E02856 Japan GAAP
前期
452.2億 円
前期比
110.0%
株価
3,210 (07/12)
発行済株式数
8,640,000
EPS(実績)
321.75 円
PER(実績)
9.98 倍
前期
696.4万 円
前期比
110.0%
平均年齢(勤続年数)
37.3歳(11.2年)
従業員数
468人(連結:723人)
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、子会社20社、関連会社2社で構成されており、高圧液圧応用機器を中心とした産業用機器類の仕入販売及び製造販売、並びに精密計測・検査機器類の仕入販売を主な事業として取り組んでおります。
当社グループの事業にかかる位置付けは、次のとおりであります。
(注)○印は連結子会社、※印は持分法適用関連会社を示しております。
当社グループは、顧客業界ごとの販売体制を基礎とした業界別セグメントから構成されており、「鉄鋼」「自動車」「電子・半導体」「ゴム・タイヤ」「工作機械」「高機能材」「環境」及び「紙パルプ」の8業界を主たる報告セグメントとしております。
当社グループの事業は、特定のセグメントに関連付けることなく幅広く展開しているため、報告セグメントと同一の区分ではありません。
事業の系統図は、次のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度における世界経済は、世界的な高インフレは鈍化の傾向が窺えるものの、依然として継続しており、サービス産業における個人消費の一服の影響もあり、景気減速が続きました。また、製造業においては地域及び需要分野によって回復の傾向に差が見られました。
また、日本経済は、訪日外国人数が単月で過去最高を記録するなど、サービス産業におけるインバウンド需要は継続して回復しております。製造業に関しては海外経済の持ち直しの影響を受け、設備投資に増加傾向が見られました。
このような経済環境の中、当社グループでは中期3ヵ年計画「GP2023」に基づく施策に取り組んだ結果、2024年3月期連結業績は、売上高497億52百万円(前年同期比10.0%増)、営業利益35億44百万円(同6.6%増)、経常利益39億34百万円(同5.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益27億79百万円(同0.6%増)となりました。
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。当社グループは、顧客の属する業界ごとに業績管理を行っており、「鉄鋼」「自動車」「電子・半導体」「ゴム・タイヤ」「工作機械」「高機能材」「環境」及び「紙パルプ」の8業界を報告セグメントとしております。
(鉄鋼業界)
同業界では、世界の動向として、中国の景気減退による鋼材需要の減少は見られますが、投資が活況なインドをはじめとして粗鋼生産量は前年同期比プラスで推移しました。日本の動向としては、自動車産業向けの需要については継続して堅調に推移しておりますが、中国経済の悪化の影響を受け、産業機械向けの需要低下が見受けられます。
当社グループにおきましては、生産比例品だけではなく整備部門への営業活動に注力した結果、海外製鉄所圧延工程向け設備部品の販売や加炭材、原料工程向け搬送設備機器の販売等により、売上は増加しました。
この結果、鉄鋼業界向け全体としての売上高は139億83百万円(前年同期比14.3%増)となりました。
(自動車業界)
同業界では、世界の動向として、中国での新エネルギー車の生産及び輸出が継続して拡大しており、依然として自動車産業は活況を呈しています。日本の動向としては、継続していた車載半導体供給不足の影響は解消されてきておりますが、能登半島地震や自動車認証不正問題の影響で自動車生産が停止していたこともあり、国内における生産は落ち込みました。
当社グループにおきましては、CASE市場で注目されている電池やモーター分野への営業・提案活動に注力した結果、国内・北米電池製造ライン及びモーターライン設備の受注、開発部署向けに安全制御装置の販売等が売上増に寄与しました。
この結果、自動車業界向け全体としての売上高は104億3百万円(前年同期比10.1%増)となりました。
(電子・半導体業界)
同業界では、世界の動向として、半導体関連の売上は落ち込みが見られていた前年度から一転し、前年同期比で増加が見られました。日本の動向としては、半導体製造装置の売上は前年同期比で増加し、車載・パワー半導体をはじめ、半導体関連分野は回復傾向が見えつつあります。
当社グループにおきましては、修理・再生ビジネスに加え、現場・設備・保全部門に対して営業活動に注力した結果、半導体製造装置各種部材の販売増加や関連装置の修理案件、半導体工場施設のリサイクル案件等により売上は確保しましたが、好調であった前年度には及びませんでした。
この結果、電子・半導体業界向け全体としての売上高は67億39百万円(前年同期比2.0%減)となりました。
(ゴム・タイヤ業界)
同業界では、日本の動向として、自動車業界の動向と関連する新車用タイヤの販売が特に影響を受け、前年同期比で減少しております。
当社グループにおきましては、前四半期に続き開発案件のフォローや新規案件、設備投資に関する営業活動に注力した結果、当社グループ会社のオリジナル品であるバルブ・タイヤ関連機器の販売が特に海外向けで好調であったことや、加硫設備向けへの当社オリジナル品の販売等により売上が増加しました。
この結果、ゴム・タイヤ業界向け全体としての売上高は39億59百万円(前年同期比16.6%増)となりました。
(工作機械業界)
同業界では、中国での景気減速による設備投資の抑制の影響が継続しており、需要部門によって差はあるものの、特に小型汎用機の受注が国内外問わず減少しました。
当社グループにおきましては、工作機械の5軸化・複合化の要求に対応する用途開発・機器の営業に注力した結果、加工工程向けのクーラント処理装置の販売等により売上を確保しましたが、低迷が続いている業界の影響を受けた結果となりました。
この結果、工作機械業界向け全体としての売上高は24億41百万円(前年同期比0.2%増)となりました。
(高機能材業界)
同業界では、物価高による国内消費の低下や中国における需要回復の遅れが影響し、基礎製品となるエチレンの生産量の減少が継続しております。
当社グループにおきましては、修理・再生ビジネスへの注力に加え、医薬・化粧品分野の開拓にも注力した結果、シール類の販売が好調であったことや大型樹脂製ブロワの販売、医療機器関連メーカーへの部材の販売等により売上は伸長しました。
この結果、高機能材業界向け全体としての売上高は21億36百万円(前年同期比8.3%増)となりました。
(環境業界)
同業界では、環境装置関連の受注は製造業向けに増加したものの、他業種を含むトータルでは前年同期に比べ減少しました。
