ワタミ株式会社

ブランドなど:和民わたみん家TGIフライデーズ銀政ミライザカ鳥メロ
小売業飲食店プライムTOPIX Small 1

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E03275 Japan GAAP

売上高

779.2億 円

前期

643.6億 円

前期比

121.1%

時価総額

388.9億 円

株価

911 (04/19)

発行済株式数

42,684,880

EPS(実績)

39.22 円

PER(実績)

23.23 倍

平均給与

485.1万 円

前期

417.0万 円

前期比

116.3%

平均年齢(勤続年数)

43.7歳(10.6年)

従業員数

1,221人(連結:1,633人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社の企業集団は、2023年3月末において、当社、連結子会社22社及び持分法適用関連会社4社で構成され、国内外食事業・宅食事業・海外外食事業・環境事業及び農業等を展開しております。当社グループの事業に関わる位置付けは次のとおりであります。

2023年3月31日現在

区分

会社名

事業内容

統括事業

ワタミ㈱

ワタミグループの統括

国内外食事業

ワタミ㈱

WATAMI USA GUAM

他1社

問屋から飲料類を仕入れ、飲食店の経営並びにフランチャイズ事業の展開

宅食事業

ワタミ㈱

食料品材料セット及び調理済み商品の製造、販売、宅配

海外外食事業

和民國際有限公司

海外の外食事業におけるフランチャイズ事業の展開、

海外現地法人の管理及び海外エリア進出の戦略立案・実行

和民(中國)有限公司

 

台灣和民餐飲股份有限公司

 

Watami Food Service

Singapore Pte.Ltd.

 

Watami China Food & Beverage Co., Ltd.

 

他4社

海外各地域における飲食店の経営

環境事業

ワタミエナジー㈱

他4社

電力小売事業、風力発電事業、環境マネジメント事業

農業

㈲ワタミファーム

㈲当麻グリーンライフ

ワタミファーム陸前高田㈱

農産物の生産・販売、農産加工品の製造・販売及び集中仕込みセンターへの農産物の納入

 

 

※画像省略しています。

 

23/06/26

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

経営成績等の概要

(1)経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の収束に向けての動きが加速する中で、ロシアのウクライナ侵攻に伴う原材料価格の高騰や、急速な円安が助長する物価高が続くなど依然として不透明な状況であります。そのような中、当社グループは当連結会計年度においては、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益とも対前年を上回る利益を計上しております。2023年3月にはマスク着用義務の終了、会食における人数制限の解除など、飲食業界における経済活動は回復傾向にあり、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが2類から5類へ切り替わり、消費行動の急速な回復が予見されるなか、物価高や賃金上昇圧力の増加などの新たな環境の変化に対応するため、当社グループでは、引き続き、固定費削減、お客様ニーズに対応した業態(居酒屋業態、焼肉業態、テイクアウト・デリバリー業態、ハレの場を提供する業態)の展開を行うことにより、リスクに対応した業態ポートフォリオの構築が重要であると考えております。また、コロナ禍においても堅調に成長してきた宅食事業は、これからの少子高齢化やリモートワークなど多様な働き方によって高まる在宅需要に対応するため、冷凍総菜宅配サービスの拡大及びインフレ環境における低価格商品の販売など、利用者ニーズに応じた継続的な成長基盤の整備が必要であると考えております。

財務面では、前連結会計年度においてDBJ飲食・宿泊支援ファンド投資事業有限責任組合との間で株式投資契約書及び総株引受契約書を締結し、12,000百万円の優先株式を発行して手元流動性を高めるとともに、調達した資金を成長戦略へ投資することにより、厳しい環境下においても確実な成長と業績の改善に取り組んでまいりました。当社グループはこのような環境下においても「地球上で一番たくさんのありがとうを集めるグループになろう」というグループスローガンのもと、各事業分野においてお客様のありがとうを集める活動を展開してまいりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

①国内外食事業

国内外食事業におきましては、17店舗の新規出店と75店舗の撤退を行い、当連結会計年度末の店舗数は347店舗となりました。新型コロナウイルス感染症の収束やマスク着用義務の終了等の影響により、売上高は25,284百万円(前期比167.2%)、セグメント損失は1,782百万円(前期は6,872百万円の損失)の増収増益となりました。

 

②宅食事業

宅食事業におきましては、当連結会計年度末の営業拠点数は525ヶ所となりました。調理済み商品の累計お届け数は62,368千食(前期比100.1%)となっております。調理済み商品のお届け数が前年を上回ったこと等の影響により、売上高は43,762百万円(前期比107.7%)、セグメント利益は5,724百万円(前期比112.9%)の増収増益となりました。

 

③海外外食事業

海外外食事業におきましては、13店舗の新規出店と13店舗の撤退を行い、当連結会計年度末の店舗数は50店舗となりました。円安の影響により増収となりましたが、中国のゼロコロナ政策の影響により減益となっております。

その結果、海外外食事業における売上高は5,309百万円(前期比100.2%)、セグメント損失は616百万円(前期は47百万円の利益)となりました。

 

