E02398 Japan GAAP
前期
393.9億 円
前期比
100.4%
株価
873 (04/23)
発行済株式数
31,459,692
EPS(実績)
-10.11 円
PER(実績)
--- 倍
前期
608.8万 円
前期比
99.7%
平均年齢(勤続年数)
41.3歳(17.2年)
従業員数
372人(連結:1,822人)
当社グループは、当社および子会社12社により構成されており、電子および生活環境用品・ステーショナリーなどの企画・製造販売およびこれらに附帯する事業活動を行う文具事務用品事業と、家具・雑貨・時計・アーティフィシャルフラワー・生活家電・ルームフレグランス等の企画・販売等を行うインテリアライフスタイル事業を展開しております。
文具事務用品事業においては、ファイルの製造は、海外子会社でありますP.T.KING JIM INDONESIAおよびKING JIM(VIETNAM)Co.,Ltd.で行っており、ファイル用とじ具の製造は、KING JIM(MALAYSIA)SDN.BHD.で行っております。また、海外の販売子会社として、中国市場でのファイル販売等を行う錦宮(上海)貿易有限公司と、東南アジア市場および中国市場に対する販売拠点として、電子製品機器などの販売および開発・調達関連業務を行う錦宮(香港)有限公司と、その子会社の錦宮(深圳)商貿有限公司があります。さらに、作業手袋等の製造・販売を行うウインセス㈱があります。
インテリアライフスタイル事業においては、㈱ぼん家具がインターネットによるオリジナル家具の通信販売業を、㈱ラドンナがキッチン雑貨・フォトフレーム・アロマ関連商品・時計の企画・販売業を、㈱アスカ商会がアーティフィシャルフラワーやインテリア雑貨の輸入・企画・販売業を、ライフオンプロダクツ㈱が生活家電・雑貨・ルームフレグランス等の企画・販売業をそれぞれ営んでおります。
事業系統図は下記のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症による経済活動の制限が緩和され、景気は持ち直す動きがみられました。一方で、世界的な金融引き締めに伴う為替変動や、継続的な物価上昇の影響により、今後の国内経済の先行きは依然として不透明な状況にあります。
このような状況のもと、第10次中期経営計画(2022年6月期から2024年6月期)の目標達成に向けた取り組みを実行してまいりました。「テプラ」やファイルといった基盤事業のさらなる強化を図りつつ、インテリアライフスタイル事業の拡大や衛生・健康用品の拡販、M&Aによる事業領域拡大など、成長分野への注力をしております。
当連結会計年度の業績につきましては、2023年2月に吸収合併した旧㈱エイチアイエムの売上寄与もあり、売上高は 395億5,306万円(前連結会計年度比 0.4%増)となりました。利益面では、価格改定による原価率の改善がありましたが、想定を上回る円安進行により大きな改善とはなりませんでした。また、新型コロナ関連用品を中心とした一部滞留商品の評価減の増加や販管費の増加等もあり、営業損失は2億4,188万円(前連結会計年度は3億6,830万円の利益)、経常利益は1億3,027万円(前連結会計年度比 79.6%減)となりました。また、特別損失として旧㈱エイチアイエム(ラチュナ事業)に係るのれんの減損損失等があり、親会社株主に帰属する当期純損失は3億1,806万円(前連結会計年度は4億1,979万円の利益)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
・文具事務用品事業
基盤事業である文具事務用品事業は、新たな用途提案や商品のリニューアルによって需要の掘り起こしを図り、売上拡大に努めました。「テプラ」では、「ヨシ!」でおなじみの人気キャラクター『仕事猫』と新キャラクター『テプラ猫』が職場で起きたトラブルを「テプラ」で解決していくインターネット広告第2弾を公開するなど、ラベル表示需要の掘り起こしを図るため、各種販促・広告活動を積極的に展開しました。
デジタル文具では、「ビジュアルバータイマー」を発売いたしました。横方向の大きな目盛りで残り時間が一目で分かるため、時間管理をサポートする商品としてご好評をいただいております。
ステーショナリーでは、実用的で可愛いミニチュアサイズの文房具『キングミニ』シリーズの新作を発売いたしました。その他、さまざまな場面で役立つ商品を展開しております。
スタイル文具では、「HITOTOKI NOTE」シリーズ初の布製のラウンドジップタイプを発売いたしました。2024年4月には、「HITOTOKI」ブランドによって生まれた、お客様や作家様との“つながり”をさらに広げていきたいという想いから、初のポップアップイベント“ひとと いいひと HITOTOKI展”を開催し、多くの方々にご来場いただきました。「HITOTOKI」のアイテムを使ったデコレーション体験やオリジナルの「KITTA」を作れるワークショップなどを開催し、ご来場いただいた皆様に「HITOTOKI」のこれまでの歩みをご紹介することができました。
