E33615 Japan GAAP
前期
144.0億 円
前期比
44.8%
株価
939 (04/24)
発行済株式数
18,052,200
EPS(実績)
117.14 円
PER(実績)
8.02 倍
前期
656.6万 円
前期比
102.0%
平均年齢(勤続年数)
30.7歳(2.0年)
従業員数
300人(連結:566人)
当社グループは、当社、Geniee International Pte., Ltd.(シンガポール)、Geniee Vietnam Co., Ltd.(ベトナム)、PT. Geniee Technology Indonesia(インドネシア)、PT. Adstars Media Pariwara(インドネシア)、Zelto,Inc.(アメリカ)、Adpushup Software India.,Ltd.(インド)、ビジネスサーチテクノロジ株式会社、CATS株式会社、株式会社REACT、Hypersonic株式会社の6か国計11社で構成されております。
当社グループは、当社が独自開発したインターネットメディアの広告収益最大化プラットフォーム「GENIEE SSP」を主軸に、「GENIEE SSP」が持つ大量の広告配信データと顧客基盤を活かした広告主向けの「GENIEE DSP」などの広告プラットフォーム事業を展開しております。また、マーケティングSaaS事業として、営業活動における商談管理のための営業管理システム(SFA)及び顧客管理システム(CRM)「GENIEE SFA/CRM」、企業のマーケティング活動を自動化し、効率的に潜在顧客の集客や購買意欲等の向上を実現するマーケティングオートメーション「GENIEE MA」、国内有数の導入企業社数4,500社を誇るチャット型Web接客プラットフォーム「GENIEE CHAT」、サイト内検索・ECサイト向け商品検索サービス「GENIEE SEARCH」などを展開しております。また、2012年からは海外事業展開に着手し、サービス提供地域の拡大を図っております。このように、当社グループは、事業領域(事業軸)とサービス提供地域(地域軸)の2軸を拡大することで、成長を続けてまいりました。
<当社グループの特徴>
当社グループは、技術開発力と事業推進力の相乗効果により、売上収益の拡大を実現してきました。
・技術開発力について
当社グループでは、テクノロジーの進化の速さや、国内外のメディア企業・広告主・広告代理店といった顧客企業の利用ニーズに対応すべく、各プロダクトの企画から開発、運用、提供、サポートまで内製化しております。これにより、顧客企業様からいただくご要望や技術進化へタイムリーな対応を可能にしています。また、アドテクノロジー領域における最先端の技術開発力を強みに、独自開発した広告配信プラットフォームを自社ブランドとして直接顧客へ提供するだけでなく、国内外の企業様へOEM提供(Original Equipment Manufacturingの略で、他社ブランドのSSPやDSP等を開発提供すること)しております。
当社グループの広告配信プラットフォーム上では、1秒間に数十万件の入札(広告配信注文)があり、1日のデータ処理量は、2023年3月末時点で約15テラバイトを超えています。このように、膨大なデータを超高速で処理するため、システム基盤をフルハンドメイドしております。また、ビッグデータやAI(人工知能)を活用することで、広告配信の精度向上や自動化の促進等に取り組んでおります。
その他にも、コンピュータサイエンスの博士/修士課程出身のエンジニアが多数所属しており、日々新技術の研究開発に取り組んでおります。
・事業推進力について
当社は、プロダクトを開発するエンジニア(作り手)と提供する営業・サポート担当(売り手)の比率が多く、連携して事業拡大を推進しております。2023年3月末時点の単体の職種別従業員構成は、エンジニア:29%、事業開発・プロダクト企画:5%、営業:35%、管理:18%、海外・出向:12%となっております。
また、ソフトバンクグループ株式会社をはじめ、国内外の通信キャリアや有力企業と資本業務提携し、OEM提供やデータ連携等を行っております。
<当社グループの事業環境>
当社グループの主力事業が属するインターネット広告市場は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けたものの成長を続け、運用型広告のさらなる拡大や巣ごもり需要によるソーシャル広告、動画広告の増加により2022年のインターネット広告媒体費は前年比115.0%の2兆4,801億円となり、2023年には2兆7,908億円(※1)まで拡大すると見込まれております。
また、当社グループが事業領域を拡大しているSaaS市場は、企業における働き方の変化や業務のデジタル化推進など、DX(デジタルトランスフォーメーション)の一環として成長をさらに加速させており、2026年には約1兆6,681億円(※2)へ拡大する見通しです。
国内経済においては、新型コロナウイルス感染症の収束に伴う活動制限緩和から、ウィズコロナの下で経済活動正常化に向かう一方、テレワークの普及やオンラインショッピング、非接触型決済の拡大など、デジタル技術を活用した生活・消費行動への移行が進んでおります。
※1.株式会社 CARTA COMMUNICATIONS(CCI) /株式会社 D2C /株式会社電通 /株式会社電通デジタル/
