売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E01595 Japan GAAP

売上高

385.7億 円

前期

429.2億 円

前期比

89.9%

時価総額

124.7億 円

株価

639 (04/19)

発行済株式数

19,521,444

EPS(実績)

-20.13 円

PER(実績)

--- 倍

平均給与

627.6万 円

前期

626.2万 円

前期比

100.2%

平均年齢(勤続年数)

43.8歳(14.3年)

従業員数

549人(連結:2,522人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当社及び子会社の営む主な事業は、「家庭用機器事業」を中心に「産業機器事業」、「IT関連事業」及び「その他事業」であります。

以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。

なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。

 

家庭用機器事業

家庭用ミシンを中心に、刺しゅう機ならびに関連ソフトを当社及びジャノメ台湾(株)、ジャノメタイランド(株)が開発・製造し、当社及びジャノメアメリカ(株)、ジャノメUK(株)、ジャノメオーストラリア(株)他子会社が販売を行っております。

 

産業機器事業

当社が「エレクトロプレス(サーボプレス)」、「卓上ロボット」などの産業機器を開発・製造し、当社及び一部海外子会社が販売を行っております。また、ジャノメダイカスト(株)及びジャノメダイカストタイランド(株)がダイカスト鋳造品等の製造・販売を行っております。

 

IT関連事業

(株)ジャノメクレディアがITソフトウェア・情報処理サービスを行っております。

 

その他事業

当社が不動産賃貸を行っております。

 

 

 〔事業系統図〕

※画像省略しています。
23/06/26

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 経営成績の状況

(百万円)

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

率(%)

売上高

42,916

38,571

△4,344

△10.1

営業利益

3,659

2,120

△1,539

△42.1

経常利益

3,824

2,400

△1,424

△37.2

親会社株主に帰属する当期純利益

2,549

△393

△2,942

為替レート(対USD)

112.37円

135.47円

23.10円

 

 

 

当期におきましては、コロナ禍からの日常生活を取り戻す動きが各国で進み経済活動の再開が本格化しました。しかしながら、世界的な物価高と金融引き締め政策や、長期化するウクライナ情勢、そのほか地政学リスクによる不安定な国際情勢が影響し、景気回復のペースが鈍化しました。国内においてはウィズコロナの下で個人消費は緩やかに持ち直しも見せましたが、物価高は家計に大きなダメージを与える結果となりました。

このような環境下、当社グループは、中期経営計画(Reborn 2024)の初年度として「持続可能な成長に向けてサステナブル経営を推進する」という基本方針に沿って事業運営に取り組んでまいりました。新製品の投入や成長市場へのアプローチに取り組みましたが、その一方で半導体など部品調達の長納期化や部品価格の高騰などがマイナス要因となり、依然として厳しい状況が続きました。

また、国内ミシン市場での訪問販売事業撤退に伴い、特別損失を計上いたしました。

この結果、当社グループの当期の売上高は38,571百万円(前期比4,344百万円減)、営業利益は2,120百万円(前期比1,539百万円減)、経常利益は2,400百万円(前期比1,424百万円減)、親会社株主に帰属する当期純損失は393百万円(前期は、2,549百万円の利益)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

なお、セグメント情報に記載の通り、報告セグメントを変更しており、当期の比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。

 

・家庭用機器事業

(万台、百万円)

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

販売台数

北米、欧州、大洋州

98

51

△47

中南米、中東、アジア

43

29

△14

日本

18

13

△6

160

93

△67

売上高

34,684

29,765

△4,918

営業利益

3,434

1,895

△1,539

 

 

家庭用機器事業におきましては、海外向けフラッグシップモデル「Continental M17」が北米・大洋州などの市場を中心として高評価を受け、同モデルを含めた高付加価値製品を中心に販売を伸ばし、利益に寄与いたしました。アジアにおいてもミシン販売は堅調に推移いたしました。しかしながら、収束の見通しが立たないウクライナ情勢により、重点市場のひとつであるロシア向けの出荷停止の継続は生産・販売数に影響を及ぼしました。また、各国の金融引き締め政策等を背景とした世界経済の減速傾向は、欧州やその他の新興国を含む幅広い地域に深刻な影響を与え、これにより低・中価格帯機種の販売は停滞いたしました。

