E01727 Japan GAAP
前期
27.4億 円
前期比
88.0%
株価
253 (04/19)
発行済株式数
6,316,700
EPS(実績)
-0.39 円
PER(実績)
--- 倍
前期
490.4万 円
前期比
98.9%
平均年齢(勤続年数)
42.7歳(12.2年)
従業員数
89人(連結:95人)
当社グループは、当社及び連結子会社1社(赫菲(上海)軸承商貿有限公司)で構成されております。精密機器製造事業の単一セグメントでありますが、事業の傾向を示す品目別の事業内容は、以下のとおりであります。
当社は創業以来、一貫して直動機器及び精密部品の製造販売を行い、後にそれらの技術を応用してユニット製品の製造販売も開始しました。
直動機器のリニアボールブッシュ(注1)においては、独創的な設計思想によりミニチュア化に成功し、以来長年に亘って工作機械や精密機械等、あらゆる分野に高品質な製品として供給を行っております。更に、省エネニーズに向けた軽量タイプや、装置等の省スペースニーズに向けたスリムタイプ等、これまで蓄積してきた技術を応用して新製品開発・製品の改良にも力を入れております。
精密部品加工においては、レース用部品及び試作部品の製造を受託しており、精密な加工技術の要求にスピード感をもって対応しております。
ユニット製品においては、直動機器及び精密部品加工で培った精密加工技術を発展させ開発したものであり、スマートフォン等の液晶画面製造の位置決め装置をはじめ、国内・海外のあらゆる産業装置メーカー向けに供給しております。
主力製品リニアボールブッシュは、機械装置の可動部に用いられる部品であります。一般的に機械装置の可動部は、金属と金属が接触しお互いに擦り合いながら可動いたします。金属同士が擦れると、そこには摩擦が生じ、金属の焼きつき、摩耗、破損などの現象が生じます。リニアボールブッシュは、接触面を鋼球が転がりながら移動することで、摩擦による影響を低減し、機械装置の寿命を延ばす役割を担っております。
リニアボールブッシュは機械装置に欠かせない要素部材であり、その種類は多岐にわたりますが、当社グループでは直線運動を実現するリニアボールブッシュ、UTB(注2)、JFK(注3)の製造販売、球面軸受(注4)、ボールスプライン(注5)等の製造販売を行っております。また、直動機構を応用し、ルアー用途としてLBO(注6)をメガバス株式会社と共同開発しました。
精密部品加工は、主にレース用部品及び試作部品の受託加工を行っております。レース用部品はより精緻な加工技術が要求されており、機動力で対応するなど利便性にも強みを持っておりました。また、次世代製品(環境・エネルギー・ロボット等)の機能部品加工を行っており、当社のコア技術である球面加工技術や鏡面加工技術を駆使し、特殊材料・難切削材等の超精密部品の受託加工を行っております。
一般的な多軸ステージ(注7)は、軸を積み重ねることで複数軸を構成しますが、当社ではパラレル機構(注8)を用いております。同一平面上に複数のアクチュエータ(注9)を配置した薄型シンプル構造を実現し、装置の小型・省電力化に貢献しております。
(注1) リニアボールブッシュ = Linear Ball Bush
ボールベアリング用鋼球を利用した、直動的に移動する軸受
(注2) UTB = Utility Track Ball
民生分野向けリニアボールブッシュ
(注3) JFK = Hybrid Flange Linear Ball Bush
高強度樹脂フランジ一体型リニアボールブッシュ
(注4) 球面軸受 = Spherical Rolling Joint
筐体と可動部材との間にボールを配置した構造の転がり運動をする球面軸受
(注5) ボールスプライン = Ball Splines
リニアボールブッシュのシャフト及び外筒の内径を溝付けし、ローリング方向に保持力を持たせた軸受
(注6) LBO = Linear Bearing Oscillator
リニアボールブッシュの機構に重りを付けてルアーに内蔵し、慣性により飛距離を伸ばせる構造
(注7) ステージ = Stage
単軸又は多軸の位置決め機構
(注8) パラレル機構 = Parallel Mechanism
並列機構、並列に配置された複数のアクチュエータ(注9)を協調して動くように制御して、テーブルを目的の位置に移動させる機構
(注9) アクチュエータ = Actuator
駆動部と直線運動及び回転運動を行う被駆動部で構成された駆動機構
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和され、経済活動の正常化に向け景気の持ち直し動きがみられるものの、ウクライナ情勢の長期化による原材料価格及び光熱費・物流費の高騰、加えて円安基調の為替動向による物価上昇傾向など、引き続き不安定な状況が続いております。
このような状況のもと、当社グループは「不易流行」を経営方針に掲げ、経営理念等のいつまでも変化しない本質的な「不易」に、時代や環境に合わせて変えるべき「流行」を取り入れ、継続的に現場改善等に取り組んで参りました。
a.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高は2,414,060千円(前年同期比12.0%減)となりました。
利益面につきましては、生産設備投資・効率的な生産でスマート生産体制を進めて参りましたが、売上高の減少、原材料価格・物流費等の上昇及び特に光熱費の高騰による製造原価が増加したことにより、営業損失5,613千円(前年同期は、営業利益228,832千円)、経常利益3,658千円(前年同期比98.6%減)、親会社株主に帰属する当期純損失2,482千円(前年同期は、親会社株主に帰属する当期純利益217,712千円)となりました。
