株式会社ジャパン・ティッシュエンジニアリング

精密機器バイオ創薬グロース

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

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最終更新:

E02357 Japan GAAP

売上高

20.3億 円

前期

21.0億 円

前期比

96.6%

時価総額

258.7億 円

株価

637 (03/28)

発行済株式数

40,610,200

EPS(実績)

-17.96 円

PER(実績)

--- 倍

平均給与

583.3万 円

前期

574.8万 円

前期比

101.5%

平均年齢(勤続年数)

38.0歳(9.4年)

従業員数

215人

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

当社は、「医療の質的変化をもたらすティッシュエンジニアリングをベースに、組織再生による根本治療を目指し、21世紀の医療そのものを変えてゆく事業を展開する」ことを会社設立の趣旨とする企業です。「再生医療をあたりまえの医療に」をビジョンに掲げ、再生医療等製品の開発、製造、販売を行う再生医療製品事業、再生医療に関する開発及び製造等を受託する再生医療受託事業、研究用ヒト培養組織の開発、製造、販売を行う研究開発支援事業を展開しております。

当社は、2021年3月9日付で帝人グループとなりました。親会社である帝人株式会社との協創により事業を拡大してまいります。

 

[事業の系統図]

※画像省略しています。

(1)当社事業の根幹となる技術

近年、細胞培養や生体材料工学等の技術進歩により、生物から採取した細胞を用いて、性質の改変、体外での培養、組織・臓器の再形成、新たな機能の付加あるいは機能の修復等が試みられるようになりました。このような要素技術を利用して組織の再生を実現するための技術がティッシュエンジニアリングと呼ばれるものであり、当社事業の根幹となる技術です。

ティッシュエンジニアリングを実現するためには、生きた細胞、人工的に作られた材料・素材、細胞や生体に影響をもたらす種々の生理活性物質が必要であり、医学・工学・理学・薬学等の異分野間の国際的な研究交流が必要とされます。我が国では、ティッシュエンジニアリングにより作り出された組織や臓器を製品として医療目的で製造・販売するためには、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(医薬品医療機器等法)のもとで、厚生労働省からの許認可が必要になります。この許認可には、製造管理及び品質管理に関する基準が含まれており、当社が保有している製造施設・設備、創業以来の研究開発活動で培ってきた製造方法、品質管理に関するノウハウ、そして販売に関する組織体制やノウハウも、当社事業の根幹となる技術であるといえます。

また、細胞培養に用いる細胞は、その由来に応じて、自家細胞(本人)、同種細胞(本人以外)、異種細胞(ヒト以外の動物)に分類されますが、自家移植は、一般的に免疫拒絶反応が少なく、生体への生着能が高いといわれております。

当社は、当該技術を活用することにより、ヒトの細胞を培養して組織や臓器を作り出し、これを医療用途及び研究用途に提供することを目的として事業を展開しております。

 

(2)再生医療製品事業

再生医療とは、従来の薬物治療とは異なり、われわれの身体に備わっている組織の再生能力を引き出すことにより、失われた組織や臓器の機能を細胞を使って回復させることに主眼をおいた医療です。当社は、ティッシュエンジニアリングを利用した再生医療等製品を開発し、当該製品を医療機関向けに医療目的で製造販売しております。

①当社の再生医療等製品

現在、日本において再生医療等製品は19製品が承認されており、当社の自家培養表皮ジェイスは国内第1号として製造販売承認を取得しました。自家培養軟骨ジャックと自家培養角膜上皮ネピックは、それぞれ整形外科領域と眼科領域における国内初の再生医療等製品として製造販売承認を取得しました。自家培養口腔粘膜上皮オキュラルは、眼科領域における国内2つ目の再生医療等製品として製造販売承認を取得しました。また、当社5つ目の再生医療等製品として、2023年3月にメラノサイト含有自家培養表皮ジャスミンの製造販売承認を取得しました。

(a)自家培養表皮ジェイス

1975年、米国マサチューセッツ工科大学のHoward Green教授(2015年没、米国ハーバード大学医学部 名誉教授)らは、ヒトの正常な表皮細胞の培養方法を確立し、皮膚(表皮)に類似した細胞シートを開発しました。1984年には、重症熱傷を負った米国の2人の小児に対して、わずかに焼け残った自身の皮膚から培養表皮シートを作製・移植した報告が、大きな注目を集めました。