国内ミシン市場においても、各種展示会への出展・協賛や、SNSでの継続した情報発信、さらにはミシンの価値発展を伝えるパイロットショップ「Bobinage(ボビナージュ)」の多店舗化展開など、積極的な需要喚起を行ってまいりましたが、巣ごもり需要の反動減から販売は総じて苦戦が続きました。

この結果、海外・国内ミシンの販売台数は93万台(前期比67万台減)、家庭用機器事業全体の売上高は29,765百万円(前期比4,918百万円減)、営業利益は1,895百万円(前期比1,539百万円減)となりました。

 

・産業機器事業

(台、百万円)

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

販売台数

ロボット

2,111

1,964

△147

サーボプレス

1,017

1,070

53

ロボット

サーボプレス

売上高

2,874

3,146

271

営業利益

△313

△179

134

ダイカスト

売上高

2,886

3,131

244

営業利益

194

76

△117

売上高

5,761

6,277

516

営業利益

△119

△102

16

 

 

産業機器事業におきましては、製造業を中心とした企業の設備投資が推し進められ、特にEV関連を中心としたエレクトロプレス(サーボプレス)への引き合いが堅調に伸び、前期に比べ53台増加し、1,070台となりました。卓上ロボットの引き合いも好調でしたが、部品不足等による生産体制の影響から、前期に比べ147台減少の1,964台の販売台数となりました。これは、早期の部品調達に注力したものの、半導体を含めた電子部品の品不足による長納期化や原材料の高騰による製造コストの上昇など、予定通りの出荷ができず、生産体制への影響が現れた結果となりました。

また、ダイカスト鋳造関連事業におきましては、家庭用機器事業向けの売上は減少したものの、生産現場におけるロボット設備の導入促進傾向により外部顧客からの受注が継続し、好調に推移いたしました。エネルギー価格高騰の影響はありましたが、生産性の向上や業務効率化に努めました。

この結果、産業機器事業全体の売上高は6,277百万円(前期比516百万円増)、営業損失は102百万円(前期は119百万円の営業損失)となりました。

 

・IT関連事業

(百万円)

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

売上高

2,252

2,320

68

営業利益

331

338

7

 

 

ITソフトウェア開発や情報処理サービス、システム運用管理の受託等を行うIT関連事業では、デジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む企業が増加する中、主力のソフト開発事業において、リモート環境下での業務の効率化や品質管理の徹底による生産性の維持向上を図り、顧客に満足いただけるサービス提供に努めました。

この結果、IT関連事業の売上高は2,320百万円(前期比68百万円増)、営業利益は338百万円(前期比7百万円増)となりました。

 

② 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、2023年3月期から2025年3月期を対象とした中期経営計画「Reborn 2024」において、「持続可能な成長に向けてサステナブル経営を推進する」を経営方針に沿って、営業利益率10.4%、自己資本純利益率(ROE)10.0%以上を目標(KPI)としております。

中期経営計画の初年度である2023年3月期は、家庭用機器事業において、北米や大洋州などの市場を中心としてフラッグシップモデル「Continental M17」を含めた高付加価値製品に主軸を置いた販売活動に一定の成果が出たものの、世界的な物価高と金融引き締め政策の影響を受けて、欧州地域や、その他新興国を含んだ地域では苦戦を強いられました。国内においては、コロナ禍での巣ごもり需要の反動を受け、販売は停滞いたしました。産業機器事業においては、製造業を中心とした企業の設備投資により、卓上ロボットやエレクトロプレス(サーボプレス)への引き合いが堅調に伸びた半面、電子部品の長納期化や原材料の高騰による製造コストの上昇など、生産への大きな影響により予定通りの出荷ができなかったこともあり、営業損失を計上する結果となりました。

この結果、2023年3月期の実績は営業利益率5.5%、自己資本純利益率(ROE)△1.2%となり、目標値から大きく乖離いたしました。当社グループといたしましては、今後も中期経営計画の達成に向けて積極的に取り組んでまいりますが、世界経済と情勢不安から起こる地政学リスクや同計画を策定した際には予見できなかった新たな事象も発生しており、これらを踏まえ目標数値などの見直しを行うことも必要であると考えております。

