売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01839 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)業績の状況

当社グループは、2030年までに目指す姿を経営ビジョン「FURUNO GLOBAL VISION“NAVI NEXT 2030”」として定め、事業ビジョン「安全安心・快適、人と環境に優しい社会・航海の実現」及び人財・企業風土ビジョン「VALUE through GLOBALIZATION and SPEED」を目指した経営を推進しております。その中で、当連結会計年度より、利益水準の向上、売上規模の拡大による成長投資の資源捻出、サステナブル経営の実行を主な基本施策とする中期経営計画(フェーズ2)をスタートさせました。

第3四半期連結累計期間の世界経済は、欧米におけるインフレが鈍化しつつも未だ高い水準であることや、金融引き締め政策の継続等により不安定な状態が続きました。米国は、個人消費の回復や底堅い雇用情勢を背景に堅調に推移しました。欧州は、既往の金融引き締めによる設備投資や住宅投資の下押し、またウクライナ情勢の長期化を背景に低調に推移しました。中国は、インフラ投資の伸び率低下や世界的な財需要回復の低調により輸出の持ち直しにブレーキがかかる等、低調に推移しました。わが国においては、インバウンド需要の増加やサービス業の回復等により堅調な推移となりましたが、物価高の長期化等により先行き不透明な状況が続いております。

このような経済環境の中、当社グループの関連する市場において、舶用分野のうち商船向け市場では、資材価格や人件費の高騰を受けた船価の高止まりや、人手不足等を要因とした造船所の建造許容量の低下により新造船の受注環境は軟調ながらも、手持ち工事量は高い水準を維持しました。漁業向け市場では、海外各地域にて需要が堅調に推移しました。プレジャーボート向け市場では、北米及び欧州において需要が好調を維持しました。産業用事業では、国内における新車及び中古車販売台数は堅調に推移し、5Gエリア拡大に伴う携帯電話向け基地局の設置も国内外で進みました。また、ヘルスケア市場におけるIVD(体外診断用医療機器)等の機器設置需要は堅調に推移しました。国内の教育ICT市場においては、ICT整備に関する大型案件が減少し、低調に推移しました。

当社グループにおいては、部材調達環境の回復を背景に、高水準の受注残の解消と納期の正常化に向け、増産を推し進めました。また、生産ラインの効率化や部材価格高騰に伴うコスト上昇分の販売価格への転嫁等の価格マネジメントを各地域において展開し、利益の適正化に努めました。

これらの結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は825億6百万円(前年同期比27.0%増)、売上総利益は324億6百万円(前年同期比28.3%増)となりました。営業利益は64億2千8百万円(前年同期比385.4%増)、経常利益は77億4千2百万円(前年同期比235.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は61億2千9百万円(前年同期比380.0%増)となりました。

なお、当第3四半期連結累計期間に適用した米ドル及びユーロの平均為替レートはそれぞれ138円及び150円であり、前年同期に比べ米ドルは約10.3%、ユーロは約10.4%の円安水準で推移しました。

 

 

セグメント別の業績は、次のとおりであります。セグメント利益は、営業利益ベースの数値であり、四半期連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。

 

①舶用事業

舶用事業の分野では、部材の調達環境はおおむね正常化し、旺盛な需要環境の中、円安傾向が継続したことによる追い風も受け、海外売上高は好調に推移しました。北米では、主にプレジャーボート向け及び漁業向け機器の販売が増加しました。欧州では、商船、プレジャーボート向けを中心に、漁業向け、保守サービスにおいても売上が順調に増加しました。アジアでは、商船向け市場において新造船の案件が大きく増加しました。また日本でも、官公庁向け機器の販売が減少したものの、商船向けの新造船案件が増加しました。この結果、舶用事業の売上高は704億7千7百万円(前年同期比30.3%増)となりました。セグメント利益は、65億9千1百万円(前年同期比353.1%増)となりました。

 

②産業用事業

産業用事業の分野では、主にETC車載器やGNSS時刻同期製品、ヘルスケア事業における生化学分析装置の販売が堅調に推移し、また、防衛装備品事業の販売も大きく増加したことから増収となりました。この結果、産業用事業の売上高は94億3千万円(前年同期比23.8%増)となりました。セグメント利益については、2億8千6百万円(前年同期は1千6百万円の損失)となりました。

 

③無線LAN・ハンディターミナル事業

無線LAN・ハンディターミナル事業の分野では、主に文教向けの無線LANアクセスポイントの販売が減少したことから減収となりました。この結果、売上高は23億6千8百万円(前年同期比20.7%減)となりました。売上高の減少に加え、研究開発費の増加により、セグメント損失は、6千4百万円(前年同期は3億3千1百万円の利益)となりました。

 

④その他

その他の売上高は2億2千9百万円(前年同期比15.8%減)、セグメント損失は9千1百万円(前年同期は2億2千4百万円の損失)となりました。

 

(2)財政状態の分析

第3四半期連結会計期間末における総資産は1,139億4千7百万円(前連結会計年度比7.1%増)となりました。これは主に、商品及び製品63億4百万円増加したことによります。

第3四半期連結会計期間末における負債は530億4百万円(前連結会計年度比1.7%減)となりました。これは主に、短期借入金30億9百万円減少したことによるものであります。

第3四半期連結会計期間末における純資産は609億4千3百万円(前連結会計年度比16.1%増)となりました。これは主に、利益剰余金50億2千4百万円増加したこと及び為替レート変動の影響により為替換算調整勘定28億7千3百万円増加したことによるものであります。

これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末の49.0%から53.1%となりました。

 

(3)研究開発活動

第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は42億6千3百万円であります。