自家培養表皮ジェイスは、この技術を使用しており、当社は、開発者であるHoward Green教授から技術指導を受け、培養表皮シートの開発を進めてきました。本品は、患者自身の皮膚組織を少量取り、約3週間の培養期間を経て、患者本人に移植する自家培養表皮シートです。

本品は、2007年10月に重症熱傷治療を目的とした製品として製造販売承認を取得、2009年1月より保険適用を受け、我が国で第1号となる再生医療等製品となりました。本品は、適応拡大として2016年9月には先天性巨大色素性母斑の治療を目的とした製品として一部変更承認を受け、2016年12月より保険適用を受けました。さらに2018年12月には表皮水疱症の治療を目的とした製品として一部変更承認を受け、2019年7月より保険適用を受けました。

(b)自家培養軟骨ジャック

膝や肘の関節軟骨は、血管がないために、ケガ等で一度損傷を受けると自然には治りません。また、これらを薬等で治療することは非常に困難です。広島大学大学院整形外科の越智光夫教授(現、広島大学長)は、アテロコラーゲンというゲル状の物質の中で軟骨細胞を3次元培養する軟骨損傷治療用の移植組織を開発しました。従来、軟骨細胞懸濁液の移植治療が知られていましたが、越智教授が開発された移植組織は軟骨細胞が本来有する性質を維持しており、細胞が漏出しない点において優位性を持っております。

自家培養軟骨ジャックは、この技術を使用しており、開発者である越智教授から技術指導を受け、培養軟骨組織の開発を進めてきました。本品は、軟骨損傷患者の関節(非荷重部)から少量採取した軟骨細胞をアテロコラーゲンゲルの中で約4週間培養し、患者本人の軟骨欠損部に移植する自家培養軟骨組織です。

本品は、2012年7月に膝関節における外傷性軟骨欠損症又は離断性骨軟骨炎(変形性膝関節症を除く)の臨床症状の緩和を目的とした製品として製造販売承認を取得、2013年4月より保険適用を受け、整形外科領域で国内初の再生医療等製品となりました。2019年1月には自家培養軟骨ジャック移植時に患者自身の骨膜に代わって人工のコラーゲン膜を使用する一部変更申請承認を受けました。これにより患者の身体的負担軽減と医師の手技の簡便化を図ることができます。

当社は、2018年7月に外傷等に起因する二次性の変形性膝関節症を対象とする適応拡大のための治験計画届書を提出しました。治験は計画通り進んでおり、速やかにデータをまとめて申請準備を行います。

 

(c)自家培養角膜上皮ネピック

1997年、Pellegrini教授(現、イタリアModena and Reggio Emilia大学教授)らは、角膜と結膜の境界である角膜輪部組織から分離した角膜上皮細胞をフィブリンゲル製剤を足場として培養・作製した自家培養角膜上皮を角膜上皮幹細胞疲弊症の患者本人に世界で初めて移植し、良好な結果を報告しました。角膜輪部組織には角膜上皮幹細胞が存在し、角膜上皮細胞を供給するとともに結膜上皮細胞の侵入を阻み、角膜上皮の透明性を維持する重要な役割を担っております。

自家培養角膜上皮ネピックは、この技術を使用しており、患者自身の角膜輪部組織から角膜上皮幹細胞を採取してシート状に培養したもので、本品を移植することにより角膜上皮を再建させることを目的としております。当社は株式会社ニデックから本品の製品開発を受託し、開発者であるG. Pellegriniの技術指導のもと、自家培養角膜上皮の開発を進めてきました。

本品は、2020年3月に角膜上皮幹細胞疲弊症の治療を目的とした製品として製造販売承認を取得、2020年6月より保険適用を受け、眼科領域で国内初の再生医療等製品となりました。

(d)自家培養口腔粘膜上皮オキュラル

本品の開発において、大阪大学大学院医学系研究科(脳神経感覚器外科学(眼科学))の西田幸二教授、大家義則講師らにより、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)からの支援を受けて、角膜上皮幹細胞疲弊症を対象とした医師主導治験が実施されました。当社は、西田幸二教授が世界に先駆けて開発した自家培養口腔粘膜上皮細胞シート移植の技術を導入するとともに、当該医師主導治験を引き継ぎ、開発を行ってきました。

自家培養口腔粘膜上皮オキュラルは、患者自身の口腔粘膜組織を採取し、分離した細胞を培養して作製するヒト(自己)口腔粘膜由来上皮細胞シートです。患者の眼表面に本品を移植することにより、患者自身の口腔粘膜上皮細胞が生着・上皮化し、欠損した角膜上皮を修復することを目的としております。

