売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E33615 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当社グループの主力事業が属するインターネット広告市場は、新型コロナウイルス感染症の影響が収束してきたことで経済が正常化に向かい、緩やかに景気が回復しているなかで引き続き拡大を続けております。「2022年日本の広告費」(※1)によれば、インターネット広告媒体費は前年比112.5%の2兆7,908億円となり、今後も堅調な推移が見込まれています。

また、当社グループが事業領域を拡大しているSaaS市場は、企業の働き方の変化や業務のデジタル化推進など、DX(デジタルトランスフォーメーション)の一環として、成長をさらに加速しています。2026年には約1兆6,681億円(※2)に拡大すると見込まれています。

国内経済においては、コロナ禍によりデジタル技術を活用した生活・消費行動(テレワークやオンラインショッピング、非接触型決済の拡大など)が定着化しています。さらに、OpenAI社が開発・公開した大規模言語モデルを用いた高度な対話型AIであるChatGPTの事例により、AI技術が様々な分野で注目を集めています。

このような事業環境の下、当社グループは、2023年度から2025年度まで3ヵ年を対象とした「中期経営計画〜First Magic 2025 Towards 2030 Vision〜」を策定しました。当社は「誰もがマーケティングで成功できる世界を創る」、「日本発の世界的なテクノロジー企業となり、日本とアジアに貢献する」という2つのパーパス(企業の存在意義)を実現するために、当社グループの長期的な高成長を目指しています。

また、当社グループは当期の4月に、AI技術関連の導入コンサルティング、プロダクト提供、および研究開発推進を行う子会社、JAPAN AI株式会社を設立しました。当社の高い技術開発力を継承し、AIの研究開発を進めることで、マーケティング業界だけでなく、多様な業界や産業にサービスを提供し、お客様のさらなる事業拡大に貢献していきます。

今後も日本発のテクノロジーカンパニーとして、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に向けて取り組んでまいります。

 

セグメント別の業績は、次のとおりであります。

 

・広告プラットフォーム事業

広告プラットフォーム事業は、下期に収益が拡大する傾向があり、サプライサイドビジネスにおける動画フォーマットの拡大が業績に寄与しました。さらに、デマンドサイドビジネスでは、ユーザーの興味に合わせて複数の商品やサービスをレコメンド配信できるダイナミック広告に強みを持つ「KANADE DSP」を2023年の6月に事業譲受しました。これにより、ダイナミック広告の領域でも業績を伸ばすことができました。

この結果、同事業の売上収益は、3,135百万円(前年同四半期比7.7%増)となり、セグメント利益は1,607百万円(前年同四半期比0.8%増)となりました。

 

 

・マーケティングSaaS事業

マーケティングSaaS事業では、GENIEE Marketing Cloudのプロダクトとして、CRM(顧客管理)/SFA(営業管理)システム「GENIEE SFA/CRM」、マーケティングオートメーション「GENIEE MA」、チャット接客ツール「GENIEE CHAT」、サイト内検索「GENIEE SEARCH」、広告効果測定「CATS」などのサービスを展開しています。また、当社にはエンジニアが多く所属しているため、開発力が高いことを強みとしています。SFA/CRMにおいては、エンタープライズ層の新規顧客獲得を進めており、また当該顧客層からの受託開発件数も順調に伸びています。

この結果、同事業の売上収益は、1,973百万円(前年同四半期比43.3%増)となり、セグメント利益は177百万円(前年同四半期はセグメント損失3百万円)となりました。

 

・海外事業

海外事業では、2023年2月に当社の完全子会社としたZelto, Inc.の事業基盤強化に向けたPMI(※3)を当社主導で進め、業績拡大を図っています。

この結果、同事業の売上収益は、950百万円(前年同四半期比62.9%増)となり、セグメント利益は180百万円(前年同四半期比41.4%減)となりました。

 

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上収益5,892百万円(前年同四半期比24.9%増)、営業利益は1,236百万円(前年同四半期比54.1%増)、税引前四半期利益は1,079百万円(前年同四半期比28.2%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は861百万円(前年同四半期比35.5%増)となりました。

 

※1.株式会社 CARTA COMMUNICATIONS(CCI) /株式会社 D2C /株式会社電通 /株式会社電通デジタル /

   株式会社セプテーニ・ホールディングス調べ

※2.出典元:株式会社富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場 2022年版」

※3.ポスト・マージャー・インテグレーションの略称。M&A後の統合プロセスを指す。

 

(2) 財政状態の分析

(資産)

当第3四半期連結会計期間末における総資産は、18,431百万円となり、前連結会計年度末に比べ576百万円増加しました。主な要因は、営業債権及びその他の債権の増加506百万円、のれんの増加504百万円、無形資産の増加314百万円、現金及び現金同等物の減少456百万円です。

 

(負債)

当第3四半期連結会計期間末における負債は、11,956百万円となり、前連結会計年度末に比べ865百万円減少しました。主な要因は、その他の金融負債(非流動)の減少449百万円、リース負債の減少245百万円、借入金の減少205百万円です。

 

(資本)

当第3四半期連結会計期間末における資本は、6,475百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,441百万円増加しました。主な要因は、親会社の所有者に帰属する四半期利益の計上により利益剰余金が861百万円増加、在外活動営業体の換算差額が569百万円増加したことです。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は2,419百万円となり、前連結会計年度末から456百万円減少しました。当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、656百万円の収入となりました。主な要因は、税引前四半期利益1,079百万円、減価償却費及び償却費545百万円、その他の収益549百万円、営業債権及びその他の債権の増加額458百万円です。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、569百万円の支出となりました。主な要因は、無形資産の取得による支出588百万円、敷金及び保証金の差入による支出67百万円、投資有価証券の取得による支出45百万円、事業譲受による支出20百万円、投資有価証券の売却による収入144百万円です。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、465百万円の支出となりました。主な要因は、短期借入金の純減額72百万円、長期借入れによる収入400百万円、長期借入金の返済による支出532百万円、リース負債の返済による支出263百万円です。

 

(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(5) 経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(7) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。