株式会社イーエムネットジャパン

上場日 (2018-09-21)  サービス業ネット広告グロース

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

ニュース

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最終更新:

E34294 Japan GAAP

売上高

0.0 円

前期

14.7億 円

前期比

0.0%

時価総額

46.6億 円

株価

1,194 (03/27)

発行済株式数

3,903,400

EPS(実績)

18.75 円

PER(実績)

63.68 倍

平均給与

443.3万 円

前期

482.1万 円

前期比

92.0%

平均年齢(勤続年数)

27.8歳(3.4年)

従業員数

134人

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社は、EMNET INC.(※1)が日本のインターネット広告市場の伸びしろと、中小企業のインターネット広告に対する潜在的なニーズの可能性に着眼し、2007年に日本へ進出して以降、着実に事業を拡大して参りました。

 その後、ソフトバンク株式会社による当社の普通株式及び新株予約権に対する公開買付けの結果、2021年6月28日にソフトバンク株式会社が当社の親会社となりました。また、ソフトバンク株式会社の親会社であるソフトバンクグループジャパン株式会社及びソフトバンクグループ株式会社もソフトバンク株式会社を通じて当社の普通株式を間接的に保有することとなるため、当社の親会社に該当することとなりました。

 

 情報通信技術の発達により、情報量が飛躍的に増加した現代社会において、消費者はインターネット上であらゆる情報を検索し、欲しい情報を手に入れています。一方、情報を発信する立場にある企業は、ターゲットである消費者へ効果的かつ効率的に最適な情報を提供することを考えています。

 こうした中、当社は、設立以来「クライアントと共に歩む企業」という企業理念を掲げ、クライアント企業のニーズに応えるべく、デジタルマーケティングにおける課題を解決し、更なる利益向上を図るための戦略・運用・分析・改善サービスまで提供するインターネット広告事業を行っております。

 また「クライアント企業へのインターネット広告に関する最新の情報と広告運用の提供」と「日本のデジタルマーケティング業界における専門家の育成」という2つのビジョンを掲げ、業界の課題である人材不足に対応するため、新卒を中心に積極的に採用を継続し、入社後、Google LLCの認める一定水準(※2)の運用知識を身に着け、OJTにより広告運用の実践経験を積ませるなど、短期間に即戦力として活躍できる人材を育成する独自の教育プログラムを構築しております。

 当社は、インターネット広告事業の単一セグメントであり、セグメントごとの記載はしておりませんが、インターネット広告事業の概要と、当社が主に取り扱う広告とサービスの特徴については以下の通りです。

 

インターネット広告事業

(事業概要及びサービスの特徴)

 デジタルチャネルの多様化、競争の激化に伴い、現在の主力サービスである検索連動型広告、運用型ディスプレイ広告の他、ソーシャルメディア広告、動画広告、アフィリエイト広告(※3)、アドネットワーク広告(※4)、DSP(※5)、DMP(※6)、ネイティブ広告(※7)、アプリ広告(※8)、純広告(※9)、海外広告(※10)等サービスを拡げております。また、昨今のインターネット広告市場における広告主の広告機能の内製化需要に対応するため、インハウス支援サービス(※11)も実施しております。

 当社は、一人の担当者がクライアント企業に対して営業、広告の企画提案・運用・分析・改善までをワンストップで行う専任制と、営業と広告運用の業務を分けて対応する分業制の体制を敷いており、インターネット広告専業の広告代理店としてクライアントの多様なニーズに対応できる体制でサービスを提供しております。

 また、当社では、これまで運用型広告を主軸に置いたサービス提供をしてきた背景から、PDCAサイクル(Plan-Do-Check-Action)(※12)を継続的に循環させた広告効果を最大限に高める運用やアクセス解析(※13)を得意としております。さらに、クライアント企業のユーザーとなるペルソナ(※14)の構築から、行動仮説を立て、最適な媒体の選定・配信方法を提供すること、常に最新の情報を把握し、タイムリーな広告施策を実行すること、これらを徹底することでクライアント企業の最適なマーケティング活動を支援しております。

