売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01849 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度(2023年4月1日~2023年12月31日)における世界経済は、欧米を中心にインフレ抑制のために金融引締めが行われ、景気後退が懸念される状況が続きました。また、中東情勢の悪化等、地政学リスクが高まっており先行きが不透明な状況が継続いたしました。

こうした中、わが国の経済は、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行したことにより、景気は回復基調で推移いたしました。一方で、エネルギー価格や物価の高騰、急激な円安の進行等、先行きが不透明な状況が継続いたしました。

 

①財政状態の状況

当第3四半期連結会計期間末における総資産は752億7千7百万円(前連結会計年度末705億9千7百万円)となり46億8千万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が53億7千3百万円増加、売上債権が5億9千6百万円減少したことによるものです。

負債は132億1千2百万円(前連結会計年度末122億5百万円)となり10億6百万円増加いたしました。これは主に、賞与引当金が6億4千3百万円増加、未払法人税等が5億6千6百万円増加したことによるものです。

純資産は620億6千5百万円(前連結会計年度末583億9千1百万円)となり36億7千4百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金が18億4百万円増加、為替換算調整勘定が11億8百万円増加、その他有価証券評価差額金が6億7千8百万円増加したことによるものです。

 

②経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は449億7百万円(前年同四半期連結累計期間比23.0%増)、営業利益は39億9千7百万円(同81.2%増)、経常利益は45億1千4百万円(同84.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は32億7千5百万円(同77.6%増)となりました。

 

当第3四半期連結累計期間におけるセグメントの経営成績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

会社名

日本

アイホン株式会社

北米

アイホンコーポレーション

欧州

アイホンS.A.S.、アイホンUK

タイ

アイホンコミュニケーションズ(タイランド)

ベトナム

アイホンコミュニケーションズ(ベトナム)

その他

アイホンPTY、アイホンPTE.

 

 

 

セグメントの名称

売上高(億円)

営業利益(億円)

第3四半期累計期間

増減率(%)

第3四半期累計期間

増減率(%)

2023年

3月期

2024年

3月期

2023年

3月期

2024年

3月期

日本

317.6

396.4

24.8

13.8

35.3

155.9

北米

70.2

88.7

26.4

1.7

4.0

132.3

欧州

27.7

29.7

7.5

△0.3

△0.7

タイ

64.9

72.0

11.0

2.9

2.4

△15.9

ベトナム

55.2

42.6

△22.8

3.5

1.4

△58.2

その他

8.5

10.0

18.1

0.7

0.2

△72.4

 

(日本セグメント)

売上高は396億4千6百万円(前年同四半期連結累計期間比24.8%増)となりました。営業利益は売上高の大幅な増加等もあり35億3千8百万円(同155.9%増)となりました。

戸建住宅市場の売上は、大幅に増加いたしました。主な要因は、新築では当社の納入時期にあたる住宅着工戸数は前年同期から減少が続くものの、部品不足の回復に伴う商品供給の安定化により主力テレビドアホンの販売が好調に推移したことに加え、前年度に行った価格改定の効果があったことによります。また、リニューアルにおいても主力のワイヤレステレビドアホンを中心に量販店等への販売が好調に推移いたしました。

集合住宅市場の売上は、大幅に増加いたしました。主な要因は、新築では市場競争環境の正常化により分譲マンション向けの販売が大幅に減少したものの、大手賃貸ディベロッパー等への積極的な受注活動により賃貸マンション向けの販売が好調に推移したことに加え、価格改定の効果があったことによります。また、リニューアルにおいても部品不足の回復に伴う商品供給の安定化により、分譲マンション向け、賃貸マンション向けともに販売が好調に推移いたしました。

ケア市場の売上は、大幅に増加いたしました。主な要因は、新築では病院の着工数は引き続き減少傾向にあるものの、病院や高齢者施設においてニーズの高い現場情報の連携を容易に可能とするIPネットワーク対応ナースコールシステムの販売が好調に推移したことによります。また、リニューアルでは介護従事者の不足から高齢者施設を中心に「見守り支援」のニーズが高まっており、継続的なソリューション提案活動が奏功いたしました。

