E01716 Japan GAAP
前期
94.0億 円
前期比
119.4%
株価
2,105 (05/09)
発行済株式数
2,461,600
EPS(実績)
293.24 円
PER(実績)
7.18 倍
前期
591.2万 円
前期比
106.4%
平均年齢(勤続年数)
43.0歳(16.0年)
従業員数
295人(連結:395人)
当社グループは、当社及び連結子会社4社(国内3社、海外1社)、並びにその他の関係会社1社で構成され、各種産業用バルブの開発、製造・販売、そのメンテナンス並びに電気設備関連工事、地域復興、廃炉事業などを主な事業の内容としております。
当社グループの事業に係る位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。
なお、次の3事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
報告セグメントに含まれない事業セグメント「その他」には、福島地域の復興を主とした地域復興事業及びクリアランス金属のリサイクルを主としたリファインメタル事業が含まれております。
《バルブ事業》
原子力発電所、火力発電所など電力プラント用高温高圧バルブを中心に、船舶用、石油化学プラント用などの各種産業用バルブ等の製造販売及び分解・点検・修理などの保守作業を行っております。また、可搬式の特殊工作機械を使用することにより、敷設配管から取り外すことなく現地において修理・改造を行うことができる工法を開発し、施工しております。
<関係会社>
トウアサービス株式会社
TVE GLOBAL ASIA PACIFIC Pte.Ltd.(海外)
<その他の関係会社>
西華産業株式会社
《製鋼事業》
鋳鋼製品の製造販売を行っております。
《電気設備関連事業》
原子力発電所及び東日本地区での電気設備工事業務を行っております。
<関係会社>
太陽電業株式会社
《その他》
福島県を活動拠点とした地域復興事業及び福井県を活動拠点としたクリアランス金属のリサイクルを主としたリファインメタル事業を行っております。
<関係会社>
TVEリファインメタル株式会社
事業の系統図は次のとおりであります。
※画像省略しています。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、経済活動の正常化が進み、民間の設備投資や雇用環境、所得環境には改善がみられ、景気は緩やかに回復いたしましたが、米欧中銀の利下げなどに伴う為替等の変動、ウクライナや中東等を巡る地政学的な要因による資源価格の変動など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社グループは、原子力・火力発電所用バルブの製造・メンテナンスを主としたバルブ事業を中核に鋳鋼製品の製造事業や、原子力発電所(以下、「原発」)における設備の保守や電気設備工事などを展開しております。
バルブ事業の中核である原発向けビジネスは、東日本大震災の津波による東京電力福島第一原発事故以降厳しい状況にありましたが、地球温暖化問題から、世界規模でグリーン・トランスフォーメーション(以下、「GX」)実現に向けた取り組みが進む中、国内においては、2023年2月に閣議決定された「GX実現に向けた基本方針」において、原発は、電力の安定供給やカーボンニュートラル実現に向けた脱炭素のベースロード電源としての重要な役割を担うとされ、安全性の確保を前提に、原子力の活用の方針が明示されました。2024年10月には東北電力女川原発2号機が約13年ぶりに再稼働を果たし、今後も更なる原発再稼働が予定されており、また、新たな安全メカニズムを組み込んだ次世代革新炉の開発も進んでおります。
なお、もう一方の主要納入先である火力発電所につきましては、GX実現に向けた取り組みが進む中、従来の石炭などの化石燃料を使用した発電から、水素やアンモニアなどの非化石燃料を使用した発電へのシフトが見込まれております。
このような環境の中、当社グループでは中期経営計画2023に基づく事業戦略推進の一環として、2024年11月8日のプレスリリースで開示いたしましたとおり、若狭地区におけるバルブ事業の継続と更なる発展、リファインメタル事業の推進などを目的に、若狭地区に製造拠点を新設するため2024年12月に福井県おおい町の土地の取得を予定しております。安全弁事業で使用する第1工場は2026年12月の竣工を予定し、リファインメタル事業で使用する第2工場は現在計画中であるため確定次第あらためてお知らせいたします。当社グループとしましては、今後も中長期での持続的成長を図り、企業価値の一層の向上を図ってまいります。
このような中、当連結会計年度におきましては、主要な事業であるバルブ事業において、関西電力高浜原発、大飯原発及び美浜原発並びに九州電力玄海原発及び川内原発において複数の定期検査工事が完了し売上を計上、海外案件の売上も計上されたほか、主要顧客への売上が好調だった製鋼事業や東日本地区における原発などでの工事案件が増加した電気設備関連事業も増収となり、全ての報告セグメントにおいて増収となった結果、全体の売上高は112億20百万円(前年同期比19.4%増)となりました。
