売上高

利益

資産

キャッシュフロー

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労働生産性

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棚卸資産回転率

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最終更新:

E34800 Japan GAAP

売上高

31.7億 円

前期

29.2億 円

前期比

108.9%

時価総額

42.1億 円

株価

1,832 (04/25)

発行済株式数

2,300,000

EPS(実績)

130.44 円

PER(実績)

14.05 倍

平均給与

520.0万 円

前期

527.0万 円

前期比

98.7%

平均年齢(勤続年数)

37.4歳(8.6年)

従業員数

180人

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

当社では、お客さまの販促・マーケティング活動を支え、日本社会、地域社会の発展に貢献し続けるために、「より良い働きを通じて 全従業員の物心両面の幸せを創造し 社会へ貢献する。」という経営理念を掲げております。

当社は、アフターコロナを見据えて着実な成長を図るため、シェア拡大、機能拡大、及び、領域拡大の3つの戦略を実行するべく、当事業年度より、当社が主として扱っている多品種少量生産型のインクジェットプリントに加えて、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、オンデマンド印刷等の少品種多量生産型の案件に対応する社内制作体制及び外注先との協業体制を構築し、受注を開始いたしました。また、成長市場とされるキャラクタービジネス市場において、インクジェットプリント事業で培ってきた印刷ノウハウや保有設備を活用し、オーダーグッズ制作に参入いたしました。

また、これに伴い、当事業年度より、従来の①インクジェットプリント事業、②デジタルサイネージ事業、③デジタルプロモーション事業の3区分を、①セールスプロモーション事業、②ウェブプロモーション事業の2区分に再編いたしました。セールスプロモーション事業においては、インクジェットプリント、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、オンデマンド印刷等の少品種多量生産型の案件、デジタルサイネージの販売、オーダーグッズ制作を行い、ウェブプロモーション事業においては、自社のインターネット通販サイトの運営等を行っております。

なお、当社はインクジェットプリントを主力とするセールスプロモーション事業を主要な事業としており、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント別の経営成績を省略しております。

セールスプロモーション事業のうち、主力となるのはインクジェットプリントで、主として、広告代理店、広告制作会社、印刷会社、デザイン会社等から発注される販売促進用広告物の制作及びゲーム機メーカーが取り扱うプリントシール機の外装カーテン、並びにインテリアメーカーやインテリア専門商社が取り扱う、内装壁紙や床材等の制作を行っております。

約30年前に印刷業界において、アナログ写植から組版~製版など印刷前の作業工程がデジタル化され、オンデマンドの利点を活かした特定の分野で、着実にインクジェットプリントがその適用分野を拡大しつつありました。インクジェットプリントは、オフセット印刷と比較して版作成が不要(版レス)のため、スピード対応が可能で短納期にも対応できることや、必要なものを必要なだけ制作できるため、余分な在庫をかかえる必要がなく極小ロットにも対応できることが大きな特徴です。また、オフセット印刷では不可能なサイズへのプリントが可能となり、応用範囲が格段に広がってきました。従来の印刷方法では、少部数のもの(特に大判のもの)も必ず大量印刷物と同じ工程をとらなければならなかったため、コスト的に見合わずに断念するケースが多くみられました。

しかし、ここ近年において、大判インクジェットプリンター製品の性能向上に伴い、プリントスピードが大幅にあがり、また出力解像度が向上したことにより、従来の手間やコストが大幅に削減され、オフセット印刷市場へインクジェット業界が進出していくことが可能となりました。また、インクジェットプリンターは、当初は紙にプリントする用途が専らでありましたが、大判インクジェットプリンターの技術革新・高画質化に伴い、紙以外のアクリル素材、木材、衣類などの多種多様なあらゆる材料へのプリントが可能となり、ここ数年では、3Dプリントといった二次元から三次元へのプリントも可能になりました。このように「インクジェットプリント」がどんどん私たちの生活に近づき発展しつつあります。我々は「インクジェット」と調和し、より世の中に身近なところでお手伝いを行い、技術の進歩、業界の発展に全力を注ぎたいと考えております。

