売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E36714 

売上高

222.5億 円

前期

195.1億 円

前期比

114.0%

時価総額

26.7億 円

株価

1,055 (03/28)

発行済株式数

2,527,300

EPS(実績)

82.93 円

PER(実績)

12.72 倍

平均給与

401.1万 円

前期

397.3万 円

前期比

101.0%

平均年齢(勤続年数)

34.3歳(5.2年)

従業員数

0.0人(連結:1,056人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3 【事業の内容】

当社は、2021年10月1日に単独株式移転によりミアヘルサ株式会社の完全親会社として設立され、持株会社としてグループ会社の経営管理及びそれに付帯する業務を行っております。

また、当社グループは、当社、子会社等(ミアヘルサ㈱、ライフサポート㈱)の3社で構成されており、医薬事業、介護事業及び保育事業を中心に事業を展開しています。

当社グループの事業内容及び当社と子会社の当該事業に係る位置付けは、次のとおりです。

以下に示す区分は、セグメントと同一の区分です(食品事業は「その他」セグメントに含まれます)。拠点数は本書提出日現在のものです。

なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。

 

(1) 医薬事業

当社グループにおいて、医療分野における医薬事業として調剤薬局を営んでおります。「日生薬局」「ミアヘルサ薬局」という屋号の下で、東京都を中心とした首都圏で42店舗を運営しております。出店形態としては、大型総合病院前の門前型調剤薬局を中心としながら、医療モール等へも出店しており、地域に密着した調剤薬局を展開しております。

日生薬局及びミアヘルサ薬局においては、医療機関の発行する処方箋に基づき、患者様に医薬品の調剤を行う調剤薬局を運営しております。

また、現在、厚生労働省が進めている「かかりつけ薬局」として、服薬情報の一元管理・継続管理や、患者様個々の医薬品や一般用医薬品・健康食品の安全かつ適正使用の指導・助言・健康に対する相談を実施しております。併せて、住み慣れた地域で自分らしい生活を最期まで送ることができるように地域内でサポートし合う「地域包括ケアシステム」の実現に向けた、在宅での服薬指導や24時間の薬相談対応等、薬局が求められている機能の実現に努めております。

なお、調剤による報酬は、健康保険法に基づき、一部負担金を患者様から頂戴し、患者様の負担金以外については国民健康保険団体連合会及び社会保険診療報酬支払基金に対して請求を行っております。

 

医薬事業の事業系統図は、次のとおりであります。

※画像省略しています。

 

 

(2) 介護事業

当社グループにおいて、東京都・埼玉県・千葉県内において、介護保険法、老人福祉法、高齢者の居住の安定確保に関する法律に基づく各種介護サービスを提供しております。

 

以下、ミアヘルサグループにおいて提供する介護サービスの種類について、種類別に説明いたします。

サービスの種類

説   明

主な規制法

拠点数

居宅介護支援

介護を必要とされる方が、自宅で適切にサービスを利用できるように、ケアマネジャー(介護支援専門員)が心身の状況や生活環境、本人・家族の希望等にそってケアプランを作成し、様々な介護サービスの連絡・調整等を行います。

介護保険法

サービス付き高齢者向け住宅

バリアフリー化等が施された住宅に安否確認・生活相談サービスがついた高齢者の方向けの住宅で、有料老人ホームではなく、一般の賃貸住宅扱いとなります。また、居住者の必要に応じて、食事提供、訪問介護等を受けることができる等、居住者のニーズにあった住まい方を選択できます。

高齢者の居住の安定確保に関する法律

小規模多機能型居宅介護

利用者の心身の状況や生活環境に応じて、利用者の選択に基づき、通いや訪問、宿泊を組み合わせて、入浴、排せつ、食事等の介護、その他日常生活上の世話、機能訓練(リハビリテーション)を行います。

介護保険法

地域包括支援センター

地域の高齢者の心身の健康保持や生活の安定のために必要な援助を行うことを目的としております。主な業務は、包括的支援事業(介護予防ケアマネジメント業務、総合相談支援業務、権利擁護業務、包括的・継続的ケアマネジメント支援業務)、指定介護予防支援及び要介護状態等になるおそれのある高齢者の把握等で、保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員の専門職が配置されております。

介護保険法

通所介護

通所介護は、日中、老人デイサービスセンター等に通っていただき、入浴、排せつ、食事等の介護その他の必要な日常生活上の支援や生活機能訓練等を日帰りで提供するサービスであり、利用者の心身機能の維持向上と、利用者の家族負担の軽減を図ります。

介護保険法

11

定期巡回・随時対応型訪問介護看護

日中・夜間を通じて、訪問介護と訪問看護が一体的にまたは密接に連携しながら、定期巡回と随時の対応を行います。

介護保険法

特定施設入居者生活介護

介護保険の指定を受けた有料老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホーム等が、入居している利用者に対して入浴・排せつ・食事等の介護、その他必要な日常生活上の支援を行います。

介護保険法

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)

要介護であり、かつ認知症の高齢者が共同で生活する住居において、入浴、排せつ、食事等の介護、その他の日常生活上の世話、機能訓練を行います。少人数(5人~9人)の家庭的な雰囲気の中で、できる限り自立した生活を送ることを目指します。

介護保険法

認知症対応型通所介護

居宅要介護者であり、かつ認知症の高齢者が、老人デイサービスセンターや特別養護老人ホーム等に通所する場合の、入浴、排せつ、食事等の介護や生活等に関する相談、健康状態の確認、機能訓練(リハビリテーション)等を行います。

介護保険法

訪問介護

介護福祉士や訪問介護員(ホームヘルパー)が、居宅を訪問して、入浴、排せつ、食事等の介護や調理、洗濯、掃除等の家事を行うサービスであります。

介護保険法

訪問看護

医師の指示に基づき、看護師等が居宅を訪問し、健康チェック、療養上の世話または必要な診療の補助を行うサービスであります。

また、医師や関係機関と連携をとり、様々な在宅ケアサービスの使い方を提案します。

介護保険法

訪問入浴

自宅の浴槽での入浴が困難な方に対して、浴槽を積んだ入浴車が利用者の居宅を訪問し、看護職員や介護職員が入浴の介護を行うサービスであります。

介護保険法

 

 

サービスの種類

説   明

主な規制法

拠点数

高齢者福祉センター

60歳以上の方々を対象にマシントレーニングや運動教室等の介護予防、パソコンや英会話等の高齢者教養の講座・サークル活動、また、近隣の自治会、婦人会、マンション管理組合、小学校、保育園、PTA等との地域交流を図りながら運営管理を実施しております。

老人福祉法、介護保険法

住宅型有料老人ホーム

生活支援等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設です。介護が必要となった場合、入居者自身の選択により、地域の訪問介護等の介護サービスを利用しながら当該有料老人ホームの居室での生活を継続することが可能であります。

老人福祉法

スポーツクラブ(ヘルスアップセンター)

要介護状態でない方々を対象に、アンチエイジングや健康増進のためのトレーニング、レクリエーションといった、介護保険対象外のサービスを提供しております。

福祉学園

介護従事者のスキルアップと地位向上に貢献できるように、現場経験豊富な講師陣を迎えて、セミナー・講座を実践しております。

拠 点 数 合 計

68

 

なお、事業の種類による主なサービス対象者(介護度別)は以下のとおりであります。

 

※画像省略しています。

 

 

 

当社グループでは、これら各種介護サービスを、高齢者の住まいとして開設したサービス付き高齢者向け住宅やグループホームに併設し、地域の利用者様に対しても包括的に複数のサービスを提供できる事業モデルを展開しております。

なお、介護保険による報酬は、介護保険法に基づき、一部負担金を利用者様から頂戴し、利用者様の負担金以外については国民健康保険団体連合会に対して請求を行っております。介護保険による報酬以外のサービス提供(サービス付き高齢者向け住宅の賃料、食事代、生活支援サービス費など)については、利用者様に対して対価の請求を直接行っております。

 

介護事業の事業系統図は、次のとおりであります。

※画像省略しています。

 

 

(3) 保育事業

当社グループにおいて、ミアヘルサ㈱で認可保育所を36園、公立保育園の指定管理1園を運営しております。また、ライフサポート㈱で認可保育所を11園、認証保育所を5園及び学童クラブ等を21ヵ所運営しております。

保育所(保育園)とは、児童福祉法に基づく制度であり、開設は各自治体からの要請及び承認により進められます。

保育所(保育園)は、認可保育所(認可保育園)と認可外保育施設の2種類に分類されており、保育の対象となる園児は、保育を必要とする乳児(満1歳未満)と幼児(満1歳小学校就学の始期に達するまで)となります。児童福祉法に基づいた厚生労働省所管の児童福祉施設である認可保育所は、国が定めた設置基準(施設の広さ、保育士等の職員数、給食設備、防災管理、衛生管理等)を満たして都道府県知事(政令指定都市の市長・中核市の市長を含む)に認可された施設であり、保育所の施設型給付(補助金)が国及び自治体の負担により支給されております。認可外保育施設は、認可保育所以外の施設のことをいいます。東京都においては、現在の認可保育所だけでは応えきれていない大都市のニーズに対応しようとする都独自の制度として、大都市の特性に着目した都独自の基準(認証基準)を設定した認証保育所を設けております。
 なお、保育費の請求に関しては、認可保育所では保護者の一部負担金は各自治体から保護者に請求され、保護者は自治体に支払い、当社グループは各自治体に補助金も含めて一括請求することで支払いを受けます。

認証保育所では当社グループと保護者が契約し、保育費用を当社グループから保護者に請求して支払いを受け、補助金を各自治体に請求して支払いを受けます。

 

保育事業の事業系統図は次のとおりであります。

 

※画像省略しています。

 

 

(4) その他(食品事業)

当社グループにおいては、足立区・葛飾区の公立小中学校約170校に対する給食用食材、及び同区内の保育園・介護施設、その他一般飲食店等に対する食材の卸売業をしております。
 また、株式会社ライドオンエクスプレスの運営する宅配寿司チェーン「銀のさら」のフランチャイジーとして足立区内に3店舗展開しています。

 

食品事業(食品卸)の事業系統図は次のとおりであります。

※画像省略しています。

 

23/06/28

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

経営者の視点による当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況に関する認識及び検討内容は次のとおりです。

また、2022年3月期連結累計期間(2021年4月1日から2022年3月31日まで)の連結財務諸表は、単独株式移転により完全子会社となったミアヘルサの連結財務諸表を引き継いで作成しております。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものです。

 

① 経営成績及び財政状態の状況

当連結会計年度(2022年4月1日から2023年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限や入国制限の緩和により、経済活動及び社会活動の正常化に向けた動きが見られるものの、ロシア・ウクライナ情勢の長期化による原材料・エネルギー価格の高騰を背景とした資源価格の高騰に加え、世界的な金融引き締めによる急激な円安進行など、インフレ拡大や景気後退に対する懸念が広がっており、依然として先行き不透明な状況が続いております。

このような状況の中、当社グループでは、各事業に課せられた社会的責任を果たすべく、お客様・社員の安全確保のため感染症拡大防止策を講じて、事業活動の継続に努めるとともに、「少子高齢化社会の課題に挑戦し、地域社会を明るく元気にする」をミッションに掲げ、経営計画の達成を目指してまいりました。

業績につきましては、2021年10月にグループ会社化したライフサポート株式会社の保育・介護事業及び、2022年4月に開設した新規保育園等の業績が寄与したことで増収となりました。

一方、利益面につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、介護事業を中心に通所介護事業所の利用者数の減少、サービス付き高齢者向け住宅の入居率の低下により、厳しい状況で推移いたしました。

また、当連結会計年度において、介護事業と保育事業を中心に不採算事業所の整理に取り組んだ結果、特別損失に閉鎖事業所関連費33百万円を計上しております。

この結果、売上高22,249百万円(前年同期比14.0%増)、営業利益191百万円(前年同期比2.5%増)、経常利益169百万円(前年同期比10.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益209百万円(前年同期比28.1%減)となりました。

 

<セグメントごとの経営成績>

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

(医薬事業)

当連結会計年度において、1店舗を出店いたしました。

薬局運営につきましては、前年度に引き続き、「かかりつけ薬局」としてのサービスの充実、「在宅医療業務」及び後発医薬品調剤体制加算の強化により、技術料の加算獲得に努めるとともに、「街の健康ステーション」を目指し、健康サポート薬局として地域住民の皆さまの健康をトータルでサポートしてまいりました。

業績につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響が継続しているものの、新規出店効果により、処方箋枚数は前年同期比107.7%となりました。

一方、2022年4月に実施された調剤報酬・薬価改定の影響で処方箋単価が低下したほか、新規薬局に関して、処方元である新設の大型病院における患者様の受入れ態勢の整備の遅れによる影響に加え、開設のための先行コストが生じたことで、売上・利益面ともに伸び悩みました。

この結果、売上高8,986百万円(前年同期比2.3%増)、セグメント利益531百万円(前年同期比5.0%減)となりました。

なお、当連結会計年度末における調剤薬局店舗数は、42店舗(前連結会計年度末比+1店舗)となりました。

 

 

(介護事業)

当連結会計年度において、1事業所(訪問介護事業所)の開設、2事業所(訪問介護事業所1事業所、通所介護事業所1事業所)の閉鎖を実施いたしました。

事業所運営につきましては、住まい・医療・介護・予防・生活支援を一体で提供し、住み慣れた地域で最後まで暮らし続けることができる「地域包括ケアシステム」を推進してまいりました。また、2023年8月に千葉県流山市に「ホスピス対応型ホーム(定員61名)」として開設予定のサービス付き高齢者向け住宅1事業所及び併設事業所3事業所(居宅介護支援事業所1事業所、訪問介護事業所1事業所、訪問看護事業所1事業所)の開設準備に注力してきたほか、通所介護事業所を中心に不採算事業所の整理に取り組んでまいりました。

業績につきましては、2021年10月にグループ会社化したライフサポート株式会社の介護事業所及び、前連結会計年度に新規開設した事業所の業績が寄与したことで増収となりました。

一方、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、営業活動を抑制したことにより入居促進が図れず、サービス付き高齢者向け住宅の入居率が低下し、これに伴う併設サービス(通所介護事業所・定期巡回サービス等)の利用者数が減少しました。また、感染症の影響による通所介護事業所の休業に加え、感染予防の観点から一部利用者の利用の自粛等で、通所介護事業所を中心に利用者数が減少したことにより、売上・利益面ともに低調に推移いたしました。

この結果、売上高3,444百万円(前年同期比1.0%増)、セグメント損失147百万円(前年同期実績:セグメント利益24百万円)となりました。

なお、当連結会計年度末における介護事業所数・施設数は、67事業所(前連結会計年度末比△1事業所)となりました。

 

(保育事業)

当連結会計年度において、認可保育園3園、学童クラブ1ヵ所を開設したほか、指定管理者として公立保育園1園の運営を開始いたしました。

一方、グループ会社のライフサポート株式会社において、2023年2月に同社子会社の株式会社PURE SOLUTIONS(認可外保育園1園運営)の全株式を譲渡、2023年3月末で認証保育園4園を閉鎖したほか、学童クラブ等2ヵ所、保育室2ヵ所の業務受託が終了いたしました。なお、認可保育園への移行に向けて休園していた認証保育園1園については、2023年4月に認可保育園として開設しております。

事業所運営につきましては、お子様の安全な保育を担うだけでなく「子どもたちの未来をつくる」園を目指してまいりました。また、2023年4月に開設した認可保育園3園(うち1園は認可移行園)の開設準備に注力してまいりました。

業績につきましては、2021年10月にグループ会社化したライフサポート株式会社の認可保育園等の園児数が増加したことに加え、2021年4月及び、2022年4月に開設した認可保育園の園児数が増加したことで業績に寄与いたしました。

この結果、売上高8,874百万円(前年同期比38.4%増)、セグメント利益537百万円(前年同期比48.5%増)となりました。

なお、当連結会計年度末における運営事業所数は、74事業所(前連結会計年度末比△5事業所)となりました。

 

(その他(食品事業))

学校給食部門において、給食回数が回復、前年より増加したほか、新規取引先の拡充に努めてまいりました。また、当社グループがフランチャイジーとして店舗展開している銀のさら(3店舗)の業績につきましても、宅配食ニーズの持続を背景に堅調に推移いたしました。

この結果、売上高944百万円(前年同期比4.4%増)、セグメント利益48百万円(前年同期比23.7%増)となりました。

 

 

<財政状態の状況>

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は、5,049百万円となり、前連結会計年度末に比べ155百万円増加いたしました。これは主に、未収入金が143百万円減少したものの、売掛金が172百万円、現金及び預金が142百万円増加したことによるものであります。

固定資産は、9,085百万円となり、前連結会計年度末に比べ225百万円減少いたしました。これは、投資その他の資産が128百万円減少、無形固定資産が84百万円減少したことによるものであります。

この結果、総資産は、14,135百万円となり、前連結会計年度末に比べ69百万円減少いたしました。

 

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は、6,583百万円となり、前連結会計年度末に比べ436百万円増加いたしました。これは主に、短期借入金が355百万円増加したことによるものであります。

固定負債は、4,215百万円となり、前連結会計年度末に比べ640百万円減少いたしました。これは主に、長期借入金が523百万円、退職給付に係る負債が176百万円減少したことによるものであります

この結果、負債合計は、10,798百万円となり、前連結会計年度末に比べ204百万円減少いたしました。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、3,337百万円となり、前連結会計年度末に比べ135百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金が、配当金の支払いにより74百万円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益209百万円計上したため、全体として増加しております。

この結果、自己資本比率は23.6%(前連結会計年度末は22.5%)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、1,182百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、得られた資金は1,021百万円(前連結会計年度は918百万円の収入)となりました。主な増加要因は、減価償却費579百万円、税金等調整前当期純利益347百万円、未払金の増加額171百万円であり、主な減少要因は、退職給付に係る負債の減少額176百万円、売上債権の増加額172百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は556百万円(前連結会計年度は2,534百万円の支出)となりました。主な増加要因は、敷金及び保証金の回収による収入93百万円であり、主な減少要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出539百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、使用した資金は368百万円(前連結会計年度は2,011百万円の収入)となりました。主な増加要因は短期借入金の増加額355百万円、長期借入れによる収入100百万円であり、主な減少要因は、長期借入金の返済による支出649百万円、配当金の支払額74百万円であります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

 a.仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

第2期連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日

前年同期比(%)

医薬事業(千円)

5,922,613

101.7

介護事業(千円)

155,846

96.8

保育事業(千円)

226,428

129.4

その他(千円)

598,167

107.6

合計

6,903,056

102.8

 

(注) 1.金額は、仕入価格によっております。

2.「その他」には食品事業が含まれます。

 

 b.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

第2期連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日

前年同期比(%)

医薬事業(千円)

8,986,009

102.3

介護事業(千円)

3,444,157

101.0

保育事業(千円)

8,874,431

138.4

その他(千円)

944,792

104.4

合計

22,249,391

114.0

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.「その他」には食品事業が含まれます。

 

④ 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行わなければなりません。経営者は、以下に関する見積り及び判断について、継続して評価を行っており、過去の実績や状況に応じて合理的と思われる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っています。また、その結果は資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数字についての判断の基礎となります。見積りには特有の不確実性が存在するため、実際の結果は、これら見積りと異なる場合があります。当社グループが採用している会計方針(「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載)のうち、重要なものは以下のとおりです。

