E03306 Japan GAAP
前期
6.65億 円
前期比
200.8%
株価
411 (04/25)
発行済株式数
4,351,308
EPS(実績)
-67.91 円
PER(実績)
--- 倍
前期
314.1万 円
前期比
115.9%
平均年齢(勤続年数)
48.7歳(11.1年)
従業員数
106人
当社は、他の会社のフランチャイジーとして、料理飲食業を主に営んでおります。
具体的には、2023年6月30日現在、株式会社大庄のフランチャイジーとして大衆割烹「庄や」17店舗及び「日本海庄や」3店舗、カラオケルーム「うたうんだ村」1店舗、自社業態として大衆すし酒場「じんべえ太郎」7店舗、株式会社VANSANのフランチャイジーとしてItalian Kitchen「VANSAN」2店舗を運営しております。
事業部門としては、和風料理中心の大衆割烹料理を提供する大衆割烹「庄や」及びその一部に併設されているカラオケルーム「うたうんだ村」を運営する庄や部門、高級感のある落ち着いた店づくり、網元直送の新鮮な料理を提供する大衆割烹「日本海庄や」を運営する日本海庄や部門、当社オリジナル業態の大衆酒場「じんべえ太郎」を運営するじんべえ太郎部門、家族でも気軽に行けるカジュアルイタリアン「VANSAN」を運営するVANSAN部門の4つに分かれております。
なお、当社は、料理飲食事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、前事業年度は連結財務諸表を作成しておりましたが、当事業年度は個別財務諸表のみを作成しております。したがって、以下の前期比較につきましては、前事業年度の個別財務諸表との比較を記載しております。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度における外食産業は、前事業年度から続く新型コロナウイルス感染症による2022年7月から9月にかけ
ての第7波、同年11月から翌年2月にかけての第8波の影響によって、ご来店による店内飲食の低迷期間がありまし
たが、政府による新型コロナウイルス感染症の取り扱いが感染症法上の5類に移行したことで、行動制限が緩和され
徐々にコロナ禍以前への回復の兆しが見えてきました。一方で、不安定な国際情勢を背景としたエネルギーコストの
上昇、世界的な物価上昇による原材料費や水道光熱費の高騰、また人手不足に起因する人件費の上昇が懸念され、依
然として経営環境は厳しい状況となっております。
こうした状況の下、当社は、前事業年度より進めてまいりました事業ポートフォリオの組み替えを進めておりま
す。同時に運営店舗と抜本的なコスト構造の見直しを図り、環境の著しい変化下においても利益を創出できる店舗体
制づくりを進めております。
当社が主力として運営しております居酒屋業態においては、飲食店でご飲食する素晴らしさを感じていただけるよ
うに、企業理念を具現化するための20項目を定めてスタッフ全員が一丸となって取り組み、お客様に笑顔でお帰りい
ただくように注力をしております。さらに第2四半期会計期間より導入しましたミステリーショッパーによるお客様
の声を店舗の営業に活かすことによって一人でも多くのお客様にご来店いただけるお店づくりに取り組んでおりま
す。また採用においても、リファラル採用の拡充やSNSを活用した新たな取り組みも進めております。
店舗戦略において当期は「庄や」2店舗を自社ブランドである「じんべえ太郎」へ業態変更を行いました。また、
大型店で宴会中心の運営をしていた「日本海庄や武蔵浦和店」を3つの業態に転換し再生を図るため、期末にて営業
を終了しました。また不採算店1店を閉店しました。
この結果、当事業年度末の店舗数は、大衆割烹「庄や」17店舗、「日本海庄や」3店舗、カラオケルーム「うたう
んだ村」1店舗、大衆すし酒場「じんべえ太郎」7店舗、Italian Kitchen「VANSAN」2店舗の合計30店舗と
なっております。
以上により、当事業年度の業績は、売上高1,335,656千円(前期比124.0%増)、売上総利益905,093千円(同
125.0%増)、営業損失は343,886千円(前期は営業損失558,971千円)となりました。
経常損失は334,258千円(前期は経常損失57,203千円)となり、税引前当期純損失は291,413千円(前期は税引前当
期純損失6,048千円)となり、当期純損失は295,508千円(前期は当期純損失10,249千円)となりました。
当社は、料理飲食事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べて69,171千円増加とな
り、708,361千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果使用した資金は223,137千円となりました。これは主に、税引前当期純損失291,413千円、減価償却費49,221千円、減損損失4,707千円及び売上債権の増加による支出10,784千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果獲得した資金は172,814千円となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入265,056千円、有形固定資産の取得による支出69,614千円、差入保証金の回収による収入35,031千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果得られた資金は94,375千円となりました。これは主に、長期借入れによる収入200,000千円、長期借入金の返済による支出72,917千円及び配当金の支払額22,598千円等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
