E02572 Japan GAAP
前期
1,079.6億 円
前期比
105.1%
株価
2,132 (07/12)
発行済株式数
19,493,907
EPS(実績)
205.19 円
PER(実績)
10.39 倍
前期
748.1万 円
前期比
107.7%
平均年齢(勤続年数)
42.4歳(15.7年)
従業員数
523人(連結:757人)
当企業グループは、当社及び子会社19社で構成され、その主な事業内容と、各社の当企業グループの事業に係る位置付け及び報告セグメントとの関連は、次のとおりであります。
なお、下記の事業区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に掲げるセグメントの関連情報「1 製品及びサービスごとの情報」として記載しているものと同一であります。
当社は、機械部品の販売(動伝事業)、搬送設備等の自動化・省力化・環境対応化商品やその付帯サービスの販売(設備装置事業)、各種不織布及びその加工品や製造機械の販売(産業資材事業)を主な事業としております。一方、報告セグメントは、当企業グループの営業拠点所在地を中心とした販売エリアで区分しており、販売エリアを国内3エリア(地区)に区分し、東・西・中日本本部セグメントとして管理をしております。さらに、海外エリア全体については開発戦略事業と位置付け、産業資材事業及び新商品開発部門を加えた包括的な戦略事業として開発戦略本部セグメントとしております。
各子会社の主たるセグメントに係る位置付けは下記の通りであり、該当箇所に〇印を付しております。
<事業系統図>
事業の系統図は次のとおりであります。
当連結会計年度における当企業グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状況、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等)の状況の概要及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度における世界経済は、長期化するウクライナ紛争に加え、中東においては地政学リスクの発現により紛争が勃発、さらには中国の景気減速の継続など、各地域で不安定な状況が続きました。
国内においても、物価高や円安の継続により経済活動は盛り上がりを欠いており、先行き不透明な状況が継続しております。
このような状況下にあって、当企業グループでは、お客様のニーズを的確につかんだ営業を展開し目標に邁進してまいりました。特に、中国における大口の偏光板生産設備につきましては過去納入分が高評価を頂き、再度これらの設備を受注することができました。
これらの結果、当連結会計年度の業績につきましては、受注高については、上記の偏光板生産設備をはじめ、省力化設備等の設備装置関連を中心に、前年度に比べ大幅に増加いたしました。売上高につきましても、豊富な受注残高を概ね納期通りに売上計上することができたことから、前年度に比べ増加いたしました。なお、売上高は前年度に続き2期連続で1,000億円を超えることができました。以上の結果、受注高、受注残高、売上高は、過去最高額となりました。利益面では、受注活動増加に伴う経費増加や事務所改装費用の支出等があったものの、各利益は前年度を上回ることができました。
(単位:百万円)
受注高は、前連結会計年度に比べ8.7%増加し、1,247億73百万円となりました。
売上高は、前連結会計年度に比べ5.1%増収の1,135億3百万円となりました。営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益は、それぞれ52億33百万円(前期比102.6%)、55億77百万円(前期比102.6%)、40億0百万円(前期比109.1%)となり、前連結会計年度に比べ増収増益となりました。
経営指標による連結経営成績の状況は、上記の状況の結果、受注高の前期比成長率が8.7%、売上高の前期比成長率が5.1%、営業利益の前期比成長率が2.6%、経常利益の前期比成長率が2.6%、親会社株主に帰属する当期純利益の前期比成長率が9.1%となり、前連結会計年度に比べ増加いたしました。売上高経常利益率は4.9%、総資産経常利益率が6.2%となりました。また、かねてより10%維持を目標としているROEは10.8%となっており、収益力維持に努めている結果が反映していると考えております。
受注高・売上高の拡大並びに収益力を堅持し、客先をはじめとするステークホルダーへの貢献や、喫緊の課題である環境問題への対処などの社会的責任について事業を通じて果たしていきたいと考えております。
報告セグメントの業績は次のとおりであります。
なお、新潟・富山・石川を担当エリアとする子会社を2023年10月1日に新規設立し、管轄する本部を東日本本部としたことから、第3四半期連結会計期間より当該子会社を東日本本部の担当としております。
(単位:百万円)
北海道・東北・甲信越・関東地区が担当エリアであり、全体の売上高の約35%を占めております。
当連結会計年度の売上高は、398億66百万円(前期比109.9%)となりました。当年度は、動伝部品は半導体製造装置関連の売上高が弱含みに推移したものの、一般産業・鉄鋼業界等への売上高が増加し、部門全体では前年同期実績を上回りました。設備装置関連については、エンジニアリング設備や物流・自動車設備等を中心に、売上高が大幅に増加いたしました。この結果、営業利益は、22億13百万円(対前期5億8百万円増)となりました。受注高につきましては408億43百万円(前期比101.8%)と増額いたしました。
北陸・関西・中国・四国・九州地区が担当エリアであり、全体の売上高の約33%を占めております。
