売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E00692 Japan GAAP

売上高

1.68兆 円

前期

1.64兆 円

前期比

102.4%

時価総額

1.45兆 円

株価

4,538 (07/12)

発行済株式数

318,706,240

EPS(実績)

233.43 円

PER(実績)

19.44 倍

平均給与

756.8万 円

前期

706.0万 円

前期比

107.2%

平均年齢(勤続年数)

43.0歳(14.8年)

従業員数

1,676人(連結:53,712人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当社グループ(当社、連結子会社225社、持分法適用非連結子会社3社及び持分法適用関連会社31社(2024年3月31日現在)により構成)におきましては、情報コミュニケーション事業分野、生活・産業事業分野及びエレクトロニクス事業分野の3事業分野にわたり幅広い事業活動を展開しております。各事業における当社グループの主な事業内容と、各事業に係る位置付け等及びセグメントとの関連は次のとおりであります。

 

セグメント

区分

主要な製品

主要な関係会社

情報コミュニケーション事業分野

デジタルビジネス関連

ギフトカードASPサービス、RFIDソリューション、決済関連サービス、電子書籍、デジタルマーケティングサービス、デジタルコンテンツ制作、アプリケーション開発など

(製造販売)TOPPAN㈱、TOPPANエッジ㈱、

TOPPANデジタル㈱、㈱BookLive、

TOPPAN Next Pte. Ltd.

 

BPO関連

バックオフィス業務代行、顧客コンタクト業務など

(製造販売)TOPPAN㈱、TOPPANエッジ㈱

セキュアメディア関連

証券類全般、データ・プリント・サービス、ICカード、ICタグ、偽造防止デバイスなど

(製造販売)TOPPAN㈱、TOPPANエッジ㈱、

TOPPANデジタル㈱、TOPPAN Next Pte. Ltd.

(製  造)㈱トッパンコミュニケーションプロダクツ

コミュニケーションメディア関連

ビジネスフォーム、書籍、雑誌、教科書、カタログ、パンフレット、POPなどのSPツール、プロモーション・イベントの企画・運営など

(製造販売)TOPPAN㈱、TOPPANエッジ㈱、図書印刷㈱、

東京書籍㈱、TOPPAN Next Pte. Ltd.、

㈱トータルメディア開発研究所

(製  造)㈱トッパンコミュニケーションプロダクツ、

㈱トッパングラフィックコミュニケーションズ

生活・産業事業分野

パッケージ関連

軟包材、紙器、液体複合容器、プラスチック成形品、コントラクト・受託充填、透明バリアフィルム、リチウムイオン二次電池外装材など

(製造販売)TOPPAN㈱、タマポリ㈱、

     InterFlex Investment Holdings, Inc.、

Toppan Speciality Films Private Limited、

     PT. KARYA KONVEX INDONESIA、

     Toppan Packaging Czech s.r.o.

(製  造)㈱トッパンパッケージプロダクツ、

トッパンプラスチック㈱  

建装材関連

化粧シート、床材、化粧板、エクステリア建材、不燃商材など

(製造販売)TOPPAN㈱、INTERPRINT GmbH、

     Toppan Interamerica Inc.

(製  造)㈱トッパン建装プロダクツ

その他

インキ製造など

(製造販売)artience㈱    

エレクトロニクス事業分野

ディスプレイ関連

ディスプレイ用カラーフィルタ、反射防止フィルム、中小型TFT液晶パネル、調光フィルムなど

(製造販売)TOPPAN㈱、     

㈱トッパンTOMOEGAWAオプティカルフィルム

(製  造)㈱トッパンエレクトロニクスプロダクツ

半導体関連

フォトマスク、FC-BGA基板など

(製造販売)TOPPAN㈱、㈱トッパンフォトマスク、

     Toppan Printing Co. (America), Inc.