本品は、2021年6月に角膜上皮幹細胞疲弊症の治療を目的とした再生医療等製品として製造販売承認を取得、2021年12月より保険適用を受け、眼科領域で2つ目の再生医療等製品となりました。角膜上皮幹細胞疲弊症によって両眼の角膜が広範囲に障害を受け、視力が著しく低下した患者に対する新たな治療法として期待されております。

 

(e)メラノサイト含有自家培養表皮ジャスミン

 メラノサイト含有自家培養表皮ジャスミンは、患者自身の皮膚組織を採取し、分離した細胞をメラノサイトが保持されるように培養した、患者自身に使用する表皮細胞シートです。非外科的治療が無効又は適応とならない白斑の患部に対して、表皮層を薄く削った後に移植します。本品の移植によりメラノサイトが供給され、色素を再生することを目的としています。ジャスミンは既存の外科的治療に比べ、少ない面積の皮膚組織を用いて製造するため患者への侵襲が少なく、かつ一度に広範囲の治療を行うことが可能となります。また、本治療法で色素再生することにより、患者の整容面での心理的重圧の軽減と生活の質(QOL)の向上も期待されます。

 本品は、2023年3月に白斑の治療を目的とした再生医療等製品として製造販売承認を取得しました。今後、速やかに保険適用を目指します。

 

[当社の再生医療等製品一覧]

※画像省略しています。

*1 医薬品医療機器等法による製造販売承認では、適応対象が明確に決められており、それ以外の疾患の治療には、当該製品を使用することはできません。そこで、使用できる疾患の範囲を拡大するためには、拡大の対象となる疾患につき、承認取得後に適応対象を拡大するための追加治験を実施し、その有効性を確認したうえで治療の対象となる疾患を追加するための一部変更承認申請を行うことが医薬品医療機器等法上必要とされております。このように、再生医療等製品につき、治療対象となる疾患の種類を増やすことを「適応拡大」といいます。

*2 適応対象は、当社が想定しているものです。

②自家細胞を用いた再生医療等製品のビジネスモデル

当社は培養技術を利用した再生医療等製品を開発し、医療機関向けに医療目的で製造販売しております。当社の再生医療等製品は、現在、患者本人の細胞を培養し、患者本人に移植する「自家移植」を対象としております。

当社は、長年にわたって自家移植を対象とした再生医療等製品を製造販売してきたことにより、自家の再生医療等製品に関する製造管理や品質管理に関するノウハウに加え、製品開発や販売に関する組織体制やノウハウを蓄積してきました。このようなノウハウは、当社の今後の事業に大きく役立たせることができます。

※画像省略しています。

 

(3)再生医療受託事業

当社は、医薬品医療機器等法のもと、再生医療等製品の承認を目的として臨床研究を実施するアカデミアや、医師主導治験を実施する医療機関、再生医療等製品の開発を行っている企業を対象に、再生医療等製品に特化した開発製造受託(CDMO)サービス・開発業務受託(CRO)サービスを提供しております。自社製品の開発、製造販売で培った薬事開発、規制当局対応のノウハウ、GCTP適合の製造設備等の豊富な実績及びノウハウを生かし、細胞種(体細胞・幹細胞・iPS細胞)や製品形態を問わず、シーズの開発段階から実用化後までトータルかつシームレスに支援しております。

さらに、2014年11月に施行された再生医療等安全性確保法に則った、再生医療の提供機関に対するコンサルティングならびに特定細胞加工物製造受託サービスを提供しております。コンサルティングサービスでは、再生医療等提供計画の作成・細胞加工施設の運営体制の構築等、臨床研究・治療提供のために必要な行政手続きを支援しております。特定細胞加工物製造受託では、厚生労働省より許可を得た当社の細胞加工施設で特定細胞加工物の製造を受託しております。

 

(4)研究開発支援事業

種々の医薬品や化粧品の開発に際して、開発製品の安全性や有効性を確認する等の目的により、動物を用いた試験が実施されております。

当社は再生医療等製品の開発を通じて蓄積したティッシュエンジニアリングに係る技術、ノウハウを水平展開し、研究用ヒト培養組織ラボサイトシリーズを開発、製造、販売しております。ラボサイトは、「エピ・モデル」「角膜モデル」「エピ・キット」の3つの製品ラインアップを揃えております。