株式会社セプテーニ・ホールディングス調べ
※2.出典元:株式会社富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場 2022年版」
<主要サービスの概要>
当社グループは、「広告プラットフォーム事業」と「マーケティングSaaS事業」「海外事業」を展開しており、具体的な事業内容は次のとおりであります。
(1)広告プラットフォーム事業
広告プラットフォーム事業では、WEBサイトやスマートフォンアプリ上に、各々の閲覧者に合った広告を瞬時に選択し表示させる技術(アドテクノロジー)を使って、インターネットメディアや広告主の広告収益や効果を最大化させるプラットフォームを提供しております。具体的には、インターネットメディア向けの「GENIEE SSP」や広告主/広告代理店向けの「GENIEE DSP」等があり、2019年より、新たにデジタルOOH(注1)領域の事業化にも取り組んでおります。
①「GENIEE SSP」(インターネットメディア事業者向けサービス)
「GENIEE SSP」は、Supply Side Platformと呼ばれる、インターネットメディア等の広告収益を最大化させるプラットフォームです。インターネットサイトやアプリ上の広告枠を閲覧するユーザー毎に、RTB技術によりオークション形式で選択された最適な広告を配信する仕組みです。配信される広告は、ユーザーの属性や行動履歴等のデータに基づいて選択された、最適で収益性の高い広告であり、ユーザーがサイトにアクセスしてから選択された広告が表示されるまで、平均0.1秒以下という速さで行われています。「GENIEE SSP」は、国内外のDSPやアドネットワーク等とシステム連携することで、広告取引(オークション)への参加者の獲得に努めており、産学連携によって研究開発された、独自の広告配信最適化アルゴリズムによって、より効果的な広告配信を実現しています。
②「GENIEE DSP」(広告主・アドネットワーク事業者向けサービス)
「GENIEE DSP」は、Demand Side Platformと呼ばれる、広告主の利益を最大化するための広告買い付けプラットフォームです。「GENIEE DSP」は、「GENIEE SSP」等に接続することで、広告主のニーズに合わせて選択された枠へ配信することができます。広告枠は、インターネットユーザーの過去の行動履歴や購入履歴、位置情報等のデータに基づいて選択された、広告主にとって有望な見込み顧客と想定されるユーザー群の枠となります。
また、PMP(注2)機能により、広告主が指定した媒体に対してのみ広告配信することもできます。
(2)マーケティングSaaS事業
マーケティングSaaS事業では、企業のマーケティング活動の支援を目的としたBtoB向けSaaSプロダクトを提供しております。具体的には、CRM(顧客管理)/SFA(営業管理)システム「GENIEE SFA/CRM」、マーケティングオートメーション「GENIEE MA」、チャット接客ツール「GENIEE CHAT」、サイト内検索AS・ECサイト向け商品検索サービス「GENIEE SEARCH」などがあります。
① CRM(顧客管理)/SFA(営業管理)システム「GENIEE SFA/CRM」
「GENIEE SFA/CRM」は、顧客管理のためのCRM(Customer Relationship Management)及び営業活動における商談管理のためのSFA(Sales Force Automation)システムで、「顧客管理」「商談管理」「データ分析」等が一体となったクラウド型サービスです。直感的に使用できる操作性、一覧性が高くカスタマイズ自由な画面設計に加え、顧客情報・営業情報をリアルタイムに可視化できる点に特長を持ち、時間・場所・デバイスを選ばず、誰でも状況把握が可能となり、生産性の向上や業務の効率化を実現します。
また、当社のマーケティングオートメーションプラットフォーム「GENIEE MA」と併用することで、商談化率を向上させ、確度の高い見込顧客のスクリーニング等を実施することができます。マーケティングと営業の効率的な連携により、営業機会の最大化を実現することが可能になります。
② マーケティングオートメーションプラットフォーム「GENIEE MA」
「GENIEE MA」は、企業のマーケティング活動を自動化し、効率的に潜在顧客の集客や購買意欲等の向上、購買・契約等を行うためのプラットフォームです。「GENIEE MA」は「GENIEE DMP」と連携することで、ビッグデータを活用した高精度なユーザーターゲティングが可能となり、メール配信やアプリプッシュ通知、LINEによるメッセージ配信・自動メッセージ対応等を通じた効果的なマーケティング活動を簡単に行うことができるようになります。また、アトリビューション機能により、複数の広告効果を明確に分析・評価できるので、広告出稿の効率化を図ることもできます。
③ チャット接客ツール「GENIEE CHAT」
「GENIEE CHAT」は、Webサイトにチャットサポートを簡単に設置できるチャット接客ツールです。問い合わせ対応、シナリオによる業務効率化、CVR向上など、有人・無人のいずれも対応できます。自動プッシュ通知や匿名コミュニケーションなどの特徴もあり、工数削減と問い合わせ数の増加を同時に実現することができます。