(製  造)㈱トッパンエレクトロニクスプロダクツ

 

 

 

以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。

 

※画像省略しています。

 

24/06/27

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(業績等の概要)

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①  財政状態及び経営成績の状況

当期におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の行動制限解除に伴う経済活動の正常化に加え、インバウンド需要の持ち直しもあり、緩やかな回復基調となりました。一方で、世界的な金融引き締めによる景気の下押しリスクに加え、物価上昇や急激な為替変動など、先行き不透明な状況が続きました。

当社グループを取り巻く環境におきましては、情報媒体のデジタルシフトによるペーパーメディアの需要減少が続きましたが、生活様式の変化に伴うデジタル需要の増加や地球環境に対する意識の高まりなど、新たな需要が見込まれております。

このような環境の中で当社グループは、「Digital & Sustainable Transformation」をキーコンセプトに、社会やお客さま、TOPPANグループのビジネスを、デジタルを起点として変革させる「DX(Digital Transformation)」と、事業を通じた社会的課題の解決と持続可能性を重視した経営を目指す「SX(Sustainable Transformation)」を柱に、ワールドワイドで事業を展開しております。なお、当社はグループシナジーの最大化を図るとともに、経営資源の最適配分及び迅速な意思決定を可能とするため、2023年10月1日付で「TOPPAN株式会社」及び「TOPPANデジタル株式会社」に当社が有する権利義務の一部を承継させ、持株会社体制へと移行するとともに、商号を「TOPPANホールディングス株式会社」へ変更いたしました。

なお、各セグメントの内訳について、当期よりスタートしている新中期経営計画に基づく成長戦略に沿って名称及び区分定義を見直しております。報告セグメントの取扱いに変更はありません。

報告セグメント

前期の区分

当期の区分

情報コミュニケーション事業分野

セキュア

コンテンツ・マーケティング

BPO

デジタルビジネス

BPO

セキュアメディア

コミュニケーションメディア

生活・産業事業分野

パッケージ

建装材

高機能

パッケージ

建装材

 

以上の結果、当期の売上高は前期に比べ2.4%増1兆6,782億円となりました。また、営業利益は持株会社への移行に伴う一過性の統合費用の増加等により3.1%減742億円、経常利益は2.0%増828億円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は22.2%増743億円となりました。

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。なお、上記の持株会社への移行に伴う統合費用のうち、全社費用は各セグメントに配分しておりません。

 

a   情報コミュニケーション事業分野

デジタルビジネス関連では、デジタルギフトや金融系WEBシステム開発などのデジタルセキュアや欧州や中東を中心としたグローバルセキュア、流通・小売業界向けのリテールメディア開発などのデジタルマーケティングが増加し、増収となりました。メタバースの取り組みとしては、バーチャルモールアプリ「メタパ®」に、顧客企業独自の会員DBやチャットボットなどのオリジナル機能を実装することで、目的に合わせたメタバース運用を可能とするサービス「Powered by Metapa」の提供を開始いたしました。

BPO関連では、金融・行政・公共インフラ分野を中心に案件数は増加したものの、昨年度の一過性案件の反動により、減収となりました。

セキュアメディア関連では、ICカード関連が増加したものの、データ・プリント・サービスなどが減少し、減収となりました。

コミュニケーションメディア関連では、商業印刷やSP関連が減少したものの、ゲームカードや書籍などの出版印刷が増加し、増収となりました。

以上の結果、情報コミュニケーション事業分野の売上高は前期に比べ1.4%増9,000億円、営業利益は6.6%増456億円となりました。

 

b   生活・産業事業分野

パッケージ関連では、海外は、インドで豪雨による工場浸水被害や需給バランス悪化に伴う市場価格下落の影響を受けましたが、欧米やアジアで食品向けなどの需要が増加し、増収となりました。国内は、レンジ活用や脱アルミなどのニーズに対応した、世界最高水準のバリア性能を持つ「GL BARRIER」を用いたSXパッケージが拡大し、当事業全体で増収となりました。また、グローバルパッケージ事業の拡大に向け、Toppan Speciality Films社において基材フィルムからバリアフィルムまでの一貫生産体制を構築し、コストや品質面での競争力及びモノマテリアル化ニーズへの対応力を強化いたしました。

