E00695 Japan GAAP
前期
884.2億 円
前期比
105.6%
株価
3,175 (04/26)
発行済株式数
8,370,000
EPS(実績)
149.70 円
PER(実績)
21.21 倍
前期
556.2万 円
前期比
104.7%
平均年齢(勤続年数)
43.9歳(16.0年)
従業員数
1,893人(連結:3,208人)
当社グループは、当社、子会社17社及び関連会社2社で構成され、製版・印刷・製本及びこれらに関連する付帯事業を中心として事業を展開しております。
当社グループの主要な製品・事業内容は次のとおりであります。
なお、下記の3部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
セグメント区分 |
主要な製品・事業内容 |
情報コミュニケーション部門 |
週刊誌、月刊誌、季刊誌、単行本、全集、教科書、ポスター、カレンダー、 広告宣伝媒体及び装飾展示等の企画・制作、電子書籍等 |
情報セキュリティ部門 |
各種ビジネスフォーム、証券類、各種カード、データプリント、BPO、 決済ソリューション等 |
生活・産業資材部門 |
紙器、軟包装用品、各種チューブ、ブローボトル、金属印刷、建材用品印刷、電子機器部品、高機能材料等 |
その他 |
物流業、不動産管理業等 |
これら製品を製造、販売するにあたり、子会社である共同物流㈱は、当社グループ製品の物流の大部分を担当しております。また、共同印刷メディアプロダクト㈱、共同印刷西日本㈱、常磐共同印刷㈱他11社の子会社及び関連会社である共同製本㈱は、製版・印刷・製本等の生産、販売を相互に連携しつつ行っております。TOMOWELビジネスパートナー㈱他1社の子会社は、不動産管理他の事業を行っております。
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
※画像省略しています。
(1) 経営成績の状況
当期におけるわが国経済は、ウィズコロナのもと行動制限の緩和や諸政策による効果もあり、景気持ち直しの動きが緩やかに続きました。しかし、ウクライナ侵攻が長期化する中、金融引き締めの影響による海外景気の減速懸念、エネルギー価格や物価の高騰など、国内景気の先行きは依然として十分注意を要する状況となっております。
印刷業界においても販促需要の回復など持ち直しの動きがありました。しかし、既存の印刷事業における紙媒体の需要減、エネルギーや原材料の価格高騰など、経営を取り巻く環境は厳しい状況で推移しました。
このような状況の中、共同印刷グループは、競争力のある事業領域の確立と高い利益率の実現をめざし、中期経営方針「豊かな社会と新たな価値を創造するために未来起点の変革に挑戦」に基づく各施策を推進しました。
情報系事業では、「印刷事業で培った強みを軸とし、新たな価値創出を実現」するため、コンテンツを生かした事業機会の獲得や、販促及び業務支援事業のデジタルシフトを支援する製品・サービスの提案など、注力領域の強化とデジタル領域の伸長に取組みました。
生活・産業資材系事業では、「パッケージソリューションベンダーの地位確立」に向け、環境配慮製品の開発や提案を強化するとともに、食品・日用品向けのパッケージやラミネートチューブの受注拡大を図りました。
また、2022年9月に当社グループが優先的に取り組む重要課題(マテリアリティ)として、「多様なライフスタイル」「スマート社会」「循環型社会」「地球環境との共生」「価値創造人材の活躍」「責任ある企業行動」の6つを特定しました。「価値創造人材の活躍」では、ダイバーシティ推進に向けた「ライフサポート休業制度」を新設しました。サステナビリティ経営の推進に向けた役員報酬制度の一部改定も実施し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上をめざす取組を進めました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は、933億6千3百万円(前期比5.6%増)となり、営業利益は7億7千5百万円(前期比2.5%増)、経常利益は12億8千9百万円(前期比0.7%減)となりました。また、特別利益に投資有価証券売却益19億1千万円、退職給付制度改定益3億7千6百万円、特別損失に独占禁止法関連損失8億3千8百万円を計上したことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は12億5千3百万円(前期比83.2%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
情報コミュニケーション部門
コンテンツ周辺領域の受注拡大や、著名な日本画家の未公開作品をNFTアートとして販売するなどリアルとデジタルを融合させた事業機会の創出に取組みました。また、一次データを活用した出版商業印刷物の製品別カーボンフットプリントの可視化支援など、サプライチェーン全体のGHG排出量削減に向けた取組も開始しました。