④ サイト内検索「GENIEE SEARCH」
「GENIEE SEARCH」は子会社のビジネスサーチテクノロジ株式会社が提供するプロダクトです。Webサイトに検索機能をASPの形態で手軽で安全に、かつ柔軟にカスタマイズしてご導入することができます。Webページ(HTML)、PDFファイルなどを検索対象として、検索結果画面を表示する機能や、キーワード検索と詳細情報ページをダイレクトに繋ぐナビゲーションツールなどがあり、最短でスムーズな情報到達を実現します。
(3)海外事業
海外事業では、インターネットメディア向けの「GENIEE SSP」や広告主/広告代理店向けの「GENIEE DSP」をはじめとした事業を中心に展開しております。
当期は、Zelto,Inc.(以下、Zelto)を完全子会社とすることで、広告プラットフォーム事業における「GENIEE SSP」や海外事業において、弊社提供サービスとの連携・機能拡充とともに、世界各地のインターネットメディアへ価値提供が可能になり、現地の企業様へサービスを提供しております。
(注1)OOHとは、Out Of Homeの略で、交通広告や屋外広告など自宅以外の場所で接触する広告メディアの総称。
(注2)PMPとは、Private Market Placeの略で、参加できるメディアと広告主が限定された広告取引市場のこと。
<補足説明:RTBによるインターネット広告配信の仕組み>
当社グループは、Webサイトやスマートフォンアプリ上に、各々の閲覧者に合った広告を瞬時に選択し表示させる技術(アドテクノロジー)を使って、インターネットメディアや広告主の広告収益や効果を最大化させるシステム(プラットフォーム)を提供しております。
※画像省略しています。
RTB(Real‐Time Bidding)とは、広告の表示ごとにオークション方式で最も高単価な広告を配信する仕組みで、リアルタイムにインターネット広告枠を取引できる技術です。
広告主には「できるだけ安い広告費で、ターゲットユーザーを集客したい」というニーズが、インターネットメディア等には「自社の持つ広告枠にできるだけ高い広告を載せて収益を上げたい」というニーズがあります。こうした相反するニーズに対して、システム上で広告枠をオークション形式により売買させるのがRTBで、ユーザーの属性や行動履歴等のデータに基づき、広告1枠ごとに最適化した広告配信を行います。
RTBの技術を活用し、インターネットメディア等に対して、広告収益を最大化させるプラットフォームを提供しているのがSSP事業者です。インターネットメディア等はSSPを導入することで、自社の持つ広告枠へ自動的にオークション形式で広告の入札が行われるようになるため、高単価の広告案件が掲載されやすくなり、広告収益の最大化が期待できるようになります。
一方、広告主や広告代理店等、広告枠を買う側に対して取引プラットフォームを提供しているのがDSP事業者です。
SSP事業者とDSP事業者は互いに接続し合い、SSP事業者が提供する入札リクエスト(広告の配信対象者や掲載面、配信場所などの条件)に対して、複数のDSP事業者が応札し、最も高単価で応札したDSP事業者の広告が配信されることになります。
<用語集>
・アドテクノロジー
インターネット広告の配信や流通のための技術で、広告主やインターネットメディア、インターネットユーザー各々にメリットをもたらします。
広告主に対しては、より費用対効果の高い広告出稿を実現することで、収益増加や商品・サービスの認知度向上等に貢献します。インターネットメディアに対しては、自社メディアに合ったより高単価な広告を表示させることで、収益増加に貢献します。インターネットユーザーに対しては、高度なターゲティング技術により、各自の興味・関心に合った情報の取得に貢献します。
・アドネットワーク
複数のインターネットメディア等の広告枠を集めて広告配信ネットワークを作り、広告の販売や配信を一元管理する仕組みです。広告主や広告代理店等は、そのネットワークに参加し自社のターゲット層に合ったカテゴリのメディアへ一度に大量出稿ができ、1つ1つのメディアへ広告出稿するよりも配信や管理の手間が削減できるメリットがあります。
・アドエクスチェンジ
複数のインターネットメディア等やアドネットワークを横断し、広告枠をインプレッション(広告表示)ベースで売買する市場です。
以上に述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりとなります。
※画像省略しています。 |
※画像省略しています。 |
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループは当連結会計年度から、従来の日本基準に替えて「国際財務報告基準(以下、IFRS)」を適用しており、前連結会計年度の数値もIFRSに組み替えて比較分析を行っております。
当社グループの主力事業が属するインターネット広告市場は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けたものの成長を続け、運用型広告のさらなる拡大や巣ごもり需要によるソーシャル広告、動画広告の増加により2022年のインターネット広告媒体費は前年比115.0%の2兆4,801億円となり、2023年には2兆7,908億円(※1)まで拡大すると見込まれております。