その中で当社では、年々多様化してきている顧客ニーズに対応するべく、全国都心部において、100台以上の多種多様な業務用インクジェットプリンターや各種加工マシンを保有しております。また、100名を超える制作オペレーターを配置しインクジェットプリントサービスを展開しております。

当社の主な販売市場としましては、販売促進用POP・什器製品を主な商材としたセールスプロモーション市場、店舗・商業施設・展示会など屋外広告物で使用するサイン製品を商材としたサイングラフィックス市場、テーブルクロスやファブリック素材など布地プリント製品を商材としたテキスタイル市場、壁・窓・床を中心とした壁紙やカーテン、内装インテリア製品を商材とした内装インテリア市場の4つに区分されます。

当社が提供する主たるサービスのうち、販売促進用広告制作においては、広告代理店、広告制作会社、印刷会社、デザイン会社、屋外サイン業者等から発注される販売促進用広告物を制作しております。

 

①営業体制

営業部門は大阪、東京、横浜、名古屋、福岡、京都に拠点を置いております。原則として街の中心部に位置しており、例えば大阪では大阪市内という限られた地域に絞り、都心の利点を活かして非常に限られたエリア単位で営業部員をきめ細かく配置しながら、サービスを展開しております。

当社では、広い地域であらゆる業界からの受注を目指すのではなく、広告代理店、広告制作会社、印刷会社、デザイン会社、屋外サイン業者に的を絞り、そうしたお客さまが集中する都心部の狭い地域において受注占有率で地域No.1になることを基本方針としております。

また、広告業界の特性として、広告代理店等が広告主から即応体制を求められ、当社も即納体制を整備することが受注獲得の上で非常に重要になります。このため、お客さまから近い地域に制作拠点を設けることがお客さまにとって非常に利便性が高く、安心して発注できるというメリットがあります。都心部エリア外に位置する広域エリアのお客さまに関しては、広域エリア専任営業を配置し、受注獲得を行っております。さらに、インターネット経由による問い合わせに関しても専任窓口を配置し、ECサイトとWeb受注専用ページ(ランディングページ)を運用し、受注獲得を行っております。

 

②制作体制

制作部門は、大阪、横浜、名古屋、福岡に拠点を置いております。主要な拠点において、24時間体制で生産を行っており、お客さまからの短納期の注文や緊急案件を含め、様々な要望にも対応可能なサービス体制を構築しております。また、1箇所の拠点に受注が集中した場合においては、拠点間での連携制作を行い、生産機会の逸失を防ぐ体制をとっております。また、各拠点間での製品の品質差異を防ぐために、拠点間同士での色統一が可能となる測色システムを導入し、品質管理体制を強化しております。

当社では、制作体制の「アナログからデジタル化」を基本方針として掲げ、加工の機械化・高速化を図ることを重点的に行っております。最新鋭設備を調査し、オートメーション化を加速させていきます。

また、横浜に3Dスタジオを設置し、高精彩の立体造形製品や、形状確認用のモックアップ試作製造を行うことができるフルカラー立体造形サービスを展開しております。モデリングソフトやスキャナーも導入し、自社内で3Dデータの作成まで行える体制を取っております。

 

※画像省略しています。

 

 

③販売促進用広告製品の概要

店頭用セールスプロモーションツールや屋外広告サイン、展示会装飾、3D立体造形サービスなど、多種多様な販売促進用の広告製品を制作しております。

 

※画像省略しています。

 

その他、ゲーム機メーカーが取り扱うプリントシール機の外装カーテン、及びインテリアメーカーやインテリア専門商社が取り扱う壁紙や床材などの製品、並びにオリジナル壁紙製品などを制作しています。

