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E20870 , IFRS

3【事業の内容】

 当社グループは、顧客企業のサービスプロフィットチェーン(以下「SPC」という。(注1))経営の実現に向け、顧客満足度(CS)・従業員満足度(ES)の向上によるサービスの高品質化・高付加価値化を目的とした経営コンサルティングを行っており、顧客満足度覆面調査「ミステリーショッピングリサーチ」(以下「MSR」という。)を基幹サービスとして、従業員満足度調査「サービスチーム力診断」(以下「STAR」という。)及びコンサルティング・研修(以下「コンサル」という。)などの各種サービスを提供しております。

 MSRとは、マーケティングリサーチの一種で、当社グループのミステリーショッパー(以下「モニター」という。)が一般利用者として依頼主である顧客企業の運営する店舗等を訪れ、実際の購買活動を通じて商品やサービスの評価を行う顧客満足度調査のことであります。当社グループの覆面調査レポート(以下「レポート」という。)は、規定どおりのサービスが行われているかどうかのチェックを目的とした同業他社のものとは異なり、店舗スタッフの働きがいを高め、サービス品質の向上を実現することを目的としており、その後のレポートの活用促進に向けたコンサルへと繋がっている点に特徴があります。具体的には、コンサルをとおして、レポートを活用しながら、店舗運営に関する現場オペレーションにまで踏み込んだアクションレベルの改善活動を支援しております。また、従業員満足度調査としてSTARを提供しておりますが、こちらも調査による現状把握に止まらず、その後のコンサルによって調査結果を従業員満足度の向上に繋げていく活動を支援しております。

 当社グループでは、更なる収益拡大のため、顧客基盤の拡大を目的としたサービスのラインナップ拡大と付加価値向上を進めております。一方、継続性があるMSRで着実に収益が計上されるストック型のビジネスモデルを導入しており、安定した収益基盤の構築も図っております。

 なお、当社グループはミステリーショッピングリサーチ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 (注1)SPCとは、経営における売上や利益と、従業員満足度、顧客満足度の因果関係を示したフレームワークのことであり、従業員満足度向上→顧客満足度向上→業績向上→従業員満足度向上→・・・・の好循環サイクルを指します。

 

(1) サービスの特徴

 当社グループは経営コンサルティング会社から分社・独立する形で創業しており、経営コンサルティング会社で培ったノウハウを生かした各種サービスを提供しております。

 MSRでは、店舗スタッフの働きがいやモチベーションを高め、自発的な改善活動に繋がるレポートを提供することを重視しております。そのため、規定どおりのサービスが行われているかどうかを選択肢により評価するチェック主体の単純な調査票ではなく、自由記入のコメントを多用した調査票を導入しており、外食業界では料理(味・温度・盛り付け)、小売業界では商品説明力や品揃え、自動車業界では自動車関連小売等におけるセールススキル、美容業界ではカウンセリングなど、業界ごとに顧客満足度との相関性の高いものを評価項目に加えております。さらに、その有効性を高めるために、調査の準備段階では担当コンサルタントが顧客企業とコミュニケーションを図り、顧客ニーズに合わせた調査企画・設計を行うほか、要望に応じて調査実施前・後のコンサルを実施いたします。また、質の高いレポートを提供するため、専門の教育を受けたレポートチェッカーが、モニターの作成した全レポートに目を通しコメント内容や評価との整合性などを確認、必要に応じてレポートを作成したモニターへのヒアリングを行うことで、コメントをより具体的かつ効果的なものにするなど、コメントの量・質ともにこだわった消費者目線のレポートを顧客企業へ提供しております。2020年2月期(注2)には、国内において、MSRの顧客企業860社に対し年間21万回の調査を実施しておりますが、これまで蓄積した当該データを活用し、上述のような評価項目の設計や業界平均値等の比較対象データの提供を行っております。

 STARは、リーダーシップ、チームの遂行力、チームの風土、スタッフの主体性、スタッフの満足度の5つの観点で従業員満足度を調査するサービスであります。2011年9月のサービス開始から累積で120万人超の調査実績があり、当該蓄積データより算出された業界平均値や調査結果の高い企業・店舗等の平均値と比較することによって、顧客企業・店舗等の強み・弱みを知ることができます。

