売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

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最終更新:

E00720 Japan GAAP

売上高

329.4億 円

前期

306.0億 円

前期比

107.7%

時価総額

70.6億 円

株価

804 (04/19)

発行済株式数

8,781,000

EPS(実績)

95.66 円

PER(実績)

8.40 倍

平均給与

520.6万 円

前期

516.5万 円

前期比

100.8%

平均年齢(勤続年数)

42.3歳(16.7年)

従業員数

480人(連結:1,016人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

当社グループは、当連結会計年度末において当社および関係会社16社(連結子会社12社、持分法非適用非連結子会社3社、持分法非適用関連会社1社)により構成され、印刷セグメント(印刷事業、半導体関連マスク事業)と物販セグメント(物販事業)という2つのセグメントを持っております。主な会社の、それぞれの事業との関わりは次のとおりです。

 

①印刷セグメント

a.印刷事業

当社が商業印刷(カタログ、チラシ他)を中心とする印刷物の制作・印刷や、印刷物を起点とした顧客の販売促進支援事業等を、日栄印刷紙工株式会社が紙器類の製造及びラベル・シール類の印刷を、株式会社光風企画が印刷物の企画・デザインを担当しており、東海プリントメディア株式会社は、日刊新聞の印刷を行っております。また、上海竹田包装印務技術有限公司が、中国における包装材・紙器類の企画・販売を、大連光華軟件技術有限公司が、印刷用データの制作を、それぞれ担当しております。TAKEDA PRINTING (Thailand) CO.,LTD.は、包装用資材及び印刷物の企画・製造・販売を行っております。株式会社千代田プリントメディアは、商業印刷物、出版印刷物等の企画・制作を行っております。

 

b.半導体関連マスク事業

当社がICパッケージや各種基板用他のスクリーンマスク、フォトマスクの設計・製造等を、株式会社プロセス・ラボ・ミクロンがプリント基板への電子部品表面実装用他のメタルマスクの設計・製造等を、東京プロセスサービス株式会社が、各種電子部品用のスクリーンマスク、フォトマスクの設計・製造等を、株式会社トープロケミカルが、東京プロセスサービス株式会社のマスク製造に必要な資材の購入を、それぞれ行っております。

PROCESS LAB.MICRON VIETNAM CO.,LTD.は、ベトナムの顧客向けに、電子部品表面実装用等のメタルマスクの製造を行っております。TOKYO PROCESS SERVICE(Thailand)CO.,LTD.は、タイにおける精密工業写真製版、スクリーン製版及び製版用資機材の製造販売を行っております。富来宝米可龍(蘇州)精密科技有限公司は中国の顧客向けに、電子部品表面実装用等のメタルマスクの製造を行っております。

 

②物販セグメント:物販事業

株式会社光文堂が、印刷機械、その周辺機器及び印刷資材の仕入・販売を、株式会社ウィルジャパンが、事務用品類等の企画・販売をそれぞれ担当しております。

 

当社グループにおける事業の系統図は次頁のとおりです。

 

 

当連結会計年度末の当社グループにおける事業の系統図

 

※画像省略しています。

 

(注)1.無印は連結子会社、*は持分法非適用非連結子会社、**は持分法非適用関連会社であります。

2. → は製品、商品及びサービスの流れを示しています。

3.2022年4月1日に設立いたしました竹田印刷分割準備株式会社は、2023年4月1日付での持株会社体制への移行を行うための準備会社として設立されており、当連結会計年度においては事業活動およびセグメント管理を行っていないため、上記系統図には含めておりません。

 

なお、2023年4月1日付で、当社は持株会社体制に移行しております。持株会社体制移行後における事業系統図は、次頁のとおりです。

 

 

 

持株会社体制移行後の当社グループにおける事業系統図

 

※画像省略しています。

 

(注)1.無印は連結子会社、*は持分法非適用非連結子会社、**は持分法非適用関連会社であります。

2. → は製品、商品及びサービスの流れを示しています。

3.2023年4月1日付で、当社は「竹田iPホールディングス株式会社」へ商号変更しております。

4.2023年4月1日付で、当社が営む印刷事業を「竹田印刷株式会社」(2023年4月1日付けで竹田印刷分割準備株式会社より商号変更)が承継し、同じく半導体関連マスク事業は「竹田東京プロセスサービス株式会社」(2023年4月1日付けで東京プロセスサービス株式会社より商号変更)が承継しております。

