E01849 Japan GAAP
前期
519.9億 円
前期比
101.6%
株価
2,890 (04/25)
発行済株式数
18,220,000
EPS(実績)
160.76 円
PER(実績)
17.98 倍
前期
673.5万 円
前期比
99.5%
平均年齢(勤続年数)
40.0歳(15.2年)
従業員数
1,045人(連結:2,021人)
当社の企業集団は、当社及び子会社11社で構成され、戸建住宅向けシステム、集合住宅向けシステム、医療・福祉施設向けシステム、オフィス・公共施設向けシステム等の電気通信機器の製造・販売を主な内容とし、さらに各事業に関連する据付工事、請負、修理等の事業活動を展開しております。
当企業集団の各社の事業に係る位置づけは、次のとおりであります。
当社が電気通信機器を製造・販売するほか、生産面ではタイのアイホンコミュニケーションズ(タイランド)とベトナムのアイホンコミュニケーションズ(ベトナム)が製品の生産を行っております。また、フランスのGEGA ELECTRONIQUEが製品の生産及び一部販売を行っております。さらに、国内ではアイホンコミュニケーションズ株式会社が当社製品の生産と基板の加工を行っております。
また、販売面では北米につきましてはアイホンコーポレーションが、欧州(イギリスを除く。)につきましてはアイホンS.A.S.が、オセアニアにつきましてはアイホンPTYが、東南アジアにつきましてはアイホンPTE.が、イギリスにつきましてはアイホンUKがそれぞれ販売を行っております。
さらに、開発面では株式会社ソフトウェア札幌及び株式会社テシオテクノロジがソフトウェア開発等を行っております。
セグメントの区分は次のとおりであります。
セグメントの名称 |
会社名 |
日本 |
アイホン株式会社 |
北米 |
アイホンコーポレーション |
欧州 |
アイホンS.A.S.、アイホンUK |
タイ |
アイホンコミュニケーションズ(タイランド) |
ベトナム |
アイホンコミュニケーションズ(ベトナム) |
その他 |
アイホンPTY、アイホンPTE. |
事業の系統図は次のとおりであります。(2023年3月31日現在)
※画像省略しています。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日)におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和され、社会経済活動は正常化が進みつつある中、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、電子部品の需給逼迫や資源価格の上昇、急激な為替の変動等により原材料価格や輸入価格が高騰し、インフレが進行するなど、先行きが不透明な状況が継続いたしました。また、海外におきましては、経済活動が活性化する中、需給バランスの乱れやウクライナ情勢の長期化に起因する資源価格及び原材料価格の高騰等により高いインフレ率が継続いたしました。加えて、インフレの抑制のため世界的に金利の引き上げが行われるなど、先行きが不透明な状況が継続いたしました。
これらの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
(イ)財政状態
当連結会計年度末の財政状態は、資産705億9千7百万円(前連結会計年度末比11億4千3百万円増)、負債122億5百万円(同13億1千7百万円減)、純資産583億9千1百万円(同24億6千1百万円増)となりました。
(ロ)経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高528億1千1百万円(前連結会計年度比1.6%増)、営業利益37億5千8百万円(同32.1%減)、経常利益41億6千7百万円(同29.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益29億2千9百万円(同30.7%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりです。
(日本セグメント)
国内の住宅市場につきましては、戸建住宅におきまして、新築では当社の納入時期にあたる住宅着工戸数全体が前期から減少するとともに、部品の供給状況は回復傾向にあるものの主力テレビドアホンの供給制限が継続したことから、売上は大幅に減少いたしました。リニューアルでは、防犯意識の高まりを追い風にワイヤレステレビドアホンシリーズの販売は引き続き好調に推移したものの、その他のテレビドアホンにおいては部品の供給不足が大きく影響したことにより、量販店等への販売は大幅に減少いたしました。この結果、戸建住宅市場全体といたしましては、売上は大幅に減少いたしました。
集合住宅におきましては、新築では当社の納入時期にあたる住宅着工戸数が前期から増加する中、積極的な受注活動を行ってきました。しかしながら、分譲マンション及び賃貸マンションともに昨年度の一時的な需要の増加が終息し、市場競争環境の正常化が進んだことにより、売上は減少いたしました。一方、リニューアルでは一部商品の供給制限が継続し、賃貸マンションへの販売が低迷したことにより売上は大幅に減少いたしました。この結果、集合住宅市場全体といたしましては、売上は減少いたしました。
ケア市場につきましては、新築では病院や高齢者施設等の着工数は減少傾向が継続する中、これまでの受注活動が奏功し病院や高齢者住宅への販売が好調に推移したことにより、売上は大幅に増加いたしました。また、リニューアルにおきましては、第4四半期に入り商品供給が回復するとともに、積極的なソリューション提案活動を行ったことにより病院等への販売が好調に推移し、売上は大幅に増加いたしました。この結果、ケア市場全体といたしましては、売上は大幅に増加いたしました。
