売実績に対する相手先別の販売実績の割合が10%未満のため、主要な販売先については記載を省略しております。

 

(2) 財政状態

当連結会計年度の総資産は、当第4四半期連結会計期間の業績が好調に推移したことで営業債権が増加しており、営業債権等が決済されたことなどにより現金及び預金が増加しております。また、スマート遊技機導入に伴うパチンコホール経営企業の活発な設備投資需要に対応すべく商品及び製品が増加しており、前連結会計年度末に比べて109億83百万円増加592億81百万円となりました。

当連結会計年度末の負債は、製品仕入及び研究開発費等の増加に伴う営業債務が増加しております。また、業績が好調に推移したことによる所得の増加に伴う未払法人税等が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ36億62百万円増加185億61百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産は、配当の支払などがありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、前連結会計年度末に比べ73億20百万円増加407億20百万円となりました。自己資本比率は68.7%(前連結会計年度末比0.5ポイント下落)となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ35億11百万円増加204億34百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動におけるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は、84億29百万円前年同期は29億83百万円の収入)となりました。その主な要因は、支出として売上債権の増加21億18百万円や、棚卸資産の増加54億33百万円などがありましたが、収入として税金等調整前当期純利益119億21百万円、減価償却費16億47百万円、仕入債務の増加19億19百万円などがあったことによります。

(投資活動におけるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は、17億34百万円前年同期は19億76百万円の支出)となりました。その主な要因は、収入として期日到来による有価証券の償還がありましたが、社内システム構築用備品及び既存製品に関連したバージョンアップ用ソフトウエアなどの固定資産の取得による支出があったことによります。

(財務活動におけるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は、31億83百万円前年同期は6億66百万円の支出)となりました。その主な内訳は、短期借入金の返済と配当金の支払によります。

 

(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(a) 財政状態の分析

当連結会計年度末の流動資産につきましては、「現金及び預金」は、前連結会計年度に比べて大きく増加いたしました。また、スマート遊技機に対応するための設備投資需要が高まったことにより「電子記録債権」などの営業債権が大幅に増加いたしました。たな卸資産につきましても、スマート遊技機導入に伴うパチンコホール経営企業の活発な設備当時需要に対応すべく「製品」は大幅に増加いたしました。また、保有している無担保普通社債が満期日を迎えたことにより「有価証券」が減少いたしました。この結果、流動資産は前連結会計年度末に比べ103億29百万円増加439億55百万円となりました。

固定資産につきましては、社内システム構築用備品及び既存製品に関連したバージョンアップ用ソフトウエアの取得、ライリィ社の株式取得による子会社化によるのれんの計上を行いました。これらにより、固定資産は前連結会計年度末に比べ6億54百万円増加153億26百万円となりました。

これらの結果により、当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ109億83百万円増加592億81百万円となりました。

流動負債につきましては、前述したとおりスマート遊技機導入による設備投資需要に応えたこと、また、翌連結会計年度からの新紙幣流通に伴うカードユニットの改刷対応のための在庫確保を先行して行ったことにより「電子記録債務」が大幅に増加いたしました。また、「短期借入金」の返済を行いましたが、業績が好調に推移したことによる所得の増加に伴う「未払法人税等」が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ37億2百万円増加176億68百万円となりました。

固定負債につきましては、前連結会計年度末に比べ39百万円減少8億93百万円となりました。

これらの結果、当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ36億62百万円増加185億61百万円となりました。

純資産につきましては、配当金の支払いがありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、前連結会計年度末に比べ73億20百万円増加407億20百万円となりました。以上により自己資本比率は68.7%(前連結会計年度末比0.5ポイント下落)となりました。

 

(b) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

パチンコホール経営企業におきましては、パチンコホール営業店舗数が年々減少する厳しい市場環境にありますが、導入から1年余りが経過したスマート遊技機につきましては、ファンからの支持を得ながら順調に設置数を伸ばしており、スマート遊技機の普及とともにパチンコホール経営企業の設備投資は、大手企業を中心に堅調に推移しております。