 

(1)運用型広告

① 検索連動型広告(リスティング広告)

 検索連動型広告(リスティング広告)とは、ヤフー株式会社(現 LINEヤフー株式会社)やGoogle LLC等が提供する検索エンジンの検索結果に表示される広告であり、検索キーワードと連動し、検索結果ページに関連する内容の広告が表示される運用型の広告(※15)で、ニーズ顕在層に向けてアプローチが可能な広告であります。

 キーワード単位で広告出稿ができ、ユーザーが広告をクリックすることで企業側に料金が発生するクリック課金システムのため、検索結果を表示させるだけでは広告費が発生しない点が特長であります。

 当社では、ユーザーが検索を行う際の環境、意図、興味・関心を把握したうえで、配信するデバイスの選定、配信するタイミングの選定、広告を出すキーワードの選定、入札単価の調整、マッチした広告文の作成等を最適に行えるように支援しております。

 

② 運用型ディスプレイ広告

 運用型ディスプレイ広告は、ユーザーの性別、年齢、住所、職業といったデモグラフィックデータや、興味・関心などの条件を設定することで、当該ユーザーの閲覧するポータルサイトやブログ等の広告エリアに広告を表示するもので、検索連動型広告ではアプローチができないユーザーへ接触が可能な、多くの見込層、潜在層に向けたアプローチが可能な広告であります。

 当社では、ペルソナを構築し、ペルソナに応じたピンポイントな広告運用サービスの提供を得意としております。さらに、検索連動型広告と併用する事により、効果的かつ効率的な広告出稿が可能となる広告運用を提供しております。クライアント企業の目先の売上げだけではなく、長期的な利益につながるような広告運用サービスを提供することを目指しております。

 

③ ソーシャルメディア広告

 Facebook、Twitter、Instagramを筆頭としたソーシャルメディアに表示される広告であり、運用型ディスプレイ広告のようにデモグラフィックデータや、興味・関心などの条件設定や各ソーシャルメディアの特長に応じたターゲティング設定を行うことでタイムライン上に表示させることが可能な広告であります。多くの見込層、潜在層に向けたアプローチができる他、ターゲットユーザーの周辺ユーザーへ派生効果を図ることも可能です。

 当社では、これまでの各ソーシャルメディアの特長を活かした運用実績からクライアント企業に最適なメディアの選定と、ペルソナを活用したピンポイントなコンテンツの提供を可能としております。

 

(2)クリエイティブ制作

 当社はこれまで扱ってきた多くのクライアント企業の広告運用の実績からノウハウを得ることにより、広告効果を更に高めるためのランディングページ、クリエイティブ制作を受注して自社又は外注を活用して行っております。制作物のリリース後、広告成果を確認し、細かな改善を加えていくことで広告効果の最大化を目指しております。

 

(3)インハウス支援サービス

 当社はこれまでインターネット広告専業の広告代理店として、数多くの運用型広告等のサービス提供実績がございます。このような実績から、運用型広告について、WEBマーケティング施策の運用方針策定、広告運用の実施、広告運用結果の分析や改善戦略の立案等のノウハウを蓄積してまいりました。このノウハウを活用することで、広告機能の内製化を望まれている広告主に対して、効率的に広告機能の内製化の体制を構築できるようにコンサルティングサービス等を提供しております。

 

(4)受託業務サービス

 当社はこれまでインターネット広告専業の広告代理店として、数多くの広告の企画提案営業の実績があり、また運用型広告等の豊富なサービス提供実績がございます。このような実績から、広告を出稿するクライアント企業に限らず、広告媒体や事業会社、広告代理店等に対して、運用型広告の運用サービスや広告の営業支援サービス等の受託業務を提供しております。

 

 

(用語集)

※1 EMNET INC.は、2023年12月31日時点において、当社発行済株式総数の20.59%を実質的に保有する当社の親会社であった韓国のオンライン広告代理店です。

