売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

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最終更新:

E02131 Japan GAAP

売上高

463.8億 円

前期

376.2億 円

前期比

123.3%

時価総額

115.6億 円

株価

5,130 (07/12)

発行済株式数

2,253,000

EPS(実績)

1,003.55 円

PER(実績)

5.11 倍

平均給与

617.9万 円

前期

523.1万 円

前期比

118.1%

平均年齢(勤続年数)

40.7歳(14.9年)

従業員数

575人(連結:628人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社グループは、内海造船株式会社(当社)及び連結子会社(内海エンジニアリング㈱)、その他の関係会社(日立造船㈱)により構成されており、船舶の製造、修理を事業の核にして、土木建設、ホテルの経営などの事業を営んでいる。

 当社グループ間の取引及びセグメントとの関連は次のとおりである。

 

(1)船舶事業

 当社は、船舶の製造・修理等を行っている。

 当社は、船舶の製造、修理に必要な鋼材及び主機を日立造船㈱を経由して購入している。

 内海エンジニアリング㈱は、研掃材の製造販売、救命筏の修理等を行っている。

(2)その他

①陸上事業

 内海エンジニアリング㈱は、土木建設及び当社設備の新設、補修を行っている。

 

②サービス事業

 内海エンジニアリング㈱は、当社の顧客施設の管理・運営の請負及びギフトショップの経営等並びに当社所有建物等を使用し、ホテル・レストランの経営を行っている。

 

 事業の系統図は次のとおりである。

 

※画像省略しています。

  (注) 上記子会社は、連結子会社である。

24/06/21

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりである。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益は製造業を中心に円安を背景に回復傾向で推移し、設備投資についてもソフトウェアや情報機器投資を中心として持ち直している。また、春闘における高い賃上げや企業の投資意欲の向上など前向きな動きが増えているものの、物価の高騰を上回る実質賃金の上昇には至っておらず、個人消費は力強さを欠いている。

 世界経済については、ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の悪化などに伴い、原油、食料品をはじめとする世界的な物価高が継続しており、減速傾向となっている。また、パナマ運河の干ばつによる通航制限、紅海で船舶の運航に支障が出ており、その動向を注視する必要がある。

 このような状況のもと、当連結会計年度の経営成績については、売上高463億83百万円(前年度比23.3%増)、営業利益31億83百万円(前年度比315.7%増)、経常利益30億88百万円(前年度比383.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益22億61百万円(前年度比206.6%増)となった。

 当連結会計年度の財政状態については、資産は前連結会計年度末に比べ36億14百万円増加し、438億19百万円、負債は、前連結会計年度末に比べ13億0百万円増加し、340億75百万円、純資産は、前連結会計年度末に比べ23億14百万円増加し、97億44百万円となった。

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりである。

 

(a) 船舶事業

 新造船市場においては、2023年7月にIMO(国際海事機関)の委員会において採択された「2050年ごろまでに国際海運からの温室効果ガス排出量実質ゼロ」目標に向けて、重油に代わる新燃料を造船所、船主ともに検討を進めているところであるが、その調達方法など具体的な方針が定まっていないこと、また原油、鋼材価格及び人件費の値上がりに伴い船価は上昇している一方で、運賃、用船料の上昇は鈍いことなどから、船主側はその動向を様子見しており、特に内航船の船主においては発注に消極的である。

 収益面については、全社を挙げて生産性の向上、コストダウンに取り組んだことに加えて、新造船においては円安の影響により、外貨建て工事の収益が改善した。

 改修船事業においては、前連結会計年度から継続して取り組んでいた改造船工事、大口の修繕船工事が完工したことにより売上高が前連結会計年度比で増加するとともに、工事量、工事内容に見合った最適な人員配置に努めるなどコストダウンに取り組み、収益面についても前連結会計年度比で増加した。

 

 このような状況のもと、コンテナ船等の同型船の連続建造において、2工場(瀬戸田工場、因島工場)体制の強みを活かしたより効率的な生産性向上の取組みに加え、資機材費の削減については、全社を挙げてコストダウンを徹底して行い、フェリー及びコンテナ船9隻を引き渡した。

 なお、当社グループは、地球環境問題が企業の社会的責任として重要であることを十分に認識し、環境性能を踏まえた船舶の技術開発・設計を進めるとともに、事業活動を通して環境保全、省エネルギー、リサイクル等の環境負荷低減に取り組んでいる。