「エピ・モデル」はヒトの正常な表皮細胞を培養して重層化したヒト3次元表皮モデルであり、ヒト表皮に類似した構造をしております。ヒトの皮膚に適用される外用医薬品や化粧品の開発、皮膚科医の基礎研究、化成品原材料の安全性研究等に有用な材料であると同時に、動物を使った皮膚試験の代替としての使用が想定されます。なお、「エピ・モデル」を用いた皮膚刺激性試験に関する試験法は、2013年7月に経済協力開発機構(OECD)の試験法ガイドラインTG439へ収載され、「エピ・モデル24」を含む皮膚腐食性試験法は、2019年6月にOECDの試験法ガイドラインTG431へ収載されました。

「角膜モデル」はヒト正常角膜上皮細胞を重層培養したヒト3次元角膜モデルです。角膜モデルでは、ムチン等のタンパク質の発現や細胞間接着構造等を確認しており、化合物の眼刺激性試験に加えて、角膜上皮の分子生物学的解析に利用できます。「角膜モデル」を用いた眼刺激性試験法については、2018年6月にOECDの試験法ガイドラインTG492へ収載されました。

「エピ・キット」は顧客自身でヒト表皮モデルを作製できるヒト3次元表皮モデルの作製キットです。ヒト表皮モデルへの評価物質の添加やモデルの解析等を自由に設定できます。また、予め細胞に処理を行ったヒト表皮モデルの作製・解析等応用研究に使用できます。

 

(5)新規パイプラインの開発

当社は、今後の成長を加速させるため、新たなパイプラインの開発に積極的に取り組んでおります。

①メラノサイト含有自家培養表皮(販売名:ジャスミン)の開発

非外科的治療が無効又は適応とならない白斑の治療を目的とする、メラノサイト(色素細胞)含有自家培養表皮(販売名:ジャスミン)については、2023年3月17日付で製造販売承認を取得しました。今後、速やかに保険適用を目指すとともに、患者の生活の質(QOL)向上に貢献します。

②他家(同種)培養表皮(開発名:Allo-JaCE03)の開発

わが国で初となる他人の皮膚を原材料としたレディメイド(事前に製造・保存しておき、必要な時に遅滞なく使用することができる)製品である他家(同種)培養表皮(開発名:Allo-JaCE03)については、2021年8月に日本医療研究開発機構(AMED)の補助事業として「同種培養表皮の開発・事業化」に関する案件が採択され、2021年11月に治験計画届書を提出しました。さらに、「再生医療等製品の原材料となるヒト(同種)細胞の安定供給体制の構築」に関する案件が2021年6月にAMEDの委託事業として採択されており、他家(同種)細胞を用いた再生医療の産業化を進めております。

 

③CAR-T細胞製剤の開発

CD19陽性の急性リンパ性白血病(Acute Lymphoblastic Leukemia, ALL)を対象とした自家CAR-T細胞製剤について、2019年9月より「piggyBacトランスポゾンベクターを用いた自家CD19CAR-T療法の企業治験開始に向けた研究開発」(ウイルスベクターを用いない新技術による国産のCAR-T細胞製剤の開発)に関するAMEDの補助事業として開発を進めてきました。並行して、技術導入元である名古屋大学において同技術を用いた急性リンパ性白血病に対する臨床研究が実施されるとともに、自社の製造工程の効率化を図りました。また、同大学が支援しているタイ王国チュラロンコン大学のCAR-T細胞を用いた臨床研究についても、2023年3月、悪性リンパ腫を患う5名の患者の治療に効果があったことが報告されました。さらに、今後、名古屋大学でも日本での悪性リンパ腫に対するCAR-T細胞を用いた医師主導治験の開始を予定していることも合わせて報告され、日本での医師主導治験に用いられるCAR-T細胞は、当社が製造する予定です。これに加え、当社は本品の開発で得た知見やノウハウを生かし、柏の葉スマートシティ内に構築する「再生医療プラットフォーム」において帝人、国立研究開発法人国立がん研究センター、三井不動産株式会社と協働し、がん領域における本格的な事業展開に繋げていきます。

23/06/15

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当事業年度(2022年4月1日から2023年3月31日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染拡大の波を繰り返しつつも、全国旅行支援や入国制限の緩和等を背景とした社会経済活動の正常化が進み、個人消費を中心に緩やかな景気回復が見られました。一方、長期化するウクライナ情勢を背景とした世界的なエネルギー・食糧価格の高騰や欧米各国の金融引締め等による世界的な景気後退の懸念が高まり、先行きは依然として不透明な状況が続いています。