※2 Google LLCの認める一定水準とは、「Google広告の認定資格」の認定試験を受け、合格した場合を指します。リスティング広告のアカウント作成、運用、効果検証、最適化に関する基礎知識から高度な知識まで幅広い知識があることを証明する資格です。

※3 アフィリエイト広告とは、成果報酬型の広告の一種であり、商品やサービスをWEB媒体に掲載し、商品が購買されたことによって報酬が支払われる広告を指します。

※4 アドネットワーク広告とは、多数の広告配信枠を集めて広告配信ネットワークを作り、それらの広告配信枠に広告を一括して配信する仕組みを指します。

※5 DSP(Demand Side Platform)とは、アドエクスチェンジの広告効果を最大限に活かすために作られた広告効果を支援するツールを指します。アドエクスチェンジとは、各アドネットワークの抱える広告枠を相互に交換する仕組みを指します。

※6 DMP(Data Management Platform)とは、外部のデータ提供企業が保有している「Webサイト行動履歴」や「年齢・性別などの属性情報」などの外部データの管理・分析をするパブリックDMPと、自社独自で保有するデータの管理・分析をするプライベートDMPに大別され、これらのデータを活用することで、顧客に合わせた最適なマーケティングアプローチをするツールを指します。

※7 ネイティブ広告とは、広告のデザイン・フォーマットが掲載メディアに自然に溶け込んでいる広告のことを指します。

※8 アプリ広告とは、アプリの認知拡大やダウンロードを促す広告を指します。

※9 純広告とは、特定の媒体の広告枠を一定期間買い取り、掲載する広告を指します。

※10 海外広告とは、海外企業が日本国内への広告出稿を行うこと、日本企業が海外へ広告出稿を行うことを指します。

※11 インハウス支援サービスとは、広告主が自社内でインターネット広告及びその他WEBマーケティング施策の運用方針策定・施策実施・施策結果の分析・改善戦略の立案などを進めるための体制構築を支援するサービスを指します。

※12 PDCAサイクル(Plan-Do-Check-Action)とは、事業活動における生産管理や品質管理などの管理業務を円滑に進める手法の一つで、WEBマーケティングでも活用されています。「計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Action)」この4段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善する手法を指します。

※13 アクセス解析とは、Webサイトのアクセス数、滞在時間、閲覧、離脱、流入元、ブラウザ等を解析し、Webサイトの現状を知り、訪問者や購買を増やすための有効な手段の1つであります。

※14 ペルソナとは、性別、年齢、居住地等の定量的な情報から、趣味、価値観、消費行動等の定性的な情報を含んだ、より詳細な架空の顧客像を指します。

※15 運用型の広告とは、運用状況に合わせて入札額やクリエイティブ、広告枠、ターゲット等を変更・改善しながら運用し続けていく広告です。多くの運用型広告は掲載枠をオークション形式の入札額と品質によって優先順位が変化するようにしています。そのため、予算のコントロールだけではなく品質を高めることが運用の主体となります。

 

[事業系統図]

 当社の事業系統図は次の通りであります。

 

※画像省略しています。

 

 

 

 (注)1.メディアレップとは、インターネット広告の取引において、広告の媒体運営会社と広告代理店や広告主との仲介を行っている事業者のことです。

2.取引の一部について、代理店を通じて取引を行っております。

3.販売管理・社内情報共有システムについては、契約により関係会社(EMNET INC.)から当社の情報へのアクセスを制限しております。

 

24/03/21

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種の進展に伴う行動制限の緩和や各種政策の効果等により、社会活動の正常化の兆しがみられた一方で、世界的なエネルギー・食料価格の高騰や、世界的な金融政策の引き締めにともなう急激な金利上昇や為替の変動等により、先行きは依然として不透明な状況が続いております。

 当社が属するインターネット広告市場につきましては、社会のデジタル化を背景に2023年には前年比107.8%の3兆3,330億円と前年に引き続き伸長しております(出典:株式会社電通「2023年 日本の広告費」による)。一方で、当社の主なクライアントであります中小企業の景況感は、2023年10-12月期の全産業の業況判断DI(「好転」-「悪化」)が▲18.9(前期差 6.1 ポイント減)と2期連続して低下しており(独立行政法人 中小企業基盤整備機構「第174回 中小企業景況調査」より引用)、依然として中小企業の広告需要については不透明な状況が継続しております。

