売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

ニュース

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最終更新:

E38443 

売上高

161.5億 円

前期

159.5億 円

前期比

101.2%

時価総額

39.4億 円

株価

2,146 (07/12)

発行済株式数

1,834,000

EPS(実績)

223.89 円

PER(実績)

9.58 倍

平均給与

496.8万 円

前期

505.2万 円

前期比

98.3%

平均年齢(勤続年数)

40.5歳(13.4年)

従業員数

811人

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社は、保守サービス事業、ソリューション事業、人材サービス事業の3事業を柱に、全国60超の拠点より24時間365日エンジニアが機器の保守、導入設計、設置展開サービスを提供しております。

 なお、上記3事業は、本書の「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント区分と同一であります。

 

保守サービス事業

 システムのサポート、機器の保守、コールセンター、ヘルプデスクサービスを提供しております。

 全国の病院、クリニックに導入されているウィーメックス株式会社(PHC株式会社メディコム事業部とPHCメディコム株式会社が2023年4月に統合)製電子カルテシステム、レセプトコンピュータ(診療報酬明細書発行システム)を始め、調剤薬局に導入されているPHC株式会社製電子薬歴システム、薬剤情報システム、自動錠剤包装機、一包化監査システム、医事コンピュータ、注射薬払出システム、適温配膳車等の保守サービスを受託しております。

 全国の病院・一般診療所の数は、厚生労働省の調査によると現在約11万3千件(厚生労働省ホームページhttps://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/m24/dl/is2402_01.pdf 2024年2月末時点データ)、また、調剤薬局は、全国約6万2千件(厚生労働省ホームページhttps://www.mhlw.go.jp/toukei/youran/indexyk_2_4.html 2022年時点データ)であります。そのうち当社では病院・一般診療所へ導入されている電子カルテシステムやレセプトコンピュータ、調剤薬局に導入されている電子薬歴システム等の機器を合わせて、約3万6千件の保守契約を締結し保守サービス業務を行っております。

 電子カルテシステム及びレセプトコンピュータの保守は、顧客と直接保守契約を締結する「ハードウェア保守契約」と機器のメーカーであるウィーメックス株式会社と顧客がハードウェア機器契約を締結した後、当社が顧客に対してサービスを提供し、ウィーメックス株式会社からハードウェア保守料を受領する「システムサポート契約」の2つのパターンがあります。現在ウィーメックス株式会社により、システムサポート契約の締結が促進されており、既存顧客は機器のリプレースのタイミングで順次ハードウェア保守契約からシステムサポート契約へ契約形態を変更しております。また、従来契約を締結しないまま障害発生の都度修理対応をしていた顧客に対しても契約締結を促す意向であることから、毎年契約件数は増加しており、今後もその傾向は継続していくと予測しております。

 ウィーメックス株式会社によれば、同社製の電子カルテシステム、レセプトコンピュータは、クリニック(診療所)向けの機器としては高い国内シェアを維持しているとのことですが、顧客がウィーメックス株式会社製の機器を選ぶ理由の一つとして、当社の保守サービスの品質への高い評価も存在すると当社では考えております。

 当社は、メーカーに属さない独立系の保守会社であることが強みであり、医療機器やIT機器、非IT機器を問わず様々なメーカー機器の保守対応が可能であり、24時間365日オンサイトサービスを提供しております。

 この点が評価され、ウィーメックス株式会社及びPHC株式会社以外にも多くのベンダーから多種多様な機器の保守サービスを委託されており、緊急対応の要否、駆けつけ時間と部品在庫管理等の細かな修理対応サービスレベルに合わせた保守契約を各ベンダーと締結しております。

 保守サービス事業の多くは保守契約に基づき継続的に収益が入るストック型ビジネスであることから、経済状況の変動に左右されにくいという特長があります。新型コロナウイルス感染症が拡大し、経済が低迷した2020年以降においても、大きな影響を受けることなく安定した収益を確保できておりました。

