E02269 Japan GAAP
前期
227.5億 円
前期比
81.3%
株価
1,723 (07/12)
発行済株式数
5,706,942
EPS(実績)
87.34 円
PER(実績)
19.73 倍
前期
638.4万 円
前期比
93.6%
平均年齢(勤続年数)
42.4歳(16.3年)
従業員数
433人(連結:645人)
当社グループは、当社、連結子会社8社、関連会社2社で構成されており、当社グループにおけるセグメントの事業内容及び各事業に携わっている関係会社は下記のとおりであります。
なお、次の3部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に揚げるセグメントの区分と同一であります。
(1) 駆動システム・・・・主要な製品は精密研削ボールねじ、転造ボールねじ、ボールねじアクチュエータ、XYステージ、ガイド、ギア等であります。駆動システム製品は当社及びJenaer Gewindetechnik GmbH(ドイツ)が製造販売する他、韓国黒田精工㈱、KURODA JENA TEC,INC.(米国)及び平湖黒田精工有限公司が販売を担っております。また、平湖黒田精工有限公司においては、ボールねじやボールねじアクチュエータの組立や加工の一部を行っております。
(2) 金型システム・・・・主要な製品は積層精密プレス型、精密金属プレス商品、モーターコア等であります。金型システム製品は当社が製造販売する他、子会社であるクロダプレシジョンインダストリーズ(M)において製造・販売を行っております。平湖黒田精工有限公司においては金型のメンテナンス及び金型の販売を行っております。また、一部の製品をグループ会社間でも販売・仕入を行っております。持分法適用関連会社である日本金型産業㈱は製造工具を、紅忠黒田ラミネーション㈱はプレス製品を当社へ納入しております。
(3) 機工・計測システム・・・・主要な製品は保持工具、ゲージ、平面研削盤、超精密鏡面研磨装置、超精密表面形状測定装置等であります。機工・計測システム製品は当社が製造・販売するほか、一部を子会社である平湖黒田精工有限公司において販売、㈱ゲージングにおいて製造・販売を行っております。また、子会社であるクロダインターナショナル㈱は、コンプレッサーの販売を終了し、メンテナンス事業を行っております。
事業の系統図は次のとおりであります。
※画像省略しています。
系統図内では下記のとおり企業名を略して記載しております。
KJTH KURODA JENA TEC HOLDINGS LTD.(英国)
JGWT Jenaer Gewindetechnik GmbH(ドイツ)
KJTI KURODA JENA TEC,INC.(米国)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の概要
当連結会計年度における世界経済は、ロシア・ウクライナ紛争の長期化や中東情勢の悪化、世界的なインフレ、欧米における金融引き締めや中国経済の減速などの影響により、先行き不透明な状況で推移しました。国内経済については、社会経済活動の正常化が進み、インバウンド需要はコロナ感染拡大前を上回る水準に転じるなど、全体では緩やかな景気の回復が続きました。
こうした状況下、当社グループにおいては半導体・液晶関連装置の市況低迷の長期化により駆動システム商品の受注が減少しました。金型システム事業については、電動車駆動モーター用金型の受注が堅調であった一方、プレス製品の大口販売先の販売不振の影響を受けました。機工・計測システム事業についても工作機械や減速機市場の低迷などから低水準の受注に終わりました。
以上の結果、受注高は17,264百万円(前年同期比4,693百万円、21.4%減)となりました。
売上高については、受注残の消化に努めたものの18,504百万円(前年同期比4,242百万円、18.7%減)と受注減少の影響を受け減少しました。
利益面に関しては、売上高の減少に加え、ドイツ現地法人の工場移転に伴う生産低迷が続いていることの損益影響を大きく受け、連結営業利益は583百万円(前年同期比701百万円、54.6%減)となりました。経常利益は為替差益204百万円の営業外収益もあり844百万円(前年同期比688百万円、44.9%減)、となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、498百万円(前年同期比408百万円、45.0%減)となりました。この背景として、当社の連結子会社であるKURODA JENA TEC HOLDINGS LTD(英国、以下「KJTH社」)の子会社であるJenaer Gewindetechnik GmbH(ドイツ)の業績が低迷し営業損失が継続していたことからKJTH社買収時に計上したのれんの将来の回収可能性を再検証した結果、同社に係るのれんの減損損失721百万円を特別損失として計上し、また当該事象に関連して繰延税金資産の回収可能性を検討した結果、法人税等調整額(益)726百万円を計上したこと等があります。
セグメントの業績は以下のとおりです。
なお、下記セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高を含めて表示しております。