 このような環境のもと、当社のインターネット広告事業では、積極的な人材採用と人材教育に注力することで販売体制の強化を図り、既存のクライアント企業の売上拡大、及び新規クライアント企業の獲得に注力して参りました。また、当社は、ソフトバンク株式会社との間で締結した資本業務提携契約にもとづき、ソフトバンク株式会社との協業の拡大を進めております。

 以上の結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は、当社の主なクライアントであります中小企業の景況は、一部に弱さがあるものの営業強化により広告代理店業の営業収益は拡大し、また協業拡大によりソフトバンク株式会社への営業収益も拡大しましたが、広告媒体からの受託業務の縮小が大きく影響した為、以下の通りとなりました。

 今後も当社は、品質の更なる向上と顧客ニーズに応えることで、既存のクライアント企業との取引の深耕及び新規クライアント企業獲得による企業価値の向上に努めて参ります。

 

イ.財政状態

 当事業年度末における資産の残高は、3,013,606千円となり、前事業年度末に比べ36,959千円増加いたしました。

 当事業年度末における負債の残高は、1,561,817千円となり、前事業年度末に比べ85,100千円増加いたしました。

 当事業年度末における純資産の残高は、1,451,788千円となり、前事業年度末に比べ48,140千円減少いたしました。

 

ロ.経営成績

 当事業年度の経営成績は、営業収益が1,369,551千円(前年同期比6.6%減)、営業利益111,616千円(同51.5%減)、経常利益120,158千円(同49.6%減)、当期純利益73,191千円(同58.4%減)となりました。

 なお、当事業年度の期首より従来「売上高」としていました表示科目を「営業収益」として表示する方法に変更しております。当該表示方法の変更に伴い、前事業年度の「売上高」については「営業収益」として組み替えて増減率を記載しております。

 当社は、インターネット広告事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの経営成績の記載を省略しております。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ209,813千円増加し、1,416,013千円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において営業活動の結果得られた資金は344,370千円(前年同期118,912千円の使用)となりました。これは主に、税引前当期純利益114,118千円、売上債権の減少210,084千円、契約負債の増加27,934千円があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において投資活動の結果使用した資金は17,623千円(前年同期33,307千円の使用)となりました。

これは主に、保険積立金の積立による支払16,280千円があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において財務活動の結果使用した資金は116,933千円(前年同期212,338千円の使用)となりました。これは主に、株式の発行による収入6,109千円があった一方、配当金の支払122,568千円があったことによるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

イ.生産実績

 当社で行う事業は、インターネット広告事業であり、提供するサービスの性格上、生産実績に該当する事項がありませんので、記載を省略しております。

 

ロ.受注実績

 当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まないため、記載を省略しております。

 

ハ.販売実績

 当事業年度の販売実績は、次のとおりです。なお、当社はインターネット広告事業の単一セグメントです。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

営業収益(千円)

前年同期比(%)

インターネット広告事業

1,369,551

△6.6

合計

1,369,551

△6.6

(注)1.当事業年度の期首より、従来「売上高」としていた表示科目を「営業収益」として表示する方法に変更しております。

2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自  2022年1月1日

至  2022年12月31日)

当事業年度

(自  2023年1月1日

至  2023年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

ソフトバンク株式会社

146,131

9.96

212,835

15.54

 

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(a)財政状態の分析

(資産)

 当事業年度末における資産の残高は、3,013,606千円となり、前事業年度末に比べ36,959千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が209,813千円、投資有価証券が18,395千円、流動資産のその他に含まれる未収入金が13,689千円増加した一方、売掛金が212,007千円減少したことによるものであります。

 

(負債)

 当事業年度末における負債の残高は、1,561,817千円となり、前事業年度末に比べ85,100千円増加いたしました。これは主に未払法人税等が37,058千円、未払消費税等が37,093千円増加したことによるものであります。