・固定資産の減損処理

当社グループは、「固定資産の減損に関する会計基準」(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会 2020年8月9日)及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号 2003年10月31日))を適用しています。

将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、将来キャッシュ・フローや回収可能価額が減少し、減損損失が発生する可能性があります。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度の売上高につきましては、2021年10月にグループ会社化したライフサポート株式会社の保育・介護事業及び、2022年4月に開設した新規保育園等の業績が寄与したことで、22,249百万円(前年同期比14.0%増)となりました。

以下、各事業における経営指標(KPI)の分析です。

 

(医薬事業)

以下の5つをKPIとしております。

(a) 処方箋枚数、(b) 処方単価は外部環境・行政方針に影響を受けるものであり、(c) 後発品調剤率、(d) かかりつけ薬剤師指導料(件数)、(e) 在宅処方件数は企業努力により向上が図れる指標です。

処方箋枚数については、新型コロナウイルス感染症の影響が継続しておりますが、既存店舗の処方箋枚数も回復傾向にあり、新規出店効果もあったことで、前連結会計年度の実績を上回る実績となりました。一方、処方箋単価につきましては、「かかりつけ薬局」としてのサービスの充実、後発医薬品調剤体制加算の強化及び、「在宅医療業務」等への取り組みを強化し、技術料の加算獲得に努めてまいりましたが、2022年4月に実施された調剤報酬・薬価改定の影響により、前連結会計年度の実績を下回る実績となりました。

併せて、後発品調剤率、かかりつけ薬剤師指導料(件数)については、それぞれの計画を立案し、全店舗にその目標を共有し、毎月実績を掌握し効果測定を行い、向上についての対策を実施してまいりました。その結果、これらの指標については前事業年度を上回る実績を収めることができました。

 

(a) 処方箋枚数

当連結会計年度の処方箋枚数は630,954枚(前連結会計年度は586,064枚)となりました。

これは、新型コロナウイルス感染症の影響が継続しておりますが、新規出店効果のほか、既存店舗の処方箋枚数も回復傾向で推移したことによるものです。

 

(b) 処方単価

当連結会計年度の処方箋単価は14,151円(前連結会計年度は14,891円)となりました。

これは、2022年4月に実施された調剤報酬・薬価改定の影響によるものです。

 

(c) 後発品調剤率

当連結会計年度の後発品調剤率(年間平均)は81.1%(前連結会計年度は81.0%)となりました。

 

(d) かかりつけ薬剤師指導料(件数)

当連結会計年度のかかりつけ薬剤師指導料の算定件数は6,402件(前連結会計年度は6,259件)となりました。

 

(e) 在宅処方件数

当連結会計年度の在宅処方件数は20,650件(前連結会計年度は21,341件)となりました。

 

 

(介護事業)

以下の3つをKPIとしております。

これらの内容については、全て当社グループの営業努力で改善が図れるものでありますが、新型コロナウイルス感染拡大により、感染予防の観点から一部利用者の利用自粛や、営業活動を抑制したことにより入居促進が図れない等の影響を受けました。

一方で、各事業所において、それぞれの計画を立案し、該当の事業所とその目標を共有し、毎月実績を掌握し効果測定を行い、向上についての対策を実施してまいりました。その結果、これらの指標については前事業年度を下回る実績となりましたが、その影響を最低限に抑えることができました。

 

(a) サービス付き高齢者向け住宅の入居率

当連結会計年度のサービス付き高齢者向け住宅(特定施設含む)の平均入居率は90.4%(前連結会計年度は94.3%)となりました。

 

(b) 平均要介護度

当連結会計年度のサービス付き高齢者向け住宅(特定施設含む)の平均介護度は2.1(前連結会計年度は2.0)となりました。

 

(c) デイサービス(通所介護)の利用者数

当連結会計年度のデイサービス(認知症対応型含む)の利用者数は85,424人(前連結会計年度は93,651人)となりました。

これは主に、新型コロナウイルス感染症の影響によるデイサービス(通所介護事業所)の休業、及び感染予防の観点から一部利用者の利用自粛等に加え、不採算だった事業所(1事業所)を閉鎖したことで、利用者数が減少したことによるものです。

 

(保育事業)

以下の2つをKPIとしております。

(a) 受入児童数は、自治体からの園児の受け入れに影響を受けるものです。

人材確保が保育所運営に大きな影響を及ぼすため、(b) 保育士採用におけるエントリー数、園見学数、選考面接数という指標を設けて、企業努力により人材の確保を行っております。

受入児童数については、開園数に合わせて堅調に伸びております。

また、エントリー数、園見学数は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けたことで、前事業年度を下回る実績となりましたが、効率的な採用活動を行ったことにより、人材の確保ができました。

 

(a) 受入児童数

当連結会計年度の受入児童数は35,637人(前連結会計年度は28,321人)となりました。

これは主に、2021年10月に認可保育園・東京都認証保育園を運営しているライフサポート株式会社をグループ会社化したことによる園児数が増加したことに加え、2021年4月及び、2022年4月に新規開園した認可保育園の園児数の増加によるものであります。

 

(b) 保育士採用におけるエントリー数、園見学数、選考面接数

当連結会計年度の保育士採用におけるエントリー数(中途採用)は2,278名(前連結会計年度は2,824名)、園見学数(新卒)は245名(前連結会計年度は536名)、選考面接数(新卒)は143名(前連結会計年度は93名)となりました。

 

 

(売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益)

当連結会計年度の売上原価は、医薬事業の売上高増加に伴う仕入高の増加、介護事業・保育事業における新規事業所・保育園の開設に伴うコスト増加要因に加え、2021年10月にグループ会社化したライフサポート株式会社のコスト増加の要因等もあり、20,237百万円となりました。

なお、売上原価率は、91.0%(前連結会計年度は、90.3%)となりました。

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、1,820百万円(前連結会計年度は、1,711百万円)となりました。増加要因の主な内容は、2021年10月にグループ会社化したライフサポート株式会社のコスト、及び当該企業の取得に係るのれんの償却額16百万円であります。

なお、売上高販管費率は、8.2%(前連結会計年度は、8.8%)となりました。

以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、191百万円(前連結会計年度は、186百万円)となりました。

 

(営業外収益、営業外費用、経常利益)

当連結会計年度の営業外収益は、103百万円(前連結会計年度は、102百万円)となりました。主な内容は、賃貸収入67百万円、補助金収入7百万円、その他28百万円であります。

当連結会計年度の営業外費用は、125百万円(前連結会計年度は、98百万円)となりました。主な内容は、賃貸原価61百万円、支払利息34百万円、その他28百万円であります。

以上の結果、当連結会計年度の経常利益は169百万円(前連結会計年度は、189百万円)となりました。

 

(特別利益、特別損失、法人税等、当期純利益)

当連結会計年度の特別利益は、365百万円(前連結会計年度は、479百万円)となりました。内容は、設備等補助金収入330百万円、受取補償金20百万円、関係会社株式売却益13百万円であります。

当連結会計年度の特別損失は、186百万円(前連結会計年度は、135百万円)となりました。主な内容は、減損損失78百万円、過年度給与手当等44百万円、閉鎖事業所関連費33百万円、損害賠償損失24百万円であります。

法人税等は、138百万円となり、税金等調整前当期純利益に対する負担税率は、39.8%となりました。

以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、209百万円(前連結会計年度は、291百万円)となりました。

 

b.財政状態の分析

当連結会計年度の財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績及び財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

c.キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

d. 経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

e.資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原価に係る人件費、商品の仕入れ、販売費及び一般管理費の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、薬局・介護施設・保育園等の開設に伴う設備投資によるものであります。

当社グループの基本的な資金調達手段は、短期の運転資金ニーズについては、金融機関からの短期借入で行い、設備投資や長期の運転資金ニーズについては、金融機関からの長期借入で行う方針です。また、運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行8行と当座貸越契約及びコミットメントライン契約(極度額2,850百万円(本書提出日現在))を締結しております。