前事業年度は連結財務諸表を作成しておりましたが、当事業年度は個別財務諸表のみを作成しております。したがって、前事業年度との比較を行っておりません。
イ.収容能力及び収容実績
当事業年度における収容能力及び収容実績を業態別ごとに示すと次のとおりであります。
業態区分 |
当事業年度 (自 2022年7月1日 至 2023年6月30日) |
||||
店舗数 (店) |
客席数 (千席) |
構成比 (%) |
来店客数 (千人) |
構成比 (%) |
|
庄や部門 |
18 |
669 |
61.9 |
306 |
51.3 |
日本海庄や部門 |
3 |
229 |
21.3 |
114 |
19.2 |
じんべえ太郎部門 |
7 |
123 |
11.4 |
108 |
18.2 |
VANSAN部門 |
2 |
58 |
5.4 |
66 |
11.2 |
合計 |
30 |
1,081 |
100.0 |
596 |
100.0 |
(注)1.当事業年度における客席数は各月末現在の各店舗客席数×営業日数として算出しております。
2.庄や部門には、カラオケルーム「うたうんだ村」が含まれております。
ロ.販売実績
当事業年度における販売実績を業態別、地域別に示すと次のとおりであります。
1)業態別販売実績
業態区分 |
当事業年度 (自 2022年7月1日 至 2023年6月30日) |
庄や部門(千円) |
721,818 |
日本海庄や部門(千円) |
266,485 |
じんべえ太郎部門(千円) |
205,181 |
VANSAN部門(千円) |
142,171 |
合計(千円) |
1,335,656 |
(注)庄や部門には、カラオケルーム「うたうんだ村」が含まれております。
2)地域別販売実績
地域別 |
当事業年度 (自 2022年7月1日 至 2023年6月30日) |
埼玉県(千円) |
1,125,365 |
栃木県(千円) |
109,588 |
群馬県(千円) |
67,953 |
千葉県(千円) |
32,749 |
合計(千円) |
1,335,656 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。財務諸表の作成にあたりましては、過去の実績や将来の計画等を踏まえて合理的に見積りを行っておりますが、実際の結果は、将来事象の結果に特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。
② 当事業年度の財政状態の分析
資産、負債および純資産の状況
(資産)
当事業年度末の資産合計は1,681,545千円となりました。流動資産合計は、前事業年度末に比べて199,091千円減少し、884,731千円となりました。その主な要因は、現金及び預金が140,878千円減少したことによるものです。また、固定資産合計は、前事業年度末に比べて101,743千円増加し、796,814千円となりました。その主な要因は、業態変更等に伴う有形固定資産の増加179,606千円、差入保証金の減少34,878千円及び減価償却費49,221千円の計上等によるものです。
(負債)
当事業年度末における負債合計は826,757千円となりました。流動負債合計は、前事業年度末に比べて64,790千円増加し、241,310千円となりました。その主な要因は、未払消費税等の増加34,863千円、未払金の増加18,110千円等によるものです。固定負債合計は、前事業年度末に比べて160,537千円増加し585,447千円となりました。その主な要因は、長期借入金の増加168,955千円等によるものです。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は前事業年度末に比べて316,676千円減少し、854,787千円となりました。その主な要因は、当期純損失295,508千円及び配当金の支払22,869千円によるものです。
③ 当事業年度の経営成績の分析
イ. 売上高
当事業年度における売上高は1,335,656千円(前期比739,495千円増)となりました。
これは主に、新型コロナウイルス感染症の第7波、第8波の影響はありましたが、営業時間や酒類提供時間の短縮要請、臨時休業等の制限下での営業を行うことなく、1年間を通して継続した店舗運営によるものであります。
ロ. 売上総利益
当事業年度における売上総利益は905,093千円(前期比502,769千円増)となりました。
これは主に、売上高の増加によるものであります。
ハ. 販売費及び一般管理費
当事業年度における販売費及び一般管理費は1,248,980千円(前期比287,684千円増)となりました。
これは主に、社員給与の増加117,765千円、水道光熱費の増加59,033千円及び支払手数料の増加22,188千円及び消耗品費の増加13,320千円によるものであります。
ニ. 営業利益
当事業年度における営業損失は343,886千円(前期比215,085千円減)となりました。
ホ. 経常利益
当事業年度における経常損失は334,258千円(前期比277,055千円増)となりました。