これらのお客さまからは、長期的な計画に基づいて当社に対する発注があるため、お客さまごとに専任の営業部員を配置し、お客さまとの関係を密にしてお客さまの動向を把握しております。また、製品の大量連続生産が必要となるため高い生産技術や、定期的な材料試験を通して適切な材料品質の管理体制を構築しております。

また、多店舗展開企業・病院・幼稚園・スーパー・ホテル・アミューズメント施設・オフィス・個人住宅などの内装インテリア業界へ、壁紙などのインクジェットプリント製品のサービスを行います。

 

※画像省略しています。

 

 

 

■事業系統図

※画像省略しています。

 

 リアルとデジタルの領域から販促・マーケティングをワンストップでサポートするため、セールスプロモーション事業においては、上記の多品種少量生産型のインクジェットプリントに加えて、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、オンデマンド印刷等の少品種多量生産型の案件に迅速に対応する社内制作体制及び外注先との協業体制を構築しております。また、デジタルサイネージ機器や映像を配信できるCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)の販売、拡張現実(AR)技術を使ったプロモーション支援、成長市場とされるキャラクタービジネス市場において、インクジェットプリント事業で培ってきた印刷ノウハウや保有設備を活用したオーダーグッズ制作を行っております。

 また、ウェブプロモーション事業においては、2022年8月に開設したサインディスプレイ専門サイト「インクイット」の運営等を通じてネットを使った集客についての知識と経験を蓄積しております。

 

24/01/29

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。

 

①財政状態の状況

(流動資産)

 当事業年度末における流動資産の残高は、3,501,010千円(前事業年度末は3,245,503千円)となり、255,507千円増加いたしました。その主な要因といたしましては、営業活動による資金増加が投資活動及び財務活動による資金減少を上回ったことにより現金及び預金が238,742千円増加したことによるものであります。

 

(固定資産)

 当事業年度末における固定資産の残高は、285,967千円(前事業年度末は272,334千円)となり、13,633千円増加いたしました。その主な要因といたしましては、賞与支給時期変更による賞与引当金の増加等、将来減算一時差異の増加により繰延税金資産が19,438千円増加したためであります。

 

(流動負債)

 当事業年度末における流動負債の残高は、513,976千円(前事業年度末は447,714千円)となり、66,262千円増加いたしました。その主な要因といたしましては、賞与の増加、及び、賞与の支給時期の見直しに伴い賞与引当金が49,076千円増加したことによるものであります。

 

(固定負債)

 当事業年度末における固定負債の残高は、152,129千円(前事業年度末は153,278千円)となり、1,148千円減少いたしました。その主な要因といたしましては、監査役の退任に伴い、長期未払金に計上していた役員退職慰労引当金が1,200千円減少したことによるものであります。

 

(純資産)

 当事業年度末における純資産の残高は、3,120,872千円(前事業年度末は2,916,845千円)となり、204,027千円増加いたしました。その主な要因といたしましては、剰余金の配当78,021千円、自己株式の取得23,702千円による減少があったものの、当期純利益300,001千円を計上したためであります。

 

②経営成績の状況

当事業年度における我が国経済は、ウクライナ情勢等による不安定な国際情勢が継続しており、資源価格の高騰、それによる電力料金の高騰、また、円安の進行により、先行きが不透明な状況が続いているものの、5月には新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類に見直され、人流の増加に伴い経済活動の正常化が進み、消費活動の拡大やインバウンド需要の拡大等により景気は緩やかに回復しております。

当社は、アフターコロナを見据えて着実な成長を図るため、当事業年度より、従来の①インクジェットプリント事業、②デジタルサイネージ事業、③デジタルプロモーション事業の3区分を、①セールスプロモーション事業、②ウェブプロモーション事業の2区分に再編し、シェア拡大、機能拡大、及び、領域拡大の3つの戦略を実行してまいりました。

