E02856 Japan GAAP
前期
399.7億 円
前期比
113.1%
株価
4,410 (05/01)
発行済株式数
8,640,000
EPS(実績)
319.90 円
PER(実績)
13.79 倍
前期
646.8万 円
前期比
107.7%
平均年齢(勤続年数)
37.5歳(11.7年)
従業員数
447人(連結:707人)
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、子会社18社、関連会社2社で構成されており、高圧液圧応用機器を中心とした産業用機器類の仕入販売及び製造販売、並びに精密計測・検査機器類の仕入販売を主な事業として取り組んでおります。
当社グループの事業にかかる位置付けは、次のとおりであります。
(注)○印は連結子会社、※印は持分法適用関連会社を示しております。
当社グループは、顧客業界ごとの販売体制を基礎とした業界別セグメントから構成されており、「鉄鋼」「自動車」「電子・半導体」「ゴム・タイヤ」「工作機械」「高機能材」「環境」及び「紙パルプ」の8業界を主たる報告セグメントとしております。
当社グループの事業は、特定のセグメントに関連付けることなく幅広く展開しているため、報告セグメントと同一の区分ではありません。
事業の系統図は、次のとおりであります。
(注) 当社グループ内の機電一体を実現するため、リックステクノ㈱は2022年6月14日付で㈱CEMの全株式を取得し、子会社(孫会社)化いたしました。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度における世界経済は、高インフレ率が継続し、西欧諸国を中心としたエネルギー価格の高騰等による景気の低迷が見られた一方で、中国のゼロコロナ政策の解除等に伴い、サービス産業で景気の回復が見られました。
また、日本経済は、世界の動向と同様にサービス産業による設備投資が加速し、脱炭素やデジタル化に関する投資が継続して増加したものの、海外経済鈍化の影響により、業界・部門によって投資機運にばらつきが見られました。
このような経済環境の中、当社グループでは中期3ヵ年計画「GP2023」に基づく施策に取り組んだ結果、2023年3月期連結業績は、売上高452億23百万円(前年同期比13.1%増)、営業利益33億26百万円(同28.9%増)、経常利益37億48百万円(同25.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益27億63百万円(同34.7%増)となりました。
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。当社グループは、顧客の属する業界ごとに業績管理を行っており、「鉄鋼」「自動車」「電子・半導体」「ゴム・タイヤ」「工作機械」「高機能材」「環境」及び「紙パルプ」の8業界を報告セグメントとしております。
(鉄鋼業界)
同業界では、世界最大の粗鋼生産国である中国での生産量が前年同期比プラスとなり、地域差はあるものの世界全体では前年同期比微減の生産量となりました。日本の動向としては、自動車生産の回復が遅れ、物価高・利上げ等による海外鋼材需要の低下の影響もあり、粗鋼生産量は減少しました。
当社グループにおきましては、整備部門だけでなく操業部門への営業活動に注力した結果、製鋼操業用特殊重機や安全対策用の柵及び取付治具、熱延工程向け特殊バルブの売上が伸びたほか、海外製鉄所の台風被害復旧向け機材販売も売上増加に寄与しました。
この結果、鉄鋼業界向け全体としての売上高は122億32百万円(前年同期比8.0%増)となりました。
(自動車業界)
同業界では、世界の動向として、中国でのガソリン車は減産していますが新エネルギー車は大幅な増加が見られるなど生産部門に変化が見られ、世界的に自動車生産は回復傾向にあります。日本の動向としては、車載用半導体供給不足の影響は改善されてきており、コロナ禍前の水準に近い生産台数に戻りつつあります。
当社グループにおきましては、CASE市場で注目されている電池やモーター分野への営業・提案活動に注力した結果、電池製造工程に対し当社オリジナル品である脱泡機の販売が増加したことや、モーター製造工程向け自動化案件の受注などが売上増加に貢献しました。
この結果、自動車業界向け全体としての売上高は94億46百万円(前年同期比18.0%増)となりました。
(電子・半導体業界)
同業界では、世界及び日本の動向として、メモリー半導体市場で投資の抑制が見られましたが、自動車用パワー半導体への投資が伸びるなど、需要部門において温度差が見られました。半導体製造装置関連で前年に見られた需要の高まりに鈍化が見られ、売上は減少傾向で推移しました。
当社グループにおきましては、設備・保全部門に対する営業活動に注力した結果、半導体後工程向けに当社オリジナル品であるフラックス洗浄装置の販売が増加したことや、半導体エッチング装置向けの部材の受注が増加したことなどが売上の伸長に寄与しました。
この結果、電子・半導体業界向け全体としての売上高は68億77百万円(前年同期比17.7%増)となりました。
(ゴム・タイヤ業界)
同業界では、世界の動向として、中国での自動車減産に伴う需要の減少や欧州での暖冬による交換用タイヤの需要の減少などが見られました。
当社グループにおきましては、前期に続き開発案件のフォローや新規案件、設備投資に関する営業活動に注力した結果、当社グループ会社のオリジナル品であるバルブ・タイヤ関連機器及び断熱板の販売が国内・国外問わず好調であったことにより売上が増加しました。
この結果、ゴム・タイヤ業界向け全体としての売上高は33億94百万円(前年同期比26.9%増)となりました。
(工作機械業界)
同業界では、産業界におけるコロナ禍からの回復に伴い受注は堅調に推移していましたが、世界的な金利高などにより設備投資が鈍化し、需要は減少傾向にあります。
当社グループにおきましては、工作機械の複合化、自動化の要求に対し営業・開発に注力した結果、当社オリジナル品であるロータリージョイントの売上が継続して増加したことに加え、周辺機器の需要も高まりました。また濾過装置メーカーや加工機メーカー向けにポンプ類の販売が増加しております。
この結果、工作機械業界向け全体としての売上高は24億36百万円(前年同期比30.0%増)となりました。
(高機能材業界)
同業界では、基礎製品となるエチレンの製造が減少傾向にあるなど、世界経済の減速や需要の低下の影響を受けています。
当社グループにおきましては、高機能フィルム業界、医薬・化粧品分野の開拓に注力した結果、原料供給用のタンクの新設案件やそれに付随するポンプ類の受注等により売上が増加しました。
この結果、高機能材業界向け全体としての売上高は19億73百万円(前年同期比13.6%増)となりました。
(環境業界)
同業界では、国内工場の新設や増設における水ビジネスや地球温暖化対策案件について、継続して伸長しており、環境業界全体を牽引しています。
当社グループにおきましては、近年重要視されている環境産業・水ビジネスへの深耕に注力した結果、水処理プラント向けポンプ等の機器や省エネに関するインバーター類の販売、焼却設備向けの環境対策品の販売が売上の増加に寄与しました。