当連結会計年度の売上高は、368億47百万円(前期比92.2%)となりました。当年度は、動伝部品は一般産業・重工業向け等の売上高が前年同期に比べ着実に増加いたしました。設備装置関連の売上高については、中国における大口案件の大半の売上が前年度に終了したため、設備装置関連の総額では前年同期に比べ減額したものの、その他の案件については、物流・食品業界向けを中心に前年同期実績を上回りました。営業利益は、28億18百万円(対前期3億71百万円減)となりました。受注高につきましては480億12百万円(前期比123.1%)と大幅に増額いたしました。
東海地区が担当エリアであり、全体の売上高の約14%を占めております。
当連結会計年度の売上高は、160億91百万円(前期比121.3%)となりました。当年度は、コロナ後の営業活動を本格化したことにより、売上高が急回復しております。重工業向けや一般機械部品、自動車関連を中心とした動伝部品の売上高は、前年同期実績と比べ増額し、設備装置関連の売上高は、食品業界や自動車関連業界を中心に活発な受注活動が奏功し、前年同期実績を大きく上回る結果となりました。営業利益は、9億30百万円(対前期2億99百万円増)となりました。受注高につきましては156億95百万円(前期比99.9%)となりました。
当企業グループ全体の海外ビジネスやマテリアルビジネスを担当し、それらビジネスの拡大や、制御・センシングビジネスに向けた新商品の開発にも取組んでいる部門で、その売上高は全体の約18%を占めております。
当連結会計年度の売上高は、206億96百万円(前期比112.2%)となりました。当年度は、海外子会社については、ASEAN各国の景況が中国の景気減速の影響を受け、全体に立ち上がりが遅く、総じて横ばいとなりました。一方で、中国子会社につきましては、日系企業の設備装置需要に対応したことにより売上高が増加いたしました。海外ビジネスにつきましては、海外の動伝部品等を日本に紹介・輸入するビジネスが徐々に拡大しております。マテリアルビジネスにつきましては、介護・衛生関連商品がコロナによる需要が一巡したことにより、売上高は総額で前期並みにとどまりました。新規事業であるセンシング・画像処理ビジネスは、子会社を通じた売上が拡大しております。営業利益は7億98百万円(対前期77百万円減)となりました。受注高につきましては202億22百万円(前期比101.2%)と増額いたしました。
当連結会計年度における報告セグメントの業績を一覧表として示すと以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(単位:百万円)
(単位:百万円)
(単位:百万円)
(3) 財政状態の分析
(単位:百万円)
当連結会計年度末の資産合計は947億56百万円であり、前連結会計年度末の844億74百万円に比べ、102億82百万円増加いたしました。このうち流動資産は、前連結会計年度末に比べ、52億29百万円増加いたしました。主な要因は、現金及び預金が39億27百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が22億円増加したこと等によるものであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べ、50億52百万円増加いたしました。主な要因は、投資有価証券の時価が上昇したことにより前連結会計年度末に比べ48億8百万円増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の負債合計は543億79百万円であり、前連結会計年度末の504億34百万円に比べ、39億44百万円増加いたしました。このうち流動負債は、前連結会計年度末に比べ、23億49百万円増加いたしました。主な要因は、支払手形及び買掛金が23億62百万円増加したこと等によるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べ、15億94百万円増加いたしました。主な要因は、繰延税金負債が14億72百万円増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の純資産合計は403億77百万円であり、前連結会計年度末の340億39百万円に比べ、63億37百万円増加いたしました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益を40億0百万円計上した一方で、配当金の支払い10億13百万円を実施したこと、投資有価証券の時価が前連結会計年度末に比べ上昇したことにより、その他有価証券評価差額金が33億48百万円増加したこと等によるものであります。
この結果、自己資本比率は42.4%となり、財務安全性指標として維持する目標の30%を大きく超え、前連結会計年度に引き続き財務安全性を確保することができました。
(単位:百万円)
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、資金)は、268億55百万円となり、前連結会計年度末より39億27百万円増加いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ17億0百万円少ない50億15百万円となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益は57億61百万円、仕入債務の増加額10億28百万円等による資金の増加があった一方、法人税等の支払額19億76百万円等の資金の減少があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によって使用した資金は、前連結会計年度に比べ3億91百万円少ない69百万円となりました。
これは主に、固定資産の取得による支出5億円等の資金の減少があった一方、投資有価証券の売却による収入4億61百万円等の資金の増加があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によって使用した資金は、前連結会計年度に比べ1億5百万円多い10億77百万円となりました。
これは主に、配当金の支払額10億13百万円等の資金の減少によるものであります。
