売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E03493 Japan GAAP

売上高

432.1億 円

前期

404.4億 円

前期比

106.9%

時価総額

261.0億 円

株価

759 (04/23)

発行済株式数

34,393,200

EPS(実績)

54.49 円

PER(実績)

13.93 倍

平均給与

429.6万 円

前期

422.5万 円

前期比

101.7%

平均年齢(勤続年数)

43.4歳(11.5年)

従業員数

2,293人(連結:3,891人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社および連結子会社12社(2023年3月31日現在)で構成され、オーダーメイドウィッグの製造・販売を主たる業務としております。

当社の主力製品であるオーダーメイドウィッグは、当社の店舗でお客様の頭部の形状を3D型取りシステムにて計測した後、当社グループの製造子会社2社(ANフィリピン社、ANMP社)に製造を委託しております。ウィッグを製造するための主要原材料である人毛および人工毛髪は、当社で一括購入し、子会社2社に対して無償支給しております。完成したオーダーメイドウィッグは当社が子会社より購入し、国内278ヶ所(2023年3月31日現在)の店舗を通じてお客様に納品しております。

女性向け既製品ウィッグは、当社グループの製造子会社であるANフィリピン社ならびにANMP社および、アジア諸国に所在する当社グループ外の製造委託先にて製造を行い、国内の別形態店舗(ジュリア・オージェ)87店(2023年3月31日現在)、NAO-ART38店(2023年3月31日現在)にて販売しております。

その他、国内子会社では、当社で取り扱う商品の購入等の便宜をはかることを目的として前払式特定取引業を営むAN友の会社、当社芸能ウィッグ事業の拡大を目的としたアート三川屋社を、海外子会社では中国における事業展開を目的としたANCN社や、シンガポールにおける事業展開を目的としたANSG社、マレーシアにおける事業展開を目的としたANMY社、タイにおける事業展開を目的としたANTH社を展開しております。

また、2019年に比較的安い価格帯のウィッグ事業への参入を目的としてNAO-ART社を子会社化、医薬品販売事業への参入を目的として「LABOMO ヘアグロウ ミノキシ5」を発売しております。2020年に医療関連サポート事業への参入を目的としてアートメディカル社を設立、2021年に中空型マイクロニードルの研究開発を進めるシンクランド株式会社に出資する等、新領域の事業への取り組みを進めております。

 

 

当社の事業ポートフォリオの推移は次表の通りです。

 

[当社の事業ポートフォリオの推移](2023年3月31日現在)

 

※画像省略しています。

以上に記載しました事業の系統図は、次の通りです。

 

 

[事業系統図](2023年3月31日現在)

※画像省略しています。

 

23/06/23

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大による活動制限の緩和に伴い、個人消費持ち直しの動きが見られるものの、ウクライナ情勢の長期化に伴う原油、原材料価格の高騰や為替相場の変動等による物価上昇圧力が個人消費に影響を及ぼしており、依然として先行き不透明な状況が続いております。

このような状況のもと、当社では、中期経営計画「アートネイチャーChallengeプラン」最終年度となり、前年度同様、既存領域を拡充するとともに、新事業の領域を更に拡大し「次代を切り拓くアートネイチャー」の礎を築いていくため、「業績伸長」「新領域の開拓」「採用の強化」「人財の育成」「市場との対話」「業務の刷新」の6つの「重点チャレンジ施策」を実践してまいりました。また、引き続き、新型コロナウイルス感染症の予防対策を徹底し、事業活動を実施してまいりました。

その結果、当連結会計年度の売上高は、43,209百万円(前連結会計年度比6.9%増)となりました。また、利益面では売上高の増加により、営業利益は3,573百万円(同18.3%増)、経常利益は3,534百万円(同16.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,874百万円(同55.7%増)となりました。

 

<男性向け売上高>

男性向け売上高については、新商品の販売や顧客定着策の推進等を実施した結果23,237百万円(前連結会計年度比2.5%増)となりました。

 

<女性向け売上高>

女性向け売上高については、新商品の好調な販売や展示試着会数及び販売数の増加等により13,023百万円(同10.5%増)となりました。

 

<女性向け既製品売上高>

女性向け既製品ウィッグの売上高については、入居する商業施設の来店客数増加による販売数の増加等により5,172百万円(同16.5%増)となりました。

 

(資産)

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末比1,445百万円増加し、47,956百万円となりました。これは、現金及び預金や商品及び製品が増加したこと等により流動資産が1,288百万円増加したことに加え、投資その他の資産が増加したこと等により固定資産が156百万円増加したことによるものです。

 

(負債)

