E35560 Japan GAAP
前期
56.4億 円
前期比
127.0%
株価
655 (04/19)
発行済株式数
21,223,200
EPS(実績)
20.06 円
PER(実績)
32.65 倍
前期
438.5万 円
前期比
102.8%
平均年齢(勤続年数)
48.3歳(11.8年)
従業員数
39人(連結:1,383人)
当社グループは、当社及び連結子会社4社(瑪茨雅商貿(上海)有限公司、Matsuya R&D(Vietnam)Co.,Ltd.、Matsuya R&D(Myanmar)Co.,Ltd.、タカハター株式会社)の計5社で構成されており、縫製自動機の開発・製造・販売や自社設計の縫製自動機を用いて各種縫製品の製造・販売の事業を行っております。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)1.報告セグメントの概要 (3)報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照ください。
当社グループは、メディカルヘルスケア事業、セイフティシステム事業、その他事業の各分野ごとに、自社設計による縫製自動機を用いた生産ラインを活用して、各種製品の品質向上・コスト低減を図るとともに、各製品の生産販売で獲得した収益を縫製自動機の開発に投入して、より高性能な縫製自動機の開発に繋げることが可能となり、各分野ごとにそれぞれシナジー効果を得られると考えております。
当社グループの事業における当社及び連結子会社の位置付け並びにセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。
(メディカルヘルスケア事業)
オムロングループ(オムロンヘルスケア株式会社、OMRON Healthcare Manufacturing Vietnam CO.,LTD.、OMRON Dalian Co.,Ltd.)向けの血圧計腕帯をベトナムを中心として製造・販売を行っております。血圧計腕帯製品は顧客からの要求に沿って受注生産にて製造されるため、在庫リスクが低い上に、顧客(オムロングループ)の内示に基づいた生産計画を立てることで、効率的に稼働することが可能となっております。
またメディカルヘルスケア関連向けの自社設計による縫製自動機を用いた生産ラインでは、一部の工程において自動化、省人化、省熟化を図ることで、コスト削減に貢献しております。一部の生産ラインにおいては顧客負担で設備投資するため、設備投資費用が未回収となるリスクが低い事業であります。
その他に医療用のアイソレーションガウンの製造及び販売も行っております。
(セイフティシステム事業)
自動車関連メーカー等向けのカーシート、エアバッグ、自動車内装品等に加え、自動車の安全装置(エアバッグ・シートベルト)に関する縫製自動機の開発・製造・販売を行っております。当社グループは長年の縫製自動化に取り組んできた実績があり、裁断から縫製までの全工程をカバーする幅広い製品を今日まで開発してきました。そのノウハウを活かした各種縫製自動機を開発・製造しております。このように当社グループと同様の縫製自動機を提供している企業は少ないことに加え、当社グループは各工程の自動機を顧客の要望に合わせて提供可能であることを強みとしております。また、エアバッグメーカー向けを中心に、生産ライン毎に纏まった受注が得られる事業形態であることから、安定して収益を計上できる事業となっております。
現在、自動車の安全装置(エアバッグ・シートベルト)のみならず、ドローンや航空機など輸送関連分野などの縫製の自動化・省人化・省熟化を推進することを目的として、顧客の要望に合わせた電子プログラムミシン等の縫製自動機・レーザー裁断機等の開発、製造、販売を行っております。
(その他事業)
メディカルヘルスケア及び自動車関連メーカ向け以外の顧客から依頼を受けて開発した縫製自動機の開発・製造・販売をその他事業としております。長年のノウハウを生かし家具やインテリアメーカー、アパレル関係などを中心とした顧客に対しそれぞれのニーズにあった縫製自動機を開発・製造・販売を行っております。
当社グループの事業内容と当社及び連結子会社の各事業における位置付け並びにセグメントとの関係は以下のとおりであります。
事業の系統図は、次のとおりであります。
※1 OMRON Dalian Co.,Ltd.向けの製品について、協力会社を介して販売しております。
※2 オムロンヘルスケア株式会社の国内工場向けの製品について、当社が協力会社から製品を仕入れて、販売しております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べて702,128千円増加し、6,242,647千円となりました。これは主として売掛金が137,997千円、商品及び製品が22,474千円、仕掛品が312,506千円それぞれ減少したことに対して、現金及び預金が851,468千円、契約資産が123,032千円、原材料及び貯蔵品が115,696千円、その他流動資産が86,533千円それぞれ増加したことなどによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて1,152,225千円増加し、2,500,891千円となりました。これは主として建物及び構築物が24,956千円、使用権資産が117,231千円、繰延税金資産が41,380千円それぞれ減少したことに対して、連結子会社 Matsuya R&D(Vietnam)Co.,Ltd.の新工場建設に係る建設仮勘定等が1,204,401千円増加したことや、リース資産が138,483千円増加したことなどによるものであります。