セールスプロモーション事業においては、シェア拡大のため、2022年11月に京都営業所を開設し、アフターコロナにおけるインバウンド増による販促広告需要の獲得のため、並びに、2025年の大阪万博開催による販促広告需要を視野に入れ、関西エリアの営業の強化を図りました。また、名古屋、福岡の両拠点では、営業人員を増強して体制の強化を行い、さらに、主要な事業拠点である大阪、東京、横浜の各エリアでは、営業人員の増強を積極的に進めるとともに、情報や知識の共有・連携を強化することにより人材育成効果の最大化を図ると同時に、顧客満足度の向上に努めております。

機能拡大については、当社が主として扱っている多品種少量生産型のインクジェットプリントに加えて、当事業年度より、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、オンデマンド印刷等の少品種多量生産型の案件に迅速に対応する社内制作体制及び外注先との協業体制を構築し、順調に売上を伸ばしております。また、デジタルサイネージ事業においては、第2四半期において大型の案件を受注し、引き続き映像を配信できるCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)等の新商材の導入提案を積極的に進めております。

領域拡大については、当事業年度より、成長市場とされるキャラクタービジネス市場において、インクジェットプリント事業で培ってきた印刷ノウハウや保有設備を活用し、オーダーグッズ制作に参入いたしました。キャラクターグッズを扱う法人やコンテンツホルダーとの連携を見据えて、まずは既存顧客を中心にさまざまな販売促進用グッズの受注生産を行い、着実に実績を積んでおります。

さらに、成長戦略に掲げる機能拡大の一環として、6月に株式会社OnePlanetと拡張現実(AR)技術に関する業務提携を行い、セールスプロモーション事業における新たなサービスとして「Promotion AR」を開始しました。東京ビッグサイトで開催された「販促EXPO(夏)」への出展を通じて多くの来場顧客に対して本サービスを体験していただき、プロ野球のイベントで活用していただく等、積極的な提案活動や付加価値を高めるための機能拡大を進めており、将来に向けた成長投資を積極的に行いました。

その他、生産体制については、高収益体質の生産体制の構築に向けた投資として、5月に横浜と大阪において最新カットマシーンの増設を実施し、生産機能の拡大及び生産効率の向上を実現しました。その他、制作知識の共有や検品体制の強化による品質管理の向上、材料費高騰への対応として代替品への切り替えや新素材の発掘を進めております。

ウェブプロモーション事業においては、デジタルプロモーション事業で培ったネットショップの運営サポートを自社ECサイトの運営に活かすべく、当事業年度より自社ECサイトの運営とデジタルプロモーション事業を統合しました。また、2022年8月に開設したサインディスプレイ専門サイト「インクイット」の運営等を通じてネットを使った集客についての知識と経験を蓄積いたしました。

以上の結果、売上高は過去最高の3,174,318千円(前年同期比8.9%増加)となり、営業利益は452,213千円(前年同期比20.2%増加)、経常利益は453,347千円(前年同期比20.1%増加)、当期純利益は300,001千円(前年同期比24.8%増加)となりました。当期純利益が前年同期と比較して大きく増益となったのは、前年同期に役員退職慰労金の打切り支給をご承認いただいたことに伴い、役員退職慰労引当金の引当対象外である功労金23,550千円を特別損失に計上したためです。

売上高は案件の期ずれがあり業績予想をわずかに下回ったものの、利益率が高いインクジェットプリントの受注が順調に推移したことや、M&Aの実行時期のずれにより関連費用が発生しなかったこと、生産現場での人員配置の適正化が進み労務費が予想を下回ったことにより、営業利益は業績予想を上回る結果となりました。

なお、当社はインクジェットプリントを主力とするセールスプロモーション事業を主要な事業としており、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント別の経営成績の記載はしておりません。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、2,738,676千円となり、前事業年度末から238,742千円増加いたしました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は、次の通りです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動による資金の増加は405,691千円(前年同期は298,073千円の増加)となりました。これは主に、税引前当期純利益452,938千円の資金増加要因があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動による資金の減少は65,101千円(前年同期は44,363千円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出64,774千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動による資金の減少は101,847千円(前年同期は85,108千円の減少)となりました。これは主に、剰余金の配当77,541千円、自己株式の取得による支出23,815千円によるものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