④環境事業

環境事業におきましては、電力小売事業を中心に展開しております。販売単価の上昇等の影響により、増収増益となっております。

その結果、売上高は2,732百万円(前期比109.8%)、セグメント利益は43百万円(前期は215百万円の損失)となりました。

 

⑤農業

農業におきましては、有機農産物の生産、酪農畜産を行っております。売上高は696百万円(前期比94.2%)、セグメント損失は141百万円(前期は14百万円の損失)となりました。

 

当連結会計年度における当社グループの成果は、宅食事業における増収が進み、国内外食事業における新型コロナウイルス感染症による制限緩和等の影響により、売上高は、77,922百万円(前期比121.1%)となり、営業利益は1,474百万円(前期は3,577百万円の損失)、経常利益は3,883百万円(前期比145.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,674百万円(前期は1,844百万円の損失)となりました。

 

新型コロナウイルス感染症の収束に向けての動きが加速し、人数制限の緩和から、国内外食事業は徐々に回復し、売上高の増加及びこれまで進めてきた生産性向上、固定費削減によりセグメント損失幅は小さくなってきており、着実に業績は回復してきております。

様々な経済環境の変化、顧客ニーズの変化に対応するべく、「ミライザカ」、「鳥メロ」などの居酒屋業態、「焼肉の和民」、「かみむら牧場」などの焼肉業態、「から揚げの天才」、「オリーブチキン」などのテイクアウト・デリバリー業態、「TGIフライデーズ」等「ハレの場」を提供する業態など、様々な業態を展開し、成長基盤の整備を強力に進めました。

これにより、同事業のセグメント売上高は25,284百万円と前連結会計年度から10,165百万円増加し、セグメント損失は前連結会計年度の6,872百万円から1,782百万円へと改善しております。

 

宅食事業においては、コロナ禍の外出自粛等による宅配需要と健康意識の高まりに対応し、冷凍惣菜の販売による在宅勤務者などを対象にした拡販の実施、教育機関との事業協定締結等による子育て層を対象にした営業強化、テレビショッピング放映による広範囲にわたる購買層の宅食需要の取込の結果、業績が好調に推移しました。

 

海外外食事業では、日本の国内外食事業と商品開発体制などの連携を強化した新業態の開発と出店、短期間で変化する収益環境に応じて戦略的なスクラップアンドビルドを実行してまいりましたが、中国のゼロコロナ政策の実施による売上高減少や仕入価格の増加などの影響により、セグメント損益は前連結会計年度の47百万円の利益から616百万円の損失となりました。

 

なお、2023年3月には全ての地域でマスク着用義務が終了し、経済活動も徐々に正常化に向かっておりますが、人々の生活様式の変化に対応するべく、当社グループでは、国内外食事業において、継続して固定費削減に取り組むとともに、居酒屋業態、焼肉業態、テイクアウト・デリバリー業態、ハレの場を提供する業態等、多様な顧客ニーズに対応した成長戦略を推進してまいります。また、コロナ禍においても堅調に成長している宅食事業において、冷凍総菜宅配サービスの拡大及びインフレ環境における低価格商品の販売など、利用者ニーズに応じた成長基盤の強化により継続的な成長を達成しております。政府等の休業補償に伴う営業外収益の計上に加えて、これら成長戦略の推進及び経営基盤の整備の効果発現により、当連結会計年度の経常利益は3,883百万円の黒字となりました。将来の環境は依然として不透明な状況にありますが、飲食業界における経済活動が徐々に正常化することに伴い、当社グループの業績も着実に改善していくと考えております。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末に比べて656百万円増加し、11,627百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況については下記のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は6,678百万円(前期は1,019百万円の収入)となりました。主な内訳は税金等調整前当期純利益が2,198百万円、減価償却費が1,813百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は4,992百万円(前期は15,365百万円の支出)となりました。主な内訳は投資有価証券の取得による純支出が5,295百万円、有形固定資産の取得による支出が1,580百万円、資産除去債務の履行による支出が400百万円、無形固定資産の取得による支出が539百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は1,538百万円(前期は10,103百万円の収入)となりました。主な内訳は短期借入金の純増が40百万円、長期借入れによる収入が5,901百万円、長期借入金の返済による支出が5,592百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出が814百万円であります。

 

2023年3月のマスク着用義務の終了、会食における人数制限の解除など、飲食業界における経済活動は回復傾向にあり、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが2類から5類へ切り替わり、消費行動の急速な回復が予見されるなか、「(1)経営成績の状況」に記載のとおり、前期より推進した、固定費削減、お客様ニーズに対応した業態(居酒屋業態、焼肉業態、テイクアウト・デリバリー業態、ハレの場を提供する業態)の展開・宅食事業の確実な成長戦略の推進効果並びに各種の助成金収入により営業損益及び経常損益は大きく改善しており、営業活動によるキャッシュ・フローも前期に比べて大きく増加しております。

 