再生医療・細胞治療分野では、歴史的な発見から10年が過ぎたiPS細胞による基礎研究や臨床応用が活発に行われています。さらに、岸田内閣の下「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」が提唱されました。なかでも再生・細胞治療・遺伝子治療等を含む科学技術・イノベーションへの重点的投資を含む、バイオテクノロジー領域への成長を促す政策が注目されています。医療応用はもとより、エネルギーや食糧、環境問題など、種々の社会課題に対してバイオテクノロジーを通じた解決を試みる本格的な活動が開始されました。その一例として、経済産業省が令和4年度補正予算「再生・細胞医療・遺伝子治療の社会実装に向けた環境整備事業」において総額50億円の補助金を拠出することを決定し、信頼される品質確保の下で再生・細胞医療・遺伝子治療の提供を拡大し、自立した産業化を後押しするといった動きが生まれています。一方、2022年9月には多発性骨髄腫を対象とするCAR-T細胞製品(ヤンセンファーマ販売名:カービクティ点滴静注)が、2023年3月には白斑を対象とする当社のメラノサイト含有自家培養表皮(販売名:ジャスミン)ならびに水疱性角膜症を対象とする培養ヒト角膜内皮細胞(オーリオンバイオテック・ジャパン 販売名:ビズノバ)が製造販売承認され、わが国の再生医療等製品(細胞加工製品及び遺伝子治療用製品)は、当社5製品を含む19品目となりました。

医療現場においては、感染力の非常に強い新型コロナウイルス第7波・第8波の期間には医師や医療スタッフへの感染が拡大し、人的リソースが逼迫しました。その結果、自家の再生医療等製品を用いた治療のように、医療機関における人手が必要な治療が敬遠・延期される傾向が顕著でした。

このような状況の下、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a. 財政状態

 当事業年度末において、総資産は6,883,320千円(前期と比べ714,835千円減少)、負債は946,146千円(前期と比べ14,481千円増加)、純資産は5,937,173千円(前期と比べ729,317千円減少)となりました。

 当事業年度における資産、負債及び純資産の状況に関する分析は以下のとおりであります。

(流動資産)

 当事業年度末における流動資産の残高は5,211,363千円となり、前事業年度末から734,573千円減少いたしました。この主な要因は、売掛金の増加があったものの現金及び預金が減少したことによるものであります。

(固定資産)

 当事業年度末における固定資産の残高は1,671,956千円となり、前事業年度末から19,737千円増加いたしました。この主な要因は、無形固定資産の「その他」に含まれるソフトウェア仮勘定が増加したことによるものであります。

(流動負債)

 当事業年度末における流動負債の残高は911,246千円となり、前事業年度末から14,615千円増加いたしました。この主な要因は、電子記録債務及び未払金が増加したことによるものであります。

(固定負債)

 当事業年度末における固定負債の残高は34,900千円となり、前事業年度末から133千円減少いたしました。この主な要因は、長期リース債務の減少によるものであります。

(純資産)

 当事業年度末における純資産の残高は5,937,173千円となり、前事業年度末から729,317千円減少いたしました。この主な要因は、当期純損失の計上によるものであります。

 

b. 経営成績

当事業年度における売上高は、再生医療製品事業の自家培養口腔粘膜上皮オキュラル、再生医療受託事業の売上が拡大した一方、自家培養表皮ジェイスの売上が減少した影響等により、2,032,448千円(前期比3.4%減)となりました。営業損失は728,119千円(前期は498,182千円の営業損失)、経常損失は725,477千円(前期は494,049千円の経常損失)、当期純損失は729,317千円(前期は497,889千円の当期純損失)となりました。

セグメント別では、再生医療製品事業の売上高は、1,406,240千円(前期比4.9%減)、再生医療受託事業の売上高は、419,306千円(前期比7.2%増)、研究開発支援事業の売上高は、206,901千円(前期比11.1%減)となりました。

 

各セグメントにおける概況及び新規パイプライン開発に関する特記事項は、以下のとおりです(□内は当事業年度における主な成果です)。

 

[再生医療製品事業]

 当社は再生医療製品事業として自家培養表皮ジェイス、自家培養軟骨ジャック、自家培養角膜上皮ネピック及び自家培養口腔粘膜上皮オキュラルの製造販売を行っています。

・自家培養表皮ジェイス

自家培養表皮ジェイスは、2009年1月に重症熱傷を適応として保険収載された国内初の再生医療等製品であり、先天性巨大色素性母斑及び表皮水疱症(栄養障害型と接合部型)にも適応を拡大しています。ジェイスの保険適用に関しては、患者さんの一連の製造につき保険算定できる枚数の上限が設定されており、熱傷治療は40枚(医学的に必要がある場合に限り50枚)、先天性巨大色素性母斑治療は30枚、表皮水疱症(栄養障害型と接合部型)治療は50枚が保険算定限度となっています。