また、当社グループが事業領域を拡大しているSaaS市場は、企業における働き方の変化や業務のデジタル化推進など、DX(デジタルトランスフォーメーション)の一環として成長をさらに加速させており、2026年には約1兆6,681億円(※2)へ拡大する見通しです。
国内経済においては、新型コロナウイルス感染症の収束に伴う活動制限緩和から、ウィズコロナの下で経済活動正常化に向かう一方、テレワークの普及やオンラインショッピング、非接触型決済の拡大など、デジタル技術を活用した生活・消費行動への移行が進んでおります。
このような事業環境の下、当社グループは、企業のあらゆるマーケティング活動をテクノロジーで支援し、日本とアジアに貢献するため、パーパスを新たに設定しました。Business Purpose(ジーニーのプロダクトやサービスが実現する世界観)として、「誰もがマーケティングで成功できる世界を創る」、Corporate Purpose(組織の長期目標・存在意義)として、「日本発の世界的なテクノロジー企業となり、日本とアジアに貢献する」としました。また、パーパス実現に向けて、お客様にサービスをより分かりやすく、使いやすく提供できるよう、新ブランド「GENIEE Marketing Cloud」「GENIEE Ads Platform」を立ち上げ、プロダクト名とロゴを刷新しました。
今後も日本発のテクノロジーカンパニーとして、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に取り組んでまいります。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
・広告プラットフォーム事業
広告プラットフォーム事業では、Webサイトやスマートフォンアプリ上に、各々の閲覧者に合った広告を瞬時に選択し表示させる技術(アドテクノロジー)を使って、インターネットメディアや広告主の広告収益や効果を最大化させるプラットフォームを提供しております。具体的には、インターネットメディア向けの「GENIEE SSP」や広告主/広告代理店向けの「GENIEE DSP」等があり、これらプラットフォームのOEM提供も行っております。
「GENIEE SSP」や「GENIEE DSP」経由で広告が配信されると、広告表示回数や単価に応じて広告主から当社グループへ広告掲載料が支払われます。広告代理店や他社DSP、アドネットワーク、OEM提供先を介して広告が配信される場合は、広告主からそれらを経由して広告掲載料をいただいております。
当期は、サプライサイドビジネスにおいては、Web広告のページの長さやユーザー行動に応じた柔軟な配信制御を可能にする「GENIEE Auto Ads」の提供を開始したほか、プロダクトの大幅なアップデートや拡販を行いました。また、デマンドサイドビジネスにおいては、コロナ禍でも伸びているECサイトやオンラインサービスを中心に事業を拡大しました。さらに、リテールメディア向け収益最大化プラットフォーム「GENIEE RMP」の提供を開始しました。「GENIEE RMP」は、リテールメディアにおける広告出稿・配信機能を備え、小売・EC事業者の持つメディアへ組み込むことが可能です。当社の広告プラットフォーム事業で提供している媒体者向け収益最大化プラットフォーム「GENIEE SSP」と、広告主向け広告効果の最大化プラットフォーム「GENIEE DSP」のテクノロジーやプラットフォームの技術知見を活用し、小売・EC事業者向けに特化してサービスを提供します。デジタルOOH(※3)領域においては、Google提供のDSP「ディスプレイ&ビデオ360」と連携を開始し、屋外広告媒体との新規取引や新規DSPとの連携など、継続的に広告配信面の拡大と流通量の増加に努めました。
この結果、同事業の売上収益は、3,918百万円、セグメント利益は2,163百万円(前期はセグメント利益1,719百万円)となりました。
当連結会計年度より、広告プラットフォーム事業において、GENIEE Ads Platformシステムによる広告取引の収益については、従来は本人としての取引に該当し、売上収益及び売上原価を区分して表示する方法(総額表示)によっていましたが、規約または契約条件の変更に伴い、代理人としての取引に該当することになったため、売上原価を売上収益から控除する方法(純額表示)に変更を行っております。
・マーケティングSaaS事業
マーケティングSaaS事業では、企業のマーケティング活動の支援を目的としたBtoB向けSaaSプロダクトを中心に、顧客企業の広告運用代行サービスを含めた各種ソリューションを提供しております。具体的には、営業活動における商談管理のための営業管理システム(SFA)及び顧客管理システム(CRM)「GENIEE SFA/CRM」、企業のマーケティング活動を自動化し、効率的に潜在顧客の集客や購買意欲等の向上を実現するマーケティングオートメーション「GENIEE MA」、国内有数の導入企業社数4,500社を誇るチャット型Web接客プラットフォーム「GENIEE CHAT」、サイト内検索・ECサイト向け商品検索サービス「GENIEE SEARCH」などがあります。
「GENIEE SFA/CRM」「GENIEE MA」「GENIEE CHAT」「GENIEE SEARCH」などのSaaSプロダクトでは、基本的に導入企業様より月額でシステムやサービスの利用料をいただいております。