(5)資本の財源及び資金の流動性
当企業グループは、強固な財務体質と資本効率を両立しつつ、企業価値向上のために戦略的に経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としております。当連結会計年度末の自己資本比率は42.4%でありました。また、短期・長期借入金は必要最小限となるよう資金繰りを徹底し、増加運転資金には手元資金を効率的に運用することで対応しており、加えて、万一に備えての資金調達が行えるよう金融機関と貸出コミットメント契約を締結しております。一方、適切な情報開示・IR活動を通じて株主資本コストを低減できる様に努めております。
②経営資源の配分に関する考え方
当企業グループでは、適正な手元現預金の水準について目安を持っており、時期によっては、大口取引案件にかかる残高の上下があるものの、概ね年間売上高の1~2か月分が安定的な経営に必要な手元資金水準と考えております。この水準を大きく超えることが継続すると予想されるものについては、企業価値向上に資する経営資源として適正に配分できるように努めております。
③資金需要及び資金調達
資金需要につきましては、売上原価又は棚卸資産に該当する仕入高、並びに販売費及び一般管理費の営業費用が、当企業グループの運転資金として要する主なものであります。販売費及び一般管理費の主なものは、人件費、出張旅費を主体とする旅費交通費、及び事務所家賃を主体とする地代家賃であります。
また今後、当企業グループの新たな収益の源泉となり、企業価値向上に貢献していくとの判断から、新規事業や海外事業について子会社の新設やM&Aも含めた投資の検討を行ってまいります。
資金調達につきましては、手元資金を効率的に運用することで対応しており、加えて、万一に備えての資金調達が行えるよう金融機関と貸出コミットメント契約を締結しております。
当企業グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、重要な会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」の項目に記載の通りであります。重要な見積りについては、財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り・予測・判断が必要となり、当企業グループでは過去の実績値や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報に基づき、継続的に見積り・予測・判断を行っております。しかしながら、見積り特有の不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
当企業グループにおける重要な見積りとして、以下の事項が考えられます。
(進捗度に基づく売上高の計上)
進捗度に基づく売上高の計上は、工事ごとの管理体制を整備した上で、受注時に工事内容が特定され、その見積原価が反映していること、また受注後に工事内容に変化があった場合には、速やかに見積原価の変更を行うなど進捗管理を厳正に管理することで進捗率を合理的に見積り、それに見合った売上高を算定しております。
これらの見積りに対し、将来発生する様々な要因に伴い追加原価及び工期遅延が発生する可能性があるため、実際に生じた金額が見積りと異なる可能性があります。
なお、詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」として記載しております。
(7)その他
当企業グループにおいて、重要な取引先として株式会社椿本チエイン及びそのグループ会社があります。その取引内容につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 関連当事者情報」の事項に記載の通りでありますが、株式会社椿本チエイングループの製品は当企業グループの事業戦略展開上の重要なコアの一つであり、従来から販売面のみならず、商品開発面及び相互間の業務処理の効率化といった面から継続的な協力・協働を進めてきております。同グループ製品群に係る市場でのコスト面、品質面での競争は激化しており、製・販一体となった更なる販売力・商品力の強化が求められております。
このような状況を踏まえ、当企業グループは、株式会社椿本チエイングループと共に統一した営業戦略の下での協力・協働関係を更に強化することとし、ターゲットとした事業領域・商品領域については、両者によるワーキングチームの編成等、一歩進めた共同営業の展開により同グループ製品の販売拡大を図って行くと共に、IT化により、相互間の事業処理面でも効率化を更に進めていくこととしております。
当連結会計年度につきましてはROEは10.8%となり、CAPMによる推定の株主資本コストを上回る資本収益性は達成できていると認識しております。しかしながら、以下の通り、PBR(株価純資産倍率)は1倍をやや超えている状況であり、十分な市場評価を得られておりません。このため、株主資本コストや資本収益性を十分に意識し、ROE10%を毎期継続して達成することを中期経営計画にて表明しております。更には、ROE向上のための資本政策や利益計画を策定し、投資家をはじめとするステークホルダーの期待に応えながら、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を図ってまいります。
(注)1 上記の連結会計年度末株価終値は、東京証券取引所におけるものであります。
2 PBRは、各年度末の株価終値を1株当たり純資産額で割って算出しております。
3 2024年4月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っております。当連結会計年度末における連結会計年度末株価終値は、株式分割による権利落後の株価を記載しており、1株当たり純資産額は、期首に当該株式分割が行われたと仮定し算定しております。