ワタミ株式会社

ブランドなど:和民わたみん家TGIフライデーズ銀政ミライザカ鳥メロ
小売業飲食店プライムTOPIX Small 1

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E03275 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、緩やかに回復傾向にあります。

新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが、2類相当から5類感染症に変更されたことから行動制限がなくなり、国内消費はコロナ前の水準に向け徐々に回復しつつあります。一方で、中東情勢の悪化、ロシアのウクライナ侵攻の長期化に伴う原材料価格の高騰や、急速な円安が助長する物価高、人手不足による人件費の増加が続くなど依然として不透明な状況であります。飲食業界全体もこのような経済環境を反映し、客数増加による売上増加の一方、原価、人件費等の経費が増加するなど、依然として厳しい外部環境にあり、国外も同様の状況です。

当社グループはこのような環境下においても、「地球上で一番たくさんのありがとうを集めるグループになろう」というグループスローガンのもと、各事業分野においてお客様のありがとうを集める活動を展開してまいりました。

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

①国内外食事業

国内外食事業におきましては、5店舗の新規出店と13店舗の撤退を行い、当四半期連結会計期間末の店舗数は339店舗となりました。新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが2類相当から5類感染症に変更されたことから、行動制限がなくなり、コロナ前の水準に向け徐々に回復しつつある中、国内外食事業における売上高は23,557百万円(前年同期比129.5%)、セグメント利益は960百万円(前年同期は1,613百万円の損失)となりました。

 

②宅食事業

宅食事業におきましては、当四半期連結会計期間末の営業拠点数は525ヶ所となりました。調理済み商品の累計お届け数は46,744千食(前年同期比98.5%)となっております。新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが2類相当から5類感染症に変更されたことから、中食需要が減少したため、調理済み商品のお届け数が前年同期比1.5%減少し、減収減益となっております。

その結果、宅食事業における売上高は31,117百万円(前年同期比90.6%)、セグメント利益は3,418百万円(前年同期比68.6%)となりました。

 

③海外外食事業

海外外食事業におきましては、7店舗の新規出店と2店舗の撤退を行い、当四半期連結会計期間末の店舗数は55店舗となりました。新型コロナウイルス感染症の収束による影響により、増収増益となっております。

その結果、海外外食事業における売上高は5,453百万円(前年同期比135.7%)、セグメント損失は23百万円(前年同期は697百万円の損失)となりました。

 

④環境事業

環境事業におきましては、電力小売事業を中心に展開しております。減収となりましたが、仕入単価の減少により増益となりました。

その結果、売上高は1,807百万円(前年同期比91.9%)、セグメント利益は364百万円(前年同期比513.8%)となりました。

 

⑤農業

農業におきましては、有機農産物の生産・販売、酪農畜産、乳製品の販売を行っております。売上高は407百万円(前年同期比75.2%)、セグメント損失は92百万円(前年同期は101百万円の損失)となりました。

 

当第3四半期連結累計期間における当社グループの成果は、新型コロナウイルス感染症の収束による行動制限の撤廃により、国内外食事業、海外外食事業における増収が進み、売上高は62,555百万円(前年同期比105.7%)となり、営業利益は3,402百万円(前年同期比257.6%)、経常利益は4,674百万円(前年同期比120.9%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は3,652百万円(前年同期比192.9%)となりました。

新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが2類相当から5類感染症に変更されたことから行動制限がなくなり、コロナ前の水準に向け国内外食事業は徐々に回復し、売上高の増加及びこれまで進めてきた生産性向上、固定費削減により、着実に業績は回復してきております。

様々な経済環境の変化、顧客ニーズの変化に対応するべく、「ミライザカ」、「鳥メロ」などの居酒屋業態、「焼肉の和民」、「かみむら牧場」などの焼肉業態、「から揚げの天才」、「オリーブチキン」などのテイクアウト・デリバリー業態、「TGIフライデーズ」等ハレの場を提供する業態など様々な業態を展開し、成長基盤の整備を強力に進めた結果、増収増益となりました。

 

宅食事業においては、テレビショッピング放映による広範囲にわたる購買層の宅食需要の取込、健康意識の高まりはあるものの、コロナ禍の外出自粛の撤廃による宅配需要の減少により、調理済み商品の累計お届け数は46,744千食(前年同期比98.5%)となっており、減収減益となっております。