建装材関連では、海外は、欧米でのインフレによる住宅金利の上昇や中国経済減速の影響を受けましたが、新興国市場の開拓を進めた他、国内は、環境配慮型化粧シートや高意匠・高機能建材とソリューションサービスを組み合わせた空間演出ブランド「expace(エクスペース)」を拡販し、当事業全体で前年並みとなりました。

以上の結果、生活・産業事業分野の売上高は前期に比べ3.2%増5,374億円、営業利益は16.6%増274億円となりました。

 

c   エレクトロニクス事業分野

半導体関連では、半導体市況の回復が遅れる中、フォトマスクは、アジア向けの需要を取り込み堅調に推移したことに加え、高密度半導体パッケージのFC-BGA基板は、大型・高多層の高付加価値品が、データセンターのサーバー向けを中心に拡大し、当事業全体で増収となりました。

ディスプレイ関連では、全般的な市況は弱含みに推移する中、反射防止フィルムは、ノートPCやモニター向けの高付加価値品の需要を取り込み増加しましたが、TFT液晶パネルは、車載向けなどの需要が減少し、当事業全体では減収となりました。

新事業の創出に向けては、スイッチ1つで透明と不透明を瞬時に切り替えられる液晶調光フィルム「LC MAGIC™」や工場や施設における環境データの遠隔監視や設備保全業務を効率化するシステム「e-Platch™(イープラッチ)」の拡販に取り組みました。

以上の結果、エレクトロニクス事業分野の売上高は前期に比べ4.4%増2,665億円、営業利益は2.9%増495億円となりました。

 

財政状態の状況は、次のとおりであります。

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,940億円増加2兆4,328億円となりました。これは現金及び預金が582億円、投資有価証券が572億円、受取手形、売掛金及び契約資産が165億円、機械装置及び運搬具が121億円、建設仮勘定が103億円、繰延税金資産が86億円、それぞれ増加したことなどによるものです。
  負債は、前連結会計年度末に比べ789億円増加8,655億円となりました。これは協力会社への支払条件の見直しなどにより電子記録債務が258億円、支払手形及び買掛金が157億円、それぞれ減少したものの、流動負債のその他に含まれる預り金が614億円、繰延税金負債が203億円、固定負債のその他に含まれる長期預り敷金保証金が153億円、未払法人税等が143億円、流動負債のその他に含まれる契約負債が100億円、それぞれ増加したことなどによるものです。
  純資産は、前連結会計年度末に比べ1,151億円増加1兆5,673億円となりました。これはその他有価証券評価差額金が513億円、非支配株主持分が234億円、為替換算調整勘定が220億円、利益剰余金が171億円、それぞれ増加したことなどによるものです。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ752億円増加し5,228億円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益1,259億円に減価償却費等の非資金項目、営業活動に係る債権・債務の加減算を行った結果、1,575億円の収入となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却及び償還による収入があった一方、設備投資などを行ったことから、86億円の支出となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得や配当金の支払、長期借入金の返済などを行ったことから、856億円の支出となりました。

 

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

情報コミュニケーション事業分野

882,985

0.4

生活・産業事業分野

530,867

2.1

エレクトロニクス事業分野

267,693

4.6

合    計

1,681,546

1.6

 

(注) 上記金額は、販売価額によっており、セグメント間の取引につきましては相殺消去しております。

 

(2) 受注状況

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

情報コミュニケーション事業分野

903,697

2.5

71,431

41.9

生活・産業事業分野

520,507

1.8

98,295

△8.3

エレクトロニクス事業分野

288,624

△25.1

192,603

13.2

合    計

1,712,829

△3.7

362,331

10.6

 