 また、コールセンターやヘルプデスク業務、機器の稼働状況を継続的にチェックする死活監視業務についても、近年需要が増えております。2024年2月には保守およびソリューションサービスの全社サポート拠点であるテクニカルセンターを東京都台東区から東京都江戸川区に移転、拡充いたしました。

 テクニカルセンターはオンサイトサービスの中枢拠点でもあり、障害発生の一次連絡を受付けております。連絡受付後、障害内容を踏まえて対応方法をジャッジし、現地対応が必要な案件については、拠点の管理者(通称ディスパッチャー)へ連絡します。ディスパッチャーはエンジニアを手配したり、訪問前準備をしたり、各種サービスの司令塔として機能し、迅速なトラブル対応を可能にしております。その他テクニカルセンターでは、ネットワークやPCの遠隔監視や診断を行っており、障害発生時にも自動的にアラートが上がる仕組みになっております。また、遠隔監視により、システムの利用が不可能となるような重度の障害を未然に防ぐ等の予防保守にもつながっております。現在は70の企業より業務を受託しております(2024年3月31日時点)。

 さらに、今後の保守サービス事業の拡大を目指し、2016年に東京都、2020年には大阪府、2021年には宮城県、2022年には北海道、福岡県、2023年には広島県、2024年には長野県において医療機器修理業の許可を取得しました。医療分野における保守実績のある当社へは、現在多くのメーカーから医療機器の保守依頼や、同業他社からの協業依頼がきております。

 

ソリューション事業

 医療機関、福祉施設、一般企業、官公庁向けにシステムの設計、構築、設置工事、展開管理等のICTサービスを提供、また顧客の要望に合わせた機器の提案、販売をしております。

 本社におけるソリューション営業活動では、日本電気株式会社、KDDI株式会社といった大手企業との協業により、ネットワーク機器やPC関連の設定サービスを提供する他、大手総合重工業メーカー物流部門との協業による自動倉庫システムサービスの展開等、様々なサービスメニューを開発、展開しております。これらの案件は本社が全国拠点をマネジメントすることにより、全エリアにおいて同一品質のサービスを提供しております。

 また、2024年2月に移転したテクニカルセンターは機器の設定から現地配送までを一括管理するキッティングセンターとしての機能も備えており、東京都八王子市、北海道支店、東北支店、中部支店、関西支店に設置しているキッティングスペースと併せて、品質の平準化を図るべくその体制を強化しております。

 また、全国13支店においてもそれぞれソリューション営業の活動をしております。特に地元企業とのリレーションに力を入れ、例えば北海道支店における家畜セリシステムといった地元ならではの機器に関わるソリューション案件も獲得しております。

 顧客からの情報収集、営業提案、ネットワークの設計、構築、機器の設置展開、更に保守サービス事業へ引き継いでの運用管理、オンサイトサービスという一連の流れをワンストップで提供できることが当社の強みであります。2023年には古物商(事務機器商)の許可を取得し、IT資産の選定から廃棄までのライフサイクルを各プロセスに応じてサポートするLCMサービス事業の展開が可能となりました。

 

人材サービス事業

 IT機器の保守、点検、修理を行うカスタマエンジニア(以下、「CE」といいます)、システムの設計や、ネットワークの設計・構築、派遣先企業のフロント営業のサポートを行うシステムエンジニア(以下、「SE」といいます)を派遣しております。

 主要取引先であるNECフィールディング株式会社へはCEを、KDDIグループへはSEを派遣しております。

 NECフィールディング株式会社とは1967年のプリンター保守サービスの提供をきっかけに、以来長期に渡る取引の中で当社のエンジニアの技術力が評価され、現在は140名を超えるCEを派遣しております(2024年3月31日時点)。

 KDDIグループからは、2005年の日本国際博覧会におけるSE派遣以来、継続して派遣の要請があり、現在は60名のSEを派遣、また20名が準委任契約又は請負契約による業務に従事しております(2024年3月31日時点)。上記2社からは、毎年多くの増員要請を受けております。