この結果、当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて1,854,354千円増加し、8,743,538千円となりました。
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べて1,231,356千円増加し、4,420,292千円となりました。これは主として支払手形及び買掛金が224,953千円、リース債務が31,006千円、1年内返済予定の長期借入金が16,620千円それぞれ減少したことに対して、電子記録債務が147,879千円、短期借入金が1,270,000千円、未払法人税等が90,947千円それぞれ増加したことなどによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて85,558千円増加し、548,098千円となりました。これは主として長期借入金が20,412千円、繰延税金負債が37,320千円それぞれ減少したことに対して、リース債務が76,327千円、退職給付に係る負債が17,319千円、その他固定負債が49,644千円それぞれ増加したことによるものであります。
この結果、当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて1,316,914千円増加し、4,968,391千円となりました。
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて537,439千円増加し、3,775,147千円となりました。これは主に利益剰余金の配当により26,376千円減少したものの、譲渡制限付株式報酬による新株発行及び新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ3,153千円増加、為替換算調整勘定が131,806千円増加、並びに親会社株主に帰属する当期純利益を425,702千円計上したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の47.0%から43.2%となりました。
当連結会計年度における我が国経済は、度重なる新型コロナウイルス感染症拡大の波がようやく落ち着き、各種制限が緩和されたことにより消費活動が正常化するとともに、穏やかな景気持ち直しの動きがみられました。一方でウクライナ情勢の長期化によるエネルギー価格の高止まりや原材料価格の高騰並びに世界的な金融引き締めに起因する景気の下振れリスク等、先行きは不透明な状況が続いております。
このような状況の中、当社グループにおいては、中国における断続的なロックダウンや世界的な半導体不足により血圧計腕帯、エアバッグ、カーシート等の生産に影響を受けたものの、年度後半より徐々に生産が回復してきました。また、縫製自動機では、顧客メーカーのインドでの生産工場拡張に伴い、大口の受注が増加したことにより、売上が堅調に推移しました。
そのほか、リハビリロボット関係では脳梗塞リハビリ用ロボットの貸出しを行い、使用感についてのヒアリングや安全面の確認を行うとともに、本格的営業活動に向けた情報発信として、展示会への出展やリハビリ医学会学術誌に製品紹介の記事掲載などの活動を行いました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高7,164,225千円(前年同期比27.0%増)、営業利益611,769千円(前年同期比72.2%増)、経常利益675,221千円(前年同期比65.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は425,702千円(前年同期比157.5%増)となりました。
当連結会計年度における各セグメントの概況は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいております。
メディカルヘルスケア事業につきましては、血圧計腕帯において中国での新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるロックダウンや世界的半導体不足の影響を受けたものの、下期に入り受注が回復したことにより、売上高・セグメント利益共に前期を上回りました。
以上の結果、売上高は5,134,404千円(前年同期比19.3%増)、セグメント利益は1,221,117千円(前年同期比27.2%増)となりました。
セイフティシステム事業につきましては、カーシートでは国内自動車メーカーの一部で半導体不足による工場稼働停止の影響を受けましたが、エアバッグでは、インド向けに大型レーザー裁断機やベトナム向けに自動機を納入するとともに、Matsuya R&D (Vietnam)co.,Ltd.において新規得意先向けのエアバッグ生産が開始されました。
以上の結果、売上高は2,006,210千円(前年同期比55.6%増)、セグメント損失は349,495千円(前年同期セグメント損失は330,190千円)となりました。
(その他事業)
その他事業につきましては、家具・インテリア関連メーカーを中心に縫製自動機を販売し、売上高は23,611千円(前年同期比51.7%減)、セグメント利益は2,165千円(前年同期セグメント損失は8,033千円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は2,318,909千円と、前連結会計年度末に比べ851,468千円の増加となりました。