・自家培養軟骨ジャック

自家培養軟骨ジャックは、2013年4月に保険収載された国内第2号の再生医療等製品であり、膝関節における外傷性軟骨欠損症又は離断性骨軟骨炎(変形性膝関節症を除く)を適応としています。2019年1月には、ジャックの移植時に用いていた患者さん自身の骨膜に代わって人工のコラーゲン膜を使用する一部変更承認を取得して、手術侵襲の低減と手術の簡便化を実現しました。2022年6月には、承認後の使用成績調査について再審査が終了し、承認時の有効性及び安全性が改めて確認されました。

・自家培養角膜上皮ネピック

自家培養角膜上皮ネピックは、2020年6月に保険収載された眼科領域では国内初となる再生医療等製品であり、角膜上皮幹細胞疲弊症(スティーヴンス・ジョンソン症候群・眼類天疱瘡・移植片対宿主病・無虹彩症等の先天的に角膜上皮幹細胞に形成異常を来す疾患・再発翼状片・特発性の角膜上皮幹細胞疲弊症の患者さんを除く)を適応としています。

・自家培養口腔粘膜上皮オキュラル

自家培養口腔粘膜上皮オキュラルは、角膜上皮幹細胞疲弊症を適応としており、2021年12月に保険収載されました。口腔粘膜上皮細胞を用いて両眼性の角膜上皮幹細胞疲弊症を治療することが可能な、世界初の再生医療等製品です。

当事業年度における再生医療製品事業の売上は、1,406,240千円(前期比4.9%減)となりました。新型コロナウイルスによる行動制限の緩和に伴い売上拡大に向けて努力しましたが、第7波・第8波の感染拡大期間中は、医師や医療スタッフの人的リソースの不足や病床確保が難しいといった影響を受け、計画手術の延期・中止が想定以上に発生しました。その結果、医療機関において術後のケアが必須である当社製品を用いた治療全般が敬遠され、売上へ大きく影響しました。売上の主な内訳は以下のとおりです。

当事業年度におけるジェイスの売上は、827,243千円(前期比19.8%減)となりました。重症熱傷では、適応となる症例の発生が少ない状況が続きました。また、先天性巨大色素性母斑と表皮水疱症では待機患者の治療一巡やコロナ禍での通院手控えにより、前期に対して売上が減少しました。今後、当社は、医療現場がコロナ禍の逼迫した状況から正常化していくことを契機に、売上増加のための各種施策を推進します。重症熱傷においては、搬送ルートや施設状況の変化を踏まえジェイスによる治療の価値を改めて訴求し、発生した適応症例の確実な受注を目指します。先天性巨大色素性母斑においては、これまで奏功した周知活動に加え、皮膚科を中心とした新規施設採用を進め受注増加に努めます。表皮水疱症においては、これまでの重症患者から中等症患者へのジェイス使用拡大を狙って潜在患者を発掘し売上増加を目指します。

当事業年度におけるジャックの売上は、371,797千円(前期比3.7%減)となりました。新型コロナウイルスにより営業活動が制限された結果、売上が減少しました。新型コロナウイルスの影響が薄れることを契機に、膝の軟骨欠損症例に関し上市後10年間で積み上げたエビデンスを医師に訴求することで事業の拡大につなげます。また、当社は外傷に起因する二次性の変形性膝関節症への適応拡大を目指し治験を実施しています。当該治験は計画通り進んでおり、速やかにデータをまとめて申請準備を行います。

当事業年度における眼科領域・その他の売上は、207,200千円(前期比232.1%増)となりました。ネピックに続きオキュラルの販売が開始され、大きく売上を伸ばしました。また販売を担う株式会社ニデックと協働して眼科の主要学会にてセミナーを開催するなど、製品の認知度向上や治療成績に関する情報発信を実施しました。今後、当社は潜在患者の掘り起こしを進め、根治療法の存在しなかった角膜上皮疾患に対して再生医療というソリューションを広く提供していきます。

 

 

[再生医療受託事業]

