E01693 Japan GAAP
前期
320.1億 円
前期比
99.8%
株価
1,234 (07/18)
発行済株式数
21,500,000
EPS(実績)
110.65 円
PER(実績)
11.15 倍
前期
601.1万 円
前期比
106.3%
平均年齢(勤続年数)
42.1歳(17.0年)
従業員数
432人(連結:435人)
当社グループは、当連結会計年度末時点において、当社、連結子会社1社により構成されており、給水装置事業、住宅・建築設備事業及び商品販売事業を主たる業務としております。なお、連結子会社であった前澤給装(南昌)有限公司は、2025年1月1日付で全持分を譲渡し連結の範囲から除外しております。
当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。
なお、次の3部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
(1) 給水装置事業
当事業は、道路に布設されている配水管(水道本管)から、家屋等の敷地内に上水道を引き込むための水道用給水装置(サドル付分水栓・止水栓・各種継手類など)を製造、販売しております。
(2) 住宅・建築設備事業
当事業は、上水道を屋内で使用するための給水・給湯配管部材、床暖房部材およびこれらをユニット化した配管システムなどを製造、販売、住環境部材を開発、設計、製造、販売しております。
(3) 商品販売事業
当事業は、主に給水装置事業、住宅・建築設備事業に関連する仕入商品を販売しております。
[事業系統図]
事業の系統図は次のとおりであります。なお、当社は、2025年4月1日付でQSOインダストリアル株式会社を吸収合併しております。
※画像省略しています。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善等を背景に緩やかな回復基調で推移しましたが、米国の通商政策や物価上昇等、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような経済状況下、当社グループは、給水装置事業におきましては、水道事業体が発注する配水管布設替工事への、着実な当社製品の納入を継続して確保しつつ、あわせて耐震性や施工性に優れた製品の提案活動に注力いたしました。また、主要原材料である銅の価格や電気等のエネルギー費、輸送コスト等を注視し、適切に販売価格に反映させ収益を確保してまいりました。
住宅・建築設備事業におきましては、ハウスメーカーなど販売チャネルの拡大や空調分野向け製品の販売展開を引き続き推進してまいりました。また、減少基調にある新設住宅着工戸数に対し、需要の確実な捕捉に努めてまいりました。
さらに、当社グループにおける事業の効率化及び経営資源の選択と集中を目的とし、2025年1月1日付で連結子会社である前澤給装(南昌)有限公司の全持分を譲渡し、また、2025年4月1日付で連結子会社であるQSOインダストリアル株式会社を吸収合併いたしました。
これらの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における総資産は459億98百万円となり、前連結会計年度末に比べ33百万円増加しました。
流動資産は299億34百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億71百万円減少しました。これは主に、商品及び製品が11億43百万円、有価証券が2億円増加しましたが、現金及び預金が7億21百万円、受取手形が4億81百万円、売掛金が4億63百万円、電子記録債権が4億37百万円減少したこと等によるものであります。固定資産は160億63百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億5百万円増加しました。これは主に、建物及び構築物が3億28百万円減少しましたが、機械装置及び運搬具が2億45百万円、保険積立金が3億89百万円、投資有価証券が3億8百万円、退職給付に係る資産が2億21百万円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は62億44百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億81百万円減少しました。
流動負債は、50億6百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億5百万円減少しました。これは主に、買掛金が3億98百万円、流動負債のその他に含まれる未払金が1億86百万円減少したこと等によるものであります。固定負債は、12億37百万円となり、前連結会計年度末に比べ24百万円増加しました。これは主に、退職給付に係る負債が1億67百万円減少しましたが、繰延税金負債が1億91百万円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は397億54百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億14百万円増加しました。これは主に、自己株式の取得により純資産が6億31百万円減少しましたが、利益剰余金が14億71百万円増加したこと等によるものであります。
b.経営成績
売上高319億57百万円(前期比0.2%減)、営業利益30億46百万円(同23.5%増)、経常利益31億84百万円(同22.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益23億79百万円(同41.5%増)、売上高営業利益率9.5%、ROEは6.0%となりました。
なお、当社グループは中期経営計画2024(2022年5月13日)において、最終年度2025年3月期の連結数値目標を「売上高305億円、営業利益26億円、売上高営業利益率8.5%、ROE5%以上」に設定しておりましたが、いずれの連結数値も目標達成いたしました。
セグメントの業績は、次のとおりです。
(単位:百万円)
|
売上高(外部顧客への売上高) |
セグメント利益 |
||||
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減額 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減額 |
|
給水装置事業 |
17,006 |
17,070 |
64 |
5,090 |
5,381 |
291 |
住宅・建築設備事業 |
12,350 |
12,316 |
△34 |
1,959 |
2,128 |
168 |
商品販売事業 |
2,651 |
2,570 |
△80 |
259 |
311 |
52 |
計 |
32,008 |
31,957 |
△50 |
7,308 |
7,821 |
512 |
調整額 |
- |
- |
- |
△4,842 |
△4,775 |
67 |
合計 |
32,008 |
31,957 |
△50 |
2,466 |
3,046 |
579 |
〔給水装置事業〕
給水装置事業におきましては、新設住宅着工戸数は前期比を下回ったものの、販売価格改定効果により、売上高は前期比0.4%増の170億70百万円となりました。セグメント利益は、主要原材料である銅の価格が高騰しているものの、販売価格の改定効果により、前期比5.7%増の53億81百万円となりました。