この結果、環境業界向け全体としての売上高は20億94百万円(前年同期比7.7%増)となりました。
(紙パルプ業界)
同業界では、物価高騰によるコスト抑制で需要が減少し、紙・板紙の生産及び出荷量は依然として低迷しております。
当社グループにおきましては、最先端のバイオマス素材であるCNF分野やケミカル素材分野、エネルギー分野への商材開発に注力した結果、CNF分野向け装置の受注等で売上を伸ばしましたが、原動機類が非更新時期であったこと等による落ち込みを埋めるまでには至りませんでした。
この結果、紙パルプ業界向け全体としての売上高は7億89百万円(前年同期比8.6%減)となりました。
各段階損益の分析は次のとおりであります。
売上高は前年同期比で13.1%の増収となりました。また売上原価率が前年同期より1.3ポイント改善したことで、売上総利益は前年同期比で19.5%増となりました。販売費及び一般管理費は、主にコロナウイルス感染症の鎮静化に伴い販売活動費が増加したことや、人員増による総人件費の増加したことなどにより、前年同期比で16.0%増となり、その結果、営業利益は前年同期比28.9%増となりました。
営業外収支は受取配当金の増加等により前年同期比で微増となり、その結果、経常利益は前年同期比25.5%増となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1 当社グループの製品は、特定のセグメントに区分することが困難であるため、生産実績については一括して記載しております。
2 金額は販売価格によっております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて6.7%増加し290億9百万円となりました。これは、主に売上債権が14億23百万円、棚卸資産が7億31百万円それぞれ増加し、一方で、現金及び預金が4億8百万円減少したことなどによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて20.4%増加し84億32百万円となりました。これは主に建設仮勘定が5億67百万円、投資有価証券が6億30百万円それぞれ増加したことなどによるものです。
これらの結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて9.5%増加し、374億42百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて8.6%増加し143億97百万円となりました。これは、主に仕入債務が11億6百万円、未払費用が2億16百万円それぞれ増加し、一方で、未払法人税等が2億27百万円減少したことなどによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて4.9%減少し13億60百万円となりました。これは、主にその他が1億24百万円増加し、一方で、役員退職慰労引当金が2億7百万円減少したことなどによるものです。
これらの結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて7.3%増加し、157億57百万円となりました。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べて11.2%増加し216億84百万円となりました。これは、主に利益剰余金が20億28百万円、その他有価証券評価差額金が2億10百万円、自己株式が2億2百万円それぞれ増加したことなどによるものです。
なお、当社グループではセグメントに資産を配分していないため、セグメントごとの財政状態の状況に関する記載は行っておりません。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ5億1百万円減少し、76億93百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、全体として21億28百万円の収入となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益37億30百万円、減価償却費3億83百万円、仕入債務の増加額10億58百万円、その他の負債の増加額5億25百万円であり、支出の主な内訳は、売上債権の増加額13億82百万円、棚卸資産の増加額7億11百万円、法人税等の支払額11億82百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、全体として15億69百万円の支出となりました。収入の主な内訳は、有価証券の売却及び償還による収入1億円であり、支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出9億44百万円、投資有価証券の取得による支出2億72百万円、関係会社株式の取得による支出1億23百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、全体として10億83百万円の支出となりました。支出の主な内訳は、自己株式の取得による支出2億11百万円、配当金の支払額7億32百万円であります。
資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当社グループの運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、生産設備などの長期資金は、固定金利の長期借入金で調達しております。
当連結会計年度末の長期借入金残高は2億70百万円であります。また、当連結会計年度末において、複数の金融機関との間で合計20億円のコミットメントライン契約を締結しております。なお、この契約による借入実行残高はありません。
新型コロナウイルス感染症の流行によるキャッシュ・フローへの影響ですが、業績面での悪影響によるマイナス要因はありますが、現状の財政状況および今後の資金需要を考慮すると、新たな資金調達の可能性は小さく、資金調達方針を変更する必要はないと考えております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
① 退職給付
従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づき算出されています。これらの前提条件には、割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率などの要素が含まれております。実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は蓄積され、将来の会計期間にわたって償却されるため、将来の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
② 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
③ 固定資産の減損
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産または資産グループについて、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。