 また、その他複数の企業にもエンジニアを派遣しており、派遣を契機にソリューションや保守案件を受託するケースが増えております。

 人材サービス事業全体の各期末時点における派遣人員数は、2020年3月期233名、2021年3月期241名、2022年3月期262名、2023年3月期254名、2024年3月期257名と推移しております。IT人材不足という市場環境において、派遣の需要が毎年増え続けていることから、今後も機会損失が無いよう、毎年計画的に派遣人員を採用し、社内研修による資格取得推進を始め、スキルアップを図っております。

 人材サービス事業は保守サービス事業同様、派遣契約に基づくストック型のビジネスが主であります。

 

 当社の社員は入社後、CEあるいはSEとしての教育を受け、必要な資格を取得した上でそれぞれ拠点へ配属されます。エンジニアは各配属先において現場経験を積むことや、資格取得講習等を受講することにより、必要なスキルを身に付けていきます。その後、ジョブローテーションにより、新たな部署で経験を積むことで、マルチな対応が可能なエンジニアへとスキルアップしていく、そのような環境が当社にはあります。

 当社には現在700名を超えるエンジニアがおり(2024年3月31日時点)、その多くはCEとSEの両スキルを保有しております。特定の時間に集中していることが多い保守サービス業務の前後の時間に機器の設定や設置等作業を行うことにより、業務効率が上がり、生産性の向上につながっております。

 このように、保守サービス事業、ソリューション事業、人材サービス事業全てに対応でき、各事業の知見があるエンジニアが、自身の配属先あるいは派遣先での業務に従事する中で、取引先企業の抱える課題や需要を把握し、当社の3事業の特長を生かした提案をすることで、新たなビジネスが生まれております。他にも当初機器の導入展開案件を受託した取引先から、その次のステップである運用管理まで依頼されるケースも増えてきております。このように、事業間シナジーにより新規案件を獲得できること、3事業を通じて様々な市場に参画できるといった強みがあります。

 

[事業系統図]

以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

※画像省略しています。

 

 

24/06/26

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態の状況

(資産)

 当事業年度末における流動資産は5,298,563千円となり、前事業年度末に比べ154,184千円減少いたしました。これは主として、現金及び預金が579,787千円増加したものの、オンライン資格確認端末導入等大型案件の代金回収により売掛金が603,012千円、前事業年度末に仕掛となっていた大型案件の進捗により棚卸資産が135,628千円減少したことによります。固定資産は1,217,016千円となり、前事業年度末に比べ203,034千円増加いたしました。これは主として、事務所賃貸借契約に係る資産除去債務に対応する除去費用の単価見直しにより建物附属設備が137,984千円、遠隔作業支援システムの導入によりリース資産が29,160千円増加したことによります。

 この結果、総資産は6,515,580千円となり、前事業年度末に比べ48,850千円増加いたしました。

 

(負債)

 当事業年度末における流動負債は3,061,569千円となり、前事業年度末に比べ335,593千円減少いたしました。これは主として、テクニカルセンターの移転、拡充に伴う工事費用で未払金が80,403千円、翌期稼働となるソリューション案件の調達増加に伴い買掛金が65,425千円増加したものの、短期借入金300,000千円の返済、メディコムハード保守契約の契約方式切り替えに伴い前受金が101,196千円、納税に伴い未払法人税等が69,221千円減少したことによります。固定負債は1,539,469千円となり、前事業年度末に比べ95,167千円増加いたしました。これは主として、事務所賃貸借契約に係る資産除去債務に対応する除去費用の単価見直し等により資産除去債務が63,280千円、退職給付引当金が33,412千円増加したことによります。

 この結果、負債合計は4,601,038千円となり、前事業年度末に比べ240,425千円減少いたしました。

 

(純資産)

 当事業年度末における純資産合計は1,914,541千円となり、前事業年度末に比べ289,276千円増加いたしました。これは当期純利益410,621千円及び剰余金の配当125,580千円によるものであります。