当社はインクジェットプリントを主力とするセールスプロモーション事業を主要な事業としており、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント別の記載はしておりません。

イ.生産実績

当社の事業は、提供する商品の性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

ロ.受注実績

当社は受注生産を行っておりますが、受注から販売までの期間が短いため、記載を省略しております。

 

 

ハ.販売実績

当事業年度における販売実績は3,174,318千円となり、前年同期比8.9%増加いたしました。

なお、最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しております。

この財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っておりますが、不確実性が内在しているため、将来生じる実際の結果と異なる可能性があります。

財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下の通りであります。

イ.繰延税金資産の回収可能性

過年度の課税所得の実績や事業計画に基づく課税所得の見積りに基づき、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提条件に変更が生じた場合には、繰延税金資産を取り崩し税金費用の計上が必要となる可能性があります。

 

②当事業年度の経営成績の分析

当事業年度の経営成績は、新型コロナウイルス感染症の影響から回復し、通期では前年同期と比較して増収増益となりました。

イ.売上高

当事業年度の売上高は、3,174,318千円となり、前年同期と比較して8.9%増加しました。新型コロナウイルス感染症の影響からの回復に伴って経済活動の正常化が進み、人流の増加やインバウンド需要の拡大等により売上高は過去最高となりました。

ロ.売上原価、売上総利益

当事業年度の売上原価は、1,834,841千円となり、前年同期と比較して6.7%増加しました。主な要因は、売上高の増加により材料費が39,380千円増加したことや、人員の増加や昇給により労務費が37,261千円増加したことに加え、インクジェットプリント以外の新規事業が本格化し、外注取引が増加したことにより外注費が46,324千円増加したことによるものであります。

この結果、当事業年度の売上総利益は、1,339,476千円となり、前年同期と比較して12.1%増加しました。

ハ.販売費及び一般管理費、営業利益

当事業年度の販売費及び一般管理費は、887,262千円となり、前年同期と比較して8.4%増加しました。主な要因は、人員の増加や昇給により人件費が57,513千円増加したことによるものであります。

この結果、当事業年度の営業利益は、452,213千円となり、前年同期と比較して20.2%増加しました。

ニ.営業外収益、営業外費用、経常利益

当事業年度の営業外収益は未払配当金除斥益等により1,247千円となり、営業外費用は支払利息と支払手数料で114千円となりました。

この結果、当事業年度の経常利益は、453,347千円となり、前年同期と比較して20.1%増加しました。

ホ.特別損益、税金費用、当期純利益

前事業年度、当事業年度ともに特別利益は発生しておりません。特別損失について、前事業年度は、機械及び装置を除却したことに伴う固定資産除却損219千円と、2022年1月27日開催の第36期定時株主総会において、取締役及び監査役に対する役員退職慰労金制度廃止に伴う打切り支給についてご承認いただいたことに伴い、役員退職慰労引当金の引当対象外である功労金23,550千円を計上いたしました。当事業年度は、機械及び装置等を除却したことに伴う固定資産除却損408千円を計上いたしました。また、課税所得の増加により、税金費用は152,937千円となり、前年同期と比較して35.1%増加しました。

以上の結果、当期純利益は、300,001千円となり、前年同期と比較して24.8%増加しました。

 

 

③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。

当社の運転資金及び設備投資資金は原則として自己資金で賄う方針でありますが、必要に応じて借入の実行も検討いたします。

当社は、資金の源泉と流動性を安定的に確保することを基本方針としております。主として営業活動によるキャッシュ・フローにより、当事業年度末の現金及び預金は2,738,676千円となっており、これを主として設備投資資金・成長のための投資資金に充当する予定であります。

 