この結果、手指消毒器「テッテ」の販売減はありましたが、「テプラ」の販売は回復傾向にあり、EC事業も伸長していることから、売上高は 262億228万円(前連結会計年度比 1.0%増)となりました。また、想定以上の円安や、新型コロナ関連用品を中心とした一部滞留商品の評価減、一部の開発商品の中止決定、および2023年2月に吸収合併した旧㈱エイチアイエム(ラチュナ事業)の販管費の増加により、営業損失は4億2,174万円(前連結会計年度は2,007万円の営業損失)となりました。
・インテリアライフスタイル事業
㈱ぼん家具は、為替変動などによる原価高騰に対して価格改定を実施したことや、出店しているモール自体の成長鈍化により厳しい状況でしたが、Amazonでの売上拡大や新たなカテゴリーとして発売した照明、キッズ用収納品が好調に推移しました。ライフオンプロダクツ㈱では、ハンディファンやサーキュレーターなどの新作夏物家電が好調に推移しました。特にLEDライトが7色に光るクリアファンや日傘クリップファンの売上が伸びており、TVや雑誌など多くのメディアにも取り上げられ注目度の高い商品となりました。㈱ラドンナでは、消費者の節約・節電志向の高まりに加え、為替の影響から実施した価格改定が消費者の買い控えを招き、主力のキッチン家電やフォトフレームの売れ行きが大きく落ち込みました。一方で、TV通販の案件拡大やネット販売の伸長など、来期以降につながる成果を得られました。㈱アスカ商会では、花類はブライダル関連、観葉類はオフィス装飾案件を中心に好調を維持しています。
この結果、ライフオンプロダクツ㈱は好調だったものの、その他の国内グループ会社が振るわず、インテリアライフスタイル事業全体で売上高は 133億5,078万円(前連結会計年度比 0.8%減)となりました。また、値上げ効果や新製品の導入で原価率はやや改善したものの、販管費の増加があり、営業利益は1億4,832万円(前連結会計年度比 60.0%減)となりました。
また、財政状態の状況については、次のとおりであります。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して7億8,711万円減少し、350億2,503万円となりました。これは主に、のれん、商品及び製品、現金及び預金が減少したことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末と比較して2億5,512万円減少し、107億2,369万円となりました。これは主に、短期借入金が増加した一方で、支払手形及び買掛金、長期借入金が減少したことによるものであります。
純資産合計は、前連結会計年度末と比較して5億3,199万円減少し、243億134万円となりました。これは主に、為替換算調整勘定が増加した一方、配当金の支払いや親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が減少したこと、および自己株式が増加したことによるものであります。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して2億3,428万円減少し、56億8,946万円(前連結会計年度比 4.0%減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、10億4,719万円(前連結会計年度は1億6,626万円の資金獲得)となりました。これは主に、仕入債務の減少額4億4,445万円や法人税等の支払額2億8,240万円等があった一方、減価償却費6億5,566万円や棚卸資産の減少額5億8,410万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ7億9,021万円減少し、4億4,464万円となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入1億5,427万円があった一方、有形固定資産の取得による支出4億2,566万円、無形固定資産の取得による支出1億9,159万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、10億7,172万円(前連結会計年度は 10億6,532万円の資金獲得)となりました。これは主に、短期借入金の純増額3億4,000万円があった一方、長期借入金の返済による支出5億9,483万円や自己株式の取得による支出4億1,613万円や配当金の支払額3億9,979万円等によるものであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、文具事務用品のみ生産活動を行っております。
(注) 金額は標準出荷価格で表示しております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 当社および連結子会社においては、大部分は見込生産であり、特注品のみ受注生産であります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
イ.売上高
「第2[事業の状況] 4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