当期は、「GENIEE SFA/CRM」などの各プロダクトの機能強化を進めたほか、ChatGPTを用いたメッセージ自動作成機能をリリースし、「GENIEE CHAT」の一機能としてサービスの提供を開始しました。追加機能としては、商品に関連するキーワードを入力するだけでメッセージを複数自動作成することが実現しました。また、重点領域であるEC顧客(D2C)へのサービス拡充及び収益機会の拡大のため、Hypersonic株式会社を完全子会社化し、「GENIEE DSP」による広告出稿、「GENIEE CHAT」によるユーザーの離脱防止やコンバージョン改善、「CATS」による広告の効果計測や分析レポート等の機能を追加しプロダクト機能を強化・拡充しました。
この結果、同事業の売上収益は、1,976百万円、セグメント利益は85百万円(前期はセグメント利益48百万円)となりました。
・海外事業
海外事業では、インターネットメディア向けの「GENIEE SSP」や広告主/広告代理店向けの「GENIEE DSP」をはじめとした事業を中心に展開しております。
当期は、Zelto,Inc.(以下、Zelto)を完全子会社化しました。Zeltoは、2014年にインドおよび米国において創業をした、インターネットメディアのディスプレイ広告収益の向上サービスを提供する、急成長中のアドテクノロジー企業です。Zeltoを完全子会社とすることで、広告プラットフォーム事業における「GENIEE SSP」や海外事業において、弊社提供サービスとの連携・機能拡充とともに、世界各地のインターネットメディアへ価値提供が可能になります。なお、継続してリセラー及びパートナーシップビジネスの強化を推進しました。
この結果、同事業の売上収益は、783百万円、セグメント利益は338百万円(前期はセグメント利益163百万円)となりました。
この結果、当期の業績は、売上収益6,455百万円、営業利益2,457百万円(前期は営業利益588百万円)、親会社の所有者に帰属する当期利益2,114百万円(前期は親会社の所有者に帰属する当期利益500百万円)となりました。
※1.株式会社 CARTA COMMUNICATIONS(CCI) /株式会社 D2C /株式会社電通 /株式会社電通デジタル/
株式会社セプテーニ・ホールディングス調べ
※2.出典元:株式会社富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場 2022年版」
※3.OOHとは、Out Of Homeの略で、交通広告や屋外広告など自宅以外の場所で接触する広告メディアの総称。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末より1,399百万円増加し、2,875百万円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は、1,389百万円(前期は1,235百万円の獲得)となりました。これは主に、税引前利益2,279百万円、減価償却費及び償却費の計上641百万円、段階取得に係る差益の計上1,623百万円、営業債権及びその他の債権の減少308百万円、営業債務及びその他の債務の減少341百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、5,967百万円(前期は1,202百万円の使用)となりました。これは主に、無形資産の取得による支出649百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出5,128百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果獲得した資金は、5,926百万円(前期は316百万円の獲得)となりました。これは主に、短期借入金の純増額5,728百万円、長期借入れによる収入1,050百万円、長期借入金の返済による支出528百万円、自己株式の取得による支出31百万円等によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
(a)生産実績
当社グループで行う事業は、インターネットを利用したサービスの提供であり、提供するサービスには生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
(b)受注実績
当社グループで行う事業は、インターネットを利用したサービスの提供であり、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
(c)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
広告プラットフォーム事業 |
3,897,499 |
△65.3 |
マーケティングSaaS事業 |
1,961,570 |
75.6 |
海外事業 |
596,004 |
△71.0 |
合計 |
6,455,074 |