④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は、重要な経営指標として「売上高」と「売上高成長率」及び「売上高経常利益率」を掲げ、売上高成長率10%を目指しております。当事業年度の売上高は3,174,318千円となり前年同期に対して8.9%増加しましたが、10%には届きませんでした。売上高経常利益率は14.3%となり、前年同期と比べて1.4ポイント上昇しました。引き続き「リアル領域」と「デジタル領域」を融合させたビジネスモデルを推進し、今後もこの3つの指標を重視してまいります。なお、資本効率の観点から自己資本利益率についても意識しており、当事業年度の自己資本利益率は9.94%となっております。今後は自己資本利益率を10%以上確保し、企業の成長性及び効率性の確保を図ってまいります。

 

⑤経営成績に重要な影響を与える要因について

当社の経営成績は、新型コロナウイルス感染症その他の疫病や、特定取引先への依存、同業他社との競合、人材の確保、材料費の高騰等、様々な要因の変動による影響を受ける可能性があります。このため、当社事業を取り巻く環境に注視し、内部統制システムの強化等によりこれらのリスク要因に対応してまいります。

 

⑥経営者の問題意識と今後の方針について

今後の見通しにつきましては、国内の経済状況は、資源価格の高騰や円安の進行等の懸念材料があるものの、消費活動の拡大やインバウンド需要の拡大等により回復傾向が続くものと想定されます。

当社を取り巻く経済環境は新型コロナウイルス感染症の影響から回復しており、2024年10月期においても、状況に大きな変化はないものと考えます。

当社は着実な成長を図るため、①シェア拡大、②機能拡大、③領域拡大の3つの戦略を掲げ、着実に実行し、今後も継続して実行いたします。

シェア拡大戦略について、主力の大阪、東京において営業エリアの拡大を行います。特に市場規模を考慮すると受注拡大の余地が大きい東京地区において、営業人員を増強して新規顧客獲得活動を強化いたします。名古屋、福岡、京都については顧客基盤を固めて利益貢献するべく、シェア拡大を目指します。

機能拡大・領域拡大について、デジタルサイネージをデジタルクリエイトに名称変更し、従来のハード機器販売、動画配信システムの提供に加えて、ARを使った付加価値サービスの提案を積極的に行うとともに、顧客の販促活動をDX化するためのデモ用動画やARの作成を行います。オフセット印刷やシルクスクリーン印刷、オンデマンド印刷等の少品種多量生産型の案件対応については、高品質かつ短納期で生産できるネットワーク体制を活かしたプリントソリューションとして受注拡大を進めます。オーダーグッズ制作についてはこれまで蓄積した制作実績を活かしてIP(知的財産)コンテンツの分野への本格展開を目指します。

なお、これらの新規事業はこれまで専任営業が独自で営業活動を行ってまいりましたが、今後はその経験やノウハウを全営業担当に共有し、専任営業に加えて全国の拠点の営業担当が新規事業商材の提案と拡販を進めます。また、SDGsの推進のため、エコ商材として顧客からの関心が高い環境に配慮した素材を使った商品の販売体制を強化いたします。

ウェブプロモーション事業については、これまでのECサイト運営のノウハウと実績を考慮した結果、WEB集客活動に経営資源を集中することとし、当社が得意とする対面営業によるリピート受注の獲得に繋げることにより、新規顧客獲得活動をサポートします。

生産体制については、引き続き高収益体質の生産体制を構築し、生産性や品質管理の向上に繋げるべく、約80,000千円の設備投資を予定しております。業務標準化により属人化しない技術による「人に依存しない」生産工程の実現、スマートファクトリー化を推進します。また、材料費高騰への対応として代替品への切り替えや新素材の発掘を進めます。

また、M&Aは、今後の当社のさらなる成長及び企業価値の向上を実現させるためには、非常に重要な戦略と考えております。引き続き社内で編成したM&Aのプロジェクトチームによる各種情報収集や調査を積極的に行い、当社の事業との相乗効果、成長性、利益率等の観点から投資案件の調査を進めてまいります。