E02506 IFRS
前期
9,859.9億 円
前期比
106.6%
株価
1,875.5 (01/09)
発行済株式数
169,000,404
EPS(実績)
156.44 円
PER(実績)
11.99 倍
前期
1,009.5万 円
前期比
113.3%
平均年齢(勤続年数)
38.2歳(12.7年)
従業員数
821人(連結:8,644人)
当社グループは、国内外のネットワークと各事業分野で培ってきた専門性と、商取引、情報収集、市場開拓、事業開発・組成、リスクマネジメント、物流などの商社機能を有機的に結合して、ICTソリューション、電子・デバイス、食料、鉄鋼・素材・プラント、車両・航空を中心とした幅広い分野で、多種多様な商品・サービスを提供しております。
当社はこれらの事業を、取扱商品・サービスの内容に応じた事業区分に分類しており、当社グループ全体は、当社に加え、連結子会社109社および持分法適用会社26社の合計135社(2025年3月31日現在)で構成されております。
なお、2024年4月1日に実施した組織再編に伴い、当連結会計年度より報告セグメントを変更しております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記6 セグメント情報」に記載しております。
当社グループの事業区分ごとの取扱商品・サービスの内容および主な関係会社は、次のとおりであります。
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事業区分 |
主な取扱商品・サービスの内容 |
主要な関係会社名 |
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ICTソリューション (8社) |
インフラ基盤設計・構築・運用サービス、システムコンサルティング、ハイブリッドクラウド、SOC・リモート運用・リモート監視・システム保守サービス、セキュリティソリューション、ネットワークソリューション、DX推進ソリューション他 |
(連結子会社 国内 5社、海外 2社) 兼松エレクトロニクス㈱
(持分法適用会社 国内 1社、海外 0社) グローバルセキュリティエキスパート㈱ |
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電子・デバイス |
電子部品・部材、半導体・液晶製造装置、通信関連機器・部品、電子関連の素材・副資材、携帯通信端末、モバイルインターネットシステム・サービス、産業用プリンター、データ流通事業他 |
(連結子会社 国内15社、海外13社) 兼松フューチャーテックソリューションズ㈱
(持分法適用会社 国内 0社、海外 0社) |
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食料 |
冷凍・乾燥・缶詰フルーツ、冷凍野菜、コーヒー、ゴマ、チアシード、ナッツ、落花生、雑豆、砂糖、蜂産品、ウイスキー、ワイン、畜産原料、畜産加工品、水産物、飼料原料、肥料、大豆、小麦、大麦、米、加工食品、植物肉、調理食品、ペットフード他 |
(連結子会社 国内 7社、海外 3社) |
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鉄鋼・素材・プラント |
各種鋼板、条鋼・線材、鋼管、ステンレス製品、一般鋼材、製鉄・製鋼原料、肥料原料、接着剤材料、溶剤、機能性食品素材、栄養補助食品、医薬品・医農薬中間体、石油製品、液化石油ガス、温室効果ガスの排出権、バイオマスエネルギー、太陽光・風力発電設備、化学プラント、各種ODA案件、船舶および舶用機材、ジオテック、木材加工他 |
(連結子会社 国内13社、海外 5社) 兼松ケミカル㈱ 兼松ペトロ㈱ 兼松サステック㈱
(持分法適用会社 国内 2社、海外 1社) |
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車両・航空 |
車載部品・機構部品、航空機および航空機部品、ヘリコプターおよびヘリコプター部品、宇宙・ロケット関連事業、衛星関連機器・部品、防衛関連製品、自動車・二輪車および関連部品、産業車両、建設機械、汎用機、鍛造品、鋳造品、工作機械、産業機械他 |
(連結子会社 国内 8社、海外15社)
兼松エアロスペース㈱ (持分法適用会社 国内 0社、海外 1社) |
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その他 |
中質繊維板、非鉄金属、保険代理・仲介業、航空・海上貨物代理店業、通関業、不動産管理・賃貸業他 |
(連結子会社 国内 5社、海外 0社)
(持分法適用会社 国内 4社、海外 2社) ホクシン㈱ |
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海外現地法人 |
海外における多種多様な商品の売買、各種サービスの提供 |
(連結子会社 18社) Kanematsu (China) Co.,Ltd. Kanematsu GmbH |
(注)兼松トレーディング㈱については、2025年4月1日付で保有する全株式(100%)を譲渡いたしました。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、米国は堅調な景気を維持した一方、長期化する中国の景気低迷や中東情勢の悪化など地政学リスクの高止まりによって先行き不透明な情勢が続きました。