 

(純資産)

 当事業年度末における純資産の残高は、1,451,788千円となり、前事業年度末に比べ48,140千円減少いたしました。これは主に当期純利益の計上により73,191千円増加した一方、配当金の支払いにより122,638千円減少したことによるものであります。

 

(b)経営成績の分析

(営業収益)

 当事業年度における営業収益は、1,369,551千円(前年同期比6.6%減)となりました。

 

(営業利益)

 当事業年度における営業費用は、1,257,934千円(前年同期比1.7%増)となりました。主な内訳は、給料及び手当606,631千円(前年同期比4.9%減)であります。

 以上の結果、営業利益は、111,616千円(前年同期比51.5%減)となりました。

 

(経常利益)

 当事業年度における営業外収益は、9,504千円(前年同期比1.3%減)となりました。主な内訳は長期間滞留していた契約負債の取崩益2,566千円、為替差益2,437千円及び、受取配当金1,698千円であります。また営業外費用は、961千円(前年同期比33.2%減)となりました。主な内訳は、雑損失758千円及び、支払手数料175千円であります。

 以上の結果、経常利益は120,158千円(前年同期比49.6%減)となりました。

 

(当期純利益)

 当事業年度における特別損失は6,040千円を計上いたしました。なお、特別利益は計上しておりません。

 当事業年度における法人税、住民税及び事業税は、57,206千円(前年同期比15.3%減)、法人税等調整額は△16,278千円(前年同期は△5,030千円)となりました。

 以上の結果、当事業年度における当期純利益は、73,191千円(前年同期比58.4%減)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(a)キャッシュ・フローの状況

 各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

(b)資本の財源及び資金の流動性

・資金需要

 当社の運転資金需要のうち主なものは、広告の媒体費の他、人件費、地代家賃等の営業費用であります。

 設備投資にかかる資金需要のうち主なものは、オフィスのパソコン等の備品の取得等であります。

・財務政策

 当社の資本の財源及び資金の流動性については、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。現在、金融機関からの借入は行っておらず、設備投資等の調達につきましては、自己資金の利用を原則としております。資金調達を行う場合には、経済情勢や金融環境を踏まえ、当社にとっての最良の方法で行いたいと考えております。

 なお、今後の重要な資本的支出の予定はございません。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。この財務諸表の作成に当たりまして、将来事象の結果に依存するため確定できない金額について、仮定の適切性、情報の適切性及び金額の妥当性に留意しながら会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は、特有の不確実性があるため、見積りと異なることがあります。

 なお、財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、特に重要と考えるものは以下のとおりであります。

 

(a)固定資産の減損

 当社は、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、将来キャッシュ・フローの見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

(b)繰延税金資産の回収可能性

 当社は、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

④経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、法的規制等、様々なリスク要因が当社の経営成績に影響を与える可能性があると認識しております。

 そのため、当社は常に業界動向に留意しつつ、優秀な人材を確保し、内部管理体制を強化し、クライアント企業のニーズに合ったサービスを提供していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行って参ります。

 

⑤経営者の問題認識と今後の方針について

 当社では、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき迅速かつ最善の経営方針の立案、施策の実施に努めております。

 インターネット広告事業においては、生成AI等の最新のテクノロジーへの対応及びカスタマー行動データ等の活用を推進し、広告効果の最大化を図ると同時に、動画広告等の市場拡大が著しい分野へ素早く対応し、成長分野への取り組みを図ることで、市場における優位性の確立に努めて参ります。

 また、事業規模拡大に応じて適時に人材拡充を進めると同時に、組織体制の整備を進めていくことが重要であると認識しております。

 

⑥経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、営業収益、営業利益及び営業系社員の一人当たり営業収益を経営指標としております。当事業年度における営業収益は1,369,551千円(前年同期比6.6%減)、営業利益は111,616千円(前年同期比51.5%減)、営業系社員の一人当たり営業収益は10,362千円(前年同期比13.9%減)であります。引き続きこれらの指標について、改善、増加するよう取り組んで参ります。