E02096 Japan GAAP
前期
18.0億 円
前期比
185.0%
株価
100 (04/26)
発行済株式数
35,129,566
EPS(実績)
-0.22 円
PER(実績)
--- 倍
前期
675.4万 円
前期比
103.9%
平均年齢(勤続年数)
41.0歳(7.4年)
従業員数
43人
当社グループ(当社、デジタルプロモーション株式会社、SS Lab.株式会社の3社で構成)は、LED(発光ダイオード)表示機を開発・販売するファブレスメーカー(製造設備等を自社で保有せず、外注先へ製造委託する業務形態をとるメーカー)であり、店舗に設置された表示機向けのコンテンツを作成して発信し、ネットワーク化することで、従来の看板やネオンサインとは異なる、全く新しい効果的な販促手段を提供しています。
事業のセグメントといたしましては、表示機器のリース・販売、販売促進を中心とした運営、メンテナンス等を行うデジタルサイネージ関連事業、地域に係るエリアファンマーケティング(地域密着型マーケティング)を行うValue creating事業に二分され、当社及びSS Lab.株式会社においてはデジタルサイネージ関連事業のみを、デジタルプロモーション株式会社においてはValue creating事業のみを営んでおります。
<デジタルサイネージ関連事業>
デジタルサイネージのリース・販売、並びに販売促進を中心とした運営、メンテナンスといった、デジタルサイネージに関するサービス全般を行う事業です。
事業内容としては以下の通りです。
・機器リース部門
デジタルサイネージのリース
・運営部門
デジタルサイネージ向けを中心とした映像配信サービスやメンテナンスの他、新たな販促支援サービスの提供
・情報機器部門
デジタルサイネージの製造・販売
<Value creating事業>
デジタルプロモーション株式会社が運営するValue creating事業につきましては、地域での企業のPR、ファン作り、集客からブランディング、また地方自治体の魅力あるコンテンツ開発など地域に係るエリアファンマーケティング(地域密着型マーケティング)を行っております。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に関する制限が徐々に緩和され、経済活動は緩やかに持ち直しつつあります。一方でウクライナ情勢の長期化、全世界的なインフレの進行によりエネルギー資源の物価上昇、外国為替市場での急激な円安・ドル高など景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
また、広告業界における総広告費は、15年ぶりに7兆円を超え、過去最高となり前年比は、104.4%となりました。媒体別でみると社会の急速なデジタル化を背景に、インターネット広告費は総広告費の43.5%を占めており、大きく成長を続けています。プロモーションメディア広告費のうち、屋外や交通のメディアについては、前年を上回っておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響が大きくプロモーションメディア広告費全体としては減少となりました。
このような状況の中、当社グループは感染リスクの低減を確保しつつ、「デジタルサイネージ業界No.1」を目指すべく積極的な拡大策を展開してまいりました。本施策の一環として2021年11月1日に実施した、株式会社プロテラスの一部事業の吸収分割は、当連結会計年度より年間通じて業績に寄与することとなり、売上高は大幅な増加となりました。一方で利益については、案件数が想定以上に増加したことに伴う外注費の増加等により、販管費が予想を上回ったことに加え、円安の影響による仕入れ価格の上昇や、マーケットにおける価格競争の影響による利益率の低下等により、見込を下回る結果となりました。
これらの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末における資産合計は3,056,936千円となり、前連結会計年度末に比べ582,848千円増加しました。
流動資産は、2,176,532千円となり、前連結会計年度末に比べ604,930千円増加しました。主な要因は、売掛金が増加したことによるものであります。
固定資産は、880,404千円となり、前連結会計年度末に比べ22,082千円減少しました。主な要因は、償却によるのれんの減少及びリース資産が減少したことであります。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債合計は1,591,680千円となり、前連結会計年度末に比べ599,086千円増加しました。
流動負債は、1,027,190千円となり、前連結会計年度末に比べ417,799千円増加しました。主な要因は買掛金及び短期借入金が増加したこと等によるものであります。
また、固定負債は、564,489千円となり、前連結会計年度末に比べ181,287千円増加しました。主な要因は、長期借入金及び預り保証金が増加したことによるものであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産合計は1,465,256千円となり、前連結会計年度末に比べ16,238千円減少しました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上によるものであります。
b.経営成績
当連結会計年度における業績は、売上高3,325,662千円と前年同期と比べ1,528,201千円(85.0%増)の増収、営業利益は、15,555千円(前年同期は56,441千円の営業損失)、経常利益は、10,827千円(同63,028千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は、7,785千円(同73,045千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
当連結会計年度における各セグメントの経営成績は、次のとおりです。
(a)デジタルサイネージ関連事業
デジタルサイネージ関連事業は3部門あり、機器リース部門では主にデジタルサイネージのリース、運営部門ではデジタルサイネージ向けを中心とした販促支援サービス(コンテンツ配信等のソフト面でのサービスやメンテナンスの他、新たな販促支援サービス)の提供、情報機器部門ではデジタルサイネージの製造・販売を行っております。