品目別の経営成績は、次のとおりとなります。
(a)直動機器
主力製品であります直動機器につきましては、産業用機械業界全体及び中国市場の受注減少の影響により、当連結会計年度の売上高は1,525,979千円と前年同期と比べ218,155千円の減少(前年同期比12.5%減)となりました。しかしながら、将来的には直動機器の需要が伸長することが予想されることに伴い、これに対応した直動機器の生産増強のために埼玉工場内に新工場棟の建設等、生産設備投資を継続しております。
(b)精密部品加工
精密部品加工につきましては、レース用部品の売上は予定より増加したものの、前期より減少しており、売上高は674,107千円と前年同期と比べ114,224千円の減少(前年同期比14.5%減)となりました。
(c)ユニット製品
ユニット製品につきましては、前期の受注残高が多かったことに加え、半導体、自動車業界をはじめとする各生産設備向けのリピート需要が増加したことにより、売上高は213,974千円と前年同期と比べ4,167千円の増加(前年同期比2.0%増)となりました。
b.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べ249,619千円増加し、5,146,601千円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比べ258,121千円増加し、1,916,689千円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比べ8,501千円減少し、3,229,912千円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、864,462千円となり、前連結会計年度末と比べ108,992千円の減少となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、主に減価償却費199,124千円及び売上債権の減少額147,544千円による資金の増加に対し、棚卸資産の増加額151,502千円及び仕入債務の減少額103,201千円に加え法人税等の支払額99,459千円による資金の減少により、使用した資金は39,996千円(前連結会計年度は417,356千円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産の取得による支出411,279千円により、使用した資金は430,903千円(前連結会計年度は207,558千円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、主に借入金による収入540,000千円による資金の増加に対し、借入金の返済による支出117,298千円により、得られた資金は354,686千円(前連結会計年度は203,101千円の支出)となりました。
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によっております。
当連結会計年度における受注実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度における販売実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は2,414,060千円(前年同期比12.0%減)となり、前年同期と比べて328,212千円減少いたしました。
品目別の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
(a)直動機器
当連結会計年度の売上高は1,525,979千円と前年同期と比べ218,155千円の減少(前年同期比12.5%減)となりました。中国ロックダウンによる中国市場の受注の減少や国内での原材料の調達遅延による生産高の減少により、当連結会計年度前半は売上高が減少しましたが、当連結会計年度後半になり、中国市場の新型コロナウイルス感染症による影響に改善が見られたことや、半導体業界を中心に市場からの引き合いが強まり、自動化、省人化の流れがコロナ禍で更に加速したことにより売上高が回復基調に転じました。直動機器のスマート生産体制を確立させ、生産設備投資を継続し生産増強を図り効率的な生産を行い原価低減を推し進め、利益確保に努める所存であります。
(b)精密部品加工
当連結会計年度の売上高は674,107千円と前年同期と比べ114,224千円の減少(前年同期比14.5%減)となりました。レース用部品を中心に、一時的な減少が見込まれますが、最終的には需要の回復が見込まれるため、顧客の要望に真摯に応え、品数が増加しても精密加工を短納期で対応し、顧客と連携して自動車レースでも成果に貢献し、新たな製品への対応にも努めて参ります。
(c)ユニット製品
当連結会計年度の売上高は213,974千円と前年同期と比べ4,167千円の増加(前年同期比2.0%増)となりました。精密位置決め製品では、日本・中国でシェアを伸ばしてきており、国内市場での検査・測定器向けのリピート需要がありました。中国市場では、液晶貼合わせ・検査・測定器向け設備投資の需要に対応してきました。顧客ニーズに合わせた製品対応を継続し、様々な用途へ対応して参ります。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は477,903千円(前年同期比32.2%減)となり、前連結会計年度と比べて227,157千円減少いたしました。売上総利益率は前連結会計年度比5.9ポイント減少し、19.8%となりました。これは主に生産高の減少に加え、原材料価格の上昇と光熱費の高騰による製造原価の増加によりますが、設備投資による内製化を進めるとともに、安定生産することにより固定費率の低減を図ることで粗利率の向上を図って参ります。