採算面では、前連結会計年度に比し大幅な増収となったこと、原発の定期検査中に発生した緊急修繕工事など採算性の高い案件の売上に占める割合が高かったことなどから、営業利益は10億27百万円(前年同期比115.8%増)、経常利益は11億34百万円(同110.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は7億21百万円(同65.8%増)と大幅な増益となりました。
表:報告セグメント内の種類別売上高
報告セグメント |
種類別の売上高 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
前年同期比(%) |
バルブ事業 |
バルブ(新製弁) |
1,475 |
1,551 |
5.2 |
バルブ用取替補修部品 |
980 |
1,279 |
30.5 |
|
原子力発電所定期検査工事 |
1,225 |
2,579 |
110.6 |
|
その他メンテナンス等の役務提供 |
2,939 |
2,603 |
△11.4 |
|
小計 |
6,620 |
8,014 |
21.1 |
|
製鋼事業 |
鋳鋼製品 |
1,161 |
1,218 |
4.9 |
電気設備関連事業 |
電気設備関連工事 |
1,432 |
1,764 |
23.2 |
その他 |
その他 |
255 |
270 |
5.8 |
消去又は全社 |
△73 |
△47 |
- |
|
合計 |
9,396 |
11,220 |
19.4 |
報告セグメント別では、バルブ事業は、前述の定期検査工事や海外案件が売上計上された結果、売上高は80億14百万円(前年同期比21.1%増)となり、セグメント利益は、大幅な増収に伴う利益の増加や受注損失引当金の戻入などから、19億35百万円(同39.7%増)となり、前年同期に比し増益となりました。
製鋼事業は、前年同期に比し、主要な顧客への売上が好調に推移した結果、売上高は12億18百万円(前年同期比4.9%増)となり、セグメント利益は、棚卸資産の積み上がりは少なかったものの、材料払出単価、電力料単価の減少があったことなどから、1億77百万円の赤字(前年同期は1億81百万円の赤字)となり、赤字幅は縮小いたしました。
電気設備関連事業は、前年同期に比し、女川原発や柏崎刈羽原発における電気工事などの請負工事に係る売上が増加した結果、売上高は17億64百万円(前年同期比23.2%増)となり、セグメント利益は、増収に伴う利益の増加などから3億21百万円(同83.7%増)となり、前年同期に比し大幅な増益となりました。
なお、報告セグメント以外のその他に含まれるリファインメタル事業におきましても、クリアランス金属を溶解してインゴットと呼ばれる塊を製作する委託業務に係る売上が計上され、これまでの取り組みの成果が着実に現れつつあります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は58億81百万円となり、前連結会計年度末に比して11億74百万円増加しました。この内訳は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
減価償却を3億60百万円実施した上で税金等調整前当期純利益を11億8百万円計上したところに、契約負債の減少が5億46百万円ありましたが、棚卸資産の減少で5億39百万円、法人税等の還付で3億10百万円の増加などキャッシュ・インの要因が上回ったことから18億40百万円のキャッシュ・イン(前年同期は11億11百万円のキャッシュ・イン)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得による支出を中心に3億15百万円のキャッシュ・アウト(前年同期は2億98百万円のキャッシュ・アウト)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
前連結会計年度に係る期末配当及び当連結会計年度の中間配当の実施、長期借入金の返済などにより3億43百万円のキャッシュ・アウト(前年同期は2億60百万円のキャッシュ・アウト)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年10月1日 至 2024年9月30日) |
前年同期比(%) |
バルブ事業(千円) |
1,803,516 |
△3.9 |
製鋼事業(千円) |
1,392,813 |
△0.6 |
合計(千円) |
3,196,329 |
△2.5 |
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.バルブ事業のメンテナンス等、電気設備関連事業及びその他については、事業の性格上生産実績の概念は馴染みませんので金額及び前年同期比を記載しておりません。
(2) 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
バルブ事業 |
7,023,758 |
11.7 |
2,737,124 |
△26.6 |
製鋼事業 |
1,530,070 |
6.4 |
956,447 |
48.4 |
電気設備関連事業 |
1,777,215 |
6.6 |
338,888 |
3.8 |
その他 |
298,835 |
22.2 |
57,810 |
97.2 |
消去又は全社 |
△47,369 |
- |
- |
- |
合計 |
10,582,509 |
10.7 |
4,090,269 |
△13.5 |