業務市場の売上は、大幅に増加いたしました。主な要因は、テナントビルや官公庁案件等への設備投資が好調に推移するとともに、鉄道の駅や商業施設等における省人化・無人化ニーズに即したIPネットワーク対応インターホンシステムの販売が好調に推移したことによります。また、前年度に実施した価格改定も売上の増加に寄与いたしました。

 

(北米セグメント)

売上高は現地通貨ベースで大幅に増加するとともに、円貨ベースにおいても為替の影響により88億7千9百万円(前年同四半期連結累計期間比26.4%増)となりました。営業利益は売上高の大幅な増加等もあり4億6百万円(同132.3%増)となりました。

主な要因は、商品供給の正常化に伴い、学校・政府案件等の業務市場を中心にIPネットワーク対応インターホンシステムやテレビドアホンの販売が好調に推移したことによります。なお、四半期累計の売上高は前年同期を大幅に上回っているものの、第3四半期においては個人消費に陰りが見えはじめ、企業においても金利負担の増大により設備投資を抑制する動きが見られたことなどから、売上は前年同期を下回りました。

 

(欧州セグメント)

売上高は現地通貨ベースでは減少したものの、円貨ベースでは為替の影響により29億7千9百万円(前年同四半期連結累計期間比7.5%増)となりました。また、営業損失は7千7百万円(前年同四半期連結累計期間は営業損失3千5百万円)となりました。

主な要因は、欧州経済全体が冷え込む中、主要国フランスにおいて積極的なプロモーション活動により戸建住宅向けのWi-Fi対応テレビドアホンの販売が好調に推移したものの、住宅着工数の大幅な減少に加え、企業や地方公共団体等の設備投資予算の縮小に伴い業務市場への販売が低迷したことによります。引き続き、市況低迷の影響については注視が必要な状況となっております。

一方、イギリスにおいては経済環境の不安定な状況は継続しているものの、第3四半期後半以降は市況が安定したことにより、業務市場において需要の高いIPネットワーク対応インターホンシステムの販売が好調に推移し、売上は前年同期から増加いたしました。

 

(タイセグメント)

生産拠点として、売上高は72億8百万円(前年同四半期連結累計期間比11.0%増)となりました。営業利益は、部品価格の高騰等もあり2億4千6百万円(同15.9%減)となりました。

主な要因は、部品の供給状況に合わせて生産調整を行った結果、第3四半期における生産量は前年同期を下回ったものの、累計生産量が大幅に増加したことによります。なお、一部を除き部品の供給が安定傾向にあることから、引き続き製品及び部品在庫の正常化を進めてまいります。

 

(ベトナムセグメント)

生産拠点として、売上高は42億6千5百万円(前年同四半期連結累計期間比22.8%減)となりました。営業利益は、部品価格の高騰や売上高の大幅な減少等もあり1億4千7百万円(同58.2%減)となりました。

主な要因は、前年度の下半期に実施した一時的な増産に対する生産調整を継続しており、生産量が前年同期を大幅に下回ったことによります。引き続き、安定的な生産の実施に向けて製品及び部品在庫の正常化を進めてまいります。

 

(その他)

売上高は10億9百万円(前年同四半期連結累計期間比18.1%増)となりました。営業利益は、販管費増加や原価率悪化等もあり2千1百万円(同72.4%減)となりました。

主な要因は、オーストラリアを中心とするオセアニアにおいては、国内経済の減速による住宅市場の停滞が大きく影響し、販売が大幅に減少したものの、シンガポールを中心とする東南アジアにおいて、ケア市場や業務市場を中心に需要の高いIPネットワーク対応商品の販売が好調に推移したことによります。

 

(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(3)経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、28億1千2百万円であります。