機器リース部門、運営部門につきましては、リースや月額利用料の契約といったサブスクリプションサービスであることから、契約の増加が安定的な収益につながっております。特に、CMS(コンテンツマネジメントシステム)「DiSi cloud」は堅調に推移しており、契約数、売上ともに増加いたしました。今後も「DiSi cloud」を軸とし、AIサイネージソリューション等を連携したデジタルプラットフォーム「MiRAi PORT」を積極的に展開してまいります。
情報機器部門につきましては、デジタルマーケティング、代理店との連携強化や上述した吸収分割などにより、 主力業界として取り組んでいるスタジアムやアリーナ等のスポーツ施設にて大型の案件を受注することができ、さらには新しいマーケットや新規顧客も開拓する事が出来ました。
以上の結果、デジタルサイネージ関連事業は売上高3,211,179千円(前年同期比89.1%増)、セグメント利益11,356千円(前年同期は64,439千円のセグメント損失)となりました。
(b)Value creating事業
デジタルプロモーション株式会社が運営するValue creating事業につきましては、自ら運営するハイパーローカルメディア「タウンビジョン」や地元密着の記者、各種SNSサービスの活用やターゲットユーザーに響くコンテンツ (記事、動画)制作により、地域での企業のPR、ファン作り、集客からブランディング、また地方自治体の魅力あるコンテンツ開発など地域に係るエリアファンマーケティング(地域密着型マーケティング)を行っております。 当事業はサブスクリプションモデルの事業が中心となっていることもあり、前期に引き続き安定的に収益を計上することができております。将来的に当社グループの基幹事業とするべく、今後も人員の増強等を積極的に行ってまいります。
以上の結果、Value creating事業は、売上高114,482千円(前年同期比14.9%増)、セグメント利益4,199千円(前年同期は7,998千円のセグメント利益)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ453,430千円減の421,244千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益10,827千円の計上や、のれん償却額107,164千円があったものの、売上債権の増加826,667千円、棚卸資産の増加131,674千円等により、513,864千円の支出(前年同期は11,858千円の収入)となりました。
有形固定資産の取得による支出72,757千円等により、129,118千円の支出(前年同期は60,951千円の支出)となりました。
長期借入金の返済による支出292,810千円等があったものの、長期借入による収入300,000千円や、短期借入による収入200,000千円により、189,553千円の収入(前年同期は183,582千円の支出)となりました。
a.生産実績
当社グループは、一部生産活動を行っておりますが、グループ全体における重要性が低いため、記載を省略しております。
当社グループは、受注から販売までの期間が短いため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。特に以下の事項は、会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(固定資産の減損)
減損損失の算定にあたっては、継続的に収支の把握を行っている管理会計上の区分を基礎として資産のグルーピングを行い、遊休資産については当該資産単独でグルーピングをしています。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては、将来キャッシュ・フローの見積額を用いた回収可能額により検討しております。
将来キャッシュ・フローの見積額は事業計画や市場環境を基に慎重に検討しておりますが、その前提とした条件や仮定に変化が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(連結子会社株式の評価)
関係会社株式については、評価額の著しい低下の有無を判断するにあたって、純資産価額を基準にしております。当該価額が下落し、事業計画に基づく回復可能性が合理的に認められないとされる場合、評価損を計上することにしております。事業計画には不確実性を伴い、その前提とした条件や仮定に変化が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性がございます。
(のれんの評価)
のれんの評価につきましては、連結財務諸表注記の「(重要な会計上の見積り)のれんの評価 (2)識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報」に記載のとおりであります。
②資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要の主なものは、商品及び製品の購入等の設備投資及びソフトウェア・コンテンツ開発によるものであります。
中長期的に安定した成長を遂げるため、「デジタルサイネージ関連事業」「Value creating事業」の両事業において、ソフトウェア・コンテンツの開発が必要と考えており、今後の機動的な開発投資に備えるべく、当面は相応の現預金を保有しておく必要があると認識しております。そのため、財務基盤を強化するとともに、長期借入により必要資金を調達することを考えております。
なお、当連結会計年度末の借入金総額840,572千円に対し、現金及び預金は421,244千円であります。
③当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの重要な経営指標であるROA・ROEについて、当連結会計年度の実績は次のとおりであります。
当連結会計年度の実績については、前連結会計年度と比して回復しているものの、ROA、ROEともに低調な結果となりました。
両指標に共通する売上収益率、総資産回転率の向上を図り、ROEに関しては、一定水準以下の財務レバレッジ(一定水準以上の自己資本比率)の中で最適値を検討し、中長期的に資本コストを上回るROEを目指してまいります。
具体的な経営戦略につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)中長期的な会社の経営戦略」をご参照下さい。