 この結果、自己資本比率は29.4%(前事業年度末は25.1%)となりました。

 

②経営成績の状況

 わが国経済は、2024年3月の政府の月例経済報告によると、景気はこのところ足踏みもみられるが、緩やかに回復しているとあります。2023年5月には、新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類感染症に移行し、3年ぶりに対面や移動の制限がなくなる等、様々な制限が緩和され、それに伴いインバウンド需要は大幅に回復しました。春闘での定昇込み賃上げ率は30年ぶりの高水準となり、企業の高い投資意欲等、前向きな動きがみられました。

 一方、原材料価格やエネルギー価格の上昇、物流コストの増加、円安による輸入品価格上昇等を主要な要因として、機器メーカーによる値上げが続きました。また、先行きのリスク要因をみると、海外景気の下振れリスク等には注意が必要な状況にあります。

 そのような中、コスト増加や労務賃金上昇の価格転嫁に向けた動きが政府主導で推進されております。中小企業庁では、エネルギー価格や原材料費、労務費等が上昇する中、中小企業が適切に価格転嫁をしやすい環境を作り、価格交渉・価格転嫁を促進するため、広報や講習会、業界団体を通じた価格転嫁の要請等を実施しており、今後適正価格での取引が増えていくことを期待しております。

 当社を取り巻くIT市場においては、様々な分野におけるDXが推進され、それに伴い多くの需要がありました。

 2023年4月に47名の新卒社員を迎えスタートした当事業年度は、上期においては、前事業年度下期から引き続き政府が推進する医療DXの皮切りとなるオンライン資格確認の導入が進みました。また、電子カルテ標準化に向けた動きの中で、電子カルテの販売と合わせて病院施設内のネットワーク構築、セキュリティ対策等の需要も増加してまいりました。介護施設においては介護業務支援ソフト、見守りシステムの導入依頼が多くありました。

 GIGAスクール構想を皮切りに推進されている教育DXにおいては、電子黒板の需要、快適な授業環境の実現に繋がる教育機関専用インターネット回線の需要が増えております。その他にも企業、自治体等、DXに関連したソリューション案件が多くあった一年でした。

 また、2024年2月には事業成長及び利益率向上を目指し、昨年3月に実施したIPOで調達した資金により、当社の保守及びソリューションサービスの全社サポート拠点であるテクニカルセンターを東京都江戸川区臨海町に移転、拡充し業務を開始しました。

 この結果、当事業年度の業績は、売上高16,145,670千円(前年同期比1.2%増)、営業利益627,159千円(同16.7%減)、経常利益634,787千円(同16.7%減)、当期純利益410,621千円(同14.7%減)となりました。

 営業利益、経常利益、当期純利益が前年を下回った要因は、機器の調達遅れ及び顧客都合による作業延期等が発生し、第4四半期に計画していた利益率の高いソリューション案件の納品が翌期となったこと、パソコンとその周辺機器販売の比重が増加し仕入原価が想定以上に増加したこと、また、売上高増加に伴い出張費等が当初予想よりも増加したこと、事業の維持、拡大の基盤である人材確保のため採用活動を積極的に行い、2024年新卒社員77名(前期47名)、中途社員30名(前期24名)を採用した結果、採用費等が増加したことによるものであります。

 セグメントの業績は、次の通りであります。

 なお、「セグメント利益」は、本源的な事業の業績を計るために、本社管理部門の販売費及び一般管理費配賦前の営業損益を示しており、各報告セグメントの全社への貢献を明確化した利益指標であります。

 

 保守サービス事業

 保守サービス事業では、ウィーメックス株式会社(PHC株式会社メディコム事業部とPHCメディコム株式会社が2023年4月に統合)の製品である、全国の医院・クリニックに導入されているメディコム(レセプトコンピュータ、電子カルテ)をはじめ、調剤薬局に導入されている薬歴システムや錠剤包装機、病院に導入されている注射薬払出システムや適温配膳車等の保守サービスを提供しております。