 この結果、当連結会計年度の船舶事業全体の経営成績については、売上高459億47百万円(前年度比23.8%増)、セグメント利益41億93百万円(前年度比144.0%増)となった。

 受注については、外航貨物船を中心に、豊富な建造実績のあるフェリーや新分野の輸送船を受注することに努めた結果、新造船12隻(貨物船、ロールオン/ロールオフ型貨物船(RORO船)、自動車運搬船、輸送船)、修繕船他で642億12百万円(前年度比28.4%増)を受注し、受注残高は、新造船22隻他で966億21百万円(前年度比23.3%増)となった。

 

(b)その他

 陸上・サービス事業の当連結会計年度の経営成績については、売上高10億79百万円(前年度比6.0%増)、セグメント損失0百万円(前年度はセグメント利益13百万円)となった。

 

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より54億86百万円増加し、146億13百万円となった。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は67億47百万円(前年度は63億82百万円の使用)となった。

 これは主に、契約負債が増加したことによるものである。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は8億24百万円(前年度は2億49百万円の使用)となった。

 これは主に、固定資産の取得によるものである。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は5億28百万円(前年度は3億59百万円の使用)となった。

 これは主に、長期借入金の返済による支出が長期借入れによる収入を上回ったことによるものである。

 

 なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは、次のとおりである。

 

2022年3月期

2023年3月期

2024年3月期

自己資本比率

18.5%

18.5%

22.2%

時価ベースの自己資本比率

5.5%

6.7%

19.3%

キャッシュ・フロー対有利子負債比率

0.90年

1.33年

インタレスト・カバレッジ・レシオ

105.50倍

67.22倍

 1.自己資本比率:自己資本/総資産

 2.時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

 3.キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業活動キャッシュ・フロー

 4.インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動キャッシュ・フロー/利払い

 (注1)各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算している。

 (注2)株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算定している。

(注3)営業活動キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用し、有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としている。

       また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用している。

 (注4)2023年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率、インタレスト・カバレッジ・レシオの指標については、営業活動キャッシュ・フローがマイナスのため記載を省略している。

 

③生産、受注及び販売の実績

(a) 生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。

セグメントの名称

当連結会計年度

    (自 2023年4月 1日

    至 2024年3月31日)

前年増減比(%)

船舶事業(百万円)

40,325

14.0

報告セグメント計(百万円)

40,325

14.0

その他(百万円)

676

6.6

合計(百万円)

41,001

13.8

 (注)1.金額は当連結会計年度の製造費用によっている。

 2.セグメント間の取引については相殺消去している。

 

(b) 受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。

セグメントの名称

受注高

受注残高

金額(百万円)

前年増減比(%)

金額(百万円)

前年増減比(%)

船舶事業

64,212

28.4

96,621

23.3

報告セグメント計

64,212

28.4

96,621

23.3

その他

425

△19.2

20

△33.7

合計

64,637

27.9

96,642

23.3

 (注)1.前連結会計年度に受注したもので、当連結会計年度に値引、値増のあったものは受注高で修正している。

 2.セグメント間の取引については相殺消去している。

 

(c) 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。

セグメントの名称

当連結会計年度

     (自 2023年4月 1日

     至 2024年3月31日)

前年増減比(%)

船舶事業(百万円)

45,947

23.8

報告セグメント計(百万円)

45,947

23.8

その他(百万円)

435

△13.2

合計(百万円)

46,383

23.3

 

 (注)1.総販売高に対する割合が10%以上の販売先に対する販売実績は次のとおりである。

 

販売先

セグメントの名称

総販売高に対する割合・金額

前連結会計年度

 ASAHI MARINE(PANAMA),S.A.

船舶事業

10%~20%

 TAIWAN NAVIGATION CO.,LTD.

 MI-DAS LINE S.A.

 ROSEX COMPANY LIMITED

(3,761~7,523百万円)

合計

 

50%~60%

(18,808~22,570百万円)

当連結会計年度

 MI-DAS LINE S.A.

船舶事業

10%~40%

 ㈱商船三井

 ROSA MARITIME S.A.