当社は再生医療受託事業において、再生医療等製品の受託開発及びコンサルティング・特定細胞加工物製造受託を行っています。

・再生医療等製品の受託開発

当社は、医薬品医療機器等法のもと、再生医療等製品の承認を目的として臨床研究を実施するアカデミアや、医師主導治験を実施する医療機関、再生医療等製品の開発を行っている企業を対象に、再生医療等製品に特化した開発製造受託(CDMO)サービス・開発業務受託(CRO)サービスを提供しています。自社製品の開発、製造販売で培った薬事開発、規制当局対応のノウハウ、GCTP適合の製造設備等の豊富な実績及びノウハウを生かし、細胞種(体細胞・幹細胞・iPS細胞)や製品形態を問わず、シーズの開発段階から実用化後までトータルかつシームレスに支援しています。

・コンサルティング及び特定細胞加工物製造受託

当社は、再生医療等安全性確保法のもと、再生医療の提供機関に対するコンサルティングならびに特定細胞加工物製造受託サービスを提供しています。コンサルティングサービスでは、再生医療等提供計画の作成・細胞加工施設の運営体制の構築等、臨床研究・治療提供のために必要な行政手続きを支援しています。特定細胞加工物製造受託では、厚生労働省より許可を得た当社の細胞培養加工施設で特定細胞加工物の製造を受託しています。

当事業年度における再生医療受託事業の売上は、419,306千円(前期比7.2%増)となりました。親会社である帝人株式会社(以下、「帝人」)からの受託が拡大し、前期に対して売上が増加しました。当社は、今後第三者からの新規受託を拡充するとともに、帝人からの受託を進めることで、再生医療受託事業の再拡大を目指します。これに加え、当社は、帝人、国立研究開発法人国立がん研究センター、三井不動産株式会社とともに、再生医療等製品の研究・開発から、事業計画策定、商用生産までの過程をワンストップで実現する「柏の葉 再生医療プラットフォーム」を推進します。当社が培ってきたノウハウを活用することで、再生医療等製品の事業化を加速し、日本発の革新的な治療法の提供を通じて社会に貢献することを目指します。

 

[研究開発支援事業]

当社は研究開発支援事業において、自社製品の開発で蓄積した高度な培養技術を応用した研究用ヒト培養組織の製造販売を行っています。

・ラボサイトシリーズ

研究用ヒト培養組織ラボサイトシリーズは、動物実験を代替する試薬です。日用品、医薬品、化粧品、化学品メーカーなど、化学物質を扱う企業向けに販売しています。

当事業年度における研究開発支援事業の売上は、206,901千円(前期比11.1%減)となりました。研究用ヒト培養組織ラボサイトシリーズは、オンライン面談による営業活動の強化により、経済情勢悪化による研究開発費削減の逆風下においても、前期に対して売上が増加しました。しかしながら、ヒトiPS細胞由来腸管上皮細胞「F-hiSIEC」の販売終了に伴う売上の減少をカバーするには至らず、全体では前期に対して売上が減少しました。経済協力開発機構(OECD)のテストガイドラインには、エピ・モデル24を用いた皮膚刺激性試験法及び皮膚腐食性試験法、ならびに角膜モデル24を用いた眼刺激性試験法が標準法の一つとして収載されており、国内外からの引き合いの増加に寄与しています。

当社は引き続き、ラボサイトシリーズが信頼性の高い動物実験代替材料として活用できることを国内外に発信し、顧客ニーズの把握ならびに新規顧客獲得を通じて売上増加を目指します。

 

 

[新規パイプラインの開発]

当社は、今後の成長を加速させるため、新たなパイプラインの開発に積極的に取り組んでいます。

当事業年度における特記事項は以下のとおりです。

-非外科的治療が無効又は適応とならない白斑の治療を目的とするメラノサイト(色素細胞)含有自家培養表皮(販売名:ジャスミン)については、2023年3月17日付で製造販売承認を取得しました。今後、速やかに保険適用を目指すとともに、患者さんの生活の質(QOL)向上に貢献します。

-わが国で初となる他人の皮膚組織を原材料としたレディメイド(事前に製造・保存しておき、必要な時に遅滞なく使用することができる)製品である他家(同種)培養表皮(開発名:Allo-JaCE03)については、2021年8月に日本医療研究開発機構(AMED)の補助事業として「同種培養表皮の開発・事業化」に関する案件が採択され、2021年11月に治験計画届書を提出しました。さらに、「再生医療等製品の原材料となるヒト(同種)細胞の安定供給体制の構築」に関する案件が2021年6月にAMEDの委託事業として採択されており、他家(同種)細胞を用いた再生医療の産業化を進めています。