これは、コロナ禍における政府や自治体によるコロナ禍によるまん延抑制のための営業協力に係る補助金収入を営業外収益に計上したことによるものであります。
ヘ. 特別利益
当事業年度における特別利益は65,844千円となりました。
これは、事業再構築補助金等によるものであります。
ト. 特別損失
当事業年度における特別損失は22,998千円となりました。
これは、減損損失4,707千円、店舗閉鎖損失10,464千円、貸倒引当金繰入7,826千円によるものであります。
チ. 当期純利益
当事業年度における当期純損失は295,508千円(前期は当期純損失10,249千円)となりました。
これは税引前当期純損失の増加によるものであります。
④ 当事業年度のキャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況、4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況、3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑥ 経営戦略の現状と見通し
当社が主力として運営しております居酒屋業態においては、コロナ禍を経て集客の改善がなされておりましたが、業態を変更することによって、収益が改善されていることで、事業ポートフォリオの一層の充実を図るために、「庄や・日本海庄や」店舗の中で収益回復に時間を要する店舗を、2023年6月期までに判断し、自社ブランドである「じんべえ太郎」、「Italian Kitchen VANSAN」に順次業態変更し、より一層安定した収益構造を確立することで、継続企業としての体制を構築してまいります。
また、前期末閉店した120坪の大型店「日本海庄や武蔵浦和店」を「じんべえ太郎」、「Italian Kitchen VANSAN」及び新たにフランチャイズ契約を締結した女性向けAIパーソナルトレーニングジム「FURDI」の3業態に転換します。フロー型ビジネスの当社が新たにストック型ビジネスに参入することにより、既存ビジネスにも新たな発想の転換等の変革につながると考えます。また、VANSANの主力顧客層とFURDIの主力顧客の連携による相乗効果を発揮してまいります。
次に、『QSCの徹底』を新たに『QSSCAの徹底』として、お客様が主語・飲食を通じてお客様に感動・満足を提供することをスローガンに、新しい価値の提案を全店舗で実施してまいります。店頭の重要性を再認識し、店内およびファサードから見える店舗全体の雰囲気を向上することで、再来店の動機に深く結びつけるものです。
VANSAN店舗では、お客様の声をアンケートとして実施し、提供する料理の品質向上に加えて接客や店舗環境など店舗の雰囲気に関する効果に結び付けております。このような、店舗での体験価値の提案、さらにSNSアプリを用いた販促活動を、他業態でも新たな営業施策として導入し、注力してまいります。また、サービスプロフィットチェーン強化を目的に、外部機関によるミステリーショッパーを2022年11月より導入しており、外部機関からの客観的な従業員満足度及び顧客満足度の調査に基づいた改善計画を策定・実施することで、ES(従業員満足)、CS(顧客満足)の向上に結び付けてまいります。
注 Q:Quality(品質)、S:Service(サービス、おもてなし)、S:Speed(スピード)、C:Cleanliness(清潔)、A:Atmosphere(雰囲気・体験価値)
⑦ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の資金需要には、営業費用、例えば店舗運営に係る原材料の仕入や人件費の支払い、販売費及び一般管理費等に係る運転資金と店舗の新設や改装等の臨時的かつ多額な設備資金があります。
運転資金については、営業活動によって得られた自己資金で賄うことを原則としております。
また、設備資金についても、原則として自己資金により対応する方針ですが、回収期間が長期に及ぶことを考慮し、長期借入金及びリース契約も併せて活用する方針としております。なお、その場合も、現預金借入金比率は100%以上を維持し、過剰な投資は行わないものとしております。
当社は、販売代金の決済の大半を現金決済が占めるため、当事業年度末における当座比率は351.6%、流動比率は366.6%となっております。今後も当社の資金需要への対応のため、十分な自己資金の確保に努めてまいります。
⑧ 経営上の目標の達成状況
当社は、安定的な収益体制の確立を目指し、当初より適正原価率の維持及びコスト管理を目指す観点から売上高営業利益率を収益性の経営指標として採用しております。
売上高営業利益率の当面の目標数値5.0%としておりましたが、コロナ禍で臨時休業等を余儀なくされた当事業年度実績は売上高営業利益率△25.7%となっております。
また、強固な財務基盤の構築を目指しており、自己資本比率を安全性の経営指標として採用しております。安定的な自己資本比率を80%目標としておりましたが、コロナ禍で大幅な営業損失を計上いたしました。その結果、当期純損失は295,508千円となり、当事業年度末の自己資本比率は50.8%となっております。
⑨ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに関する仮定
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。