当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末比114百万円増加し、22,028百万円となりました。これは契約負債、賞与引当金が増加したこと等により流動負債が311百万円増加したことに加え、その他固定負債の減少等により固定負債が196百万円減少したことによるものです。

 

(純資産)

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末比1,331百万円増加し、25,927百万円となりました。これは、主に利益剰余金が増加したこと等によるものです。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及びそれらの要因は以下のとおりであり、現金及び現金同等物(以下「資金」という)の期末残高は、前連結会計年度末比629百万円増加し、20,082百万円となりました。

 

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

税金等調整前当期純利益3,173百万円に加え、減価償却費902百万円、減損損失360百万円、賞与引当金の増加199百万円、退職給付に係る負債の増加132百万円があった一方、法人税等の支払1,464百万円、棚卸資産の増加493百万円、前受金の減少317百万円等により2,927百万円の資金収入(前連結会計年度は2,505百万円の資金収入)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

有形固定資産の取得による支出1,000百万円、無形固定資産の取得による支出217百万円、敷金及び保証金の差入による支出125百万円等により1,417百万円の資金支出(前連結会計年度は1,183百万円の資金支出)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

配当金の支払903百万円等により924百万円の資金支出(前連結会計年度は924百万円の資金支出)となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、また受注生産形態をとらない製品も多いため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

 

A.生産実績

当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)の生産実績を示すと、次のとおりであります。

 

品目

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

枚数(枚)

前年同期比(%)

オーダーメイドウィッグ

70,878

109.7

 

(注) 当社グループは、取り扱う品種が多品種であり、販売価格による表示が困難なため、生産数量にて記載しております。

 

B.受注実績

当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)の受注状況を示すと、次のとおりであります。

 

品目

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

受注高

(百万円)

前年同期比

(%)

受注残高

(百万円)

前年同期比

(%)

オーダーメイドウィッグ

23,845

104.6

11,826

99.7

 

 

 

C.販売実績

当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

男性向け事業(百万円)

23,237

102.5

女性向け事業(百万円)

13,023

110.5

女性向け既製品事業(百万円)

5,172

116.5

報告セグメント計(百万円)

41,433

106.5

その他(百万円)

1,775

114.6

合計(百万円)

43,209

106.9

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、連結会計年度末における資産・負債並びに連結会計年度における収益・費用の報告金額及び開示に与える見積りを必要とします。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、見積りには不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を及ぼすと考えています。

 

A.貸倒引当金等の引当金

貸倒引当金等の重要な引当金の計上基準は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)3.会計方針に関する事項(3) 重要な引当金の計上基準」をご参照ください。

 

B.退職給付に係る負債

従業員に対する退職給付に備えるため、当連結会計年度末における退職給付債務の見込額に基づき計上しております。

 

C.固定資産の減損

固定資産の減損については、管理会計上の区分や投資の意思決定を行う際の単位や事業の相互補完性等を考慮して合理的にグルーピングを行い、当該資産グループ単位で減損の兆候を把握しております。減損の兆候がある資産グループについては、その資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には減損を認識し、帳簿価額を回収可能価額まで減額して減損損失を計上しております。

 

 

D.繰延税金資産の回収可能性

繰延税金資産は将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高く税金負担額を軽減することができると認められる範囲内で計上しております。また、繰延税金資産は毎期見直しており、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除の全部又は一部が将来の税金負担額を軽減する効果を有さなくなったと判断した場合、計上していた繰延税金資産のうち回収可能性がない金額を取り崩しております。

 

E.資産除去債務

資産除去債務の計上基準は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(資産除去債務関係)」をご参照ください。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

A.経営成績等の分析

2021年3月期を初年度とする3ヵ年の中期経営計画の2023年3月期の状況は以下のとおりです。
当連結会計年度のセグメントごとの経営成績は、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。

なお、当連結会計年度の売上高については、43,209百万円(計画比2.9%増)となりました。利益について営業利益は3,573百万円(同69.7%増)、経常利益は3,534百万円(同64.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,874百万円(同64.8%増)となりました。

ROEは、計画比2.8ポイント増の7.5%となりました。

 

指標

2023年3月期(計画)

2023年3月期(実績)

2023年3月期(計画比)

売上高

41,991百万円

43,209百万円

2.9%増

営業利益

2,105百万円

3,573百万円

69.7%増

経常利益

2,155百万円

3,534百万円

64.0%増

親会社株主に帰属する

当期純利益

1,137百万円

1,874百万円

64.8%増

ROE(自己資本利益率)

4.7%

7.5%

2.8ポイント増

 