○ 駆動システム
当セグメントでは、半導体・液晶関連装置市場向け受注の減少傾向が続いており、受注高は、5,650百万円(前年同期比1,624百万円、22.3%減)に留まりました。
売上高についても同様に6,711百万円(前年同期比2,254百万円、25.1%減)となりました。
収益面では、黒田精工単体としては営業利益を確保したものの、ドイツ現地法人の業績低迷の影響を大きく受けて、営業損失91百万円(前年同期は営業利益1,030百万円)となりました。
○ 金型システム
当セグメントでは、車載用モーターコアの主要ユーザーの生産調整により受注高は8,178百万円(前年同期比2,466百万円、23.2%減)となりました。売上高は、車載用モーター向け金型の売上が増加したものの、車載用モーターコアの減少により8,300百万円(前年同期比1,498百万円、15.3%減)となりました。利益面においては、車載用モーター向け金型の増収や、売上総利益率の改善努力、品種構成差等が寄与して利益率が大幅に改善し、営業利益は765百万円(前年同期比398百万円、108.7%増)と増益となりました。
○ 機工・計測システム
当セグメントでは、工作機械市場全体の低迷と、精密減速機の在庫調整等の影響を受けて、受注高は3,434百万円(前年同期比620百万円、15.3%減)となりました。受注残の消化に努めましたが、売上高は3,527百万円(前年同期比471百万円、11.8%減)となりました。収益面では、経費抑制の効果により単体では黒字転換を果たしましたが、自動車関連向け商品を手掛ける子会社の業績悪化があり、前期より縮小したものの営業損失54百万円(前年同期は営業損失81百万円)と損失が残る結果となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は25,884百万円となり、前連結会計年度末と比較して481百万円増加しました。これは主に現金及び預金の減少等により流動資産が1,117百万円減少した一方、有形固定資産の増加等により固定資産が1,599百万円増加したことによるものです。
負債合計額は14,187百万円となり、前連結会計年度末と比較して485百万円減少しました。これは主に仕入債務の減少等により流動負債が1,439百万円減少した一方、長期借入金の増加等により固定負債が953百万円増加したことによるものです。
また、当連結会計年度末の純資産は11,697百万円となり、前連結会計年度末と比較して967百万円増加しました。これは主に利益剰余金の増加等により株主資本合計が291百万円増加し、その他有価証券評価差額金の増加等によりその他包括利益累計合計額が701百万円増加したことによるものです。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に対し726百万円減の3,233百万円となりました。各キャッシュ・フロ-の状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は427百万円(前年同期は1,349百万円の増加)となりました。これは仕入債務の減少1,512百万円、法人税等の支払586百万円等により資金が減少した一方、減価償却費922百万円、のれん減損損失721百万円等により資金が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は1,311百万円(前年同期は1,429百万円の減少)となりました。これは主に有形固定資産等の取得1,396百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、増加した資金は214百万円(前年同期は1,149百万円の増加)となりました。これは主に長期借入れによる収入1,815百万円等により資金が増加した一方、長期借入金の返済1,202百万円等により資金が減少したことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
駆動システム(千円) |
6,455,050 |
△31.4 |
金型システム(千円) |
8,629,305 |
△20.8 |
機工・計測システム(千円) |
3,522,820 |
△12.3 |
合計(千円) |
18,607,177 |
△23.5 |
(注)金額は販売価格によっております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
駆動システム |
5,650,657 |
△22.3 |
1,121,256 |
△48.6 |
金型システム |
8,178,474 |
△23.2 |
2,455,585 |
△4.7 |
機工・計測システム |
3,434,672 |
△15.3 |
1,061,567 |
△8.0 |
調整額 |
922 |
△105.2 |
36,234 |
- |
合計 |
17,264,726 |
△21.4 |
4,674,643 |
△21.0 |
(注)金額は販売価格によっております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
駆動システム(千円) |
6,711,962 |