出版印刷は、コミックスや雑誌の付録、人気まんがの映画版等の販促物・グッズといったコンテンツ周辺領域が増加しました。しかし、発行部数の減少などで定期刊行物を中心に雑誌が低調、単行本なども伸び悩み、前期並みとなりました。
一般商業印刷は、経済活動の回復を受けた販売促進需要の増加で、POP等の店頭販促関連、カタログや情報誌が好調でした。Webサイトやコンテンツ制作などのデジタル分野も増加し、前期を上回りました。
以上の結果、部門全体の売上高は351億3千4百万円(前期比5.1%増)、営業損失は1億9千7百万円(前期は営業損失1億8千6百万円)となりました。
情報セキュリティ部門
専門的かつ煩雑な業務を効率化するWebサービスなど、金融機関や官公庁・自治体への提案推進による受注獲得に注力するとともに、在留外国人をターゲットとしたキャッシュレス決済サービスの提供を開始するなど、決済ソリューション事業の拡大に取組みました。
ビジネスフォームは、給付金など感染症対策に関連した自治体向けデータプリントに加え、各種試験関係やヘルスケア分野のBPOが好調で、前期を上回りました。証券類も、行動制限緩和による旅客需要の増加を受けた乗車券の回復傾向により、前期を上回りました。しかし、カードは交通系、金融系ともに前期を下回りました。
以上の結果、部門全体での売上高は259億4千3百万円(前期比3.0%増)、営業利益は7億5千8百万円(前期比17.0%増)となりました。
生活・産業資材部門
サステナブルな社会の実現をめざして、プラスチックフィルムを使わない紙仕様包材など、環境配慮と消費者の利便性を両立する包材の開発と拡販に取組みました。
紙器は、食品向けカートンやラップカートンが順調に推移し、前期を上回りました。軟包装は、即席麺向けのフィルム包材やフタ材の好調に加え、リキッドパッケージも「Tパウチ」や日用品向け商品が増加し、前期を上回りました。
チューブは、UVケア製品などの化粧品向けが回復し前期を上回った一方、調味料向けのブローチューブ・ブローボトルは、小売り価格値上げの反動減等で伸び悩み、前期並みとなりました。産業資材は、医薬品向けが好調で前期を上回りました。
以上の結果、部門全体での売上高は300億7千6百万円(前期比7.4%増)、営業利益は1億7千2百万円(前期比40.0%増)となりました。
その他
物流業務の堅調な推移と不動産賃貸収入の増加により、売上高は22億9百万円(前期比22.9%増)、営業利益は2億9千3百万円(前期は営業利益1千5百万円)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ16億9百万円増加し105億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により得られた資金は、234億1千3百万円(前年比179億9千1百万円増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益20億1百万円、減価償却費57億3千2百万円の計上、長期前受金の増加170億6千6百万円があった一方、売上債権の増加5億3千8百万円、棚卸資産の増加5億4千3百万円があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により使用した資金は、44億2千万円(前期比22億1千2百万円減)となりました。これは主に、固定資産の取得による支出70億5千3百万円と、投資有価証券の売却による収入26億1千9百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により使用した資金は、173億5千9百万円(前期比147億4千1百万円増)となりました。これは主に、短期借入金の減少67億2千7百万円、長期借入金の減少82億8千9百万円、自己株式の取得による支出10億円、配当金の支払8億2千5百万円があったことによるものです。
生産、受注及び販売の状況
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前期比(%) |
情報コミュニケーション部門 |
35,125 |
105.1 |
情報セキュリティ部門 |
26,291 |
107.1 |
生活・産業資材部門 |
30,204 |
108.3 |
その他 |
2,196 |
122.7 |
合計 |
93,817 |
107.0 |
(注)金額は販売価額によっており、セグメント間の内部振替後の数値によっております。
(2) 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前期比(%) |
受注残高(百万円) |
前期比(%) |
情報コミュニケーション部門 |
36,115 |
108.5 |
7,234 |
115.7 |
情報セキュリティ部門 |
27,255 |
110.2 |
7,837 |
120.1 |
生活・産業資材部門 |
30,877 |
107.9 |
8,200 |
110.8 |
その他 |
2,160 |
119.7 |
22 |
31.0 |
合計 |
96,408 |
109.0 |
23,294 |
115.0 |
