E01716 Japan GAAP
(1)経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間(2023年10月1日から2023年12月31日まで)におけるわが国経済は、経済活動の正常化が進み、雇用環境が改善し個人消費も増加する中で、緩やかな回復傾向が続きました。一方で、世界的な金融引き締めや地政学的な要因からくる資源価格の変動の影響など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社グループは、原子力・火力発電所用バルブの製造・メンテナンスを主としたバルブ事業を中核に鋳鋼製品の製造事業や、原子力発電所(以下、「原発」)における設備の保守や電気設備工事などを展開しております。
バルブ事業の中核である原発向けビジネスは、東日本大震災の津波による東京電力福島第一原発事故以降厳しい状況にありましたが、地球温暖化問題から、世界規模でグリーン・トランスフォーメーション(以下、「GX」)実現に向けた取り組みが進む中、国内においては2023年2月に閣議決定された「GX実現に向けた基本方針」において、原発は、電力の安定供給やカーボンニュートラル実現に向けた脱炭素のベースロード電源としての重要な役割を担うとされ、安全性の確保を前提に、原発の再稼働や運転期間の延長、新設やリプレース、廃炉の検討など原子力の活用の方針が明示され、今後も更なる原発の再稼働が予定されております。また、もう一方の主要納入先である火力発電所につきましては、GX実現に向けた取り組みが進む中、従来の石炭などの化石燃料を使用した発電から、水素やアンモニアなどの非化石燃料、いわゆる脱炭素燃料を使用した発電へのシフトが見込まれております。
このような環境の中、2023年11月10日に開示いたしました中期経営計画2023におきましては、事業戦略として、既存のバルブ事業、製鋼事業の深化に加え、廃止原発から発生する金属廃棄物をリサイクル原材料として活用するリファインメタル事業、水素を用いた発電に使用されるバルブの開発、電気設備関連事業を担う当社の子会社である太陽電業株式会社との連携による事業領域の拡大などを推し進めております。
このような中、当第1四半期連結累計期間におきましては、主力事業であるバルブ事業において、関西電力高浜原発2号機、同大飯原発4号機における定期検査工事が完了し売上計上されたほか、製鋼事業や電気設備関連事業の増収の影響もあり、全体の売上高は27億64百万円(前年同期比67.5%増)となりました。
採算面では、バルブ事業、製鋼事業及び電気設備関連事業において、前年同期に対し増収となったことなどから、営業利益は3億97百万円(前年同期は1億99百万円の赤字)、経常利益は4億16百万円(前年同期は1億77百万円の赤字)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2億96百万円(前年同期は2億15百万円の赤字)となりました。
報告セグメント別では、バルブ事業の売上高は、関西電力高浜原発2号機、同大飯原発4号機における定期検査工事のほか役務提供での売上が計上され、売上高は19億81百万円(前年同期比88.6%増)となり、セグメント利益は、採算性の良い原発関係売上も多く計上された影響から、5億60百万円(同434.4%増)となり、前年同期に比し増益となりました。
製鋼事業は、前年同期に比し、一部顧客への売上が増加した結果、売上高は3億45百万円(前年同期比58.8%増)、セグメント利益は、売上が増加した影響などから、47百万円の赤字(前年同期は68百万円の赤字)となり、前年同期に比し赤字は縮小しました。
電気設備関連事業は、前年同期に比し、一部の事業所において電気工事の売上が増加した結果、売上高は4億21百万円(前年同期比37.1%増)となり、セグメント利益は、売上が増加した影響などから1億14百万円となり、前年同期に比し大幅な増益となりました。
表:報告セグメント内の種類別売上高
報告セグメント |
種類別の売上高 |
前第1四半期 |
当第1四半期 |
前年同四半期比(%) |
バルブ事業 |
バルブ(新製弁) |
123 |
197 |
60.7 |
バルブ用取替補修部品 |
240 |
268 |
11.6 |
|
原子力発電所定期検査工事 |
190 |
651 |
242.4 |
|
その他メンテナンス等の役務提供 |
496 |
863 |
73.9 |
|
小計 |
1,050 |
1,981 |
88.6 |
|
製鋼事業 |
鋳鋼製品 |
217 |
345 |
58.8 |
電気設備関連事業 |
電気設備関連工事 |
307 |
421 |
37.1 |
その他 |
その他 |
99 |
28 |
△71.7 |
消去又は全社 |
△24 |
△11 |
- |
|
合計 |
1,650 |
2,764 |
67.5 |
(2)財政状態の状況
当第1四半期連結会計期間末の資産残高は136億7百万円となり、前連結会計年度末に比して4億58百万円減少しました。これは主に原材料及び貯蔵品が26百万円増加しましたが、現金及び預金が2億86百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が79百万円減少したことによるものであります。
負債残高は34億21百万円となり、前連結会計年度末に比して6億78百万円減少しました。これは主に繰延税金負債が79百万円増加しましたが、賞与引当金が2億43百万円減少したことによるものであります。
純資産の残高は101億85百万円となり、利益剰余金の増加などにより前連結会計年度末に比して2億19百万円増加しました。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は、43百万円であります。なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動に重要な変更はありません。