E02567 Japan GAAP
前期
9,062.6億 円
前期比
93.6%
株価
1,808.5 (01/13)
発行済株式数
234,246,596
EPS(実績)
202.19 円
PER(実績)
8.94 倍
前期
970.2万 円
前期比
105.7%
平均年齢(勤続年数)
39.9歳(15.3年)
従業員数
1,368人(連結:11,859人)
当社グループは、当社、子会社156社(うち連結子会社105社、持分法適用非連結子会社51社)、関連会社74社(うち持分法適用関連会社38社)及び関係会社以外の関連当事者により構成され、総合エネルギー事業、産業ガス・機械事業、マテリアル事業及びその他の分野(食品、畜産、金融、保険、運送、保安、情報処理等)に事業を展開しております。
各分野における当社、主要な関係会社の位置付け及びセグメントとの関連の系統図は次のとおりであります。
※画像省略しています。
(経営成績等の状況の概要)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度において、持分法適用に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度との比較・分析については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の重要な見直しが反映された後の金額によっております。
(1) 経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済は、中国経済の停滞や中東情勢などの地政学的リスクに伴う先行き不透明感があるものの、所得環境の改善により個人消費が持ち直すとともに、企業収益の拡大を背景に設備投資が伸長し、緩やかな回復が続きました。
このような状況のもと、当社グループは2024年3月期を初年度とする5ヵ年に亘る中期経営計画「PLAN
27」に基づき、基本方針である「社会課題解決」と「持続的成長」に向けた事業拡大に取り組みました。
水素エネルギー社会の実現に向けては、燃料電池バス専用の水素ステーション「岩谷コスモ水素ステーション有明自動車営業所」を東京都交通局の営業所内に開所しました。また、水素燃料電池船「まほろば」による2025年大阪・関西万博での旅客運航を開始し、モビリティ用途としての水素活用を推進しました。
脱炭素戦略の一環として、カーボンオフセットカセットガスの販売を開始しました。当社が販売するカセットガスのカーボンフットプリントを算定し、自社で創出したJ-クレジットを活用してCO2をオフセットした商品であり、カセットこんろ用ボンベ業界では初めての取り組みとなりました。また、2025年大阪・関西万博の大阪ヘルスケアパビリオンに対してカーボンオフセットしたLPガスを供給するなど、脱炭素社会に向けた取り組みを推進しました。
重要鉱物資源の安定調達に向けては、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)と合弁会社「日仏レアアース株式会社」を設立し、希少資源であるレア・アースを生産するフランス企業と出資契約を締結しました。これにより、生産する重希土類の50%を長期調達することとなります。当社は1990年代よりレア・アースの輸入・販売を始めており、今後も日本の重要鉱物のサプライチェーン構築に貢献するとともに、安定供給力の強化により事業拡大に取り組みます。
当連結会計年度の経営成績については、売上高8,830億11百万円(前年度比351億23百万円の増収)、営業利益462億28百万円(同44億7百万円の減益)、経常利益614億87百万円(同8億19百万円の減益)、親会社株主に帰属する当期純利益404億48百万円(同30億19百万円の減益)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりです。
①総合エネルギー事業
総合エネルギー事業は、LPガス輸入価格が高値で推移したことに加え、工業用LPガスの販売が堅調に推移し、増収となりました。利益面においては、エネルギー関連機器等の販売が堅調に推移しました。一方、LPガスは卸売部門で販売数量が減少し、小売部門では新規連結により販売数量が増加したものの、コスト上昇により収益性が低下しました。また、市況要因による増益影響が縮小(前年度比5億40百万円の減益)し、減益となりました。
この結果、当事業分野の売上高は3,787億82百万円(前年度比216億49百万円の増収)、営業利益は195億26百万円(同6億46百万円の減益)となりました。
②産業ガス・機械事業
産業ガス・機械事業は、エアセパレートガスについては、電子部品業界向けを中心に販売数量が堅調に推移しました。水素事業は、宇宙開発や脱炭素用途として、液化水素の販売数量が増加しました。特殊ガスについては、国内外で冷媒事業が拡大したものの、中国を中心にヘリウムの市況が軟化したことにより、収益性が低下しました。また、機械設備については、脱炭素用途・脱硝用途のアンモニア供給設備や、電子部材の販売が伸長しました。
この結果、当事業分野の売上高は2,714億49百万円(前年度比92億79百万円の増収)、営業利益は175億72百万円(同41億33百万円の減益)となりました。
③マテリアル事業
マテリアル事業は、エアコン向け成形品や消費者向け樹脂製品の販売が堅調に推移しました。また、バイオマス燃料や食品包装向けアルミ箔の売上が伸長しました。一方で、ステンレスの販売価格が下落するとともに、次世代自動車向け二次電池材料の売上が低調に推移しました。ミネラルサンドについては、豪州自社鉱区の収益性が低下しました。
この結果、当事業分野の売上高は2,016億85百万円(前年度比34億42百万円の増収)、営業利益は117億48百万円(同5億57百万円の減益)となりました。
④その他