米国では、個人消費が堅調に推移したものの、関税引き上げをはじめとした第2次トランプ政権の政策の不確実性に対する警戒感の高まりにより、景気を下押しするリスクが高まっている状況です。
欧州では、インフレ鈍化を受けた実質所得の増加により個人消費が持ち直し、景気は緩やかな回復の動きが見られたものの、米国の関税政策を巡る先行き不透明感が景気回復の重石となることが懸念されます。
中国では、長期化する不動産不況や個人消費の減速などにより低調な景気が続いていることに加え、米中間の関税引き上げによる内外需の悪化が懸念されます。
日本経済は、堅調な企業収益や雇用・所得環境の改善などを背景に景気は緩やかに回復した一方で、利上げや米国の関税政策による直接的・間接的な影響など先行きは注視が必要な状況です。
このような環境のもと、当連結会計年度の当社グループの業績は、次のとおりとなりました。
販売が好調なモバイル事業や、航空機・防衛関連の取引が好調に推移した航空宇宙事業を中心に増収となりました。市況の低迷の影響や減損損失を計上した鋼管事業などが減益となった一方、モバイル事業や前期に持分法投資の減損損失を計上した鉄鋼事業などが増益となりました。
その結果、収益は、前連結会計年度比649億43百万円(6.6%)増加の1兆509億36百万円となり、売上総利益は、前連結会計年度比124億50百万円(8.7%)増加の1,550億7百万円となりました。営業活動に係る利益は、当連結会計年度はのれんの減損損失の計上などにより、前連結会計年度比18億19百万円(4.1%)減少の420億51百万円となりました。一方、税引前利益は、前連結会計年度に計上した持分法による投資の減損損失が無くなったことなどにより、前連結会計年度比9億92百万円(2.7%)増加の382億33百万円となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度比42億51百万円(18.3%)増加の274億69百万円となりました。また、親会社の所有者に帰属する持分(自己資本)に対する親会社の所有者に帰属する当期利益率(ROE)は、16.5%、投下資本利益率(ROIC)※は、7.6%となりました。
※ROIC = 当期利益 ÷ 投下資本(有利子負債 + 自己資本)
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、営業活動によるキャッシュ・フローが583億29百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが13億63百万円の収入、財務活動によるキャッシュ・フローが546億58百万円の支出となりました。これらに、現金及び現金同等物に係る換算差額を調整した結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は567億79百万円となり、前連結会計年度末比33億48百万円の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、営業収入の積上げなどにより、583億29百万円の収入(前連結会計年度は355億82百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得や子会社の取得等の事業投資の実行などによる支出があった一方で、政策保有株式(その他の投資)の売却などにより、13億63百万円の収入(前連結会計年度は124億23百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金およびリース負債の返済や配当金の支払いなどにより、546億58百万円の支出(前連結会計年度は501億2百万円の支出)となりました。
③ 仕入、成約及び販売の実績
(ⅰ) 仕入実績
仕入は販売と概ね連動しているため、記載は省略しております。
(ⅱ) 成約実績
成約は販売と概ね連動しているため、記載は省略しております。
(ⅲ) 販売実績
「(1) 経営成績等の状況の概要」および「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記6 セグメント情報」に記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における資産・負債、偶発資産・偶発負債の開示および報告期間における収益・費用の金額を認識する際に、必要に応じて会計上の見積りおよび仮定を用いることが必要となります。この会計上の見積りや仮定は、決算日時点で入手可能な合理的な情報等に基づき設定しておりますが、不確実性を伴うため、その変動により将来の実績との間で差異が生じる可能性があります。
当社グループにおける重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記2 作成の基礎」および「同 注記3 重要性がある会計方針」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、次のとおりであります。
収益