このような市場環境のもと、中期経営計画の2年目におきましては、将来の市場環境の変化に対応するため、事業領域の再設定を重点施策として、事業部毎に以下の取り組みを行いました。

(1) 情報システム事業

AIやビッグデータ等の最新技術を活用したサービスをスピーディに提供するためのプラットフォームの構築に向けて、グループ会社と連携し、既存サービスのクラウド化を推進しました。

(2) アミューズメント事業

スマートパチスロ事業への早期参入に向け、グループ会社の連携による「パチスロ機の企画・ソフト開発」、「ハード開発及び製造・販売体制の構築を推進しました。

 

サステナビリティへの取り組みにおきましては、地球環境への貢献について、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に対応するため、スコープ1,2,3について算定しました。また、環境関連の戦略や取り組みなどを評価・認定する国際的な非営利団体CDPから、気候変動対応への取り組みについて、マネジメントレベル「B」スコアを獲得し、前年度の「B-」スコアから評価を伸ばしました。イノベーションによるソリューション提供については、業界初となる耳への負担軽減でホールスタッフを騒音環境から守るパチンコホール特化型ノイズキャンセリングイヤホン「Wellph」を開発、販売しました。

当社グループが携わるパチンコ業界は、業界固有の法規制等が業績動向や経営戦略に影響を及ぼす可能性があります。2018年2月1日に施行された新規則により、2022年1月末に旧規則機の撤去は完了し、パチンコ・パチスロ機は共に新規則機に置き換わりました。動向が注目されていたスマート遊技機ですが、「スマートパチスロ」は2022年11月、「スマートパチンコ」は2023年4月より市場導入が始まりました。今後もスマート遊技機の導入は順調に進み、これに対応するための設備投資は引き続き堅調に進むものと思われます。

 

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ、220億37百万円増加538億61百万円前年同期比69.2%増)となりました。

情報システム事業におきましては、スマート遊技機導入による活発な設備投資需要が継続しており、スマート遊技機専用を含むカードユニット及び情報公開端末の販売台数は好調に推移しました。また、2024年1月より市場に設置されている当社製カードユニットへの改刷対応(有償)が始まったことにより『パチンコホール向け製品等』の売上は前年同期を大幅に上回りました。『サービス』の売上は、主要なサービスが堅調に推移したほか、クラウドチェーン店管理システム「ClarisLink」、周辺エリアの集客状況を提供する商圏分析サービス「Market-SIS」、スマート遊技機登場による市場変化へ対応するため、MIRAIGATEサービス加盟店舗数が増加したこともあり、前年同期を上回りました。

アミューズメント事業におきましては、市場全体のパチンコ機販売台数が減少した影響もあり、『表示・制御ユニット等』の売上は前年同期を下回りました。『部品・その他』の売上では、部品販売は前年同期を上回りましたが、その他の売上は減少したため、こちらも前年同期を下回りました。

 

(営業利益)

売上総利益は、売上高の増加により前連結会計年度に比べ104億74百万円増加249億81百万円前年同期比72.2%増)となりました。

販売費及び一般管理費では、主に人件費や研究開発費、販売促進費の増加により、前連結会計年度に比べ24億92百万円増加129億80百万円同23.8%増)となりました。

以上の結果、当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度に比べ79億81百万円増加し、120億1百万円同198.6%増)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

営業外収益は、雇用調整助成金が無くなったことにより、前連結会計年度に比べ1億34百万円減少1億66百万円前年同期比44.7%減)となりました。この結果、当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度に比べ78億41百万円増加し、121億2百万円前年同期比184.1%増)となりました。

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ55億36百万円増加し、84億64百万円同189.1%増)となりました。

 

(情報システム事業)

当事業におきましては、新店や大規模改装工事が減少する厳しい状況が続くなか、『サービス』売上につきましては、前連結会計年度に比べ1億58百万円増加の66億32百万円(前年同期比2.4%増)となりました。「サービス」の中でも、パチンコホールの運営支援や分析支援により経営のサポートを行う「MIRAIGATEサービス」は継続的に収益が得られるストック型収益モデルであり、商圏分析サービス「Market-SIS」やクラウドチェーン店管理システム「ClarisLink」等のサービスを次々に市場投入し、成長させ続けることが重要と認識しております。AIホールコンピュータ「X」(カイ)の普及促進と活用提案の強化を継続し、パチンコホール経営企業の業績向上につながる経営支援サービスの価値向上を目指してまいります。