5.2023年4月1日付で、竹田東京プロセスサービス株式会社は株式会社トープロケミカルを吸収合併いたしました。

 

23/06/29

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

 

① 財政状態および経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による社会経済活動への制限が緩和され、持ち直しの兆しが見られました。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化等によるエネルギー価格や原材料価格の高騰、為替市場での急激な円安が進行するなど、景気の先行きは不透明な状況となっております。

新型コロナウイルス感染症に対しては、当社グループでは社員および家族の健康と安全に配慮しつつ、顧客への製品やサービスの提供に影響を及ぼすことがないよう、感染予防と事業継続に取り組んでまいりました。

 

当社グループが事業活動を展開する国内の印刷市場におきましては、デジタル化の進展による紙媒体の縮小、競争の激化、価格の低迷という構図が長期にわたり継続していることに加えまして、エネルギー価格や原材料価格の高騰も重なり、大変厳しい状況が続いております。社会経済活動の正常化が進み、顧客における社内広報活動および販売促進活動は回復傾向にありますが、断続的に実施されている印刷用紙の値上げが広告宣伝媒体のデジタル化(紙離れ)を一層加速させ、社内報、カタログ、チラシ等の商業印刷物が減少を続けており、以前の水準に回復することは困難な状況です。

 

このような状況において、当社はコア事業における競争力の強化、新事業開発の強化、事業活動を支える経営基盤の強化という3つの改革を掲げ、事業構造改革を進めております。

その実現に向けて、顧客第一の基本方針のもと健全な危機感を持ち、印刷物の提供により、顧客の広告宣伝活動を支援する従来型のビジネスモデルから領域を広げ、印刷物に限らない多種多様なソリューションを複合的且つ効果的に組み合わせたワンストップソリューションの提供により、顧客の課題解決を総合的に支援するビジネスパートナーへ、ビジネスモデルの転換を図っております。

この取り組みを強力に推進し、顧客にとっての価値(顧客価値)を創造し、その価値に見合った収益に結びつけることで業績向上に努めております。同時に、半導体関連マスク事業の充実を図り、国内印刷市場の縮小に耐え得る収益構造の構築を進めております。なお、エネルギー価格や原材料価格の高騰には、代替品の購入、生産性向上、経費削減等を行うとともに、顧客には販売価格への転嫁だけではなく、品質を維持しつつコスト削減を実現するVA提案を積極的に行っております。

 

こうした取り組みの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a. 財政状態

当連結会計年度末の資産の部は、受取手形及び売掛金、建物、土地などが減少いたしましたが、現金及び預金、建設仮勘定、投資有価証券などの増加により、前連結会計年度末に比べ9億21百万円増加し、298億92百万円となりました。

負債の部は、1年内返済予定の長期借入金、リース債務などが減少いたしましたが、電子記録債務、長期借入金などの増加により、前連結会計年度末に比べ32百万円増加し、140億70百万円となりました。

純資産の部は、利益剰余金などの増加により前連結会計年度末に比べ8億89百万円増の158億21百万円となり、自己資本比率は52.5%となりました。

 

b. 経営成績

当社グループの当連結会計年度における売上高は328億63百万円(前期比7.4%増)となりました。利益面では、営業利益9億39百万円(前期比15.5%増)、経常利益10億61百万円(前期比15.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益8億40百万円(前期比10.8%増)となりました。

 

セグメント別の状況は、以下のとおりです。

 

<印刷セグメント 印刷事業>

印刷事業では大変厳しい市場環境の下、品質管理と情報セキュリティ管理を徹底した上で、紙媒体需要を着実に取り込むとともに、全体最適での生産設備の見直しによる低コスト生産体制の実現、ビジネスモデルにマッチした社内体制の再構築などの事業構造改革を進めております。

前述のビジネスモデルの転換を図るため、全社横断の事業強化プロジェクトを推進し、ワンストップソリューション提案を強化しております。具体的な取り組みとしては、ロジスティクスサービス、各種BPOやイベント等の受託、通販サイトの運営、システム構築など、紙媒体に限らない多種多様なソリューションをワンストップで提供し、社会経済活動の正常化に伴い回復する広告宣伝需要を取り込みました。

また、顧客におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進をビジネスチャンスとして捉え、物流の課題をワンストップで解決する受発注管理システムのプラットフォーム「TS-BASE」の販売を強化するとともに、紙媒体の社内報のデザイン性をそのままに「見せる社内報」をコンセプトとするWeb社内報パッケージシステム「Yomikatsu!」の販売を開始するなど、デジタル関連サービスを強化しました。