(注) 上記金額は、販売価額によっており、セグメント間の取引につきましては相殺消去しております。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

情報コミュニケーション事業分野

882,620

1.3

生活・産業事業分野

529,443

3.3

エレクトロニクス事業分野

266,185

4.5

合    計

1,678,249

2.4

 

(注) 1  セグメント間の取引につきましては相殺消去しております。

2  相手先別販売実績につきましては、総販売実績に対する割合が10%以上の販売先はないため、記載を省略しております。

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

経営者の視点による当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5  経理の状況  1  連結財務諸表等  (1)連結財務諸表  注記事項  (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ、2.4%増1兆6,782億円となりました。

売上原価は前期比1.1%増1兆2,909億円売上原価率は1.0ポイント低下して76.9%となりました。この結果、売上総利益は前期比7.0%増3,873億円となりました。売上原価率は2020年3月期に80%を切った後、さらに4期連続で低減しております。総合的なコスト削減策が奏功したものですが、引き続き、組織のスリム化や生産の効率化、原材料調達の見直しなどに取り組んでまいります。

販売費及び一般管理費は前期比9.6%増3,130億円となりました。対売上高比率は18.7%で、前期の17.4%から1.3ポイント上昇いたしました。これは、人件費の増加129億円、持株会社体制移行に伴う一過性の統合費用46億円などによるものです。当社グループは現在、収益力強化に向けた事業構造改革を推進しており、引き続き最適な人員配置による外部委託費低減、総労務費の圧縮などに注力していく方針です。

営業利益は前期比3.1%減742億円となりました。売上高営業利益率は4.4%前期の4.7%から0.3ポイント低下しております。当社グループは、本業の収益力を測る指標として営業利益を重視しており、その拡大に向けた施策を今後も積極的に講じる方針です。

税金等調整前当期純利益は前期比15.0%増1,259億円となりました。これは、政策保有株式を含む保有資産価値の見直しを積極的に進めた結果、株高の影響もあり、投資有価証券売却益が187億円増加したことなどによるものです。

以上の結果、非支配株主に帰属する当期純利益を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比22.2%増743億円となり、1株当たり当期純利益は前期の185円7銭から231円57銭に増加いたしました。

利益率は、総資産当期純利益率(ROA)が前期の2.7%から3.2%へ、自己資本当期純利益率(ROE)が前期の4.5%から5.4%へ、それぞれ上昇いたしました。

 

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

情報コミュニケーション事業分野の総資産は1,911億円22.7%)増加し、1兆325億円となりました。生活・産業事業分野の総資産は328億円6.3%)増加し、5,576億円となりました。エレクトロニクス事業分野の総資産は355億円11.6%)増加し、3,427億円となりました。

なお、セグメント別の経営成績については「第2  事業の状況  4  経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析  (1)経営成績等の状況の概要  ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの運転資金は主に製品製造に使用する原材料や部品の調達に費やされており、売上原価や販売費及び一般管理費に計上される財・サービスに対しても同様に費消されております。また、設備投資資金は、生産設備取得等生産体制の構築、情報システムの整備等に支出されております。

これらの必要資金は、主に手元のキャッシュと営業活動によるキャッシュ・フローから創出し、必要に応じて柔軟的かつ機動的に借入や社債発行等により調達しており、資産効率の向上と今後の持続的な成長を実現させるため、M&Aなどの事業投資を含む成長投資や構造改革等の投資財源へ充当してまいります。

また、当社グループは手元流動性残高から有利子負債を控除したネットキャッシュの水準を重視した資金管理を実施しており、必要な流動性資金は充分に確保しております。これらの資金をグループ内ファイナンスで有効に活用することにより、効率的な資金運用を図っております。

これらの方針により、持続的成長に向けた投資の強化、構造改革の推進及び安定的な株主還元のバランスをとり、財務健全性との両立を重視した運営を堅持してまいります。