 事業の主軸であるウィーメックス株式会社製電子カルテシステム、レセプトコンピュータの保守は、既存顧客の機器リプレース時に契約形態を当社と顧客がメディコムハード保守契約を直接締結する方式から、顧客とウィーメックス株式会社が保守契約を締結し、ウィーメックス株式会社から当社がハードに係る保守を受託し保守料を受領するシステムサポート契約方式への切り替えが進んだため、売上実績は減少傾向にあります(図1)。一方でこの契約方式になることで、これまで未契約であった顧客との契約締結が促進されていることから、契約件数は増加傾向にあり、利益は増加しております。また、ウィーメックス株式会社以外では、既存取引先であるメーカーからの保守エリア拡大要請、新規取引先からの保守やヘルプデスク等の運用保守依頼、さらに2023年3月期下期及び2024年3月期上期にソリューション事業において設置展開したオンライン資格確認機器等の保守受託もあり、事業全体は順調に成長しております。

 この結果、当事業年度の業績は、売上高4,750,124千円(前年同期比4.2%増)、セグメント利益778,354千円(同10.3%増)となりました。

 

(図1)

※画像省略しています。

 

 ソリューション事業

 ソリューション事業では、主要取引先である日本電気株式会社、KDDI株式会社をはじめ、全国の企業、官公庁からの依頼により、IT機器の販売、設計・構築、設置展開作業を受注しております。

 当事業年度は、政府による医療DXの基盤となる2023年4月より義務化されたオンライン資格確認の導入のための、保険医療機関・保険薬局への顔認証付きカードリーダーの設置作業依頼が前事業年度に続き多くありました。また、電子カルテ標準化に向けた動きの中で、電子カルテの販売と合わせて病院施設内のネットワーク構築、セキュリティ対策、AIを活用した検査機器の導入作業等の需要も増加しました。その他、介護機器の導入やデジタル化に利用できる助成金・補助金である介護ロボット導入活用支援事業補助金、ICT導入支援事業補助金、IT導入補助金を活用した介護施設におけるDXの支援にも注力し、機器の導入案件が増加しました。

 教育DXにおいては、電子黒板の需要、快適な授業環境の実現に繋がる教育機関専用インターネット回線の需要が増加傾向にあり、学校、専門学校、教育委員会等から機器の販売やネットワーク構築の依頼が多くありました。

 この結果、当事業年度の業績は、売上高9,248,112千円(前年同期比0.4%増)、セグメント利益718,137千円(同17.0%減)となりました。原材料費、労務費等の上昇に伴い、原価が上昇したため、セグメント利益は前期比で減少する結果となりました。

 

 人材サービス事業

 人材サービス事業では、NECフィールディング株式会社へのカスタマエンジニア派遣、KDDI株式会社へのシステムエンジニア派遣、提案書作成等の業務請負、その他企業へもエンジニアを派遣しております。2024年3月31日時点で257名が従事しており、第2四半期以降、教育、研修を終えた新卒社員の派遣が開始し、前事業年度と比較して派遣者数は増加しております。

 当事業年度は、既存取引先からの要請により新たに空港や介護施設への派遣を開始しました。

 当事業年度は若手社員の比率が大きいため売上高は前事業年度と比較して減少しております。また、継続的な交渉により、2025年3月期からの派遣単価の増額が決定いたしましたが、当事業年度は賃上げによる影響があり、セグメント利益は減少しております。

 人材サービス事業への需要は多くありますが、それに応える人員を確保できていないことが課題となっております。

 この結果、当事業年度の業績は、売上高2,147,433千円(前年同期比1.4%減)、セグメント利益309,185千円(同2.8%減)となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は1,509,381千円となり、前事業年度末に比べ579,787千円増加いたしました。