(注)金額は販売価格によっております。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年10月1日 至 2024年9月30日) |
前年同期比(%) |
バルブ事業(千円) |
8,014,731 |
21.1 |
製鋼事業(千円) |
1,218,071 |
4.9 |
電気設備関連事業(千円) |
1,764,840 |
23.2 |
その他(千円) |
270,341 |
5.8 |
消去又は全社(千円) |
△47,369 |
- |
合計(千円) |
11,220,614 |
19.4 |
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先別 |
前連結会計年度 (自 2022年10月1日 至 2023年9月30日) |
当連結会計年度 (自 2023年10月1日 至 2024年9月30日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
西華産業株式会社 |
735,204 |
7.8 |
3,232,537 |
28.8 |
三菱商事パワーシステムズ株式会社 |
3,402,173 |
36.2 |
1,245,698 |
11.1 |
東京パワーテクノロジー株式会社 |
1,012,637 |
10.8 |
1,117,232 |
10.0 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末の資産残高は150億90百万円となり、前連結会計年度末に比して10億24百万円増加しました。その内訳は、流動資産が104億14百万円で同5億24百万円増加し、固定資産は46億75百万円で同5億円の増加となっております。
流動資産では、仕掛品が4億53百万円減少し、現金及び預金が11億74百万円増加となっております。固定資産では、建物及び構築物が36百万円減少しておりますが、投資有価証券が5億94百万円増加となっております。
(負債の部)
負債残高は40億61百万円となり、前連結会計年度末に比して38百万円減少しました。主な要因は、長期借入金が1億51百万円、契約負債が5億46百万円、それぞれ減少したことなどによるものです。
(純資産の部)
純資産の残高は110億29百万円で、前連結会計年度に係る株主配当及び当連結会計年度の中間配当を実施しましたが、当連結会計年度での親会社株主に帰属する当期純利益を計上し、その他有価証券評価差額金や退職給付に係る調整累計額の増加により、前連結会計年度末に比して10億63百万円増加しました。
② 経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は112億20百万円となり、前連結会計年度と比べ18億24百万円増加(前年同期比19.4%増)しました。
当連結会計年度では、バルブ事業において前連結会計年度に比べ13億94百万円、製鋼事業において56百万円、電気設備関連事業において3億32百万円それぞれ増加となり、前連結会計年度の売上高を大幅に上回ることとなりました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業損益は10億27百万円の黒字(前年同期は4億76百万円の黒字)となりました。
当連結会計年度では、バルブ事業において前連結会計年度に比べ、原子力発電所の定期検査工事件数や海外案件の売上が増加したこと等で、前連結会計年度を上回る営業利益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、上記の営業利益に営業外損益の純額1億6百万円を加算し、これに特別損益の純額25百万円を減算し、次に法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を加減算した結果、7億21百万円の黒字(前年同期は4億35百万円の黒字)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源は、自己資金及び金融機関からの借入によっており、金融機関からの借入金については適宜に長期・短期の借入金により資金調達を行うほか、取引金融機関と特定融資枠契約、コミットメントライン契約を締結することで必要な財源の確保を図っております。
資金の流動性は、営業活動によるキャッシュ・フローを確実に獲得することを基本に、適正な投資活動と財務活動を組み合わせることで十分な流動性の確保と財務体質の健全性を維持するよう努めております。
当社グループの事業は主に完全受注生産型であることから、売上時期の偏重や製品の仕掛期間長期化による影響が、営業活動によるキャッシュ・フローの変動につながる傾向にあることから、これら事象について、キャッシュ・フローへの影響を十分に考慮した業務運営を社内に指示・徹底しております。
またこれら事象へ対応する目的も含め、取引金融機関とコミットメントライン契約を締結し、機動的な資金調達体制を維持するとともに、運転資金の効率的な運用を図っております。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。詳細については、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。