〔住宅・建築設備事業〕
住宅・建築設備事業におきましては、新設住宅着工戸数が低調に推移したことにより、売上高は前期比0.3%減の123億16百万円となりました。セグメント利益は、販売価格改定効果により前期比8.6%増の21億28百万円となりました。
〔商品販売事業〕
商品販売事業におきましては、鋳鉄商品の販売が減少したことから、売上高は前期比3.0%減の25億70百万円、セグメント利益は3億11百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3億62百万円減少し、101億23百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、前連結会計年度比4億3百万円増加の24億63百万円となりました。これは主に、棚卸資産の増減額が11億53百万円、未収入金の増減額が2億13百万円増加、仕入債務の増減額が4億31百万円、未払又は未収消費税等の増減額が1億59百万円減少しましたが、売上債権の増減額が23億25百万円減少したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、前連結会計年度比9億84百万円増加の12億58百万円となりました。この要因は主に、有価証券の償還による収入が4億円、保険積立金の解約による収入が2億86百万円減少、有形固定資産の取得による支出が3億23百万円増加したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、前連結会計年度比2億18百万円減少の15億64百万円となりました。この要因は主に、配当金の支払額が1億25百万円増加しましたが、自己株式の取得による支出が3億44百万円減少したこと等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
給水装置事業 (百万円) |
10,565 |
16.7 |
住宅・建築設備事業(百万円) |
6,415 |
△6.8 |
合計 (百万円) |
16,980 |
6.5 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.金額は製造原価で表示しております。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
給水装置事業 (百万円) |
1,597 |
1.5 |
住宅・建築設備事業(百万円) |
2,870 |
△14.3 |
商品販売事業 (百万円) |
2,290 |
△4.8 |
合計 (百万円) |
6,758 |
△7.8 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.金額は仕入価格で表示しております。
c.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
住宅・建築設備事業 |
84 |
△14.1 |
- |
- |
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
給水装置事業 (百万円) |
17,070 |
0.4 |
住宅・建築設備事業(百万円) |
12,316 |
△0.3 |
商品販売事業 (百万円) |
2,570 |
△3.0 |
合計 (百万円) |
31,957 |
△0.2 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
||
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
渡辺パイプ株式会社 |
3,538 |
11.1 |
3,518 |
11.0 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
業績計画及びその達成状況については下記のとおりです。
(業績計画及び実績 2025年3月期)
|
2025年3月期計画 |
2025年3月期実績 |
売上高 (百万円) |
32,000 |
31,957 |
営業利益(百万円) |
2,580 |
3,046 |
経常利益(百万円) |
2,730 |
3,184 |
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) |
1,780 |
2,379 |
当社グループでは、主力である給水装置事業においては、水道事業体が発注する配水管布設替工事への、着実な当社製品の納入を継続して確保しつつ、あわせて耐震性や施工性に優れた製品の提案活動に注力いたしました。また、主要原材料である銅価格や電気等のエネルギー費の高騰、輸送コストの上昇分を適切に販売価格に反映させ、収益を確保してまいりました。さらに、当社グループにおける経営資源の選択と集中を目的とし、2025年1月1日付で連結子会社である前澤給装(南昌)有限公司の全持分を譲渡いたしました。
住宅・建築設備事業におきましては、ハウスメーカーなど販売チャネルの拡大や空調分野向け製品の販売展開を進めるとともに、減少基調にある新設住宅着工戸数に対し、需要の確実な捕捉に努めてまいりました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は、計画を42百万円下回りましたが、営業利益は4億66百万円、経常利益は4億54百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は5億99百万円上回る成績となりました。
給水装置事業では、高い市場シェアを有しており、今後、住宅「新設」時の製品、水道管の老朽化取替に付帯する「更新」製品、地震災害に備える「耐震」製品といったニーズに応え、安定的な成長を目指してまいります。
住宅・建築設備事業では、ハウスメーカーなど販売チャネルの拡大を引き続き推進するとともに、空調設備用製品など建築設備市場にも販売展開を進めてまいります。
これら課題を認識し、顧客のニーズにあった製品や災害に強い付加価値の高い製品開発など、成長分野への資本投下や働き方改革、人材の多様化の促進により、社会およびステークホルダーの信頼に応え、収益力および企業価値の向上に努めてまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、材料の購入や外注費の支払等製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、生産用設備や金型、システム等の購入によるものであります。資金需要に対しては、自己資金での対応を原則としております。なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、101億23百万円となっております。
当社グループは、ライフラインである水道事業の一翼を担う企業として、さまざまな災害等リスクに耐えうる十分な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載されているとおりであります。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、合理的と判断される前提に基づき作成しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。