 

<印刷セグメント 半導体関連マスク事業>

半導体関連マスク事業では、当社、㈱プロセス・ラボ・ミクロン、東京プロセスサービス㈱の3社によるグループ全体最適とシナジーの最大化を図るとともに、海外事業を強化いたしました。なお、当社の半導体関連マスク事業は、2023年4月1日付けで東京プロセスサービス㈱(同日付で竹田東京プロセスサービス㈱に商号変更)に承継いたしております。

世界的な半導体不足や顧客の在庫調整が継続するなか、第3四半期連結累計期間までは、スマートフォン向け等の一部製品にて出荷減少がありましたが、車載向け製品が回復基調に入るとともに、第5世代移動通信システム(5G)やサーバー向け等の製品が堅調に推移いたしました。海外事業では、当社グループが拠点を構えるベトナムやタイにおいて、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による営業活動の制限や顧客工場の稼働停止がございましたが、それも解消し業況は回復に向かいました。

しかしながら、懸念しておりました米中貿易摩擦による影響が昨年末から顕在化し、世界半導体市場が急速に減速したため、当社グループにおける半導体関連マスク事業も減速を余儀なくされました。

 

上記の結果、印刷セグメントの売上高は218億86百万円(前期比4.0%増)、営業利益は6億16百万円(前期比5.5%減)となりました。

 

<物販セグメント 物販事業>

物販事業では、印刷事業と同様に厳しい市場環境にありますが、印刷関連総合商社のリーディングカンパニーとして、日本全国に展開する拠点を活用し、顧客ニーズの発掘ときめ細かなフォローの徹底によるシェア拡大を図っております。

社会経済活動の正常化に伴う設備投資需要の回復が続いており、新規顧客の開拓やものづくり補助金制度を活用した取り込みを強化いたしました。また、2023年1月に印刷機材の総合展示会「Print Doors 2023(第59回光文堂 新春機材展)」を開催するほか、全国各地でのイベント出展による広告宣伝活動を積極的に行いました結果、資材販売と機械販売の両面で増収となりました。

利益面では、増収効果や利益率の高い自社ブランド製品の販売が好調であったことに加えて、仕入価格の高騰には顧客への丁寧な交渉により販売価格への転嫁を行うとともに経費削減を徹底した結果、増益となりました。

 

上記の結果、物販セグメントの売上高は113億61百万円(前期比12.8%増)、営業利益は3億8百万円(前期比107.5%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ5億75百万円増加し、59億21百万円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払額3億2百万円などに対し、税金等調整前当期純利益11億26百万円、減価償却費8億52百万円、仕入債務の増加4億77百万円などがあったため、22億35百万円の収入(前期は16億15百万円の収入)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却による収入2億51百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入1億50百万円などに対し、有形固定資産の取得による支出8億26百万円、無形固定資産の取得による支出1億50百万円、投資有価証券の取得による支出1億46百万円などがあったため、7億72百万円の支出(前期は6億51百万円の収入)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金による収入6億円などに対し、長期借入金の返済による支出10億3百万円、リース債務の返済による支出3億24百万円、配当金の支払額1億47百万円などがあったため、9億円の支出(前期は16億35百万円の支出)となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

(1)生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

印刷

22,751

3.7

物販

合計

22,751

3.7

(注)生産実績は、販売価額により表示しております。

 

(2)受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比

(%)

受注残高(百万円)

前期比

(%)

印刷

23,208

8.1

4,496

41.6

物販

11,540

14.2

283

172.6

合計

34,749

10.0

4,780

45.8

 

(3)販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

印刷

21,886

4.0

物販

11,361

12.8

消去

△384

△25.4

合計

32,863

7.4

(注)販売実績は、販売価額により表示しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 経営成績

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度(以下「前期」)に比べ22億63百万円増加し、328億63百万円(前期比7.4%増)となりました。印刷事業と物販事業が回復した一方で、半導体関連マスク事業では、昨年末より半導体市況が急速に冷え込んだ影響により、第4四半期は減速を余儀なくされ、前期並みとなりました。売上原価は、エネルギー価格や原材料価格の高騰などの影響もあり、前期に比べ20億51百万円増加し262億47百万円(前期比8.5%増)となり、売上原価率は前期の79.1%から79.9%へ悪化しました。販売費及び一般管理費は、前期に比べ85百万円増加し56億77百万円(前期比1.5%増)となりました。この結果、営業利益は前期と比べ1億26百万円増加し、9億39百万円(前期比15.5%増)となりました。