なお、当社グループは、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う事業環境の急激な変化に対して手元流動性を確保するため、前連結会計年度においてDBJ飲食・宿泊支援ファンド投資事業有限責任組合との間で株式投資契約書及び総株引受契約書を締結し、12,000百万円の優先株式の発行を実施いたしました。この結果、当連結会計年度末に保有している現金及び預金31,505百万円は有利子負債(1年内償還予定の社債、社債、短期借入金及び1年内返済予定の借入金、長期借入金、短期リース債務及び長期リース債務の合計額)24,681百万円を大きく上回る水準にあります。これらの施策により手元流動性が向上するとともに、調達した資金を成長戦略へ投資することにより、厳しい環境下においても確実な成長と業績の改善に取り組んでまいります。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。      (単位:百万円)

セグメントの名称

前連結会計年度

自 2021年4月1日

至 2022年3月31日

当連結会計年度

自 2022年4月1日

至 2023年3月31日

 国内外食事業

15,119

25,284

 宅食事業

40,646

43,762

 海外外食事業

5,298

5,309

 環境事業

2,488

2,732

 農業

738

696

 その他

70

137

     合計

64,362

77,922

 (注)品目が多岐にわたるため、販売数量の記載を省略しております。

 

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1)経営成績

売上高は、前連結会計年度(以下「前期」という。)比13,559百万円増加の77,922百万円となりました。この増加の主な要因は、宅食事業における増収が進む一方で、新型コロナウイルス感染症による制限の緩和等の影響により、国内外食事業が増収増益、海外外食事業で増収減益などがあったことによるものであります。

売上総利益は、前期比8,966百万円増加の43,605百万円となりました。

販売費及び一般管理費は、前期比3,913百万円増加の42,130百万円となりました。

営業利益は、前期比5,052百万円増加の1,474百万円となりました。

営業外損益は、営業外収益が前期比3,959百万円の減少、営業外費用は前期比124百万円の減少となりました。

経常利益は、前期比1,217百万円増加の3,883百万円となりました。

特別損益は、特別損失が前期比2,530百万円の減少となりました。

法人税等は、前期比240百万円の増加、非支配株主に帰属する当期純損失は、前期比11百万円の増加となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比3,519百万円増加の1,674百万円となりました。

 

(2)財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」という。)比4,827百万円増加の57,050百万円となりました。流動資産は、有価証券の増加等により前期末比4,335百万円増加の41,995百万円となりました。固定資産は、前期末比492百万円増加の15,054百万円となりました。固定資産のうち有形固定資産は、国内の外食店舗設備等の減価償却費等により前期末比1,058百万円減少の6,313百万円となりました。無形固定資産は、新規取得やソフトウエアの償却等により前期末比255百万円減少の1,171百万円となりました。投資その他の資産は、投資有価証券の購入や差入保証金の減少等により前期末比1,806百万円増加の7,570百万円となりました。

 

当連結会計年度末の負債の合計は、前期末比1,653百万円増加の39,243百万円となりました。流動負債は、未払消費税等や賞与引当金等の増加に伴い前期末比2,752百万円増加の17,589百万円、固定負債は、店舗撤退等に伴うリース債務及び資産除去債務の減少により前期末比1,098百万円減少の21,653百万円となりました。このうち有利子負債(1年内償還予定の社債、社債、短期借入金及び1年内返済予定の借入金、長期借入金、短期リース債務及び長期リース債務の合計額)は、前期末比339百万円減少の24,681百万円となりました。

 

当連結会計年度末の純資産の部は、為替変動による為替換算調整勘定の増加2,404百万円及び利益剰余金の増加1,674百万円等により、前期末比3,174百万円増加の17,807百万円となりました。当連結会計年度末の自己資本比率は30.9%と大きく改善するとともに、流動比率は238.8%と財務安全性の水準を確保しております。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「経営成績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(4)資金の調達・管理

当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金調達は、内部資金の活用及び金融機関からの借入、リース取引により行っており、金融機関からの借入とリース取引は、国内、海外子会社のものを含め全て当社において一元管理しております。また、現預金残高と有利子負債残高を一定範囲にコントロールし、経営環境の変化に対応するための資金の流動性を確保しながら資金管理を行っております。設備投資の実施にあたっては、グループ連結営業キャッシュ・フローの範囲内とすることを原則とします。短期・長期の財務バランスにも配慮して資金調達を実施します。

 

(5)資金需要の主な内容

国内外食事業、海外外食事業におきましては、新規出店や改装投資等になります。宅食事業におきましては、調理済商品の製造工場における省人化投資等になります。

 

(6)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは健全性・安定性の高い経営を維持し、資産効率の向上及び株主資本の有効活用が全てのステークホルダーの利益につながると考えており、純有利子負債比率(ネットD/Eレシオ)、総資産営業利益率(ROA)、株主資本利益率(ROE)を重要な指標と位置付けしております。

当連結会計年度における純有利子負債比率(ネットD/Eレシオ)は△47.58%、総資産営業利益率(ROA)は2.70%、株主資本利益率(ROE)は10.43%でした。

しかしながら、当面は営業利益率の改善が最優先であると認識しております。そのうえでこれらの指標について、改善されるよう取り組んでまいります。

 

(7)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されておりますが、この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は異なる場合があります。重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。