(営業損失)
当連結会計年度における営業損失は5,613千円(前連結会計年度は228,832千円の利益)となりました。営業利益率は前連結会計年度比8.5%減少し、マイナス0.2%となりました。これは主に売上総利益の減少に加え、物流費等の上昇によるものです。
b.財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は、5,146,601千円となり、前連結会計年度末と比べて249,619千円の増加となりました。主な要因は、現金及び預金108,992千円の減少に対して、棚卸資産153,801千円及び、機械装置及び運搬具198,457千円の増加によるものであります。
負債は、1,916,689千円となり、前連結会計年度末と比べて258,121千円の増加となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金61,214千円及び未払法人税等74,951千円の減少に対して、借入金422,702千円及び営業外電子記録債務51,799千円の増加によるものであります。
純資産は、3,229,912千円となり、前連結会計年度末と比べて8,501千円の減少となりました。主な要因は、利益剰余金27,533千円の減少によるものであります。その結果、当連結会計年度末における自己資本比率は62.8%となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、864,462千円となり、前連結会計年度末と比べ108,992千円の減少となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、主に減価償却費199,124千円及び売上債権の減少額147,544千円による資金の増加に対し、棚卸資産の増加額151,502千円及び仕入債務の減少額103,201千円に加え法人税等の支払額99,459千円による資金の減少により、使用した資金は39,996千円(前連結会計年度は417,356千円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産の取得による支出411,279千円により、使用した資金は430,903千円(前連結会計年度は207,558千円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、主に借入金による収入540,000千円による資金の増加に対し、借入金の返済による支出117,298千円により、得られた資金は354,686千円(前連結会計年度は203,101千円の支出)となりました。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しておりますが、特に以下の会計上の見積りが重要な影響を及ぼすものと考えております。
a.固定資産
当社グループは、拠点別品目別に独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位として固定資産のグルーピングを行っております。固定資産に減損の兆候がある資産グループが識別された場合には、資産グループごとの中期経営計画に基づき将来キャッシュ・フローを見積り、割引前将来キャッシュ・フローの総額が資産グループごとの固定資産の帳簿価額を下回る場合には、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。また、回収可能価額は正味売却価額又は使用価値のいずれか高い価額によっております。
割引前将来キャッシュ・フローの見積りの基礎となる中期経営計画の策定においては、市場の動向や主要販売先からの情報を踏まえて受注計画を立案し、売上高成長率、将来の原価低減効果を踏まえた原価率等を考慮しております。
固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更が生じた場合、固定資産の減損損失が計上され、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
当連結会計年度においては、埼玉工場の直動機器及びユニット製品において減損の兆候があることから、これらの資産グループごとに固定資産の減損の要否を検討しております。現時点で入手可能な情報に基づき策定した中期経営計画等を基礎として見積った割引前将来キャッシュ・フローの総額と固定資産の帳簿価額を比較した結果、割引前将来キャッシュ・フローの総額が固定資産の帳簿価額を上回っていることから、減損損失の認識は不要と判断しております。
b.繰延税金資産
繰延税金資産は、一時差異が解消するときに課税所得を減額する効果を有するものについて認識しております。繰延税金資産の回収可能性の判断においては、取締役会決議の承認を得た中期事業計画に基づいて、将来獲得し得る課税所得の時期及び金額を合理的に見積っております。中期事業計画の策定に際しては、市場の動向や主要販売先からの情報を踏まえて受注計画を立て、売上高成長率、将来の原価低減を踏まえた原価率及び売上高総利益率を考慮しております。そのため、見積りの仮定又は予測に変化が生じ、将来の課税所得の時期及び金額が当連結会計年度の見積りと異なった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。