営業外収益は、前期と比べ28百万円減少し2億20百万円(前期比11.3%減)となり、営業外費用は、前期と比べ41百万円減少し98百万円(前期比29.9%減)となりました。この結果、経常利益は前期と比べ1億39百万円増加し10億61百万円(前期比15.2%増)となりました。

特別利益は、前期に当社関東地区の拠点売却等による固定資産売却益3億46百万円を計上したため、前期と比べ3億11百万円減少し75百万円(前期比80.5%減)となりました。特別損失は、前期に減損損失1億24百万円と工場建替関連費用99百万円を計上したため、前期に比べ2億77百万円減少し、10百万円(前期比96.4%減)となりました。

法人税等合計は、前期と比べ25百万円増加し、2億84百万円(前期比9.8%増)となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期と比べ82百万円増加し8億40百万円(前期比10.8%増)となりました。

 

b. 経営成績等に重要な影響を与えた要因

印刷事業および物販事業では、デジタル化の進展による紙媒体の縮小、競争の激化、価格の低迷という構図が長期にわたり継続していることに加えまして、エネルギー価格や原材料価格の高騰などの影響を受けました。特に、断続的に実施されている印刷用紙の値上げは、広告宣伝媒体のデジタル化(紙離れ)を一層加速させており、主力製品であります社内報、カタログ、チラシ等の商業印刷物が減少を続けており、以前の水準に回復することは困難な状況となっております。

このような大変厳しい状況下において、上記のとおり業績が回復した要因としましては、当社がめざすビジネスモデルである「ワンストップソリューションの提供により、顧客の課題解決を実現するビジネスパートナー」の実現に向けて、コア事業における競争力の強化、新事業開発の強化、事業活動を支える経営基盤の強化という3つの改革を掲げる事業構造改革の成果と認識しております。

第4四半期に減速しましたが半導体関連マスク事業が堅調であったことに加えまして、社会経済活動の正常化も進み、印刷事業における社内広報活動および販売促進活動や物販事業における設備投資需要の回復も寄与しました。エネルギー価格や原材料価格の高騰には代替品の購入、生産性向上、経費削減とともに、顧客には販売価格への転嫁に頼るのではなく、品質を維持しつつコスト削減を実現するVA提案を行い、顧客満足度の維持向上に努めました。

 

セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりです。

 

<印刷セグメント 印刷事業>

印刷事業では、印刷物の提供により、顧客の広告宣伝活動を支援する従来型のビジネスモデルから領域を広げ、印刷物に限らない多種多様なソリューションを複合的且つ効果的に組み合わせたワンストップソリューションの提供により、顧客の課題解決を総合的に支援するビジネスパートナーへ、ビジネスモデルの転換を進めています。多様化している製品やサービスの収益性や成長性を見極め、更なる事業強化と成長分野への積極投資を行っております。また、全体最適での生産設備の見直しによる低コスト生産体制の構築、ビジネスモデルにマッチした製造体制の再構築、子会社との連携などを進めております。

今後も紙媒体需要の取り込みを継続してまいりますが、当社が持つ制作体制、情報セキュリティ体制、システム構築力を駆使し、ロジスティクスや各種BPO受託、WEB・システムや動画などのデジタル媒体の制作を強化いたします。厳しい状況が続いておりましたイベントプロモーション受託におきましても、新型コロナウイルス感染症が収束に向かいつつあり、これまでの自粛の反動により需要は確実に回復するものと予想しております。

また、企業の働き方改革は今後も進むことが予想され、顧客におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進をビジネスチャンスとして捉えております。物流の課題をワンストップで解決する受発注管理システムのプラットフォーム「TS-BASE」には多くの引き合いをいただいており、サービスメニューの充実を継続しております。また、社内報制作やデジタルマーケティングのノウハウを活用したWeb社内報パッケージシステム「Yomikatsu!」を開発するなど、今後もデジタル関連サービスを強化し、顧客の課題解決をご支援してまいります。

 

