E03064 Japan GAAP
前期
2,379.5億 円
前期比
105.3%
株価
1,142 (11/01)
発行済株式数
52,338,091
EPS(実績)
9.50 円
PER(実績)
120.26 倍
前期
547.0万 円
前期比
98.8%
平均年齢(勤続年数)
46.5歳(21.6年)
従業員数
2,002人(連結:2,623人)
当社グループは、当社および連結子会社5社で構成され、スーパーマーケットおよびドラッグストア事業を柱とした小売事業ならびに小売支援事業を行っております。
当社グループの事業内容および各社の位置付けは、次のとおりであります。なお、以下に示す区分はセグメントと同一の区分であります。
事業の系統図は次のとおりです。
(1)経営成績等の状況の概況
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比べ48億69百万円増加し、1,023億20百万円になりました。
流動資産は、前連結会計年度末と比べ25億16百万円増加し、441億19百万円になりました。これは主に、関係会社預け金が50億円、売掛金が35億6百万円それぞれ増加した一方で、現金及び預金が34億3百万円、有価証券が25億49百万円それぞれ減少したことによるものです。
固定資産は、23億64百万円増加し、581億52百万円になりました。これは主に、投資その他の資産が13億46百万円、有形固定資産が9億53百万円、無形固定資産が64百万円それぞれ増加したことによるものです。
繰延資産は、11百万円減少し、48百万円になりました。これは社債発行費の償却によるものです。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比べ38億33百万円増加し、463億4百万円になりました。
流動負債は、44億95百万円増加し、344億90百万円になりました。これは主に、買掛金が27億13百万円(電子記録債務を含め27億23百万円)、流動負債その他(未払金など)が9億70百万円、賞与引当金が5億83百万円それぞれ増加したことによるものです。
固定負債は、6億61百万円減少し、118億14百万円になりました。これは主に、長期借入金が15億48百万円、社債が5億23百万円それぞれ減少した一方で、繰延税金負債が12億34百万円、リース債務が1億38百万円それぞれ増加したことによるものです。
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比べ10億35百万円増加し、560億16百万円となりました。これは主に、その他有価証券評価差額金が8億63百万円、退職給付に係る調整累計額が3億21百万円それぞれ増加した一方で、利益剰余金が1億99百万円減少したことによるものです。以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ1.7ポイント下がり、53.5%になりました。
b 経営成績
当連結会計年度における経営成績は、曜日セールやポイント施策の強化を行い既存店客数が前期比2.6%増と回復したことから営業収益が2,614億86百万円(同5.2%増)の増収となりました。営業総利益は806億42百万円(同4.8%増)、販売費及び一般管理費はセルフレジや電子棚札など効率化に向けての取り組みを行ったことで777億10百万円(同3.6%増)となりました。
以上の結果、営業利益は29億31百万円(同54.3%増)、経常利益は28億92百万円(同32.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4億97百万円(前期は21億5百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
なお、当社グループは2023年12月6日をもってイオングループの連結対象子会社になりました。
なお事業セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
スーパーマーケット事業におきましては、競合他社との差別化のため、生鮮、惣菜、インストアベーカリーの強化を図りました。また、グロッサリーでは原料原価高騰による多くの商品の値上げへの対応として、カテゴリー割引を定期的に実施し、来店客数の拡大を図り、既存店客数が前期比3.0%増と伸長したことにより、セグメント別売上高(外部顧客)は2,039億25百万円(前期比5.4%増)となりました。セグメント利益は、人件費等増加しましたが、売上高の伸長が起因し20億37百万円(同145.1%増)となりました。
ドラッグストア事業におきましては、新規出店や改装、EC拡大による販売チャネル強化と利便性向上を行った結果、セグメント別売上高(外部顧客)は461億96百万円(前期比5.8%増)となりましたが、水道光熱費が増加したことなどにより、セグメント利益は5億89百万円(同22.3%減)となりました。
小売支援事業におきましては、セグメント別売上高(外部顧客)は4億71百万円(前期比41.6%減)、セグメント利益は3億20百万円(同10.5%増)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は200億82百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億53百万円減少しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動の結果得られた資金は63億41百万円(前期比18億20百万円の収入増加)となりました。これは主に、減価償却費31億70百万円、仕入債務の増加額27億23百万円、税金等調整前当期純利益26億63百万円、減損損失7億22百万円などの収入があった一方、売上債権の増加額35億6百万円などの支出があったことによるものです。
投資活動の結果使用した資金は32億1百万円(前期比1億9百万円の支出減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出30億52百万円などの支出があったことによるものです。
