E02475 Japan GAAP
前期
3,209.5億 円
前期比
121.4%
株価
1,982.5 (04/18)
発行済株式数
241,229,476
EPS(実績)
190.43 円
PER(実績)
10.41 倍
前期
805.1万 円
前期比
103.3%
平均年齢(勤続年数)
42.8歳(2.8年)
従業員数
399人(連結:8,219人)
当グループは、当社並びに子会社72社及び関連会社10社から構成されており、エンタテインメントコンテンツ事業、遊技機事業、リゾート事業の3つの事業を基本事業領域としております。当グループが営んでいる主な事業内容、各関係会社等の当事業に係る位置づけは次のとおりであり、セグメント情報における事業区分と同一であります。
なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。
事業の系統図は、次のとおりであります。
2023年3月31日現在
当連結会計年度における当グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
エンタテインメントコンテンツ事業を取り巻く環境としては、コンシューマ分野におきまして、ゲームプラットフォームが拡大・多様化するとともに、ゲームコンテンツやサービスのデジタル化が進行しております。その結果として、パッケージ販売に加え、ダウンロード販売、F2P、サブスクリプションサービス等の登場・発展、及びグローバルでのコンテンツ・サービス提供機会の拡大による収益機会の多様化や、販売期間の長期化等、市場環境が大きく変化し続けております。新型コロナウイルス感染症の感染拡大による世界規模での消費行動変化の反動から、市場動向には落ち着きが見られたものの、依然としてグローバルでのゲーム市場の活性化や成長に対する期待が持続しています。アミューズメント機器市場につきましては、円安に起因した原材料の高騰の影響を受けながらも、プライズカテゴリーが好調に推移し、市場全体を牽引し、全体としては底堅く推移しました。
遊技機業界におきましては、パチンコ機については定番機種を中心に稼働する状況が続く一方で、パチスロ機については規制見直しを反映した6.5号機及びスマートパチスロの導入に伴い、稼働水準は上昇傾向にあります。部材調達面では引き続き注視が必要ですが、調達状況では改善傾向が見られました。
リゾート業界におきましては、国内においては、当連結会計年度において新型コロナウイルス感染症まん延防止等重点措置の実施による行動制限が行われなかったほか、観光需要喚起策としての全国旅行支援策も寄与し、旅行需要の回復幅は高い傾向が見られました。インバウンドについては、日本入国時における水際対策の緩和が進み、一部回復傾向が見られました。
このような経営環境のもと、当連結会計年度における売上高は389,635百万円(前期比21.4%増)、営業利益は46,789百万円(前期比46.0%増)、経常利益は49,473百万円(前期比48.4%増)、また、米国子会社における繰延税金資産の計上、繰越欠損金による課税所得の減少や、英国子会社における研究開発に関する税額控除により法人税等が減少したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は45,938百万円(前期比24.1%増)となりました。
セグメント別の概況は以下のとおりであります。
なお、文中の各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高を含んでおりません。
《エンタテインメントコンテンツ事業》
コンシューマ分野におきましては、フルゲームにおいて、新作タイトルとして『ソニックフロンティア』、『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』リマスター版、『龍が如く 維新! 極』等を販売し、販売本数は1,009万本(前期は877万本の販売)と好調に推移しました。他方、リピートタイトルの販売は市場動向の落ち着きにより軟調に推移し、販売本数は1,779万本(前期は1,843万本の販売)となりました。その結果として、フルゲームの販売本数は全体で2,789万本(前期は2,720万本の販売)となりました。F2Pにおいては、『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』、及び開発は株式会社セガ、パブリッシャーは株式会社バンダイナムコエンターテインメントが担う『ONE PIECE バウンティラッシュ』が牽引し、好調に推移いたしました。
アミューズメント機器分野におきましては、UFOキャッチャー®シリーズやプライズ等を中心に販売いたしました。
映像・玩具分野におきましては、映像において劇場版『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』を公開したほか、映像制作や配信に伴う収入等を計上し、玩具において『カメラもIN!マウスできせかえ!すみっコぐらしパソコン プレミアムプラス デコ』等の新製品や定番製品を販売いたしました。
以上の結果、売上高は282,881百万円(前期比19.9%増)、経常利益は41,181百万円(前期比11.7%増)となりました。
《遊技機事業》
パチスロ機におきましては、『パチスロ甲鉄城のカバネリ』や『パチスロ幼女戦記』等の6.5号機が好調に推移し、94千台の販売(前期は77千台の販売)となりました。特に『パチスロ甲鉄城のカバネリ』については、2022年7月の発売後から高水準の稼働を維持しており、複数回にわたって追加販売を実施したことから、期初計画を大幅に上回る販売台数となりました。パチンコ機におきましては、主力シリーズ機『P真・北斗無双 第4章』等の販売を行い、103千台の販売(前期は97千台の販売)となりました。なお、2024年3月期発売タイトルについて、一部台数を2023年3月期中に先行納品しており、当該台数につきましては2023年3月期に計上しております。
以上の結果、売上高は94,253百万円(前期比24.2%増)、経常利益は20,713百万円(前期比101.4%増)となりました。
《リゾート事業》
リゾート事業におきましては、『フェニックス・シーガイア・リゾート』において、政府や独自の観光需要喚起策が寄与したことや、個人客を中心に各種施策やCRM強化に取り組んだことにより、当グループとなって以来、最高の売上高と初の黒字化を達成いたしました。