(4,638~18,553百万円)

合計

 

70%~80%

(32,468~37,106百万円)

 2.セグメント間の取引については相殺消去している。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりである。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 (a)経営成績の分析

 当社グループは、売上高及び営業利益を重要な指標として位置付けており、2024年3月7日に開示している当連結会計年度の計画と達成状況については、以下のとおりである。

 

    i)2024年3月期計画との比較

 

2024年3月期

(計画)

2024年3月期

(実績)

2024年3月期

(計画比)

売上高

47,200百万円

46,383百万円

△816百万円

( 1.7%減)

営業利益

2,900百万円

3,183百万円

283百万円

( 9.8%増)

 

    ii)前連結会計年度との比較

 

2023年3月期

(実績)

2024年3月期

(実績)

2024年3月期

(実績比)

売上高

37,617百万円

46,383百万円

8,765百万円増

(23.3%増)

営業利益

765百万円

3,183百万円

2,417百万円増

(315.7%増)

 

(売上高)

 当連結会計年度における売上高は、概ね計画どおりとなり、前連結会計年度に比べ87億65百万円増加し、463億83百万円(前年度比23.3%増)となった。これは主に、船舶事業において、新造船の売上隻数が2隻減少したものの、船種の違い、各船の決算日における工事進捗度が異なることによるものである。また、改修船についても前連結会計年度から取り組んでいた改造船工事及び大口の修繕船工事が完工したことによるものである。

 

(営業利益)

 当連結会計年度においては、前連結会計年度に比べ24億17百万円増加し、営業利益31億83百万円(前年度比315.7%増)となった。これは主に、全社を挙げて生産性の向上、コストダウンに取り組んだことに加えて、新造船においては、円安の影響により、外貨建て工事の収益が改善したことによるものである。また、改修船については増収に伴い利益も増加した。

 

(経常利益)

 当連結会計年度においては、前連結会計年度に比べ24億50百万円増加し、経常利益30億88百万円(前年度比383.9%増)となった。これは主に、営業利益が前連結会計年度に比べ増加したことによるものである。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度においては、前連結会計年度に比べ15億23百万円増加し、親会社株主に帰属する当期純利益22億61百万円(前年度比206.6%増)となった。これは主に、経常利益が前連結会計年度に比べ増加したことによるものであるが、前連結会計年度においては、特別利益として保有株式の一部を売却したことによる投資有価証券売却益4億66百万円を計上している一方で、当連結会計年度については、特別損失として訴訟関連費用5億61百万円を計上しているため、営業利益、経常利益における前連結会計年度からの増加割合に比べ、増加幅は縮小している。

 

 なお、詳細については、「第2 事業の状況 4(1)経営成績等の状況の概要」に記載している。

 (b)財政状態の分析

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

資産

40,204

43,819

3,614

負債

32,774

34,075

1,300

純資産

7,429

9,744

2,314

 

(資産)

  前連結会計年度末の402億4百万円から36億14百万円増加し、438億19百万円となった。

 これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産が減少したものの、現金及び預金が増加したためである。

 

(負債)

 前連結会計年度末の327億74百万円から13億円増加し、340億75百万円となった。

 これは主に、支払手形及び買掛金が減少したものの、契約負債が増加したためである。

 

(純資産)

 前連結会計年度末の74億29百万円から23億14百万円増加し、97億44百万円となった。

 これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上によるものである。

 

 (c)経営成績に重要な影響を与える要因について

 詳細については、「第2 事業の状況 3事業等のリスク」に記載している。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 4(1)②キャッシュ・フローの状況」に記載している。

 キャッシュ・フロー及び資本の財源及び資金の流動性については、当社グループは事業活動のための適切な資金を確保し、資金の流動性を維持するとともに、健全な財政状態を目指すための安定的な営業キャッシュ・フローの創出が資本財源の最優先事項と考えている。

 また、当社グループが船舶を建造する上で、建造工程の進捗に応じて分割払いが行われる造船業界の商慣習によって、工事代金の後払いが発生し、建造コストの支払いから売上債権の回収までの期間において手元流動性の低下が見込まれるため、常に一定程度の余剰資金を確保しておく必要があると考えている。

 当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は146億13百万円、有利子負債残高は89億55百万円であり、手元流動性は十分に確保している状況で、財務状況は健全であると認識している。

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、資機材の仕入れなど、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用である。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものである。

 短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達については、金融機関からの長期借入金を基本としている。

 なお、前連結会計年度において、今後の事業成長に伴い生じる資金需要に対して、機動的かつ安定的な資金調達手段を確保するとともに、より一層の財務基盤の強化を図るために取引行4行とシンジケーション方式のコミットメントライン契約を締結している。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりである。