E30103 Japan GAAP
前期
2,680.9億 円
前期比
122.9%
株価
526.6 (04/19)
発行済株式数
1,017,055,218
EPS(実績)
31.64 円
PER(実績)
16.65 倍
前期
1,490.3万 円
前期比
82.8%
平均年齢(勤続年数)
48.7歳(25.0年)
従業員数
14人(連結:5,971人)
当社及び当社の関係会社(以下、「当社グループ」という。)は、銀行持株会社である当社、株式会社常陽銀行及び株式会社足利銀行をはじめとする連結子会社16社で構成され、銀行業務を中心に、リース業務、証券業務、信用保証業務、クレジットカード業務などの金融サービスに係る事業を行っております。
当社は、当社の子会社に係る経営管理及びそれに附帯する業務を行っております。
なお、当社は特定上場会社等に該当するため、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については、連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。
また、当社グループの事業セグメントは、銀行業務及び銀行業務以外としており、このうち報告セグメントは銀行業務であります。
事業の内容として銀行業、銀行業務以外としてリース業、証券業、その他事業を記載しております。
(銀行業)
株式会社常陽銀行及び株式会社足利銀行の本支店等においては、預金業務、貸出業務、内国為替業務、外国為替業務、商品有価証券売買業務、信託業務、証券投資信託・保険商品の窓口販売業務、金融商品仲介業務等を行っております。当社グループの中核業務として、お客さまの多様化・高度化する金融ニーズに積極的にお応えすべく、金融商品・サービスの拡充に努めております。
(リース業)
株式会社めぶきリースにおいては、地元事業者のお客さまを中心にリース業務などの金融サービスを提供しております。
(証券業)
めぶき証券株式会社においては、有価証券の売買等及び委託の媒介、有価証券の募集及び売出しの取扱い等を行い、地域のお客さまの資金運用、資金調達の両面から幅広いサービスを提供しております。
(その他事業)
その他の当社の関係会社においては、保証業務、クレジットカード業務等の金融サービスに加え、地域のカーボンニュートラルに資する事業や地域商社事業を行い、質の高い商品・サービスの提供によるお客さまの満足度の向上に努めております。
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
2023年3月31日現在
(注)1 株式会社常陽銀行の完全子会社である株式会社常陽キャピタルパートナーズは、2022年7月28日付で完全子会社「常陽グリーンエナジー株式会社」を設立しました。
2 株式会社足利銀行は、栃木県内企業との共同出資により、2022年8月2日付で子会社「株式会社コレトチ」を設立しました。
3 当社は、2023年4月1日付で株式会社常陽銀行が保有する常陽信用保証株式会社(以下、「常陽信用保証」という。)の全株式を現物配当により取得し、めぶき信用保証株式会社(以下、「めぶき信用保証」という。)を完全親会社、常陽信用保証を完全子会社とする株式交換により、常陽信用保証をめぶき信用保証の完全子会社としました。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、当社グループは、銀行業務を中心とした総合金融サービスを提供しております。当社グループが営む銀行業務以外の事業については重要性が乏しいことから、セグメント情報の記載を省略しております。
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループの連結業績は、経常収益が前連結会計年度比613億66百万円増加の3,294億57百万円となり、経常費用が前連結会計年度比797億27百万円増加の2,828億25百万円となりました。
この結果、経常利益は前連結会計年度比183億60百万円減少の466億31百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比107億81百万円減少の321億76百万円となりました。
また、包括利益は前連結会計年度と比べ299億51百万円の減少となりました。
当社グループの連結財政状態につきましては、総資産が、日本銀行への預け金の減少および有価証券の減少等により、前連結会計年度比2兆7,380億円減少し21兆3,874億円となり、純資産はその他有価証券評価差額金の減少等により、前連結会計年度比542億円減少し9,047億円となりました。
主要勘定の残高につきましては、預金は、個人預金を中心に前連結会計年度比3,115億円増加の17兆1,372億円、貸出金は、法人向け、公共向け貸出を中心に増加したこと等により前連結会計年度比6,988億円増加の12兆4,361億円、有価証券は、相場動向に応じた適切なポートフォリオ運営に取り組んだ結果、前連結会計年度比1兆199億円減少の3兆6,623億円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、以下のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、貸出金の増加や日本銀行からの借用金の減少等により、3兆3,680億円の支出(前連結会計年度は1兆2,321億円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の売却が取得を上回ったことを主因に9,224億円の収入(前連結会計年度は3,585億円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得及び配当金の支払いによる支出等により166億円の支出(前連結会計年度は318億円の支出)となりました。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度末に比べ2兆4,623億円減少し、4兆8,023億円となりました。
(参考)
(1) 国内・国際業務部門別収支
資金運用収支については、国内業務部門で1,388億42百万円、国際業務部門で100億71百万円、全体では1,489億13百万円となりました。
また、役務取引等収支については、国内業務部門で456億25百万円、国際業務部門で69百万円、全体では426億76百万円となりました。
(注)1 「国内」「海外」の区分に替えて、「国内業務部門」「国際業務部門」で区分しております。
国内業務部門は当社及び連結子会社の円建取引、国際業務部門は当社及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引及び特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 相殺消去額は、連結会社間の相殺消去及び国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借利息を計上しております。
3 資金調達費用は金銭の信託運用見合費用(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度0百万円)を控除して表示しております。
資金運用勘定の平均残高は、国内業務部門で18兆1,794億円、国際業務部門で1兆1,212億円となり、合計で17兆8,740億円となりました。また、利回りは、国内業務部門が0.77%、国際業務部門で2.79%となり、全体で0.95%となりました。
一方、資金調達勘定の平均残高は、国内業務部門が21兆1,986億円、国際業務部門が1兆842億円となり、合計で21兆5,856億円となりました。また、利回りは、国内業務部門が0.00%、国際業務部門が1.95%となり、全体で0.10%となりました。
(注)1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、銀行業以外の連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2 国内業務部門は、当社及び連結子会社の円建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
3 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度4,707,461百万円、当連結会計年度4,207,823百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度2,000百万円、当連結会計年度2,702百万円)及び利息(前連結会計年度△0百万円、当連結会計年度0百万円)をそれぞれ控除して表示しております。
(注)1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、銀行業以外の連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2 国際業務部門は、当社及び連結子会社の外貨建取引であります。
3 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度3,835百万円、当連結会計年度2,889百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度2百万円、当連結会計年度1百万円)及び利息(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度0百万円)をそれぞれ控除して表示しております。
(注)1 相殺消去額は、連結会社間の相殺消去並びに国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息を計上しております。
2 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度4,711,294百万円、当連結会計年度4,210,713百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度2,002百万円、当連結会計年度2,704百万円)及び利息(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度0百万円)をそれぞれ控除して表示しております。
役務取引等収益は、国内業務部門が613億24百万円、国際業務部門が4億45百万円となり、合計で569億43百万円となりました。
一方、役務取引等費用は国内業務部門が156億99百万円、国際業務部門が3億75百万円となり、合計で142億66百万円となりました。
(注)1 国内業務部門は当社及び連結子会社の円建取引、国際業務部門は当社及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引及び特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 相殺消去額は、連結会社間の相殺消去額を計上しております。
特定取引収益は、国内業務部門で商品有価証券収益47百万円、特定金融派生商品収益に3億9百万円、国際業務部門で商品有価証券収益に15億33百万円計上いたしました。特定取引費用は、ありません。
(注)1 国内業務部門は、当社及び連結子会社の円建取引、国際業務部門は当社及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 相殺消去額は、連結会社間の相殺消去額を計上しております。
② 特定取引資産・負債の内訳(末残)
特定取引資産は、国内業務部門で商品有価証券に12億79百万円、特定金融派生商品に26億82百万円計上いたしました。
特定取引負債は、国内業務部門で特定金融派生商品に11億22百万円計上いたしました。
(注)1 国内業務部門は、当社及び連結子会社の円建取引、国際業務部門は当社及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 相殺消去額は、連結会社間の相殺消去額を計上しております。
○ 預金の種類別残高(末残)
(注)1 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
2 定期性預金=定期預金+定期積金
3 国内業務部門は当社及び連結子会社の円建取引、国際業務部門は当社及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引及び特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
4 相殺消去額は、連結会社間の相殺消去額を計上しております。
① 業種別貸出状況(末残・構成比)
(注)「国内」とは、当社及び連結子会社であります。
② 外国政府等向け債権残高(国別)
「外国政府等」とは、外国政府、中央銀行、政府関係機関又は国営企業及びこれらの所在する国の民間企業等であり、「銀行等金融機関の資産の自己査定並びに貸倒償却及び貸倒引当金の監査に関する実務指針」(日本公認会計士協会銀行等監査特別委員会報告第4号2012年7月4日)に規定する特定海外債権引当勘定を計上している国の外国政府等の債権残高を掲げることとしております。ただし、前連結会計年度及び当連結会計年度の外国政府等向け債権残高は該当ありません。
(7) 国内・国際業務部門別有価証券の状況
○ 有価証券残高(末残)
(注)1 「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。
2 国内業務部門は当社及び連結子会社の円建取引、国際業務部門は当社及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引及び特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
3 相殺消去額は、連結会社間の相殺消去額を計上しております。
(8)「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づく信託業務の状況
連結会社のうち、「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は、株式会社常陽銀行及び株式会社足利銀行の2行であります。
(注) 共同信託他社管理財産については、前連結会計年度及び当連結会計年度の取扱残高はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
また、当社グループは、銀行業務を中心とした総合金融サービスを提供しております。当社グループが営む銀行業務以外の事業については重要性が乏しいことから、経営成績等の状況に関する分析・検討内容の記載を省略しております。
①財政状況
(ⅰ)主要勘定の状況
当連結会計年度末の預金等(譲渡性預金を含む)及び貸出金の残高は、新型コロナの感染抑制と経済活動の両立が進むもとで、当社の第3次グループ中期経営計画の基本戦略である「地域を支えるビジネスモデルの追求」に注力した結果、いずれも増加いたしました。
うち、預金等の残高は、個人預金を中心に前連結会計年度末に比べ、3,721億円増加(増加率2.1%)となる17兆5,085億円(うち預金は17兆1,372億円)となりました。また、貸出金の残高は、法人向け、公共向け貸出を中心に増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ6,988億円増加(増加率5.9%)となる、12兆4,361億円となりました。
また、有価証券の残高は、相場動向に応じた適切なポートフォリオ運営に取り組んだ結果、前連結会計年度末に比べ1兆199億円減少となる3兆6,623億円となりました。
(単位:百万円)
なお、当連結会計年度末における連結ベースのリスク管理債権残高は、1,971億円で、前連結会計年度末に比べて44億円増加となりました。
(単位:百万円)
(ⅱ)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については以下のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、当社の第3次グループ中期経営計画の基本戦略である「地域を支えるビジネスモデルの追求」への取り組み等により、貸出金の増加や日本銀行からの借用金の減少等により、3兆3,680億円の支出(前連結会計年度は1兆2,321億円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、相場動向に応じた適切な有価証券ポートフォリオ運営に取り組み、ポートフォリオのリバランスを実施した結果、有価証券の売却が取得を上回ったことを主因に9,224億円の収入(前連結会計年度は3,585億円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得(総額50億円)及び配当金の支払いによる支出等により166億円の支出(前連結会計年度は318億円の支出)となりました。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度末に比べ2兆4,623億円減少し、4兆8,023億円となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については以下のとおりです。
当面の設備投資、成長分野への投資ならびに株主還元等は自己資金で対応する予定であります。
また、当社グループは正確な資金繰りの把握及び資金繰りの安定に努めるとともに、適切なリスク管理体制を構築しております。貸出金や有価証券の運用については、大部分をお客さまからの預金にて調達するとともに、必要に応じて日銀借入金やコールマネー等により資金調達を行っております。なお、資金の流動性の状況等については定期的にALM・リスク管理委員会ならびに取締役会に報告しております。
次連結会計年度において計画している重要な設備の新設等及び資金調達方法は、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1) 新設、改修」に記載のとおりです。今後の配当を含む株主還元については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載しております。
②経営成績
(ⅰ)経営戦略
当社グループでは、長期ビジョン2030に掲げた「地域とともにあゆむ価値創造グループ」の実現に向け、2022年度より「第3次グループ中期経営計画」(計画期間:2022年度から2024年度までの3年間)をスタートしました。「地域を支えるビジネスモデルの追求」、「持続可能な経営基盤の構築」、「人材の育成・活躍促進」の3つの基本戦略のもと諸施策を展開いたしました。
「地域を支えるビジネスモデルの追求」では、法人分野において、子銀行である常陽銀行、足利銀行(以下、常陽銀行と足利銀行をあわせて「両子銀行」といいます。)を中心に、取引先事業者の資金繰りなど金融面の支援に留まらず、持続的な成長と地域の環境・社会課題の解決の両立(サステナビリティ)に向けた対話等に基づく支援メニューの充実を図りました。また、デジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する新たなWEBサービスを開始するなど、コンサルティング機能の強化に加え、取引先事業者のサステナビリティに向けた取組み支援の強化にも注力しました。さらに、スタートアップ企業との協業による事業創出、地域のカーボンニュートラルに資する事業や地元企業との協業による地域商社事業を展開する子会社を設立するなど、事業領域の拡大にも取り組みました。
個人分野では、2021年3月に両子銀行でリリースした「バンキングアプリ」の利便性向上に向けた各種取引機能の追加とともに利用者拡大に取り組んだ結果、ユーザー数はリリース後2年間で85万先超に伸長しました。資産運用の面では、ライフプランコンサルティング強化に向けた営業体制の見直し、ご相談窓口となる店舗の営業時間延長やオンライン相談サービスの取扱い開始など、資産形成や多様な資産運用ニーズにお応えしました。さらに、高齢社会における金融ジェロントロジーの知見を活用した取組みでは、高齢者のデジタルデバイド解消やデジタルライフの充実に向けた総合サポートの実施、非金融分野を含めたサービスの拡充を行うなど、地域の皆さまが安心して暮らし続けることができる取組みを展開いたしました。
「持続可能な経営基盤の構築」では、グループ共通の「DX戦略ロードマップ」を策定し、ペーパーレスの進展、デジタルチャネルの利便性向上やデータ利活用の高度化などに取り組みました。業務のデジタル化をはじめとしたDX基盤強化、取引先事業者へのDXコンサルティングサービスの提供、両子銀行における融資契約手続きの電子化サービスの導入を図るなど、お客さまの利便性向上と高品質なサービス提供及び業務効率化に取り組みました。
また、気候変動リスクへの対応をはじめとした持続可能な社会の実現に向け、2030年にCO2排出量をネット・ゼロとするロードマップを策定し、両子銀行の本店を含む5ヵ所のビルにおいて再生可能エネルギーの利用を開始しました。さらに、環境や社会に配慮した責任ある購買活動に努めるべくグループ共通の「調達・購買ガイドライン」を制定するなど、当社グループの持続的成長と企業価値向上の好循環に向けた取組みを着実に進展させました。
「人材の育成・活躍促進」では、両子銀行の「ダイバーシティ推進室」において、多様な人材がより一層活躍できる環境の整備を進めました。従業員のスキルアップや自己成長、そして地域社会への多面的な貢献を目的とした副業制度の導入、不妊治療と仕事との両立支援制度を拡充するなど、働きがいの充実に向けた環境整備に取り組みました。また、ITパスポート資格の取得促進やDX認定制度に基づく研修プログラムを開催するなど、地域のDXを牽引する人材育成の強化にも取り組みました。
(ⅱ)損益の状況
当社グループにおける当連結会計年度の損益の状況は以下のとおりです。
(ア)損益概要
当社グループの連結粗利益は、コンサルティング機能強化により「役務取引等利益」が増加した一方、国債等債券損益が減少したことを主因として、前連結会計年度比762億16百万円減少の1,183億48百万円となりました。経常利益は、与信関係費用及び営業経費の減少、株式等関係損益が増加したこと等により、前連結会計年度比183億60百万円減少となる466億31百万円となりました。
以上により、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比107億81百万円減少し、321億76百万円となりました。
(イ)資金利益