 

(2)財政状態の分析

当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」という。)比1,095百万円減少の55,955百万円となりました。流動資産は、前期末比1,323百万円減少の40,672百万円となりました。現金及び預金は1,758百万円減少しておりますが、有利子負債(短期借入金、長期借入金、社債及びリース債務の合計額)は返済により4,954百万円減少しており、有利子負債から現金及び預金を除いた純有利子負債は△10,019百万円となり、前期末より3,195百万円減少しております。

固定資産は、前期末比228百万円増加の15,282百万円となりました。固定資産のうち有形固定資産は、新規出店及び国内の外食店舗設備等の減価償却等により前期末比63百万円減少の6,249百万円となりました。無形固定資産は、ソフトウエアの取得及び償却等により前期末比69百万円減少の1,102百万円となりました。投資その他の資産は、投資有価証券の購入、差入保証金の増加等により前期末比361百万円増加の7,931百万円となりました。

当第3四半期連結会計期間末の負債の合計は、前期末比6,239百万円減少の33,003百万円となりました。流動負債は、未払金の減少及び短期借入金の返済等により前期末比2,366百万円減少の15,223百万円、固定負債は、長期借入金の返済や長期リース債務の減少等により前期末比3,873百万円減少の17,780百万円となりました。このうち有利子負債(短期借入金、長期借入金、社債及びリース債務の合計額)は、前期末比4,954百万円減少の19,727百万円となりました。

当第3四半期連結会計期間末の純資産の部は、配当による資本剰余金の減少828百万円及び利益剰余金の増加3,652百万円並びに円安等による為替換算調整勘定の増加2,158百万円等により前期末比5,144百万円増加の22,951百万円となりました。これらの要因により、当第3四半期連結会計期間末の自己資本比率は40.8%と改善するとともに、当座比率は220.2%及び流動比率は267.2%と一定の財務安全性の水準を確保しております。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて4,011百万円減少し、7,615百万円となりました。

各キャッシュ・フローの状況については下記のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は4,132百万円(前年同期は5,136百万円の収入)となりました。主な内訳は税金等調整前四半期純利益が4,310百万円、減価償却費が1,343百万円、賞与引当金の減少額が291百万円、為替差益が760百万円、仕入債務の増加額が621百万円、未払消費税等の減少額が216百万円、法人税等の支払額が979百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は2,746百万円(前年同期は5,840百万円の支出)となりました。主な内訳は有形固定資産の取得による支出が1,520百万円、無形固定資産の取得による支出が276百万円、定期預金の預入・払戻の純支出が238百万円、投資有価証券の取得による支出が3,857百万円、投資有価証券の償還による収入が3,464百万円、差入保証金の差入による支出が524百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果支出した資金は5,580百万円(前年同期は5,317百万円の支出)となりました。主な内訳は長期借入金の返済による支出が4,396百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出が444百万円、配当金の支払額が778百万円であります。

営業活動によるキャッシュ・フローは前年同期より減少しておりますが、主な理由は、税金等調整前四半期純利益は増加しているものの、減損損失の減少、売上債権の増減額の増加、未払消費税等の増減額の減少等によるものであり、「(1)経営成績の状況」に記載のとおり、これまで推進してきた固定費削減、顧客ニーズに対応した業態(居酒屋業態、焼肉業態、テイクアウト・デリバリー業態、ハレの場を提供する業態)の展開、ローコストオペレーションの整備を強力に推進した結果、営業損益は大きく改善しております。

なお、当第3四半期連結累計期間の親会社株主に帰属する四半期純利益が3,652百万円(前年同期は1,893百万円の利益、内休業補償金による収入は1,602百万円)となり増益となりました。また、当第3四半期連結会計期間末に保有している現金及び預金29,746百万円は短期有利子負債(短期借入金、1年内償還予定の社債及び短期リース債務の合計額)5,053百万円を大きく上回る水準にあります。これらの施策により手元流動性が向上するとともに、調達した資金を成長戦略へ投資することにより、厳しい環境下においても確実な成長と業績の改善に取り組んでまいります。

また、USD建ての投資有価証券を購入するなど、今後の円安による為替リスクに備える施策を進めてまいります。

 

(4)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

(6)研究開発活動

 該当事項はありません。