収益は、電子・デバイスセグメント、車両・航空セグメントを中心に前連結会計年度比649億43百万円増加の1兆509億36百万円となりました。
売上総利益
売上総利益は、電子・デバイスセグメントを中心に前連結会計年度比124億50百万円増加の1,550億7百万円となりました。
営業活動に係る利益
営業活動に係る利益は、のれんの減損損失の計上などにより、前連結会計年度比18億19百万円減少の420億51百万円となりました。
税引前利益
税引前利益は、前連結会計年度に計上した持分法による投資の減損損失が無くなったことなどにより、前連結会計年度比9億92百万円増加の382億33百万円となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益
税引前利益から法人所得税費用117億95百万円を控除した結果、当期利益は264億38百万円となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度比42億51百万円増加の274億69百万円となりました。
財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末比360億10百万円減少の6,893億37百万円となりました。
有利子負債については、前連結会計年度末比356億45百万円減少の1,789億1百万円となりました。現預金を差し引いたネット有利子負債は、前連結会計年度末比390億89百万円減少の1,203億36百万円となりました。なお、有利子負債にはリース負債を含めておりません。
資本のうち、親会社の所有者に帰属する持分については、親会社の所有者に帰属する当期利益の積上げなどにより、前連結会計年度末比146億24百万円増加の1,739億42百万円となりました。
その結果、親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率)は25.2%、ネット有利子負債資本倍率(ネットDER)は0.69倍となりました。
親会社の所有者に帰属する持分(自己資本)に対する親会社の所有者に帰属する当期利益率(ROE)
当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する持分(自己資本)1,739億42百万円に対して、親会社の所有者に帰属する当期利益274億69百万円となったためROEは前連結会計年度末比0.4ポイント上昇の16.5%となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
ICTソリューション
収益は、セキュリティ関連の案件や、製造業向けを中心としたネットワークやストレージ関連の案件が堅調に推移したことにより、前連結会計年度比107億13百万円増加の995億28百万円、営業活動に係る利益は、7億45百万円増加の146億79百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は、6億34百万円増加の99億70百万円となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益についての概況は、次のとおりであります。ICTソリューション事業は、人件費やオフィスリニューアル費用などの経費が増加した一方、セキュリティ関連の案件や、製造業向けを中心としたネットワークやストレージ関連の案件が堅調に推移しました。
電子・デバイス
収益は、モバイル事業や半導体部品・製造装置事業などの増収により、前連結会計年度比349億88百万円増加の2,713億73百万円、営業活動に係る利益は、モバイル事業などの増益により、27億80百万円増加の113億95百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は、17億13百万円増加の70億31百万円となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益についての概況は、次のとおりであります。モバイル事業は、直営店舗の増加や販路拡大の効果、販売台数増加に加え、法人向け事業の伸長もあり、店舗再編などにかかるコストが先行した前期と比較すると好調に推移しました。半導体部品事業は、好調に推移した前期と比較すると減速した一方で、半導体製造装置事業は、半導体市況の回復の遅れに伴い苦戦したもののM&Aによる効果もあり堅調に推移しました。電子機器・電子材料事業は、のれんの減損損失を計上したため、前期と比較すると低調に推移しました。
食料
収益は、畜産事業や食品事業の増収により、前連結会計年度比158億40百万円増加の3,575億36百万円、営業活動に係る利益は、畜産事業の減益により、1億26百万円減少の78億42百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は、4億17百万円減少の30億63百万円となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益についての概況は、次のとおりであります。食品事業は、リテール向け取引や飲料原料などの販売が堅調に推移しました。畜産事業は、海外市況高や円安によるコスト増加、国内市況の低迷などの影響を受け低調に推移しました。食糧事業は、大豆の販売などが堅調に推移しました。