業務市場につきましては、物流施設やテナントビル等の設備投資が堅調に推移したことに加え、鉄道の駅等の拠点集約や省人化・無人化の需要も引き続き増加傾向であったことから、IPネットワーク対応インターホンシステムの販売が好調に推移いたしました。この結果、業務市場全体といたしましては、売上は増加いたしました。
これらの結果、日本セグメントの売上高は466億1千3百万円(前連結会計年度比0.2%増)となりました。また、営業利益につきましては、円安の影響や部品の供給不足等による部品単価の上昇、さらには輸入仕入れコストの増加等により、27億5千6百万円(同40.1%減)となりました。
(北米セグメント)
アメリカの販売子会社であるアイホンコーポレーションにつきましては、一部商品の供給制限がある中、代替商品の提案活動を積極的に行うことにより、テレビドアホンの販売が増加いたしました。また、工事店とのシステム商品の販売強化に向けた取り組みを推進するとともに、第4四半期には商品の供給状況に一定の回復が見られたことにより、学校案件等を中心にIPネットワーク対応インターホンシステムの販売が好調に推移し、売上は増加いたしました。
これらの結果、北米セグメントの売上高は円安の影響もあり98億4千4百万円(前連結会計年度比36.4%増)となりました。また、営業利益につきましては、売上高の増加等もあり5億1千2百万円(同41.6%増)となりました。
(欧州セグメント)
フランスの販売子会社であるアイホンS.A.S.につきましては、欧州経済の景気後退が強まる中、第4四半期におきましては商品供給の状況が回復傾向となり、主力の住宅市場を中心にテレビドアホンの販売が好調に推移いたしました。しかしながら、上半期の供給制限による販売の減少幅が大きく、売上は大幅に減少いたしました。
イギリスの販売子会社であるアイホンUKにつきましても、商品供給の状況が回復傾向となったことにより第4四半期の販売は好調に推移いたしましたが、上半期の販売の減少幅が大きく、売上は大幅に減少いたしました。
これらの結果、欧州セグメントの売上高は38億3千2百万円(前連結会計年度比3.5%減)となりました。また、営業利益につきましては、売上高の減少等もあり1千9百万円(同68.0%減)となりました。
(タイセグメント)
当社グループ向けの製品等を生産・出荷している生産子会社であるアイホンコミュニケーションズ(タイランド)につきましては、部品供給が回復傾向となったことにより、第4四半期の生産量は前期を上回りました。しかしながら、上半期における部品の供給不足が大きく影響したことにより、累計生産量は前期を大幅に下回りました。
これらの結果、タイセグメントの売上高は、為替の影響により94億1千6百万円(前連結会計年度比24.1%増)となりました。また、営業利益につきましては、部品価格高騰の影響等もあり2億4千2百万円(同7.8%減)となりました。
(ベトナムセグメント)
当社グループ向けの製品等を生産・出荷している生産子会社であるアイホンコミュニケーションズ(ベトナム)につきましては、部品供給が回復傾向となったことにより、下半期は大幅な増産を行いました。しかしながら、上半期における部品の供給不足が大きく影響したことにより、累計生産量は前期を大幅に下回りました。
これらの結果、ベトナムセグメントの売上高は、為替の影響により71億3千3百万円(前連結会計年度比23.0%増)となりました。また、営業利益につきましては、売上高の増加やグループ間取引価格の変更の影響等もあり2億6千1百万円(同35.9%増)となりました。
(その他)
報告セグメントに含まれない販売子会社といたしまして、オーストラリアの販売子会社であるアイホンPTYにつきましては、遅延していた案件が再開するとともに、主力商品の供給が回復傾向となったことにより、住宅市場を中心に販売が好調に推移いたしました。また、積極的な業務市場開拓によりIPネットワーク対応インターホンシステムの販売が拡大し、売上は大幅に増加いたしました。
シンガポールの販売子会社であるアイホンPTE.につきましても、商品供給が回復傾向となったことにより、集合住宅市場や業務市場の大型案件等への販売が好調に推移したことにより、売上は大幅に増加いたしました。
これらの結果、セグメントに含まれない販売子会社におきましては、売上高は12億3千9百万円(前連結会計年度比35.7%増)となりました。また、営業利益につきましては、8千2百万円(同93.2%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ88億2千1百万円減少し、137億5千6百万円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、使用した資金は47億8千1百万円(前連結会計年度は18億7千2百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益42億8千5百万円の計上があったものの、棚卸資産の増加額49億3千5百万円、法人税等の支払額25億3千5百万円、売上債権の増加額15億2千2百万円などがあったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は25億3千3百万円(前連結会計年度は37億2千9百万円の収入)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出31億4千8百万円があったものの、有価証券の売却及び償還による収入8億3千8百万円などがあったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は17億5千8百万円(同31.9%増)となりました。これは主に、配当金の支払額15億6千8百万円などがあったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
(イ)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