 なお、当事業年度における各活動によるキャッシュ・フローは以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動による資金は、1,134,931千円の増加(前事業年度は、401,526千円の減少)となりました。これは主として、税引前当期純利益634,777千円の収入、オンライン資格確認端末導入等大型案件の代金回収に伴う売上債権の減少による収入624,052千円、前事業年度末に仕掛となっていた大型案件の進捗に伴う棚卸資産の減少による収入135,628千円があったことによります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動による資金は、114,046千円の減少(前事業年度は、29,778千円の減少)となりました。これは主として、調剤監査システムaudit-iデモ機の購入及び関西支店レイアウト変更等に伴う有形固定資産の取得による支出33,728千円、主に品質管理システムの入れ替え(7月稼働予定)に伴う無形固定資産の取得による支出27,776千円、テクニカルセンターの移転等に伴う敷金の差入による支出54,213千円があったことによります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動による資金は、441,097千円の減少(前事業年度は、439,905千円の増加)となりました。これは主として、短期借入金300,000千円の返済、配当金の支払い125,283千円があったことによります。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

該当事項はありません。

 

b.受注実績

 当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

c.販売実績

 当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

前年同期比(%)

保守サービス事業(千円)

4,750,124

104.2

ソリューション事業(千円)

9,248,112

100.4

人材サービス事業(千円)

2,147,433

98.6

合計(千円)

16,145,670

101.2

 (注)1.セグメント間の取引については発生しておりません。

2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

当事業年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

ウィーメックス株式会社 (注)1

2,074,030

13.0

2,489,070

15.4

KDDI株式会社

1,356,650

8.5

1,335,351

8.3

 (注)1.ウィーメックス株式会社は、PHC株式会社メディコム事業部とPHCメディコム株式会社が2023年4月に統合し、設立された新会社です。前事業年度の金額は当時のPHC株式会社への販売実績を記載しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたりましては、経営者が採用した会計方針及びその適用方法並びに経営者によって行われた見積りや評価が含まれております。これらの見積りにつきましては、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、不確実性を伴うため、実際の結果はこれらとは異なる場合があります。
 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」及び「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。

 

②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等に関する分析

イ.経営成績

 当該事項につきましては、本書の「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

ロ.財政状態

 当該事項につきましては、本書の「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

ハ.キャッシュ・フローの状況

 当該事項につきましては、本書の「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

③資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社の運転資金、設備資金等の所要資金につきましては、営業活動で得られた資金を財源としております。大規模なシステム・整備への投資に伴い資金の不足が見込まれる場合には金融機関からの借入による手当を想定しております。また、ソリューション事業の拡大に伴い、大型案件の商品調達に係る資金需要が見込まれますが、こちらについても金融機関からの借入により所要資金の確保を行ってまいります。

 季節的な変動に伴う資金需要に機動的に対応する為、取引先金融機関2行と当座貸越契約を締結しております。当座貸越枠の合計は1,000,000千円であり、当事業年度において、本契約に基づく当座貸越残高は1,000,000千円となっております。

 また、当社の現金及び現金同等物により、現在必要とされる資金水準を満たす流動性を保持していると考えております。

 当社は前事業年度において、東京証券取引所スタンダード市場へ上場いたしました。その際、新株の発行により161,920千円の資金調達を行いました。調達した資金は、当事業年度に実施したテクニカルセンター拡張のための設備資金に114,215千円を充当いたしました。また、翌事業年度に計画している品質管理システム更新のための設備資金に充当する予定であります。

 

④経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑤経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析について

 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりです。

当社の経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としては、売上高、セグメント利益を設定し、経営上の目標としております。

 売上高は保守サービス事業、ソリューション事業においてはDX推進により機器の販売案件の増加、それに付随する保守案件の増加等により順調に伸長しておりますが、人材サービス事業は前事業年度にエンジニアの退職が例年よりも多くあった影響が尾を引き、前年同期比98.6%となりました。同様にセグメント利益についても前年同期比97.2%となりました。ソリューション事業においては、パソコン及び周辺機器の販売案件の比重が大きく、また機器代金の値上げにより仕入が増加したこと等が影響し、セグメント利益は前年同期比83.0%となりました。