E01839 Japan GAAP
前期
913.3億 円
前期比
125.8%
株価
2,436 (07/16)
発行済株式数
31,894,554
EPS(実績)
195.58 円
PER(実績)
12.46 倍
前期
625.0万 円
前期比
101.1%
平均年齢(勤続年数)
44.4歳(15.1年)
従業員数
1,927人(連結:3,356人)
当社グループは、当社、連結子会社35社、非連結子会社1社及び関連会社2社で構成されており、超音波及び電磁波を中心としたセンサー技術をもとに、舶用電子機器及び産業用電子機器の製造販売を主たる事業としております。
当社グループの主な事業の内容と、当社及び関係会社の位置づけは次のとおりであります。
なお、以下の事業区分はセグメントの区分と同一であります。
舶用事業
主要な製品は航海機器、漁労機器及び無線通信装置等であります。
当社が製造・販売するほか、FURUNO FINLAND OY、ELECTRONIC NAVIGATION LIMITED及び古野香港有限公司が製造しており、主にFURUNO U.S.A.,INC.、FURUNO(UK)LTD.、FURUNO DANMARK A/S、FURUNO NORGE A/S、FURUNO FRANCE S.A.S.、FURUNO ESPAÑA S.A.、FURUNO DEUTSCHLAND GmbH、FURUNO HELLAS S.A.、FURUNO SINGAPORE PTE LTD及びFURUNO CHINA CO., LIMITED等が販売しております。
産業用事業
主要な製品は、医療機器、ITS機器、GPS機器及び航空機用電子装置等であります。
当社及び孚諾科技(大連)有限公司が製造・販売しております。
無線LAN・ハンディターミナル事業
㈱フルノシステムズが主に無線LANアクセスポイント、ハンディターミナル等の製造・販売をしております。
その他
主に、ラボテック・インターナショナル㈱が電磁環境試験事業を行っております。
事業の系統図
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
当社グループは、2030年までに目指す姿を経営ビジョン「FURUNO GLOBAL VISION“NAVI NEXT 2030”」として定め、事業ビジョン「安全安心・快適、人と環境に優しい社会・航海の実現」及び人財・企業風土ビジョン「VALUE through GLOBALIZATION and SPEED」を目指した経営を推進しております。その中で、当連結会計年度より、利益水準の向上、売上規模の拡大による成長投資の資源捻出、サステナブル経営の実行を主な基本施策とする中期経営計画(フェーズ2)をスタートさせました。当連結会計年度における世界経済は、各地域におけるコロナ禍からの経済活動の正常化への流れが継続する一方、ウクライナや中東情勢をはじめとする地政学的リスクの高まりや、インフレの進行等、先行きが不透明な状況が続きました。米国は、個人消費の回復や底堅い雇用情勢、また政府支出の増加を背景に堅調に推移しました。欧州は、既往の金融引き締めによる内需の落ち込みや、景気が力強さを欠く中国向け輸出の減少等を背景に低調に推移しました。中国は、長引く不動産不況や軟調な個人消費を背景に、低調に推移しました。わが国においては、個人消費を中心に内需が低調であり、景気の回復に足踏みがみられている状況です。
このような経済環境の中、当社グループの関連する市場において、舶用分野のうち商船向け市場では、資材価格や人件費の高騰を受けた船価の高止まりや、人手不足等を要因とした造船所の建造許容量の低下により新造船の受注環境は軟調ながらも、手持ち工事量は高い水準を維持しました。漁業向け市場では、国内や北米及び欧州にて需要が堅調に推移しました。プレジャーボート向け市場では、北米及び欧州において需要が好調を維持しました。産業用事業では、国内の新車販売台数は小型車両の減少により低調に推移しましたが、中古車販売台数は堅調に推移しました。5Gエリア拡大に伴う携帯電話向け基地局の設置も国内外で進みました。また、ヘルスケア市場におけるIVD(体外診断用医療機器)等の機器設置需要は堅調に推移しました。国内の教育ICT市場においては、ICT整備に関する大型案件が減少し、低調に推移しました。
当社グループにおいては、部材調達環境の回復を背景に、高水準の受注残の解消と納期の正常化に向け、増産を推し進めました。また、生産ラインの効率化や部材価格高騰に伴うコスト上昇分の販売価格への転嫁等の価格マネジメントを各地域において展開し、利益の適正化に努めました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は1,148億5千万円(前年同期比25.8%増)、売上総利益は425億9千4百万円(前年同期比23.9%増)となりました。営業利益は65億1千9百万円(前年同期比327.8%増)、経常利益は81億6千9百万円(前年同期比215.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は62億3千8百万円(前年同期比362.8%増)となりました。
なお、当連結会計年度に適用した米ドル及びユーロの平均為替レートはそれぞれ140円及び152円であり、前年同期に比べ米ドルは約8.5%、ユーロは約10.4%の円安水準で推移しました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。セグメント利益は、営業利益ベースの数値であり、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
① 舶用事業
舶用事業の分野では、GHG排出量削減を目的とした新造船需要の増加や、中古船売買の活発化等を背景に、旺盛な需要環境が続いたことや、円安傾向により海外売上高が好調に推移しました。北米では、主にプレジャーボート向け及び漁業向け機器の販売が増加しました。欧州では、商船、プレジャーボート向けに加え、漁業向け、保守サービスにおいても売上が順調に増加しました。アジアでは、商船向け市場において新造船の案件が大きく増加しました。また日本でも、官公庁向け機器の販売が減少したものの、商船向けの新造船案件や漁業向けの販売が増加しました。この結果、舶用事業の売上高は981億6千万円(前年同期比29.6%増)となりました。セグメント利益は71億2百万円(前年同期比468.7%増)となりました。
② 産業用事業
産業用事業の分野では、携帯電話基地局向けのGNSS時刻同期製品の他、ETC車載器、OEM受託製品の販売が増加し、ヘルスケア事業における生化学分析装置の販売も増加しました。また、防衛装備品事業の販売も大きく増加したことから増収となりました。この結果、産業用事業の売上高は128億1千1百万円(前年同期比15.4%増)となりました。セグメント利益は2億4千3百万円(前年同期比90.2%増)となりました。
③ 無線LAN・ハンディターミナル事業