(注) 2023年3月期(計画)には、2022年5月13日に発表いたしました業績予想を記載しております。なお、業績予想の修正を2022年10月28日及び2023年1月30日に発表しております。

 

 

B.キャッシュ・フローの状況の分析

a.キャッシュ・フローの概況

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は下記のとおりであります。

 

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

自己資本比率(%)

57.4

58.3

55.8

52.4

53.5

時価ベースの自己資本比率(%)

48.0

48.2

50.4

49.7

53.1

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)

9.0

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

1,161.7

1,980.5

492.6

 

(注) 各指標の算出は、以下の算式によります。

自己資本比率=自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率=時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率=有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ=キャッシュ・フロー/利払い

※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

※ 株式時価総額は、期末株価終値に期末発行済株式数(自己株式除く)を乗じて算出しております。

※ キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを使用しております。

※ 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

b.財務政策

当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。

なお、当連結会計年度末において、取引銀行3行と5,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております(借入実行残高-百万円、借入未実行残高5,000百万円)。

 

(3) 経営者の問題認識と今後の方針

[経営者の問題意識]

当社グループの経営者は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めております。当社グループを取り巻く外部環境は、新型コロナウイルス感染症拡大による活動制限の緩和に伴い、個人消費持ち直しの動きが見られるものの、ウクライナ情勢の長期化に伴う原油、原材料価格の高騰や為替相場の変動等による物価上昇圧力が個人消費に影響を及ぼしており、依然として先行き不透明な状況が続いております。このような経営環境の中、将来に亘って持続的な成長を果たすために、新規のお客様の獲得に加え、既存のお客様の定着に向けた諸施策を、全社一丸となって取り組んでいく所存です。

 

[財務戦略の基本的な考え方]

次代を切り拓くアートネイチャーの礎を築くために、既存領域及び新領域の事業にバランスよく配分するとともに、安定的な経営を目指して、成長投資(含む設備投資)、手元資金、株主還元に振り向けることを財務戦略の基本的な考え方としています。

 

 

[成長投資]

事業

基本的な方針

オーダーメイド

ウィッグ事業

お客様満足の向上に注力し「アートネイチャーの真のファン」の数を増やすと共に、お客様の定着化に向けた施策を実践することで、安定的な成長を目指してまいります。メンズ部門においては、製品の差別化戦略を推進するべく、ソフト(人)・ハード(設備)両面の体制を整備してまいります。また、レディース部門においては、女性向け事業間の連携を強化し、ハイブリッド店舗の展開を強化してまいります。

女性向け既製品事業

出店数の拡大と共に、既存顧客に対する販売戦略を強化してまいります。また、オーダーメイドウィッグとの連携を強化することで、更なる業績の拡大を目指してまいります。

通信販売事業

アートネイチャーブランドの認知拡大に向けた取り組みを強化するとともに、新商品の投入により商品ラインアップや当社商品を取り扱うECサイトを増やす等、販路を拡大することで、業績拡大を目指してまいります。

海外事業

アフターコロナにおける営業を展開し、中国、シンガポール、タイ、マレーシアにおける当社ブランドの浸透と、地域に根差した販売施策によって潜在需要を掘り起こし、業績の拡大に取り組んでまいります。

生産部門関連

確立された開発フローに沿って新製品の開発を計画的に進めるとともに、海外生産子会社での一層の生産性向上と、さらなる原価低減に取り組み、生産から販売までの一貫体制の充実を図るべく投資を実践してまいります。また、生産体制では生産拠点分散、原材料備蓄等により、生産安定性を向上させるべく取り組んでまいります。

管理部門関連

各部門の戦略を実現していくため、お客様のニーズに的確に対応できるカウンセラー、スタイリストや販売スタッフの育成に向けた研修の充実と、マネジメント層の育成など人財教育のために投資を実践してまいります。また、設備については、安定的な設備の更新に努めることを基本方針として投資を実践してまいります。さらに、システムと各種制度の刷新等により、事務効率性を向上させ、コーポレートガバナンス・コードのサステナビリティ項目(「気候変動」、「人権尊重」、「人的資本」の各項目)の推進や、本部各部の主要ポストの後継者育成も実践してまいります。

 

 

[資金保有方針]

当社では、前受金残高を手元資金で担保するとともに、月商の約2.5ヶ月分とあわせて「岩盤資金」を維持することを基本方針としております。残りの現預金については、「戦略資金」と位置づけ、M&A等の積極的な事業投資に活用いたします。さらに、今後増加予定のフリーキャッシュフローのうち、配当原資を差し引いた金額を、追加の「戦略資金」として位置づけます。

 

[株主還元]

当社では、安定配当の維持に努めることを基本方針としております。