△55.2 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.当連結会計年度より、広告プラットフォーム事業において、GENIEE Ads Platformシステムによる広告取引の収益については、従来は本人としての取引に該当し、売上収益及び売上原価を区分して表示する方法(総額表示)によっていましたが、規約または契約条件の変更に伴い、代理人としての取引に該当することになったため、売上原価を売上収益から控除する方法(純額表示)としているため、前年同期は大幅に減少しております。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
Google Inc. |
5,138,102 |
35.5 |
888,404 |
13.8 |
ヤフー株式会社 |
1,429,868 |
9.9 |
507,082 |
7.9 |
4.上記のGoogle Inc.に対する売上収益には、Google Asia Pacific Pte.Ltd.等の各社に対する売上収益が含まれております。
5.当連結会計年度より、GENIEE Ads Platformシステムによる広告取引の収益については、従来は本人としての取引に該当し、売上収益及び売上原価を区分して表示する方法(総額表示)によっていましたが、規約または契約条件の変更に伴い、代理人としての取引に該当することになったため、売上原価を売上収益から控除する方法(純額表示)にて記載を行っております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、株式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。
②財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は5,671百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,869百万円増加いたしました。これは主に現金及び現金同等物が1,399百万円増加し、営業債権及びその他の債権が416百万円増加したことによるものであります。非流動資産は12,183百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,325百万円増加いたしました。これは主にのれんが7,892百万円増加し、使用権資産が266百万円増加したことによるものであります。
この結果、資産合計は17,855百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,195百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は10,328百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,678百万円増加いたしました。これは主に、借入金が6,037百万円増加、その他の流動負債が292百万円増加、リース負債が200百万円増加したことによるものであります。非流動負債は2,493百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,368百万円増加いたしました。これは主に、その他の金融負債が1,020百万円増加、借入金が213百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は12,821百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,046百万円増加いたしました。
(資本)
当連結会計年度末における資本合計は5,033百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,148百万円増加いたしました。これは主に、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上により、利益剰余金が2,114百万円増加したことによるものです。
この結果、親会社所有者帰属持分比率は28.0%(前連結会計年度末は37.1%)となりました。
③経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績の分析については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
④キャッシュ・フローの状況に関する分析・検討内容
キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
⑤経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑥当社グループの資本の財源及び資金の流動性に関する情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、売上原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、M&A等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資及びM&A等の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は8,892百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,875百万円となっております。
(3)並行開示情報