△25.1 |
金型システム(千円) |
8,300,189 |
△15.3 |
機工・計測システム(千円) |
3,527,359 |
△11.8 |
調整額(千円) |
△35,311 |
98.9 |
合計(千円) |
18,504,199 |
△18.7 |
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先 |
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
Lucid USA, Inc. |
3,898,313 |
17.1 |
1,252,388 |
6.8 |
EUROTRANCIATURA MEXICO S.A. |
1,410,892 |
6.2 |
3,540,553 |
19.1 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、以下のとおりであります。
・売上高
主要顧客である半導体・液晶関連装置の市況低迷の長期化により駆動システム商品の受注が減少しました。金型システム事業については、電動車駆動モーター用金型の受注が堅調であった一方、プレス製品の大口販売先の販売不振の影響を受けました。機工・計測システム事業についても工作機械や減速機市場の低迷などから低水準の受注に終わりました。以上の結果、売上高は18,504百万円となり、前連結会計年度に比べ18.7%の減収となりました。
各セグメント別においては下記のとおりとなりました。
駆動システム6,711百万円(25.1%減)、金型システム8,300百万円(15.3%減)、機工・計測システム3,527百万円(11.8%減)と全事業において減収となりました。
・売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価については、全社を挙げて生産性向上と収益改善活動に取り組んだ結果、当連結会計年度の原価率は76.0%と前連結会計年度に比べ0.1ポイント減少しました。
販売費及び一般管理費については、売上高減少に伴い「運賃荷造費」「輸出諸掛」等が減少し、3,854百万円と前連結会計年度に比べ297百万円減少いたしました。
・営業損益
以上の結果、営業利益は583百万円と前連結会計年度に比べ54.6%の減少となりました。
・営業外損益及び経常損益
営業外収益は「為替差益」「受取補償金」等により519百万円(前年同期比63百万円増)、営業外費用は「クレーム対策関連費用」「補償金原価」等により258百万円(前年同期比50百万円増)の結果、経常利益は844百万円となり、前連結会計年度に比べ44.9%の減少となりました。
・特別損益
特別利益として投資有価証券売却益等を54百万円(前年同期比58百万円減)、特別損失としてのれんの減損損失等780百万円(前年同期比703百万円増)を計上しております。その結果、税金等調整前当期純利益は118百万円となり、前連結会計年度に比べ92.4%の減少となりました。
・親会社株主に帰属する当期純損益
税金等調整前当期純利益から法人税等合計△352百万円(前年同期比999百万円減)と非支配株主に帰属する当期純損失26百万円を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は、498百万円となり、前連結会計年度に比べ45.0%の減少となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに財源及び資金の流動性についての分析
・キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローにより増加した資金は427百万円(前年同期は1,349百万円の増加)、投資活動によるキャッシュ・フローにより減少した資金は1,311百万円(前年同期は1,429百万円の減少)、財務活動によるキャッシュ・フローにより増加した資金は214百万円(前年同期は1,149百万円の増加)となり、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,233百万円となり前連結会計年度末に比較し726百万円の減少となりました。
・資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料・外注加工費の仕入れのほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資によるものであります。
・資金の調達と流動性
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は、金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。当連結会計年度末における借入及びリース債務を含む有利子負債の残高は6,581百万円となり前連結会計年度末に比較し、1,079百万円の増加となりました。
③重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要なものについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。