E03493 Japan GAAP
前期
432.1億 円
前期比
99.2%
株価
818 (07/12)
発行済株式数
34,393,200
EPS(実績)
42.51 円
PER(実績)
19.24 倍
前期
429.6万 円
前期比
104.4%
平均年齢(勤続年数)
44.1歳(11.6年)
従業員数
2,353人(連結:3,909人)
当社グループは、当社および連結子会社13社(2024年3月31日現在)で構成され、オーダーメイドウィッグの製造・販売を主たる業務としております。
当社の主力製品であるオーダーメイドウィッグは、当社の店舗でお客様の頭部の形状を3D型取りシステムにて計測した後、当社グループの製造子会社2社(ANフィリピン社、ANMP社)に製造を委託しております。ウィッグを製造するための主要原材料である人毛および人工毛髪は、当社で一括購入し、子会社2社に対して無償支給しております。完成したオーダーメイドウィッグは当社が子会社より購入し、国内280ヶ所(2024年3月31日現在)の店舗を通じてお客様に納品しております。
女性向け既製品ウィッグは、当社グループの製造子会社であるANフィリピン社ならびにANMP社および、アジア諸国に所在する当社グループ外の製造委託先にて製造を行い、国内の別形態店舗(ジュリア・オージェ)88店(2024年3月31日現在)、NAO-ART社37店(2024年3月31日現在)にて販売しております。
その他、国内子会社では、当社で取り扱う商品の購入等の便宜をはかることを目的として前払式特定取引業を営むAN友の会社、当社芸能ウィッグ事業の拡大を目的としたアート三川屋社を、海外子会社では中国における事業展開を目的としたANCN社や、シンガポールにおける事業展開を目的としたANSG社、マレーシアにおける事業展開を目的としたANMY社、タイにおける事業展開を目的としたANTH社を展開しております。
また、2019年に比較的安い価格帯のウィッグ事業への参入を目的としてNAO-ART社を子会社化、医薬品販売事業への参入を目的として「LABOMO ヘアグロウ ミノキシ5」を発売しております。2020年に医療関連サポート事業への参入を目的としてアートメディカル社を設立する等、新領域の事業への取り組みを進めております。
当社の事業ポートフォリオの推移は次表の通りです。
[当社の事業ポートフォリオの推移](2024年3月31日現在)
以上に記載しました事業の系統図は、次の通りです。
[事業系統図](2024年3月31日現在)
ANCN社については、2023年11月14日開催の取締役会をもって解散を決議し、清算手続き中であります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、2023年5月に新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが変更されたこと等により経済活動の正常化が進み、個人消費やインバウンド需要が回復しつつある一方、円安の進行や原材料価格、エネルギー価格の高騰による物価上昇等もあり、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような状況のもと、当社では、本年度を初年度とする中期経営計画「アートネイチャーAdvanceプラン」を策定し、当社グループの強みを活かしてさまざまな課題に挑戦し、業績や毛髪業界シェアを伸長させるとともに、新領域の事業を獲得し拡充することで、「次代を切り拓くアートネイチャー」に飛躍させるべく、事業活動を実施してまいりました。
その結果、当連結会計年度の売上高は、42,850百万円(前連結会計年度比0.8%減)となりました。また、利益面では売上高の減少に加え、売上原価、販売費および一般管理費の増加により、営業利益は2,654百万円(同25.7%減)、経常利益は2,724百万円(同22.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,462百万円(同22.0%減)となりました。
男性向け売上高については、顧客定着策の推進等を実施し、リピート売上は前連結会計年度比ほぼ同水準で推移したものの、新規売上が下回った結果、22,814百万円(前連結会計年度比1.8%減)となりました。
<女性向け売上高>
女性向け売上高については、来店顧客数の増加等により、リピート売上は前連結会計年度比増加したものの、新規売上が下回った結果、12,788百万円(同1.8%減)となりました。
<女性向け既製品売上高>
女性向け既製品ウィッグの売上高については、入居する商業施設の来店客数増加による販売数の増加等により、5,658百万円(同9.4%増)となりました。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末比1,895百万円増加し、49,851百万円となりました。これは、現金及び預金が減少したこと等により流動資産が472百万円減少した一方、資産除去債務の見積額を変更したこと等により固定資産が2,367百万円増加したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末比952百万円増加し、22,981百万円となりました。これは、未払法人税等、前受金、賞与引当金が減少したこと等により流動負債が789百万円減少した一方、資産除去債務の見積額を変更したこと等により固定負債が1,741百万円増加したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末比942百万円増加し、26,870百万円となりました。これは、主に利益剰余金が増加したこと等によるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及びそれらの要因は以下のとおりであり、現金及び現金同等物(以下「資金」という)の期末残高は、前連結会計年度末比873百万円減少し、19,208百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益1,786百万円に加え、減価償却費1,096百万円、減損損失856百万円、退職給付に係る負債の増加276百万円があった一方、法人税等の支払1,614百万円、賞与引当金の減少192百万円、棚卸資産の増加205百万円、前受金の減少148百万円等により2,137百万円の資金収入(前連結会計年度は2,927百万円の資金収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得による支出1,134百万円、無形固定資産の取得による支出855百万円、敷金及び保証金の差入による支出74百万円等により2,165百万円の資金支出(前連結会計年度は1,417百万円の資金支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