 コンサルでは、MSRやSTARの調査結果をもとにボトムアップ型でサービス改善を進めるノウハウ「HERBプログラム」を提供しております。同プログラムを通じてMSRを用いた改善活動を顧客店舗に定着させ、店舗スタッフのモチベーション向上、働きがいのある職場作りを促進することで、店舗スタッフの定着率向上、店舗スタッフが自発的にサービス品質の向上に取り組む環境構築に繋げております。B2Cビジネスを営むサービス業をはじめ、多岐にわたる業界が当社グループのサービス提供対象となりますが、当社グループでは、各種調査やコンサルの質を向上させるため、業界特化チームを組み、それぞれに精通することで、各業界特有の課題認識を捉え、解決に向けたノウハウの充実等を図っております。

 現在、顧客基盤の拡大ならびに提供する一連のサービスが顧客企業の経営システムのインフラとして継続的に利用されることを目指し、サービスのラインナップ拡大と付加価値向上に努めております。急速に増えてきた訪日外国人客の満足度向上を志向される顧客企業も増加していることから、在日及び訪日外国人による覆面調査「インバウンドMS」のほか、2016年4月の障害者差別解消法の施行を受け、障害者による覆面調査「ユニバーサルMS」のサービス提供を開始しております。加えて、2017年3月期、来店客からWEB上でタイムリーにアンケートを取得できる「カスタマーリサーチ」をリリース、全営業時間帯の店舗状況ならびに顧客満足度をリアルタイムに把握できるため、MSRとの併用により顧客満足度向上施策の実行度やその有効性を高めることに役立つものと考えております。また、2015年8月より国立研究開発法人産業技術総合研究所と共同研究契約を締結し、「サービス・ベンチマーキングによるサービスプロフィットチェーンの高度化」に向けた共同研究を実施しております。本研究では当社グループが保有する顧客満足度・従業員満足度に関するデータを対象として各種分析を行うことで、各種調査手法を高度化するとともに、業種別のSPCの傾向や特色を明確化することができました。研究成果として得られた各種データをコンサルの提供に役立てております。その他、顧客企業の店舗スタッフ個々の私有デバイスからレポートを閲覧し、そこから得た気付きを瞬時に発信・共有できるスマートフォンアプリ及びWEBサイト「MSナビ」(以下「MSナビ」という。)を開発、2017年3月期よりサービス提供を開始いたしましたこれにより、顧客店舗におけるレポートの活用状況を詳細に把握することができるようになったほか、STARやeラーニング等とも機能連携を図っており、従来はコンサルで提供していたMSR活用のための標準的なコンテンツを動画で提供することも可能となりました。

 このような取り組みが功を奏し、多くの既存顧客より継続受注を獲得しており、毎期売上収益に占めるその割合は約9割にも及びます。当社グループが国内でミステリーショッピングリサーチ事業を提供している業界別の状況は下記のとおりです。

 

業界

2020年2月期(注2)

主な業種・業態等

売上収益

(百万円)

売上収益に占める

既存顧客の割合

外食業界

1,101

95.4%

居酒屋、ファストフード

小売業界

367

89.6%

ショッピングセンター

自動車業界

288

99.5%

カーディーラー、サービスステーション

美容業界

77

74.8%

美容院、エステ

レジャー業界

140

97.3%

カラオケ、ホテル

その他

139

74.0%

金融、宿泊、行政(公共機関)等

(注2)2020年2月期は、決算期変更の経過期間にあたるため、11カ月の変則決算となっております。

 

(2) ミステリーショッピングリサーチ事業における「MSR」、「STAR」及び「コンサル」の具体的詳細

① MSR

 他のマーケティングリサーチ手法と比較した際、MSRの最大の特徴は、モニターが依頼を受けた後に実際にサービスを体験するという点にあります。MSRで提供するレポートは、一消費者であるモニターがサービスの利用前に抱いていた事前期待と実際のサービスを受けて感じた印象との差異を時系列で明らかにすることによって、購買意欲、再来店意思、紹介意思といった結果から、それに至った経緯までを、心理状況の変化も交え詳細に記述します。

 これによって規定どおりのサービスが行われているかはもちろん、その時々の状況によって異なるサービスの実態、その時に行われたやり取りなどの具体的内容、サービスを受けた消費者の心象までを詳細に知ることができます。このためMSRは、主にサービス業の現場における課題把握調査、または顧客満足度調査の手法として用いられます。