営業活動の結果、獲得した資金は914,795千円(前連結会計年度は140,450千円の獲得)となりました。
これは主として、仕入債務の減少額138,676千円、法人税等の支払額154,519千円があったことに対して、税金等調整前当期純利益が671,360千円、減価償却費268,719千円、売上債権の減少額119,047千円、棚卸資産の減少額222,169千円があったことなどによるものであります。
投資活動の結果、支出した資金は1,279,647千円(前連結会計年度は484,700千円の支出)となりました。
これは主として有形固定資産の取得による支出1,272,224千円によるものであります。
財務活動の結果、獲得した資金は1,220,017千円(前連結会計年度は504,066千円の獲得)となりました。
これは主としてリース債務の返済による支出163,650千円、長期借入金の返済による支出37,032千円、配当金の支払いによる支出26,334千円があったことに対して、短期借入金の増加1,270,000千円、セール・アンド・リースバックによる収入173,634千円があったことなどによるものであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は製造原価によっております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当連結会計年度の経営成績等の分析・検討内容は以下のとおりであります。
当連結会計年度における売上高は7,164,225千円(前年同期比27.0%増)となり、前連結会計年度に比べて1,523,888千円増加いたしました。これはメディカルヘルスケア事業における血圧計腕帯売上が前連結会計年度に比べ866,558千円増加したことや、セイフティシステム事業の縫製自動機が386,132千円、エアバッグの生産ラインが本格稼働したことにより352,206千円増加したことによるものであります。
当連結会計年度における売上原価は5,705,789千円(前年同期比28.1%増)となり、前連結会計年度に比べて1,252,857千円増加いたしました。これは主にメディカルヘルスケア事業における血圧計腕帯受注増よるものであります。以上の結果、売上総利益は1,458,436千円(前年同期比22.8%増)となり、前連結会計年度に比べて271,030千円増加いたしました。
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、846,667千円(前年同期比1.7%増)となり、前連結会計年度に比べて14,435千円増加いたしました。これは主に東ヨーロッパ進出やリハビリロボット販売に向けた人材採用、3D縫製ロボットの研究開発費用、連結子会社であるMatsuya R&D(Vietnam)Co.,Ltd.のMICでの研究開発費用、ドローン用エアバッグの研究開発費用の増加があったことなどによるものであります。
以上の結果、当連結会計年度における営業利益は611,769千円(前年同期比72.2%増)となり、前連結会計年度に比べて256,594千円増加いたしました。
当連結会計年度における営業外収益は109,665千円(前年同期比13.5%増)となり、前連結会計年度に比べ13,046千円増加いたしました。これは主に受取利息及び補助金収入の増加によるものであります。また、営業外費用は46,212千円(前年同期比7.2%増)となり、前連結会計年度に比べ3,097千円増加いたしました。これは、主に支払利息の増加によるものであります。
以上の結果、経常利益は675,221千円(前年同期比65.2%増)となり、前連結会計年度に比べ266,543千円増加いたしました。
当連結会計年度における特別損失は、連結子会社であるMatsuya R&D(Vietnam)Co.,Ltd.における金型廃棄による損失3,861千円によるものです。
また、法人税等合計は245,657千円(前年同期比94.1%増)となり、前連結会計年度より119,067千円増加いたしました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は425,702千円(前年同期比157.5%増)となり、前連結会計年度に比べ260,405千円増加いたしました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況分析(1)経営成績等の状況の概況 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しています。
当社グループの通常の運転資金については、主に自己資金及び借入金により賄うことを基本方針としております。なお、銀行との当座貸越契約を締結しており、大型の縫製自動機の受注や国内・海外の工場における生産量の増加による資金需要への対応を図っております。これにより一定の資金水準を保つことができ、十分な資金の流動性を保持しているものと考えております。
設備投資の詳細については、「第3 設備状況 3 設備の新設、除却等の計画」をご参照ください。
株主配当については経営における重要課題の一つと考えており、株主総会を決定機関として年1回の期末配当を基本方針としております。当社の配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご確認ください。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。