売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E02567 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における日本経済は、世界的な金融引き締めや中国経済の停滞などに伴う景気下振れリスクがあるものの、社会経済活動の正常化が進み、企業収益や設備投資が改善するなど、緩やかな回復が続きました。

このような状況のもと、当社グループは2024年3月期を初年度とする5ヵ年に亘る中期経営計画「PLAN27」に基づき、基本方針である「社会課題解決」と「持続的成長」に向けた事業拡大に取り組みました。

水素エネルギー社会の実現に向けては、水素関連プロジェクトのエンジニアリング事業協業のために、コスモエネルギーホールディングス株式会社のグループ会社と合同会社を設立しました。また、国内初となるバスの事業所内を含む、東京都の所有地2か所での水素ステーション整備事業者に岩谷コスモ水素ステーション合同会社が選定され、FC商用車向けの需要に対応した水素ステーション建設の取り組みを進めました。さらに、当社中央研究所・岩谷水素技術研究所において純水素型燃料電池を導入し、液化水素の冷熱を利用したエネルギーマネジメントシステムの実証研究を進め、工場や事務所におけるエネルギー供給モデルを確立していきます。

総合エネルギー事業では、鹿児島市による桜島火山爆発総合防災訓練にて当社のIoTプラットフォームである「イワタニゲートウェイ」と株式会社ottaの見守りシステムを連携させた防災支援システムを活用する実証を行いました。当社独自のLPガスネットワークとIoTを活用し、今後も社会課題の解決を図るサービスの提供に取り組みます。

産業ガス・機械事業では、エアコンや自動車の普及拡大による冷媒需要の拡大が予想される中、マレーシアの冷媒事業会社を買収し、温暖化への影響がより小さい冷媒への切り替えや、同国初となる使用済みフロンの回収・再生事業を行い、東南アジアでの事業拡大を図ります。

マテリアル事業では、豪州において、資源の安定調達の強化と持続的成長に向けてミネラルサンド鉱区の拡張を図るとともに、所有地での植樹を実施し、政府機関へのカーボンクレジットプログラムの登録が完了するなど植林事業を推進しました。

 

当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高6,175億13百万円(前年同期比382億74百万円の減収)、営業利益319億6百万円(同83億89百万円の増益)、経常利益367億70百万円(同74億4百万円の増益)、親会社株主に帰属する四半期純利益241億69百万円(同46億29百万円の増益)となりました。

 

セグメント別の経営成績は次のとおりです。

なお、第1四半期連結会計期間より、会社組織の変更に伴い、事業セグメントの区分方法の変更を行っており、当第3四半期連結累計期間の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。

 

【総合エネルギー事業】

総合エネルギー事業は、LPガス輸入価格が下落傾向で推移した後に上昇しましたが、前年同期を下回り、販売価格は低下しました。また、大口顧客向けを中心にLPガスの販売が減少し、減収となりました。一方、利益面においては、LPガス小売部門での収益性改善に加え、カセットガスやガス保安機器の販売が伸長し、増益となりました。また、LPガスの市況要因による減益影響も改善(前年同期比5億19百万円の増益)しました。

この結果、当事業分野の売上高は2,420億55百万円(同331億2百万円の減収)、営業利益は73億16百万円(同16億58百万円の増益)となりました。

 

 

 

【産業ガス・機械事業】

産業ガス・機械事業は、エアセパレートガス及び水素ガスについては、半導体、電子部品業界向けを中心に販売数量が減少しましたが、製造コスト増加への対応に努めたことにより収益性は改善しました。特殊ガスについては、飲料業界向けに炭酸ガスが堅調に推移するとともに、ヘリウムの安定供給に努めました。機械設備は、パワー半導体向け設備やガス供給設備の販売が伸長しました。

この結果、当事業分野の売上高は1,937億81百万円(前年同期比229億97百万円の増収)、営業利益は169億57百万円(同59億79百万円の増益)となりました。

 

【マテリアル事業】

マテリアル事業は、次世代自動車向け二次電池材料について、販売先での在庫調整の影響等により販売数量が減少し、減収となりました。一方で、バイオマス燃料や飲料ボトル向けPET樹脂、スマートフォン向け機能性フィルムが好調に推移するとともに、海外でのミネラルサンド事業が伸長しました。また、ステンレスや、エアコン・自動車部品向けを中心とする金属加工品も堅調に推移しました。

 この結果、当事業分野の売上高は1,589億73百万円(前年同期比283億68百万円の減収)、営業利益は92億13百万円(同43百万円の増益)となりました。

 

【その他】

売上高は227億4百万円(前年同期比2億円の増収)、営業利益は23億10百万円(同8億90百万円の増益)となりました。

 

(2)財政状態の分析

①総資産

当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末と比べ1,444億1百万円増加の8,004億5百万円となりました。これは、コスモエネルギーホールディングス株式の追加取得等により投資有価証券が1,129億15百万円、設備投資の拡大により有形固定資産が163億93百万円それぞれ増加したこと等によるものです。

 

②負債

当第3四半期連結会計期間末の負債は、前連結会計年度末と比べ1,172億74百万円増加の4,610億47百万円となりました。これは、コスモエネルギーホールディングス株式の追加取得等に伴い短期借入金が1,199億89百万円増加したこと等によるものです。

なお、当第3四半期連結会計期間末のリース債務等を含めた有利子負債額は、前連結会計年度末と比べ1,224億43百万円増加の2,618億97百万円となりました。

 

③純資産

当第3四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末と比べ271億27百万円増加の3,393億58百万円となりました。これは、利益剰余金が186億99百万円、為替換算調整勘定が43億30百万円、その他有価証券評価差額金が39億87百万円それぞれ増加したこと等によるものです。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費は16億51百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(5)経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは2024年3月期を初年度とする5ヵ年に亘る中期経営計画「PLAN27」を2023年6月21日に発表し、当該期間における基本方針及び指標等を開示いたしました。