 

③ 財政状態

当社グループにおける財政状態の概況は次の通りであります。

当社グループの当連結会計年度末の総資産は、51,118百万円(前期比3,453百万円減)となりました。

資産の部では、流動資産が売掛金の減少、商品及び製品の減少等により、25,710百万円(前期比2,060百万円減)となりました。固定資産は土地の減少、有形及び無形固定資産の減価償却等により25,407百万円(前期比1,392百万円減)となりました。

負債の部では、短期借入金の減少、未払法人税等の減少等により、17,754百万円(前期比3,390百万円減)となりました。

純資産の部(非支配株主持分を含む)は、利益剰余金の減少、為替換算調整勘定の増加等により、33,364百万円(前期比63百万円減)となりました。

 

④ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末から227百万円増加し、7,265百万円となりました。

 

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益377百万円、減価償却費1,133百万円、事業再編損1,816百万円、棚卸資産の減少1,479百万円、法人税等の支払額2,006百万円等により3,361百万円の資金の増加となりました。(前期は219百万円の資金の増加)

 

投資活動によるキャッシュ・フローは、製造子会社の機械設備や新機種に係る金型等の有形固定資産取得による支出574百万円等により、523百万円の資金の減少となりました。(前期は150百万円の資金の増加)

 

財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増減額の減少1,728百万円、配当金の支払額483百万円等により2,464百万円の資金の減少となりました。(前期は3,368百万円の資金の減少)

 

 

⑤ 生産、受注及び販売の実績

a 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前期比(%)

家庭用機器事業(百万円)

10,424

△33.2

産業機器事業(百万円)

5,026

4.9

合計(百万円)

15,451

△24.2

 

(注) 金額は製造価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

b 受注状況

当社グループの生産は、主として見込み生産によっているため、記載を省略しております。

 

c 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前期比(%)

家庭用機器事業(百万円)

29,765

△14.2

産業機器事業(百万円)

6,277

9.0

IT関連事業(百万円)

2,320

3.0

    報告セグメント計(百万円)

38,363

△10.2

その他(百万円)

208

△4.9

合計(百万円)

38,571

△10.1

 

(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

⑥ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産および負債または損益の状況に影響を与えるような会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積もり特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

⑦ 資本の財源及び資金の流動性について

当社グループは、安定した財務基盤を確保した上で、有利子負債を効果的に活用し、資本構成のバランスを図ることで、財務の健全性と資本効率の向上の両立を図ることを財務戦略としています。自己資本比率50%を目標とし、資本の健全性を維持するとともに、銀行借入を有効に利用することで資本コストの低減を進め、ROEの向上を目指します。

主な資金需要には、部品原材料の購入及び製造費用、販売費及び一般管理費の営業費用と売掛債権の回収までを繋ぐ運転資金や、生産能力・機能の維持・拡大を目的とする設備投資があります。また、新製品や新技術開発のための研究開発費も挙げられます。事業活動により得られた資金は、これらの運転資金の圧縮や生産性向上をもたらす設備投資、更には主力事業である家庭用機器事業と産業機器事業を市場競争力強化に導く研究開発に再投入いたします。

適正な手元現預金の水準につきましては、概ね月商の1.5ヶ月相当としております。これは、可能な限り資金活用の効率化を図ったものですが、当社は主力金融機関によるシンジケーション方式のコミットメントライン(総額100億円)を設定しており、緊急の資金需要が発生した場合も機動的な資金調達が可能なことから、流動性の確保については対処されております。現在、新規の資金調達は、短期資金の銀行融資のみとしておりますが、今後、これとは別に、大型の事業案件などのまとまった資金需要が発生した場合には、株式発行による調達や社債発行などの直接金融による市場からの長期資金調達も含め、資本構成や資本コストへの影響を踏まえて検討してまいります。

株主還元につきましては、2017年3月期決算期の再開以降実施しております配当を、安定的に継続していく方針です。中長期的な目標としては、自社株買いなども含め、総合的に検討しつつ、総還元性向30%を目安としております。なお、本質的な株主還元は、総資本を効率的かつ有効に活用することで事業の成長を図り、企業価値の向上、時価総額の増大を目指すことであると考えております。