 

(アミューズメント事業)

当事業におきましては、1機種当たりの販売台数減少など事業環境の厳しさが増すなか、開発管理の一層の強化と業務効率向上によるコスト低減をはかるとともに、事業部の主軸を「パチンコ機」から「スマートパチスロ」に移行し、事業領域の拡大を推進してまいります。パチンコ機向け事業におきましては、遊技機メーカーのニーズにこたえた有力コンテンツ(IP)の提供を行うことで、ハード・ソフト案件の獲得につなげてまいります。

 

(c) 経営成績に重要な影響を与える要因について

[第2 事業の状況 3 事業等のリスク]に記載されておりますように、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」や一般財団法人保安通信協会による遊技機の型式試験の改正や許認可方針の変更等が行われた場合に、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(d) 経営戦略の現状と見通し

パチンコ業界を支援する情報システム企業として、どこよりも優れた情報インフラを提供していくことが当社の使命と考え、全国のパチンコホールに対しては、「DK-SIS」による遊技機の有効活用や、煩雑な機種入替時の作業が短時間で完了し業務効率化に貢献する「楽らく入替運用オプション」の提案、周辺エリアの集客状況を提供する商圏分析サービス「Market-SIS」の普及など、MIRAIGATEサービスの拡充を推進し、堅調に推移しております。

遊技機メーカーに対しては、市場環境の変化に対応した迅速な戦略の立案により、魅力のあるユニット及び遊技機の新たな企画提案に取り組み、徐々に実績を上げております。

また、ファンに対しては、スマートフォン向けのパチンコ情報アプリ「パチロボ」で大当たり回数、各ランキング、動画、収支帳をはじめ、自分が打った台のその後がわかる便利な機能等を提供しており、今後もファンが楽しめる機能強化に取り組んでまいります。

 

(e) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、独自の発想と技術力で市場創造型の製品を提案し、経営の効率化と高付加価値化を推し進め、収益力を高めることが、競争力を維持強化し、企業価値の増大に繋がるものと考え、「売上高営業利益率」を重要な経営指標としております。当連結会計年度の「売上高営業利益率」は、前連結会計年度に比べ9.7ポイント増加の22.3%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(a) キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、35億11百万円増加204億34百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

営業活動により得られた資金は84億29百万円となり、前連結会計年度と比べ54億45百万円の増加となりました。主な増加要因は、業績が好調に推移したことにより税金等調整前当期純利益が77億84百万円増加したことによります。主な減少要因は、棚卸資産の増減であります。スマート遊技機用カードユニット、翌会計年度から販売予定の情報公開端末、新紙幣流通に伴うカードユニットの改刷対応のための在庫確保による製品在庫が増加したことにより13億39百万円減少いたしました。

投資活動により使用した資金は17億34百万円となり、前連結会計年度に比べ2億41百万円いたしました。主な要因は、投資有価証券が当連結会計年度で償還されたことによります。

財務活動により使用した資金は31億83百万円となり、前連結会計年度に比べ25億17百万円増加いたしました。主な要因は、短期借入金20億円を返済したことによります。また、一株当たりの配当金が前連結会計年度に比べ35円増加したことも要因の一つとなっております。

 

(b) 財政政策

当社グループは運転資金及び設備資金において、営業収益による内部資金及び金融機関からの調達を基本方針としております。子会社の資金需要は当社において調達をいたします。当社は、取引先金融機関と当座借越の枠を設けていただいており、使用用途及び金利情勢等を鑑みて短期借入金及び長期借入金を決定いたします。

中期的な方向性としましては、当社グループは営業活動による収益力の向上により営業キャッシュ・フローを増加させ、健全な財政状態を維持した上で、適時適切な設備投資を既存事業及び新規事業に積極的に投下することにより、事業の持続的成長に繋がると考えております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

当社グループが連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。