海外におきましては、PARADISE SEGASAMMY Co., Ltd.(当社持分法適用関連会社)が運営する『パラダイスシティ』において、2022年6月以降は渡航制限の緩和に伴いカジノ売上の回復が徐々に見られ、2022年10月以降の日本人VIP客のドロップ額(チップ購入額)については新型コロナウイルス感染症拡大前を超える水準での急速な回復が見られました。
※PARADISE SEGASAMMY Co., Ltd.は12月決算のため3ヶ月遅れで計上
以上の結果、売上高は11,540百万円(前期比33.2%増)、経常損失は3,217百万円(前期は経常損失6,738百万円)となりました。
(資産及び負債)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ66,073百万円増加し、501,566百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ66,073百万円増加いたしました。これは、現金及び預金、売上債権及び棚卸資産がそれぞれ増加したこと等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ0百万円増加いたしました。これは、製作出資等に伴う出資金が減少した一方で、有形固定資産及び無形固定資産が増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ27,363百万円増加し、170,218百万円となりました。これは、仕入債務や契約負債が増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ38,710百万円増加し、331,347百万円となりました。これは、配当金の支払や自己株式の取得により株主資本が減少した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したこと等によるものであります。なお、自己株式の消却により、資本剰余金と自己株式がそれぞれ45,480百万円減少いたしました。
(財務比率)
当連結会計年度末における流動比率は、仕入債務や契約負債が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ36.7ポイント低下し294.1%となりました。
また、当連結会計年度末における自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ1.1ポイント低下し、66.0%となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ27,049百万円増加し、179,509百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
棚卸資産が22,481百万円増加し、売上債権が13,493百万円増加した一方で、税金等調整前当期純利益を47,069百万円計上したこと、減価償却費を10,669百万円計上したこと及び契約負債が15,545百万円増加したこと等により、当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは44,704百万円の収入(前連結会計年度は39,607百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資事業組合からの分配により3,510百万円の収入があった一方で、有形固定資産の取得により4,944百万円、無形固定資産の取得により5,875百万円をそれぞれ支出したこと等により、当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは2,351百万円の支出(前連結会計年度は8,794百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
長期借入により10,000百万円の収入があった一方で、長期借入金の返済により10,191百万円、配当金の支払により8,865百万円、自己株式の取得により4,987百万円をそれぞれ支出したこと等により、当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは15,358百万円の支出(前連結会計年度は35,970百万円の支出)となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格で表示しております。
当グループでは一部の製品について受注生産を行っておりますが、金額的重要性が低く、また受注状況の記載は営業の状況に関する実態を表さないため、省略しております。
なお、エンタテインメントコンテンツ事業におけるアミューズメント機器については、生産に要する期間が比較的長期に亘るため、見込み生産を行っております。また、遊技機事業については、生産に要する時間が短時間であるため、基本的に受注動向を見ながら生産を行っておりますが、製品のライフサイクルが短いため販売期間が非常に短く、発売の初期段階に出荷が集中することから、販売政策上、初期受注に対しては見込み生産を行っており、かつ、その数量は通常販売数量の大半を占めております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
経営者の視点による当グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
①経営成績の分析
当連結会計年度におきましては、エンタテインメントコンテンツ事業におけるコンシューマ分野において、フルゲームの新作タイトルやF2Pの既存タイトルが好調に推移したことやアミューズメント機器事業においてプライズカテゴリーが好調に推移したことに加え、遊技機事業において、パチスロ機の6.5号機の販売が好調に推移したことなどにより、前期比で増収増益となりました。なお、当グループにおいて重要な経営指標と位置付けている経常利益は49,473百万円、ROEは14.7%となりました。