ロ.売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の売上原価につきましては、価格改定による原価率の改善があり、売上原価率は 63.8%となり、前連結会計年度の売上原価率 64.0%より 0.2ポイントの低下となりましたが、想定を上回る円安進行により大きな改善とはなりませんでした。
販売費及び一般管理費につきましては、2023年2月に吸収合併した旧㈱エイチアイエム(ラチュナ事業)の販管費の増加等により、売上高に対する割合は 36.8%となり、前連結会計年度の 35.1%より 1.7ポイントの上昇となりました。
ハ.営業損失
当連結会計年度につきましては、新型コロナ関連用品を中心とした一部滞留商品の評価減の増加や販管費の増加等もあり、営業損失2億4,188万円(前連結会計年度は3億6,830万円の利益)となりました。
ニ.親会社株主に帰属する当期純損失
当連結会計年度につきましては、旧㈱エイチアイエム(ラチュナ事業)に係るのれんの減損損失1億7,212万円を含む特別損失2億2,615万円の計上により、親会社株主に帰属する当期純損失3億1,806万円(前連結会計年度は4億1,979万円の利益)となりました。
② 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2[事業の状況] 3[事業等のリスク]」をご参照ください。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報
イ.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
「第2[事業の状況] 4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
ロ.資本の財源および資金の流動性に係る情報
当社グループの主な資金需要は、原材料調達や製品の製造費用、商品仕入費用、販売費及び一般管理費等の運転資金、企業価値向上を目的とした各種設備投資資金、また、事業拡大の一つの手段として実施しているM&Aのための資金等であります。これらは、自己資金、借入金により調達しております。
④ 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」をご参照ください。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りのうち、特に重要なものは以下のとおりであります。
(棚卸資産)
「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」をご参照ください。
(固定資産の減損)
当社グループは、原則として継続的に収支の把握を行っている管理会計上の区分を考慮し資産のグルーピングを行い、遊休資産については個別に資産のグルーピングを行っております。固定資産のうち減損の兆候がある資産または資産グループについて、この検討は一定の仮定に基づき見積もった割引前将来キャッシュ・フロー等を基に行っております。対象となる資産または資産グループの帳簿価額に減損が生じていると判断した場合、その帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上します。
減損の兆候の把握、減損損失の認識および測定にあたっては、将来キャッシュ・フロー等の見積りやその前提となる仮定を用いており、今後、経営環境等の変化により前提条件や仮定に変動が生じた場合には、固定資産の減損処理に影響を及ぼす可能性があります。
なお、のれんの評価方法については、「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」をご参照ください。
(繰延税金資産の回収可能性)
繰延税金資産については、将来の利益計画に基づく課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断した上で計上しております。市場環境の変化等により、課税所得の見積額が減少した場合は、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
⑤ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当連結会計年度を最終年度とした第10次中期経営計画の達成状況は以下のとおりであります。
DXの加速によるペーパーレス推進の影響によるファイルやテプラの売上減、想定を上回る円安進行や原材料費、物流費の高騰に加えて、新型コロナ関連用品を中心とした一部滞留商品の評価減の増加や販管費の増加、また、旧㈱エイチアイエム(ラチュナ事業)に係るのれんの減損損失等があり、計画未達となりました。
また、当社グループは、2027年6月期を最終年度とする第11次中期経営計画を策定いたしました。「サービス事業への展開」「ライフスタイル分野の拡大」「海外事業の強化」の3つの骨太の方針に基づき、売上高 520億円、経常利益 28億円、経常利益率 5.4%、自己資本当期純利益率(ROE) 8.0%を目標としております。
なお、経営者の問題認識、今後の方針については、「第2[事業の状況] 1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等] (4)会社の中長期的な経営戦略と対処すべき課題」をご参照ください。