-ジャックの適応拡大に向けて、外傷等に起因する二次性の変形性膝関節症を対象とした治験を実施しています。治験は計画通り進んでおり、速やかにデータをまとめて申請準備を行います。本適応拡大を通じて、対象患者の多い市場への展開を目指します。

-CD19陽性の急性リンパ性白血病(Acute Lymphoblastic Leukemia)の治療を目的とする自家CAR-T細胞製剤については、2019年から「piggyBacトランスポゾンベクターを用いた自家CD19 CAR-T療法の企業治験開始に向けた研究開発」(ウイルスベクターを用いない新技術による国産のCAR-T細胞製剤の開発)に関する3年間のAMEDの補助事業として開発を進めてきました。並行して、技術導入元である名古屋大学において同技術を用いた急性リンパ性白血病に対する臨床研究が実施されるとともに、自社の製造工程の効率化を図りました。また、同大学が支援しているタイ王国チュラロンコン大学のCAR-T細胞を用いた臨床研究についても、2023年3月、悪性リンパ腫を患う5名の患者の治療に効果があったことが報告されました。さらに、今後、名古屋大学でも日本での悪性リンパ腫に対するCAR-T細胞を用いた医師主導治験の開始を予定していることも合わせて報告され、日本での医師主導治験に用いられるCAR-T細胞は、当社が製造する予定です。これに加え、当社は本品の開発で得た知見やノウハウを生かし、柏の葉スマートシティ内に構築する「再生医療プラットフォーム」において帝人、国立研究開発法人国立がん研究センター、三井不動産株式会社と協働し、がん領域における本格的な事業展開に繋げていきます。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べて501,250千円増加し、2,034,570千円となりました。

 当事業年度のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果使用した資金は622,600千円(前期は225,248千円の使用)となりました。これは主に、税引前当期純損失(725,477千円)及び売上債権の増加(79,735千円)があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果獲得した資金は1,124,654千円(前期は116,479千円の使用)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出(2,100,000千円)及び定期預金の払戻による収入(3,400,000千円)によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は803千円(前期は823千円の使用)となりました。これは主に、リース債務の返済によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

 

当事業年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

 

 

前期比(%)

 

再生医療製品事業(千円)

1,406,240

95.1

再生医療受託事業(千円)

419,306

122.9

研究開発支援事業(千円)

206,901

90.2

合計(千円)

2,032,448

99.2

(注) 金額は販売価格によっております。

 

b. 受注実績

当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

(千円)

前期比

(%)

受注残高

(千円)

前期比

(%)

再生医療製品事業

1,538,399

101.5

164,311

135.9

再生医療受託事業

415,168

99.4

47,359

92.0

研究開発支援事業

207,534

89.2

12,768

105.2

合計

2,161,102

99.8

224,439

121.6

(注) 金額は販売価格によっております。

 

c. 販売実績

 当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

 

当事業年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

 

 

前期比(%)

 

再生医療製品事業(千円)

1,406,240

95.1

再生医療受託事業(千円)

419,306

107.2

研究開発支援事業(千円)

206,901

88.9

 合計(千円)

2,032,448

96.6

(注) 最近2事業年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

金額

(千円)

割合

(%)

金額

(千円)

割合

(%)

株式会社ニデック

207,200

10.2

(注) 前事業年度の株式会社ニデックに対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態の分析

当事業年度の財政状態の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

②キャッシュ・フローの状況

当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

③資本の財源及び資金の流動性

当社の運転資金需要のうち主なものは、製造費、研究開発費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資によるものであります。

当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は自己資金を基本としております。設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を検討した上での調達を基本としております。

また、今後事業活動を行う上での資金需要に対して十分な現預金を確保しておりますので、新型コロナウイルス感染症の影響については軽微であると判断しております。

なお、当事業年度末におけるリース債務を含む有利子負債の残高は133千円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は2,034,570千円となっております。

 

④セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当事業年度のセグメントごとの経営成績につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 セグメントごとの財政状態につきましては、次のとおりであります。

 再生医療製品事業のセグメント資産は1,410,464千円となり、前事業年度末から23,372千円増加となりました。再生医療受託事業のセグメント資産は354,875千円となり、前事業年度末から17,025千円増加となりました。研究開発支援事業のセグメント資産は182,742千円となり、前事業年度末から25,223千円減少となりました。

 

⑤経営成績に重要な影響を与える要因

 当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑥経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。

 

⑦重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。