貸出金は、法人向け、公共向け貸出を中心に増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ貸出金残高が6,988億円増加(増加率5.9%)したこと等により、貸出金利息は前連結会計年度比36億6百万円増加となる1,100億18百万円となりました。有価証券利息配当金は、運用利回りの改善を主因として前連結会計年度比104億96百万円増加となる554億91百万円となった一方、預け金利息は、日本銀行への預け金の減少を主因として前連結会計年度比18億17百万円減少となる48億17百万円となりました。資金調達費用は、海外金利上昇に伴う外貨調達費用の増加等により前連結会計年度比187億98百万円増加となる222億10百万円となりました。
これらの結果、資金利益は前連結会計年度比61億36百万円減少となる1,489億13百万円となりました。
(ウ)役務取引等利益
「地域を支えるビジネスモデルの追求」に取り組むなか、コンサルティング営業体制の強化によりビジネスマッチングや事業計画策定支援関連の手数料が増加しました。また、取引先とのデリバティブ取引が好調であったこと等から、役務取引等利益は前連結会計年度比23億94百万円増加し427億3百万円となりました。
(エ)その他業務利益
相場動向に応じた適切なポートフォリオ運営に取り組み国内外の債券等の入れ替えを行った結果、金融派生商品収益の増加等により、その他業務収益は前連結会計年度比132億66百万円増加となる164億56百万円となりました。一方、その他業務費用も、国債等債券売却損の増加を主因として、前連結会計年度比830億99百万円増加となる916億16百万円となりました。この結果、その他業務利益は前連結会計年度比698億33百万円減少し751億60百万円の損失となりました。
(オ)営業経費
営業経費は、「持続可能な経営基盤の構築」に取り組むなかで店舗ネットワーク最適化等を進めた結果、減価償却費が減少したほか、退職給付費用が減少したこと等により、前連結会計年度比76億7百万円減少となる1,070億16百万円となりました。
(カ)与信関係費用
与信関係費用は、企業倒産の落ち着いた状況が継続していることを背景とした貸倒引当金繰入額の減少等により、前連結会計年度比107億44百万円減少し108億53百万円となりました。
(キ)株式等関係損益
相場動向に応じた適切な有価証券ポートフォリオ運営に取り組みポートフォリオのリバランスを実施したほか、政策保有株式の縮減にも積極的に取り組んだ結果、株式等関係損益は前連結会計年度比403億15百万円増加し、438億57百万円となりました。
(注) 連結粗利益=(資金運用収益-(資金調達費用-金銭の信託運用見合費用))+(役務取引等収益+信託報酬-役務取引等費用)
+(特定取引収益-特定取引費用)+(その他業務収益-その他業務費用)
(ⅲ)経営成績
これらの取り組みの結果、当連結会計年度における経営成績は、以下のとおりとなりました。
(注) 1. 連結ROE=親会社株主に帰属する当期純利益÷((期首自己資本※1+期末自己資本※1)÷2)
※1 自己資本=純資産の部合計-新株予約権-非支配株主持分
2. コアOHR = 経費÷(業務粗利益※2-国債等債券損益)
※2 業務粗利益は、投信解約損益及び先物・オプション損益を除いて算出しております。
当社グループは、長期ビジョン2030で目指す姿として掲げた「地域とともにあゆむ価値創造グループ」を実現すべく、伝統的銀行領域や総合金融サービス領域といったコアビジネスを強化しながら、その強みを活かした事業領域の拡大に取り組んでおります。従来の金融サービスの枠組みを超えて地域課題の解決に挑戦し、その取組みにより得られたノウハウをコアビジネスに還元していくことで、新しい価値を創造してまいります。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたっては、資産、負債、収益及び費用の額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(自己資本比率等の状況)
(参考)
自己資本比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第20号。)に定められた算式に基づき、連結ベースについて算出しております。また、当連結会計年度末より、バーゼルⅢ最終化を早期適用しております。
なお、当社は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては基礎的内部格付手法を採用し、オペレーショナル・リスク相当額の算出においては標準的計測手法を採用しております。
連結自己資本比率(国内基準)
(単位:億円、%)
(資産の査定)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、株式会社常陽銀行及び株式会社足利銀行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2.危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3.要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4.正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
資産の査定の額
(注)上記は自己査定に基づき、与信関連債権の査定結果を記載しております。
なお、金額は単位未満を四捨五入しております。
「生産、受注及び販売の実績」は、銀行持株会社における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。