鉄鋼・素材・プラント
収益は、鋼管事業やエネルギー事業の減収により、前連結会計年度比133億35百万円減少の1,984億8百万円、営業活動に係る利益は、鋼管事業やエネルギー事業などの減益により、49億26百万円減少の35億24百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は、20億88百万円増加の40億15百万円となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益についての概況は、次のとおりであります。鉄鋼事業は、北米鋼管取引が減速した一方で、持分法で会計処理されている投資の減損損失を計上した前期と比較すると好調に推移しました。エネルギー事業は、需要の低迷により、好調に推移した前期と比較すると低調に推移しました。
車両・航空
収益は、航空宇宙事業などの増収により、前連結会計年度比165億29百万円増加の1,219億12百万円、営業活動に係る利益は、車両・車載部品事業や工作機械・産業機械事業などの減益により、50百万円減少の48億2百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は、2億33百万円増加の31億84百万円となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益についての概況は、次のとおりであります。航空宇宙事業は、航空・防衛関連取引が好調に推移しました。
その他
収益は、前連結会計年度比2億8百万円増加の21億77百万円、営業活動に係る損失は、2億30百万円悪化の2億6百万円、親会社の所有者に帰属する当期損失は、2億4百万円悪化の27百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容および資本の財源および資金の流動性についての分析
キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
資金調達
当社グループは、中期経営計画「integration 1.0」の基本方針のひとつに掲げる「株主価値の向上」を実現するために必要な、低コストで安定的な資金調達を基本方針として資金調達活動に取り組んでおります。
当社グループの資金調達については、各取引銀行、生損保等の金融機関との良好な関係を背景とした間接金融をベースとしております。また、長期資金の調達手段のひとつとして普通社債を発行し、資本市場からの調達も実施しております。当連結会計年度では、120億円の普通社債を発行し、連結有利子負債に占める直接金融からの負債調達割合は12%となりました。
これらの円滑な資金調達を行うため、㈱日本格付研究所(JCR)、ならびに㈱格付投資情報センター(R&I)の2社から格付けを取得しており、当連結会計年度末の当社グループに対する格付け(長期)は、JCRが前年からワンノッチ格上げとなるA(安定的)、R&IがA-(安定的)となっております。
加えて、手元流動性の確保を図るため、十分な規模の現金及び現金同等物を保有するほか、主要金融機関においてコミットメントラインを設定しており、当連結会計年度末における流動比率は142%となりました。
連結ベースでの効率的な資金調達を実施するために、国内主要関係会社の資金調達を親会社に集中したうえで、資金需要に応じて配分を行うキャッシュマネジメントシステムを導入しております。当連結会計年度末では、連結有利子負債に占める当社の有利子負債の割合は74%と、資金調達の大半を親会社に集中しております。
このような資金調達活動の結果、当連結会計年度末におけるグロス有利子負債残高は1,789億1百万円で、前連結会計年度末と比べ356億45百万円減少いたしました。現金及び現金同等物の残高が前連結会計年度末に比べ増加したため、当連結会計年度末におけるネット有利子負債残高は1,203億36百万円となり、前連結会計年度末に比べ390億89百万円減少いたしました。その結果、ネット有利子負債資本倍率(ネットDER)は0.69倍となりました。
また、当連結会計年度末の有利子負債残高に占める社債および長期借入金(1年以内に返済予定の社債および長期借入金を含む。)の比率は70%(当社では90%)であり、長期資金を中心とした資金調達により、安定した調達基盤を維持しております。
配当性向(総還元性向)
当社グループは、中期経営計画「integration 1.0」期間の中で、年間配当金を下限90円から105円に引き上げることを定め、累進配当を実施いたします。総還元性向は30%~35%として、親会社の所有者に帰属する当期利益の成長に応じて増配を行う方針です。これを達成するために、創出される営業キャッシュ・フローおよび金融機関や資本市場から調達する財務キャッシュ・フローを重点分野への成長投資に充てるとともに、安定的かつ継続的に株主還元を実施し、資本の効率性と財務バランスにも目を配って参ります。
なお、当連結会計年度における配当性向(総還元性向)は31.9%となりました。
(注意事項)
上記の見通しなどの将来に関する記述は、当社グループが有価証券報告書提出日現在入手している情報および合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。