<印刷セグメント 半導体関連マスク事業>

半導体関連マスク事業では、世界的な半導体不足や在庫調整が継続しておりましたが、コロナ禍における巣ごもり需要の高まりもあり、第5世代移動通信システム(5G)やサーバー向け等の製品が堅調に推移してまいりました。しかしながら、米中貿易摩擦による影響が昨年末から顕在化し、世界半導体市場が冷え込んだため、当社グループにおける半導体関連マスク事業も減速を余儀なくされました。

車載向け製品などが回復基調に入るとともに、当社グループが拠点を構えるベトナムやタイにおいて、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による営業活動の制限や顧客工場の稼働停止も解消し業況が回復に向かうなど、明るい材料もございますが、今回の世界半導体不況は当面続くものと予想しております。その間は、当社グループの強みである技術開発力、製品の安定供給力、グローバル展開力の総合力に磨きをかけ、市場が再び成長サイクルに入る機会に備えてまいります。また、子会社の㈱プロセス・ラボ・ミクロンでは、本社工場新棟建設と設備投資を行い、生産体制を強化いたします。

印刷事業ではマイナス要因となる「デジタル化の進展」が、本事業では逆に追い風となります。リスク分散の意味合いにおきましても、グループ全体最適とシナジーの最大化を図り、半導体関連マスク事業を強化してまいります。

 

<物販セグメント 物販事業>

物販セグメント(物販事業)は、顧客ニーズの発掘ときめ細かなフォローの徹底によるシェア向上のほか、異業種を含めた新規顧客の開拓、利益率の高い自社ブランド製品の販売強化、それを支える人材育成などによる総合力で他社との差別化を図り、売上・利益の確保をめざしてまいります。

印刷事業同様に厳しい環境下ではありますが、当連結会計年度においてはコロナ禍で停滞しておりました顧客の設備投資需要に回復が見られました。全国各地でのイベント出展による広告宣伝活動を積極的に行い、新規顧客の開拓やものづくり補助金制度を活用した取り込みを強化しました。一方、印刷関連市場の停滞により、顧客における経営環境の悪化に加えて、新型コロナウイルス感染症の影響による関連倒産が世界的にも不安視されており、今後も与信管理面でも慎重な取引が求められる状況は続いております。

顧客のビジネススタイルや市場環境の変化に対応し、営業スタイルも変革してまいります。従来からの訪問による売り込み型の営業だけではなく、顧客の事業内容を熟知し、最適な製品やサービスを提案する、顧客にとってのナンバーワンのビジネスパートナーをめざしております。今後も常に良質な情報発信を行い、顧客に選ばれ、頼りにされるサプライヤーとしての地位を確立してまいります。

 

c. 中長期的な目標に照らした経営成績の分析・評価

「目標とする経営指標」で述べましたように、当社グループのめざすところは、顧客にとっての価値を創造あるいは増大させることにより、顧客との長期的な信頼関係を築くとともに、営業利益率を高めて行くことです。当連結会計年度の営業利益率は2.9%となりました。

当連結会計年度を含む直近5期の営業利益率の推移は、1.6%→1.4%→1.2%→2.7%→2.9%という状況です。2期連続で改善を続けております。将来的には、安定的に5%レベルの営業利益を計上できる状況をめざしてまいります。そのためには、前述いたしました、印刷事業におけるビジネスモデルへの転換が必須であり、そのスピードを速めることが重要であると考えております。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報

当連結会計年度におけるフリー・キャッシュ・フローは14億63百万円となり、当年度末の現金及び現金同等物は59億21百万円となりました。この金額は、運転資金、設備投資に必要な資金、将来の柱となる事業の開発あるいは取得に必要な資金として適正な水準であると考えておりますが、必要に応じて躊躇なく借入などのアクションを取り、タイミングを逃すことなくM&A等の必要な投資に積極的に取り組んでいきたいと考えております。

その施策の一つとして、今後の積極的な事業展開に必要な資金需要に対し、機動的且つ安定的な資金調達手段を確保することで財政基盤の強化並びに安定性向上を図ることを目的として、株式会社三菱UFJ銀行及び株式会社三井住友銀行との間でコミットメントライン契約を締結しております。株式会社三菱UFJ銀行とは契約極度額15億円、株式会社三井住友銀行とは同10億円を個別相対方式、無担保・無保証にて各々締結しております。なお、当連結会計年度末における借入実行残高はございません。

 

③ 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。その作成に当たっては、決算日における資産・負債及び当連結会計年度における収益・費用の報告金額、並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会社方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」をご参照ください。