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表は、以下のとおりであります。
なお、日本基準により作成した当連結会計年度の要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
①要約連結貸借対照表(日本基準)
(単位:千円) |
|
前連結会計年度 (2022年3月31日) |
当連結会計年度 (2023年3月31日) |
資産の部 |
|
|
流動資産 |
3,815,459 |
5,690,607 |
固定資産 |
|
|
有形固定資産 |
471,046 |
645,194 |
無形固定資産 |
2,602,074 |
8,935,878 |
投資その他の資産 |
447,677 |
573,978 |
固定資産合計 |
3,520,798 |
10,155,051 |
資産合計 |
7,336,257 |
15,845,659 |
|
|
|
負債の部 |
|
|
流動負債 |
3,488,898 |
9,964,733 |
固定負債 |
1,114,810 |
1,452,217 |
負債合計 |
4,603,708 |
11,416,950 |
|
|
|
純資産の部 |
|
|
株主資本 |
2,679,061 |
4,298,331 |
その他の包括利益累計額 |
42,369 |
123,328 |
新株予約権 |
2,896 |
2,840 |
非支配株主持分 |
8,221 |
4,207 |
純資産合計 |
2,732,548 |
4,428,708 |
負債純資産合計 |
7,336,257 |
15,845,659 |
②要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準)
要約連結損益計算書
(単位:千円) |
|
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
売上高 |
14,459,453 |
6,455,074 |
売上原価 |
10,676,184 |
1,333,359 |
売上総利益 |
3,783,268 |
5,121,715 |
販売費及び一般管理費 |
3,044,686 |
4,300,089 |
営業利益 |
738,581 |
821,626 |
営業外収益 |
46,269 |
8,745 |
営業外費用 |
38,520 |
169,646 |
経常利益 |
746,331 |
660,725 |
特別利益 |
181 |
1,513,384 |
特別損失 |
246,944 |
374,820 |
税金等調整前当期純利益 |
499,568 |
1,799,289 |
法人税等合計 |
161,247 |
153,757 |
当期純利益 |
338,320 |
1,645,532 |
非支配株主に帰属する当期純利益 |
2,458 |
△4,013 |
親会社株主に帰属する当期純利益 |
335,862 |
1,649,546 |
要約連結包括利益計算書
(単位:千円) |
|
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当期純利益 |
338,320 |
1,645,532 |
その他の包括利益合計 |
31,015 |
80,959 |
包括利益 |
369,335 |
1,726,492 |
(内訳) |
|
|
親会社株主に係る包括利益 |
366,877 |
1,730,506 |
非支配株主に係る包括利益 |
2,458 |
△4,014 |
③要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(単位:千円) |
|
株主資本 |
その他の包括 利益累計額 |
新株予約権 |
非支配株主持分 |
純資産合計 |
当期首残高 |
2,643,880 |
11,353 |
2,095 |
- |
2,657,329 |
当期変動額 |
35,180 |
31,015 |
801 |
8,221 |
75,218 |
当期末残高 |
2,679,061 |
42,369 |
2,896 |
8,221 |
2,732,548 |
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:千円) |
|
株主資本 |
その他の包括 利益累計額 |
新株予約権 |
非支配株主持分 |
純資産合計 |
当期首残高 |
2,679,061 |
42,369 |
2,896 |
8,221 |
2,732,548 |
当期変動額 |
1,619,270 |
80,959 |
△56 |
△4,014 |
1,696,159 |
当期末残高 |
4,298,331 |
123,328 |
2,840 |
4,207 |
4,428,708 |
④要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)
(単位:千円) |
|
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
営業活動によるキャッシュ・フロー |
1,139,885 |
1,162,747 |
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△1,273,938 |