売上高は310億93百万円(前年度比7億51百万円の増収)、営業利益は33億6百万円(同5億30百万円の増益)となりました。
(2) 財政状態の状況
①総資産
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ416億98百万円増加の8,721億94百万円となりました。これは、投資有価証券が95億93百万円減少したものの、受取手形、売掛金及び契約資産が162億74百万円、有形固定資産が147億94百万円、無形固定資産が112億54百万円それぞれ増加したこと等によるものです。
②負債
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末と比べ135億40百万円増加の4,750億2百万円となりました。これは、短期借入金が1,047億40百万円減少したものの、長期借入金が415億19百万円、社債が300億円、コマーシャル・ペーパー等の流動負債「その他」が277億66百万円、1年内返済予定の長期借入金が102億29百万円、支払手形及び買掛金が100億35百万円それぞれ増加したこと等によるものです。
なお、当連結会計年度末のリース債務等を含めた有利子負債額は、前連結会計年度末と比べ99億26百万円増加の2,644億47百万円となりました。
③純資産
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比べ281億57百万円増加の3,971億91百万円となりました。これは、その他有価証券評価差額金が80億40百万円、繰延ヘッジ損益が20億46百万円それぞれ減少したものの、利益剰余金が330億92百万円、為替換算調整勘定が36億38百万円それぞれ増加したこと等によるものです。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ60億26百万円減少の275億88百万円となりました。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ収入が24億35百万円減少したことにより524億19百万円の収入となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益628億38百万円、減価償却費278億77百万円等による資金の増加と、法人税等の支払額229億38百万円、売上債権及び契約資産の増加額116億14百万円、持分法による投資損益100億99百万円等による資金の減少によるものです。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ支出が1,028億52百万円減少したことにより584億14百万円の支出となりました。
これは主に、有形固定資産の取得434億32百万円、無形固定資産の取得112億4百万円等による資金の減少によるものです。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ支出が1,074億49百万円増加したことにより20億16百万円の支出となりました。
これは主に、コマーシャル・ペーパーの純増加額330億円、社債の発行による収入298億39百万円等による資金の増加と、借入金の純減少額552億40百万円、配当金の支払額74億69百万円、リース債務の返済による支出12億84百万円等による資金の減少によるものです。
(4) 生産、受注及び販売の実績
当社グループの事業形態は主に商品の仕入による販売を主要業務としているため、生産実績及び受注状況に代えて仕入実績を記載しております。
①仕入実績
当連結会計年度における外部からのセグメントごとの仕入実績(役務原価等を含む)は次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年度比(%) |
|
総合エネルギー事業 |
253,630 |
7.4 |
|
産業ガス・機械事業 |
191,371 |
4.3 |
|
マテリアル事業 |
173,651 |
4.4 |
|
その他 |
40,140 |
7.9 |
|
合計 |
658,794 |
5.7 |
②販売実績
当連結会計年度における外部顧客へのセグメントごとの販売実績(役務収益等を含む)は次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年度比(%) |
|
総合エネルギー事業 |
378,782 |
6.1 |
|
産業ガス・機械事業 |
271,449 |
3.5 |
|
マテリアル事業 |
201,685 |
1.7 |
|
その他 |
31,093 |
2.5 |
|
合計 |
883,011 |
4.1 |
(注) 販売実績が総販売実績の100分の10以上を占める相手先はありません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いております。なお、見積り及び判断・評価については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づいて行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
①経営成績の分析
(a) 売上高及び売上総利益
売上高は、前連結会計年度と比べ4.1%増収の8,830億11百万円となりました。これは主に、LPガス輸入価格が高値で推移したことや、工業分野向け商品が堅調に推移したこと等によるもので、詳細は「(経営成績等の状況の概要) (1)経営成績の状況」のセグメント別の経営成績をご参照ください。
売上総利益は、エアセパレートガスや水素の販売が堅調に推移したことに加え、エネルギー関連機器の販売が伸長したこと等により、前連結会計年度と比べ2.1%増益の2,343億11百万円となりました。
(b) 営業利益