 また、調査によって得られる「お客様の生の声」は、サービス業の現場で働く店舗スタッフの働きがいを高める重要な要素となり、顧客満足を大切にする組織風土を生みだし、サービス品質向上の土台を築くことに繋がります。この土台があるとオペレーション改善が自然に進み、顧客満足度や生産性向上のために必要な改善を続ける企業文化の醸成を促進させることができます。

 MSRに取り組む顧客企業の多くは全店舗での調査実施を要望します。そのため、全国に店舗を有するナショナルチェーン等のニーズに対応するには、離島を含む調査対象店舗のある地域に数多くの登録モニターを確保しておくことが重要となります。また、年齢や性別、これまでのサービス利用の有無等、限られたモニター属性での調査を求められる場合があります。こうした様々な調査ニーズに対応するため、当社グループは、30歳・40歳代の女性を中心として、日本全国に51万人のモニターを確保しております。モニター登録は、当社モニター専用サイトの新規会員登録ページにて、利用規約や個人情報保護方針に同意の上、メールアドレスとパスワードを入力することで登録完了となります。その後、氏名・住所等の詳細な会員情報登録、なりすまし防止のための携帯番号認証、調査モラル教育を目的としたWEBテスト受講などの手続きを行うことで、調査に応募することが可能となります。

 さらに、調査時にモニターが遵守しなければならない指定行動の多い調査などでは、モニターの質が強く求められる場合もあります。そのため、レポート作成ノウハウをまとめた「レポートの書き方」やMVR(注3)として表彰した優秀なレポートをモニター専用サイト上に掲載するほか、提出されたレポートを当社グループの定めるチェック基準で評価し、その結果をモニターにフィードバックする等、モニター教育にも力を入れております。このレポート評価の結果は、モニターランクの付与基準となっております。モニターランク制度はモニターをサービスマイスター、ダイヤモンド、ゴールド、シルバー、ブロンズ、レギュラーの6階層に区分するものであります。上位階層に位置する程、応募した調査へ優先的に当選するチケットがもらえる等、各種特典が設けられており、質の高いモニターの囲い込みに役立たせております。加えて、調査への応募等に少額のインセンティブを付けるなどの施策により、稼働率の低いモニターのアクティブ化を図っております。

(注3)MVRとは“Most Ⅴaluable Report”の略称で、質の高いレポートを提出したモニターを表彰する賞であります。

 

 当社グループにおける国内の最近5年間のモニター数、モニターが年間で調査した店舗数及び総調査数は以下のとおりとなります。

 このような各種指標の堅調な推移に伴い、国内の売上収益に占めるミステリーショッピングリサーチ事業の割合も年々上昇しており、2020年2月期(注4)では98.7%にまで及んでおります。

 

 

2016年3月期

2017年3月期

2018年3月期

2019年3月期

2020年2月期

モニター数(人)

417,519

439,194

446,464

478,734

510,143

年間調査店舗数(店)

63,807

63,297

68,510

72,826

64,853

年間総調査回数(回)

189,051

209,663

232,369

234,556

214,641

ミステリーショッピングリサーチ事業の売上構成比

95.7

96.5

97.7%

98.4

98.7

(注4)2020年2月期は、決算期変更の経過期間にあたるため、11カ月の変則決算となっております。

 

 MSRの概要は以下のとおりとなります。

 

<MSR概要図>

※画像省略しています。

(ⅰ)

調査設計、システム登録

顧客企業の依頼内容に基づいて、調査フローや調査票などを設計し、調査企画としてシステム登録する

 

(ⅱ)(ⅱ)'

モニター募集、応募、選定

モニター専用サイトにて調査企画を告知し、モニター募集、応募者の中から適切なモニターを選定する

 

(ⅲ)

モニター教育・サポート

調査前に、調査趣旨・間違い易いポイント・行動の注意点やレポートの書き方等についてメールや電話を用いて教育・サポートする

 

(ⅳ)

覆面調査

モニターは一般利用客として調査対象店舗を訪れ、指定の調査条件に従い、実際の購買活動をとおしてサービスを体験(調査)する

 

(ⅴ)(ⅴ)'

レポート作成、提出

モニターは、モニター専用サイト上にて、実際に体験(調査)したサービスやその結果として感じた再来店意思や紹介意思について評価し、その理由や感想等のコメントを交えてレポートを作成、当社グループに提出する

 

(ⅵ)(ⅵ)'

レポートチェック、追記・

修正依頼、ヒアリング、メンテナンス

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