エンタテインメントコンテンツ事業では、コンシューマ分野のフルゲームについては『ソニックフロンティア』や『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』などの新作タイトルが好調に推移したことや、F2Pについては既存タイトルである『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』の好調などにより、前期比で増収、増益となりました。アミューズメント機器分野においては、プライズカテゴリーが好調に推移したことにより前期比で増収、増益となりました。映像・玩具分野におきましては、映像制作収入や配信プラットフォームへの映像作品提供に伴う配分収入等が業績向上に寄与し、また、玩具分野におきましても新製品等が堅調に推移したことにより、前期比で増収、増益となりました。
遊技機事業におきましては、パチスロ機において『パチスロ甲鉄城のカバネリ』などの6.5号機の販売が好調に推移したことや、パチンコ機において、主力シリーズ機『P真・北斗無双第4章』等の販売をしたことから、前期比で増収増益となりました。
リゾート事業におきましては、国内・海外ともに新型コロナウイルス感染症拡大に伴う行動制限が緩和されたことにより、業績が回復しました。また、『フェニックス・シーガイア・リゾート』において、政府や独自の観光需要喚起策が寄与したことや、個人客を中心に各種施策やCRM強化に取り組んだことにより、前期比で増収、損失幅縮小となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当グループは、中期事業戦略とその先の持続的企業価値拡大を支えるため、中期的な視座で財務戦略を計画し遂行しております。
具体的には、ボラティリティのある事業特性を踏まえ、強固な財務基盤を維持するために財務規律を注視し、安定的なキャッシュポジションの維持を目標としております。
資金効率を高めるため、グループの資金調達・運用の一元管理を行うとともに、国内だけではなく海外でのCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)も一部開始しております。
また、創出したキャッシュは、成長分野への投資を見据えた財務基盤の更なる強化及び安定的な株主還元に振り向ける方針であります。
当グループは、事業活動の維持・拡大に必要な資金を安定的に確保するため、グループ内資金の有効活用及び外部調達を行っております。
グループ内資金の有効活用については、CMSによるグループ内での資金融通を積極的に実施することで、資金効率化を図っております。
外部からの資金調達については、コンシューマ分野及びゲーミング領域への成長投資等を見据え、資本効率向上と資本コスト低減を意識しながら活用を検討してまいります。
資金調達を検討するにあたり、その時々の市場環境を踏まえ当社にとって最適な調達を選択出来るように調達手段の多様化を図るとともに、安定した調達能力の確保に向けて㈱格付投資情報センターからA-(安定的)の格付を取得しており、今後も格付の維持・向上を意識した財務運営を行ってまいります。間接金融においては、当社はメインバンクをはじめとする取引金融機関と良好な関係を維持し、安定的な資金調達を行っております。資金調達に際しては、各年度別の返済額の平準化や期日分散を考慮することによりリファイナンスリスクを低減しております。
なお、当社は社債発行登録枠50,000百万円(残額40,000百万円)及びコマーシャルペーパー発行枠30,000百万円の直接金融による調達手段も有しており、より安定的な長期運転資金確保の目的から、2019年9月に期間10年の公募普通社債を発行しております。
また、当連結会計年度末においては、月商の約6ヵ月分に相当する179,509百万円の現金及び預金に加え、今後の成長投資資金確保を見据え、当社単体におけるコミットメントラインを35,000百万円、当座貸越枠を20,000百万円増額し、総額で288,000百万円の借入枠を有しております。
今後も引き続き、財務基盤の強化等を意識した財務運営を進めてまいります。
当社の連結財務諸表及び財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計原則に基づき作成されております。
連結財務諸表及び財務諸表の作成にあたっては、連結貸借対照表及び貸借対照表上の資産、負債の計上額、並びに連結損益計算書及び損益計算書上の収益、費用の計上額に影響を与える会計上の見積りを行う必要があります。
当該見積りは、過去の経験やその時点の状況として適切と考えられる様々な仮定に基づいて行っておりますが、事業環境等に変化が見られた場合には、見積りと将来の実績が異なることもあります。
連結財務諸表及び財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等(1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりでありますが、当社の財政状態又は経営成績に対して重大な影響を与え得る会計上の見積りに関する補足情報は以下のとおりであります。
エンタテインメントコンテンツ事業のゲームコンテンツ等の制作により計上された仕掛品及びソフトウエア等は、その販売見込数量やサービス見込期間を考慮し費用計上を実施しており、販売の状況によっては想定よりも早期の費用計上が発生することがあります。
また、遊技機事業では、製品を構成する原材料の調達に期間を要するもの(長納期部材)があることから部材の共通化を進めている一方で、販売の状況によっては一部の専用部材などで原材料の廃棄が発生することが想定されます。
そのため、これらの棚卸資産やソフトウエア等については、翌連結会計年度以降の販売の見通しをもとに当連結会計年度末の資産性評価を実施しておりますが、同業他社の新製品等の販売時期等のほか、ヒットビジネスであることによる販売の多寡等により、見積りと実績が乖離する不確実性が存在するため、その精度が会計上の見積りに大きく影響します。
当社は、韓国仁川においてIR施設『パラダイスシティ』を運営する、持分法適用関連会社PARADISE SEGASAMMY Co., Ltd.に対する投資額を投資有価証券(関係会社株式)に計上しております。
同社が営む施設事業は、その事業の性質上変動費の割合が低いことにより収益の状況が業績に大きく影響する中、特に大雨・台風などの天候のほか、世界情勢の変動等により事業の不確実性が存在すると認識しております。
同社への投資の評価については、経営者の最善の見積りによる将来キャッシュ・フローを基に評価しておりますが、前述の事業の特性から見積りと実績が乖離する不確実性が存在するため、その精度が会計上の見積りに大きく影響します。