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比べ5.2%増加の1,880億83百万円となりました。これは主に、人件費や物流費等の増加によるものです。
この結果、営業利益は、前連結会計年度と比べ8.7%減益の462億28百万円となりました。
(c) 経常利益
営業外損益は、152億59百万円の収益(純額)となり、前連結会計年度の116億71百万円の収益(純額)と比べ35億87百万円増加しました。これは主に、コスモエネルギーホールディングス株式会社に係る持分法による投資利益が増加したこと等によるものです。
この結果、経常利益は、前連結会計年度と比べ1.3%減益の614億87百万円となりました。
(d) 親会社株主に帰属する当期純利益
特別損益は、13億50百万円の収益(純額)となり、前連結会計年度の10億8百万円の収益(純額)と比べ
3億42百万円の増益要因となりました。これは主に、投資有価証券売却益が増加したこと等によるものです。
法人税等合計は、前連結会計年度と比べ11.7%増加の210億64百万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比べ6.9%減益の404億48百万円となり、1株当たりの当期純利益は、前連結会計年度の188.90円に対し175.76円となりました。なお、2024年10月1日付で普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行っております。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり当期純利益を算定しております。
当社は、中期経営計画「PLAN27」において、最終年度の2028年3月期に、営業利益650億円、ROE10%以上、ROIC6%以上を目標としております。前連結会計年度及び当連結会計年度、PLAN27最終年度目標の営業利益、ROE、ROICは次のとおりであります。
(PLAN27との比較)
|
項目 |
第81期実績 |
第82期実績 |
PLAN27 最終年度目標 |
|
営業利益(億円) |
506 |
462 |
650 |
|
ROE |
13.2% |
10.9% |
10%以上 |
|
ROIC |
6.7% |
5.1% |
6%以上 |
(第82期業績予想との比較)
|
項目 |
第81期実績 |
第82期実績 |
第82期業績予想(注) |
|
売上高(億円) |
8,478 |
8,830 |
9,020 |
|
営業利益(億円) |
506 |
462 |
527 |
|
経常利益(億円) |
623 |
614 |
728 |
|
親会社株主に帰属する 当期純利益(億円) |
434 |
404 |
540 |
(LPガス輸入価格変動要因(市況要因)を除いた営業利益)
|
項目 |
第81期実績 |
第82期実績 |
第82期業績予想(注) |
|
営業利益(億円) |
506 |
462 |
527 |
|
市況要因(億円) |
7 |
2 |
- |
|
市況要因を除く 営業利益(億円) |
498 |
460 |
527 |
(注) 第82期業績予想は、2024年5月13日に公表した数値を表示しております。
第82期(2025年3月期)実績は、ヘリウムの市況が中国を中心に軟化したことに加え、次世代自動車向け二次電池材料の販売低迷などにより、営業利益は462億円、ROEは10.9%、ROICは5.1%となりました。
今後につきましては、引き続き重点施策に基づいた戦略を実行し、PLAN27の経営数値目標である営業利益650億円、ROE10%以上、ROIC6%以上の達成を図ります。
②資本の財源及び資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローの状況については、「(経営成績等の状況の概要) (3)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(a) 資金需要
当社グループの事業活動における運転資金の主なものは、商品の仕入、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、M&Aによる株式取得のためのものであります。当社グループにおいては、安心・安全を支えるインフラ整備については事業全体の収益を考慮して、将来の成長投資については資本コスト等を考慮して多角的かつ慎重に投資判断を行う方針であります。
(b) 財務政策
当社グループは、財務の健全性を保ちつつ、安定的に営業活動によるキャッシュ・フローを生み出すことで、事業運営上必要な資本の財源及び資金の流動性を確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入、コマーシャル・ペーパー(CP)により調達を行っております。設備投資や長期運転資金は、自己資金並びに金融機関からの長期借入、社債の発行等により調達を行っております。また、グループ内資金の効率化を目的として、グループ会社間で貸付等を行っております。
前連結会計年度のコスモエネルギーホールディングス株式の追加取得時に調達した短期借入金は、社債300億円並びにシンジケートローン450億円に借り換えを実施し、それ以外の資金についてはCP等で調達しております。
社債については、2024年9月に普通社債(期間5年・200億円、期間10年・100億円)として発行しており、株式会社日本格付研究所(JCR)より、債券格付(A+)を取得しております。また、CP発行に必要な国内CP格付についても、長期発行体格付「A+」に対応する「J-1」を取得いたしました。
なお、当連結会計年度末のリース債務等を含めた有利子負債額は、前連結会計年度末と比べ99億26百万円増加の2,644億47百万円となりました。