無線LAN・ハンディターミナル事業の分野では、主に文教向けの無線LANアクセスポイントの販売が減少したことから減収となりました。この結果、無線LAN・ハンディターミナル事業の売上高は35億5千5百万円(前年同期比14.4%減)となりました。セグメント利益は1億3千2百万円(前年同期比74.2%減)となりました。
④ その他
その他の売上高は3億2千2百万円(前年同期比5.3%減)、セグメント損失は1億2千2百万円(前年同期のセグメント損失は8千8百万円)となりました。
生産、受注及び販売の実績は次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は販売価格によっております。
② 受注実績
当社グループの製品は、一部の受注生産を除き見込生産を行っております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析
1)資産、負債及び純資産の状況
① 資産
流動資産は前連結会計年度末と比較して40億5百万円増加し、862億8千5百万円となりました。これは主に、現金及び預金が35億8千9百万円減少した一方で、商品及び製品が72億7千4百万円増加したことによるものであります。
固定資産は前連結会計年度末と比較して39億6千9百万円増加し、280億8千5百万円となりました。これは主に、投資有価証券が10億1千4百万円及びソフトウエアが5億9千7百万円、それぞれ増加したことによるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度末と比較して79億7千4百万円増加し、1,143億7千万円となりました。
② 負債
流動負債は前連結会計年度末と比較して18億6千万円増加し、393億8千5百万円となりました。これは主に、短期借入金が20億8百万円減少した一方で、1年内返済予定の長期借入金が30億6百万円増加したことによるものであります。
固定負債は前連結会計年度末と比較して28億1千7百万円減少し、135億5千万円となりました。これは主に、長期借入金が28億9千8百万円減少したことによるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末の負債合計は前連結会計年度末と比較して9億5千7百万円減少して、529億3千5百万円となりました。
③ 純資産
純資産は前連結会計年度末と比較して89億3千1百万円増加し、614億3千4百万円となりました。これは主に、利益剰余金が51億3千3百万円及び為替換算調整勘定が25億7千1百万円、それぞれ増加したことによるものであります。この結果、当連結会計年度の自己資本比率は前連結会計年度の49.0%から4.4ポイント上昇し、53.4%となりました。また、中期経営計画(2024年2月期~2026年2月期)で経営指標として設定した自己資本経常利益率については、前連結会計年度の5.2%から9.3ポイント上昇して14.4%となりました。
(当社グループの自己資本経常利益率の推移)
(注) 自己資本経常利益率(%)の算出方法:経常利益/自己資本
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローが27億1千3百万円増加した一方で、投資活動によるキャッシュ・フローが35億8千9百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが35億5千7百万円それぞれ減少したことにより、前連結会計年度末と比較して35億2千4百万円減少し111億5千8百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において営業活動による資金の増加は27億1千3百万円となりました(前連結会計年度は64億9千2百万円の減少)。これは主に、税金等調整前当期純利益が増加したことによるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において投資活動による資金の減少は35億8千9百万円となりました(前連結会計年度は30億2千7百万円の減少)。これは主に、有形固定資産の取得及び無形固定資産の取得によるものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において財務活動による資金の減少は35億5千7百万円となりました(前連結会計年度は82億6千3百万円の増加)。これは主に、短期借入金の減少によるものであります。
(当社グループのキャッシュ・フロー指標の推移)
(注)1 各指標の算出方法は、次のとおりです。
自己資本比率(%) : 自己資本/ 総資産
時価ベースの自己資本比率(%) : 株式時価総額/ 総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) : 有利子負債/ 営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) : 営業キャッシュ・フロー/ 利払い
2 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しています。
3 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しています。
4 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しています。
5 有利子負債は、連結貸借対照表上に計上している短期借入金、1年内返済予定の長期借入金及び長期借入金を対象にしています。
6 利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しています。
3)資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、安定した収益を確保するための運転資金及び将来成長に向けた投資に必要な資金は、営業活動によるキャッシュ・フローを源泉としておりますが、資本コストや自己資本比率等を総合的に勘案し、必要に応じて金融機関からの借入により調達しております。
なお、当連結会計年度末における資金の残高は111億5千8百万円、有利子負債の残高は174億1千7百万円となっております。
また、金融・資本市場の混乱や緊急で資金が必要となる場合に備え、複数の金融機関とコミットメントライン契約及び当座借越契約を締結し、資金の流動性を確保しております。
(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり、資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える会計上の見積りを行っております。これらの見積りは、過去の実績等を勘案し慎重に検討したうえで行い、継続して評価・判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性によって異なる場合があります。
会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。