△5,967,149 |
財務活動によるキャッシュ・フロー |
483,710 |
6,153,065 |
現金及び現金同等物に係る換算差額 |
37,851 |
50,458 |
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) |
387,509 |
1,399,121 |
現金及び現金同等物の期首残高 |
1,091,864 |
1,476,761 |
連結除外に伴う現金及び現金同等物の減少額 |
△2,611 |
- |
現金及び現金同等物の期末残高 |
1,476,761 |
2,875,883 |
⑤連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(会計方針の変更)
(収益認識に関する会計基準等の適用)
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用し、約束した財又はサービスの支配が顧客に移転した時点で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識することといたしました。これにより、広告プラットフォーム事業及び海外事業における一部の取引について、従来は、顧客から受け取る対価の総額を収益として認識していましたが、顧客への財又はサービスの提供における当社グループの役割が代理人としての性質が強いと判断されるものについては、顧客から受け取る額から仕入先に支払う額を控除した純額で収益を認識することとしています。
収益認識会計基準等の適用については、収益認識会計基準第84項ただし書きに定める経過的な取扱いに従っており、当連結会計年度の期首より前に新たな会計方針を遡及適用した場合の累積的影響額を、当連結会計年度の期首の利益剰余金に加減し、当該期首残高から新たな会計方針を適用しています。ただし、収益認識会計基準第86項に定める方法を適用し、当連結会計年度の期首より前までに従前の取扱いに従ってほとんどすべての収益の額を認識した契約に、新たな会計方針を遡及適用しておりません。また、収益認識会計基準第86項また書き(1)に定める方法を適用し、当連結会計年度の期首より前までに行われた契約変更について、すべての契約変更を反映した後の契約条件に基づき、会計処理を行い、その累積的影響額を当連結会計年度の期首の利益剰余金に加減しています。
この結果、当連結会計年度の売上高、売上原価がそれぞれ1,362百万円減少しましたが、営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益に与える影響はありません。また、利益剰余金の当期首残高に与える影響もありません。
収益認識会計基準等を適用したため、前連結会計年度の連結貸借対照表において、「流動資産」に表示していた「売掛金」は、当連結会計年度より「売掛金」及び「契約資産」に含めて表示することといたしました。なお、収益認識会計基準第89-2項に定める経過的な取扱いに従って、前連結会計年度について新たな表示方法により組替えを行っておりません。さらに、収益認識会計基準第89-3項に定める経過的な取扱いに従って、前連結会計年度に係る顧客との契約から生じる収益を分解した情報を記載しておりません。
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
該当事項はありません。
(4)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 39.初度適用」に記載のとおりであります。
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(リース)
日本基準では、借手のリースについてファイナンス・リースとオペレーティング・リースに分類し、オペレーティング・リースについては通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理を行っておりました。IFRSでは、借手のリースについてファイナンス・リースとオペレーティング・リースの区分がないため、基本的にすべてのリース取引について、「使用権資産」及び「リース負債」を計上しております。
上記の影響により結果、使用権資産が373百万円、リース負債(流動)が291百万円、及びリース負債(非流動)が50百万円増加し、販売費及び一般管理費が258百万円増加しております。
(のれんの償却)
日本基準では合理的に見積られたのれんの効果が及ぶ期間にわたって定額法によりのれんを償却しておりましたが、IFRSでは企業結合により発生したのれんは、償却せず、毎年同時期及び減損の兆候を識別したときはその都度、減損テストを実施しております。
上記の影響により結果、販売費及び一般管理費が309百万円減少しております。
(条件付対価の取扱い)
日本基準では、企業結合に係る株式売買契約における条件付対価について、契約で定めた条件が確定した時点で、追加支払額を取得原価から増加させ、同額ののれんの金額を増加させますが、IFRSでは、条件付対価の公正価値を見積もり、取得後の公正価値の変動額については純損益として処理することが要求されます。この影響により、IFRSでは日本基準に比べ非流動負債のその他の金融負債が1,013百万円増加しております