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前期比(%) |
情報コミュニケーション部門 |
35,134 |
105.1 |
情報セキュリティ部門 |
25,943 |
103.0 |
生活・産業資材部門 |
30,076 |
107.4 |
その他 |
2,209 |
122.9 |
合計 |
93,363 |
105.6 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.相手先別販売実績は、総販売実績に対する割合が10%以上の販売先はないため、記載を省略しております。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
(1) 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
①財政状態の分析
総資産は、1,234億7千1百万円(前連結会計年度末1,291億2千1百万円)となり、56億4千9百万円減少しました。これは主に、投資有価証券が45億9千9百万円減少したことによるものです。負債は、657億5千1百万円(前連結会計年度末678億4千3百万円)となり、20億9千2百万円減少しました。これは主に、本社土地活用に関する一般定期借地権設定契約締結により、長期前受金が170億6千6百万円増加した一方、借入金が150億1千9百万円、設備関係支払手形及び未払金が33億8千2百万円減少したことによるものです。純資産は、577億2千万円(前連結会計年度末612億7千7百万円)となり、35億5千7百万円減少しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益12億5千3百万円に対し、配当金の支払8億2千5百万円、自己株式の取得10億円、その他有価証券評価差額金26億7千1百万円の減少があったことによるものです。
②経営成績の分析
当社グループは、情報コミュニケーション部門における出版印刷と商業印刷、情報セキュリティ部門におけるデータプリントやBPO受託、証券類やICカード製造、生活・産業資材部門におけるチューブ・軟包装・紙器等のパッケージ類と、産業資材等の製造を主な事業としております。
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ5.6%増の933億6千3百万円でした。市況の回復をうけたPOPなど店頭販促関連の増加や、自治体における新型コロナウイルス関連のデータプリント・BPOの継続受注等があったため、全体として前期を上回りました。
売上原価は前期比4.8%増の760億7千7百万円、対売上高比率は81.5%となり、前期の82.1%から0.7ポイント低下しました。
販売費及び一般管理費は前期比9.8%増の165億1千万円となりました。対売上高比率は17.7%で、本社社屋竣工による減価償却費の増加や、エネルギー価格が想定以上に高騰したことによる水道光熱費の増加等で、前期の17.0%から0.7ポイント上昇しました。この結果、営業利益は前期比2.5%増の7億7千5百万円となりましたが、売上高営業利益率は0.8%と、前期から0.1ポイント低下しました。
税金等調整前当期純利益は前期比43.6%増の20億1百万円となりました。これは、退職給付制度改定益や政策保有株式の売却益を計上したことや、独占禁止法関連損失を計上したことなどによるものです。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比83.2%増の12億5千3百万円となりました。また、自己資本利益率(ROE)は、前期の1.1%から2.1%へ1.0ポイント上昇しました。
なお、セグメントごとの経営成績については「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績の状況 」に記載のとおりです。
(2) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等であります。また、投資を目的とした資金需要は、設備投資、M&A等によるものであります。
当社グループは、運転資金及び設備資金については、安定的な資金調達、調達コスト抑制及び調達方法の分散・多様化を基本方針としております。
当連結会計年度は、23ページ「5 経営上の重要な契約等」に記載の契約に伴う前受地代152億3千7百万円の入金があったことなどから、有利子負債を162億円返済しております。
なお、当連結会計年度末における借入金、社債及びリース債務を含む有利子負債の残高は129億9千9百万円、現金及び現金同等物の残高は105億円となっております。
(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用している重要な会計方針については、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載のとおりであります。また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。