当社グループにおきましては、近年重要視されている環境産業・エネルギー産業への深耕に注力した結果、環境装置向けインバータや汽力発電所向けに油圧機器等の販売、造排水処理装置向けのポンプ類やフィルター類の販売等が売上増加に貢献しました。
この結果、環境業界向け全体としての売上高は23億34百万円(前年同期比11.5%増)となりました。
(紙パルプ業界)
同業界では、紙類の輸出に関しては増加しておりますが、デジタル化の浸透の影響もあり特に国内において紙類の需要が継続して減少しております。
当社グループにおきましては、各社が注力しているバイオマス素材やエネルギー分野を開拓した結果、バイオエタノール関連の機器販売や既設設備の整備・改造案件の増加、抄紙工程向けへのポンプ類の販売等により、売上は増加しました。
この結果、紙パルプ業界向け全体としての売上高は9億65百万円(前年同期比22.2%増)となりました。
各段階損益の分析は次のとおりであります。
売上高は前年同期比で10.0%の増収となりました。一方、当社オリジナル品の販売が伸びず、売上原価率が0.5%悪化した影響で、売上総利益は前年同期比で8.0%増となりました。販売費及び一般管理費は、業績伸長に伴って人件費や販売費が増加したことなどにより、前年同期比で8.7%増となり、その結果、営業利益は前年同期比6.6%増となりました。
営業外収支は為替差益の減少などにより前期に比べ微減となり、その結果、経常利益は前年同期比5.0%増となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1 当社グループの製品は、特定のセグメントに区分することが困難であるため、生産実績については一括して記載しております。
2 金額は販売価格によっております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて5.6%増加し306億48百万円となりました。これは、主に売上債権が21億79百万円、棚卸資産が2億98百万円それぞれ増加し、一方で、現金及び預金が8億94百万円減少したことなどによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて24.2%増加し104億69百万円となりました。これは主に建設仮勘定が5億80百万円、投資有価証券が9億4百万円それぞれ増加したことなどによるものです。
これらの結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて9.8%増加し、411億17百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて7.2%増加し154億32百万円となりました。これは、主に仕入債務が7億45百万円、その他が2億21百万円それぞれ増加したことなどによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて18.5%増加し16億12百万円となりました。これは、主に繰延税金負債が2億31百万円増加したことなどによるものです。
これらの結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて8.2%増加し、170億44百万円となりました。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べて11.0%増加し240億73百万円となりました。これは、主に利益剰余金が15億25百万円、その他有価証券評価差額金が5億85百万円、為替換算調整勘定が1億20百万円それぞれ増加したことなどによるものです。
なお、当社グループではセグメントに資産を配分していないため、セグメントごとの財政状態の状況に関する記載は行っておりません。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ9億41百万円減少し、67億51百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、全体として14億96百万円の収入となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益39億40百万円、減価償却費4億13百万円、仕入債務の増加額6億49百万円であり、支出の主な内訳は、売上債権の増加額21億35百万円、棚卸資産の増加額2億71百万円、法人税等の支払額10億11百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、全体として12億53百万円の支出となりました。収入の主な内訳は、有価証券の売却及び償還による収入1億円、投資有価証券の売却及び償還による収入1億7百万円であり、支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出9億68百万円、無形固定資産の取得による支出1億84百万円、投資有価証券の取得による支出1億50百万円、貸付けによる支出1億27百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、全体として12億36百万円の支出となりました。支出の主な内訳は、配当金の支払額12億52百万円であります。
資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当社グループの運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、生産設備などの長期資金は、固定金利の長期借入金で調達しております。
当連結会計年度末の長期借入金残高は2億37百万円であります。また、当連結会計年度末において、複数の金融機関との間で合計20億円のコミットメントライン契約を締結しております。なお、この契約による借入実行残高はありません。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
① 退職給付
従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づき算出されています。これらの前提条件には、割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率などの要素が含まれております。実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は蓄積され、将来の会計期間にわたって償却されるため、将来の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
② 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
③ 固定資産の減損
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産または資産グループについて、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。