配当金の支払909百万円等により919百万円の資金支出(前連結会計年度は924百万円の資金支出)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、また受注生産形態をとらない製品も多いため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)の生産実績を示すと、次のとおりであります。
(注) 当社グループは、取り扱う品種が多品種であり、販売価格による表示が困難なため、生産数量にて記載しております。
B.受注実績
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)の受注状況を示すと、次のとおりであります。
C.販売実績
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、連結会計年度末における資産・負債並びに連結会計年度における収益・費用の報告金額及び開示に与える見積りを必要とします。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、見積りには不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を及ぼすと考えています。
A.貸倒引当金等の引当金
貸倒引当金等の重要な引当金の計上基準は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)3.会計方針に関する事項(3) 重要な引当金の計上基準」をご参照ください。
B.退職給付に係る負債
従業員に対する退職給付に備えるため、当連結会計年度末における退職給付債務の見込額に基づき計上しております。
C.固定資産の減損
固定資産の減損については、管理会計上の区分や投資の意思決定を行う際の単位や事業の相互補完性等を考慮して合理的にグルーピングを行い、当該資産グループ単位で減損の兆候を把握しております。減損の兆候がある資産グループについては、その資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には減損を認識し、帳簿価額を回収可能価額まで減額して減損損失を計上しております。
D.繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産は将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高く税金負担額を軽減することができると認められる範囲内で計上しております。また、繰延税金資産は毎期見直しており、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除の全部又は一部が将来の税金負担額を軽減する効果を有さなくなったと判断した場合、計上していた繰延税金資産のうち回収可能性がない金額を取り崩しております。
E.資産除去債務
資産除去債務の計上基準は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(資産除去債務関係)」をご参照ください。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
A.経営成績等の分析
2024年3月期を初年度とする3ヵ年の中期経営計画の2024年3月期の状況は以下のとおりです。
当連結会計年度のセグメントごとの経営成績は、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
なお、当連結会計年度の主要な指標の計画比は以下のとおりです。
(注) 2024年3月期(計画)には、2023年5月12日に発表いたしました業績予想を記載しております。なお、業績予想の修正を2024年1月30日に発表しております。
B.キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は下記のとおりであります。
(注) 各指標の算出は、以下の算式によります。
自己資本比率=自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率=時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率=有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ=キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※ 株式時価総額は、期末株価終値に期末発行済株式数(自己株式除く)を乗じて算出しております。
※ キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを使用しております。
※ 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
b.財務政策
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。
なお、当連結会計年度末において、取引銀行3行と5,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております(借入実行残高-百万円、借入未実行残高5,000百万円)。
(3) 経営者の問題認識と今後の方針
当社グループの経営者は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めております。当社グループを取り巻く外部環境は、2023年5月に新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが変更されたこと等により経済活動の正常化が進み、個人消費やインバウンド需要が回復しつつある一方、円安の進行や原材料価格、エネルギー価格の高騰による物価上昇等もあり、依然として先行き不透明な状況が続いております。このような経営環境の中、将来に亘って持続的な成長を果たすために、新規のお客様の獲得に加え、既存のお客様の定着に向けた諸施策を、全社一丸となって取り組んでいく所存です。
[財務戦略の基本的な考え方]
次代を切り拓くアートネイチャーの礎を築くために、既存領域及び新領域の事業にバランスよく配分するとともに、安定的な経営を目指して、成長投資(含む設備投資)、手元資金、株主還元に振り向けることを財務戦略の基本的な考え方としています。
[成長投資]
[資金保有方針]
当社では、前受金残高を手元資金で担保するとともに、月商の約2.5ヶ月分とあわせて「岩盤資金」を維持することを基本方針としております。残りの現預金については、「戦略資金」と位置づけ、M&A等の積極的な事業投資に活用いたします。さらに、今後増加予定のフリーキャッシュフローのうち、配当原資を差し引いた金額を、追加の「戦略資金」として位置づけます。
[株主還元]
当社では、安定配当の維持に努めることを基本方針としております。また、連結配当性向40%以上を基本に年間配当28円を下限として、連結業績に応じた配当水準の向上(1円単位で増配)を図ります。但し、ROE10%超を達成する迄は、連結配当性向50%以上を基本とすること等を配当方針として定めております。