日本 |
33,971 |
94.8 |
タイ |
9,519 |
127.0 |
ベトナム |
7,211 |
123.9 |
合計 |
50,702 |
103.2 |
(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しておりません。
(ロ)受注実績
当社グループは、主として需要見込による生産方式をとっておりますので記載を省略しております。
(ハ)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
日本 |
37,926 |
94.9 |
北米 |
9,814 |
136.7 |
欧州 |
3,830 |
97.0 |
その他 |
1,239 |
136.0 |
合計 |
52,811 |
101.6 |
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(イ)財政状態
当連結会計年度末における資産は705億9千7百万円(前連結会計年度末694億5千3百万円)となり11億4千3百万円増加いたしました。これは主に、棚卸資産が55億3千5百万円増加、土地が25億9千5百万円増加、売掛金が18億8千9百万円増加、現金及び預金が93億2千4百万円減少したこと等によるものであります。
負債は122億5百万円(前連結会計年度末135億2千3百万円)となり13億1千7百万円減少いたしました。これは主に、未払法人税等が13億5千7百万円減少、製品保証引当金が6億4千9百万円減少、買掛金が4億3千2百万円増加したこと等によるものであります。
純資産は583億9千1百万円(前連結会計年度末559億2千9百万円)となり24億6千1百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益により29億2千9百万円増加、為替換算調整勘定が11億6千万円増加、剰余金の配当により15億6千8百万円減少したこと等によるものであります。
(ロ)経営成績
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、528億1千1百万円(前連結会計年度比1.6%増)となりました。売上高の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 (ロ)経営成績」に記載しております。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、225億8千1百万円(前連結会計年度比5.8%減)となりました。主な減少要因としましては、為替の影響や部品コストの増加によるものであります。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、188億2千2百万円(前連結会計年度比2.2%増)となりました。主な増加要因としましては、コロナ禍からの回復により営業活動の正常化が進んだことや、為替の影響等によるものであります。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は、37億5千8百万円(前連結会計年度比32.1%減)となりました。主な減少要因としましては、売上総利益が減少したことによるものであります。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は、41億6千7百万円(前連結会計年度比29.7%減)となりました。主な減少要因としましては、営業利益が減少したことによるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、29億2千9百万円(前連結会計年度比30.7%減)となりました。主な減少要因としましては、経常利益が減少したことによるものであります。
なお、当社グループが経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標としている連結売上高営業利益率は為替の影響や部品コストの増加で売上原価が増加したことに伴い、7.1%(前連結会計年度比3.6ポイント減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、持続的な成長のための積極的投資と株主への利益還元に必要な資金の確保、並びに強固な財務基盤の維持を目指し、安定的な営業キャッシュ・フローの創出に努めております。運転資金需要の主なものは、製品を生産するための材料仕入、外注費等の製造費用や新商品開発のための新商品開発費及び販売費であります。また、設備資金需要の主なものは、製品を生産するための機械装置等の固定資産購入であります。なお、当社グループはこれらの資金を全額自己資金で充当しております。
また、株主還元につきましては、長期的な視点に立った安定的な配当を実施するとともに、経営基盤の強化と収益見通しを勘案しつつ積極的な配当を検討しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が経営成績等に重要な影響を及ぼすと考えております。
(製品保証引当金)
製品保証引当金は、将来発生する修理費用の見積額を計上しております。修理費用の見積額は、過去の発生実績率や特定案件の合理的な見積りに基づいて計上しておりますが、実際の発生実績率または修理費用が見積りと異なる場合、製品保証引当金に影響を及ぼす可能性があります。
(退職給付債務及び退職給付費用)
退職給付債務及び退職給付費用は、割引率や年金資産の期待運用収益率等の数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、退職給付債務及び退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。