売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00695 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、一部に足踏みもみられるものの、社会経済活動の正常化が進んだことを受けて、景気回復の動きが緩やかに続きました。国内景気の先行きは、所得や雇用環境の改善、諸政策の効果による回復傾向の継続が期待されますが、中東地域をめぐる情勢や世界的な金融引き締め、物価上昇の影響などにより、依然として不透明な状況となっております。

共同印刷グループを取り巻く環境は、インバウンド需要が順調に回復する一方で、各資源価格の高水準での推移やデジタルシフトの加速による紙媒体の需要減少など、厳しい状況が続きました。

このような状況の中で当社グループは、中期経営方針「豊かな社会と新たな価値を創造するために未来起点の変革に挑戦」に基づき、各施策を推進しております。

情報系事業では、「印刷事業で培った強みを軸とし、新たな価値創出を実現」するため、注力領域の強化とデジタル領域の伸長に取り組んでおります。教育分野では、デジタルコンテンツ事業と新規事業開発推進のため、株式会社学びエイドと資本業務提携契約を締結しました。 また、今後一段と質の高い製品・サービスを提供する体制を構築していくため、経営資源集中と組織運営効率化を目的に、2024年4月1日を効力発生日(予定)として当社の完全子会社である共同印刷マーケティングソリューションズ株式会社を吸収合併することを決議しました。

生活・産業資材系事業では、「パッケージソリューションベンダーの地位確立」に向け、食品・日用品向けのパッケージやラミネートチューブの受注拡大の取り組みを進めております。プラスチックフィルムを使わない紙仕様包材など、環境配慮と消費者の利便性を両立する包材の開発を進め、社会課題の解決に資する製品の拡販、提案を強化しております。

また、2023年11月に、サステナビリティ経営と連動したDX推進の方針と取り組みを当社グループ「DX戦略」として策定しました。代表取締役社長をトップとした全社推進体制のもと、事業基盤を強化する「ビジネスプロセス変革」、新規事業領域を探索する「ビジネスモデル変革」、DX推進の基盤となる社員の変革マインドを醸成する「人材変革」を進めることでマテリアリティ解決に資する取り組みを加速し、豊かな社会と新たな価値の創造をめざしてまいります。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高719億3千5百万円(前年同期比3.8%増)、営業利益13億9千万円(前年同期比313.8%増)、経常利益18億5千万円(前年同期比131.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益12億8千4百万円(前年同期比145.7%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

情報コミュニケーション部門

出版印刷では、電子書籍は好調に推移しましたが、定期雑誌が発行部数の減少などで前年同期を下回ったほか、臨時案件、コミックスや絵本の重版も減少して全般的に低調となり、前年同期を下回りました。

一般商業印刷は、カタログ、チラシやパンフレット類などが増加しました。しかし、キャンペーン等の減少によりPOPなどの店頭販促関連が減少、ロジスティクス関連業務なども低調で、前年同期並に留まりました。

以上の結果、部門全体の売上高は258億2千4百万円(前年同期比1.6%減)、営業損失は2億9千3百万円(前年同期は営業損失1億9千1百万円)となりました。

 

情報セキュリティ部門

ビジネスフォームは、自治体給付金関連のデータプリントが減少したことに加え、BPOも金融系などの新規案件受注が伸び悩み、前年同期を下回りました。一方、証券類とカードは、旅客需要の回復により乗車券類や交通系カードが伸長し、前年同期を大きく上回りました。

以上の結果、部門全体の売上高は212億2千2百万円(前年同期比10.9%増)、営業利益は12億2千8百万円(前年同期比131.1%増)となりました。

 

生活・産業資材部門

紙器は、ラップカートンが業務用とPB商品用の好調で増加し、前年同期を上回りました。軟包装は、フタ材「パーシャルオープン」が増加したほか、注力する食品向けフタ材の受注も進展し、前年同期を上回りました。

チューブは、化粧品向けの回復傾向と歯磨き向けの堅調な推移により、前年同期を上回りました。また、調味料向けのブローチューブ・ブローボトルは増注やPB商品用の伸長により、前年同期を上回りました。産業資材は、医薬品向けの海外需要が拡大し、前年同期を上回りました。

以上の結果、部門全体の売上高は233億5千万円(前年同期比4.5%増)、営業利益は7億4千1百万円(前年同期は営業損失2千8百万円)となりました。

 

その他

不動産賃貸収入は増加しましたが、物流業務低調の影響が大きく、売上高は15億3千7百万円(前年同期比1.9%減)、営業利益は1億2千6百万円(前年同期比36.7%減)となりました。

 

(2) 財政状態の状況

当第3四半期連結会計期間末の資産、負債及び純資産は、前連結会計年度末との比較において以下のとおりになりました。

総資産は1,284億9百万円(前連結会計年度末1,234億7千1百万円)となり、49億3千8百万円増加しました。これは主に、投資有価証券が46億8千5百万円増加したことによるものです。負債は674億7千7百万円(前連結会計年度末657億5千1百万円)となり、17億2千6百万円増加しました。これは主に、社債が20億円、借入金が12億6千1百万円増加した一方、仕入債務が13億7千1百万円減少したことによるものです。純資産は、609億3千1百万円(前連結会計年度末577億2千万円)となり、32億1千1百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益12億8千4百万円、その他有価証券評価差額金32億3千万円の増加と、配当金の支払7億9千万円、自己株式の取得9億3千2百万円があったことによるものです。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ6億9千3百万円減少し、98億7百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当第3四半期連結累計期間において営業活動により得られた資金は、6億5千6百万円(前年同期比193億3千9百万円減)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益19億5千万円、減価償却費41億9千1百万円の計上、売上債権の増加12億5千4百万円と棚卸資産の増加11億5千2百万円、仕入債務の減少14億8百万円があったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当第3四半期連結累計期間において投資活動により使用した資金は、25億8千2百万円(前年同期比30億3千1百万円減)となりました。これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出27億3千3百万円があったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当第3四半期連結累計期間において財務活動により得られた資金は、12億2千5百万円(前年同期は152億5千6百万円の使用)となりました。これは主に、社債の発行による収入49億8千7百万円、長期借入による収入30億5千4百万円があった一方、社債の償還による支出30億円、長期借入金の返済による支出18億3千4百万円、自己株式の取得による支出9億3千2百万円、配当金の支払7億9千万円があったことによるものです。

 

(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(5) 経営方針等

当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した経営方針に重要な変更はありません。

 

(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(7) 財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

当第3四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。

 

(8) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、815百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。