財務活動の結果使用した資金は35億93百万円(前期比22億22百万円の支出増加)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が19億48百万円、配当金の支払額6億96百万円などの支出があったことによるものです。
(資本の財源及び資金の流動性について)
当社グループの行うスーパーマーケット事業およびドラッグストア事業においては、売上代金の多くが現金回収される一方で、商品仕入に伴う支払は掛払いが行われるため、入出金タイミングのずれによる回転差により、手許資金が発生します。しかしながら、仕入代金や人件費をはじめとする経費等の支払、銀行借入の約定返済、設備投資費用の支払などの全てを回転差から生じた手許資金だけで賄うことはできず、追加の資金確保が必要となります。資金確保に関しては、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を活用してグループ内での資金の融通を図るとともに、必要に応じて銀行借入なども活用しております。
設備投資は、当社グループの経営戦略、加重平均資本コスト(WACC)などを参考に投資案件を選定し、年間の想定営業キャッシュ・フロー額を目安に、投資時期を最終判断しております。なお、重要かつ緊急性の高い投資案件が発生した場合には、銀行借入を活用することもあります。
また、株主還元は安定配当を基本方針として実施しております。
③ 生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度における小売事業の売上高の内訳をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間取引については、相殺消去しております。
b.仕入実績
当連結会計年度における小売事業の仕入高の内訳をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は仕入価額によっており、セグメント間取引については、相殺消去しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループは、「まずはお客様ありき」の精神のもと、地域のお役立ち業としてライフラインを支え、安心安全な食の提供と、地域の豊かな社会の実現に寄与すべく取り組んでまいりました。
当社グループにおけるセグメントごとの状況は次のとおりです。
当社は、“新鮮さを お安く 心をこめて”を経営目標とし、「楽しい」「美味しい」「鮮度感溢れる」をお客様に感じていただくことを目指し、価値ある商品の開発、お値打ち価格での商品提供、お客様の立場に立った「お買い場」づくりを行い、お客様の来店頻度を高めることをテーマとして施策を推進してまいりました。
商品面では、競合他社との差別化のため、生鮮、惣菜、インストアベーカリーの強化を図りました。2024年1月には、全国チェーンストア協会主催の「お弁当・お惣菜大賞」の寿司部門において若手バイヤーが開発した「ちょこっと食べたいかつお丼」が優秀賞を受賞し、おいしさや魅力をお客様に伝えることができ、こだわりの商品を提供してまいりました。また、グロッサリーでは原料原価高騰による多くの商品の値上げへの対応として、カテゴリー割引を定期的に実施し、来店客数の拡大を行ってまいりました。
販売促進といたしましては、来店動機となるコモディティ商品の曜日セールを実施するとともに、会員のお客様への対応としてポイント施策の強化を行いました。さらにチラシだけでなく、LINEミニアプリやネイティブアプリなどのデジタルコンテンツを活用したお客様との接点の拡大を図ってまいりました。
生活様式の変化への対応といたしまして、ネットスーパーの展開を強化しており、3月末時点で18店舗となりました。さらには、ラストワンマイル(お客様からのご注文からお届けまで)への対応として、クイックコマースへの取り組みを進めてまいります。
地域のお客様のお困りごとの解消といたしましては、移動スーパー「とくし丸」のエリアの拡大を行い、2月に横浜左近山店(横浜市旭区)にて運行を開始し、配車台数は3月末時点で25台と順調に配車台数を増やしております。
お客様のレジ待ちストレス軽減および多様化した決済手段への対応、そして労働力不足の解消を目的としたセミセルフレジ、セルフレジの導入を加速しております。
設備投資といたしましては、スクラップアンドリプレイスにより練馬中村南店(東京都練馬区)の1店舗を新設し、一方でina21練馬中村南店(東京都練馬区)、ina21町田相原駅前店(東京都町田市)、立川南口店(東京都立川市)、スクラップアンドビルドを目的に川崎中野島店(川崎市多摩区)の4店舗を閉鎖いたしました。また、既存店の活性化を引き続き推進し、横浜左近山店(横浜市旭区)、毛呂店(埼玉県入間郡毛呂山町)、調布仙川店(東京都調布市)など16店舗の改装を実施いたしました。当連結会計年度末における店舗数は、前連結会計年度末から3店舗減少し130店舗となっております。
当社は第3四半期においてイオン株式会社の子会社となり、イオングループの一員となりました。現在、イオングループの資産であるプライベートブランド商品「トップバリュ」を順次拡大し競合との差別化を図るとともに、同じくイオングループの決済手段である「AEON Pay」を導入しお客様の利便性向上にも取り組んでおります。
[ドラッグストア事業]
㈱ウェルパークにおいては、「チェーンストア経営深化による成長力・収益力の拡大」を基本方針として、ドラッグストアの出店と改装、調剤併設の推進を図るとともにECのチャネル拡大による成長力拡大に努めております。また、新物流センターへ完全移行することで店舗着荷作業軽減による人時売上高改善など、チェーンストア経営のメリットを最大限に引き出し、個店の魅力を高め顧客満足度向上の実現を目指して営業活動を行っております。
設備投資といたしましては、調剤薬局併設の東村山富士見町3丁目店(東京都東村山市)の1店舗を新設し、一方で新座片山店(埼玉県新座市)、二俣川北口店(横浜市旭区)、ふじみ野店(埼玉県ふじみ野市)、越谷店(埼玉県越谷市)の4店舗を閉鎖いたしました。また、既存店の活性化のため、花小金井駅前店(東京都小平市)など23店舗の改装を実施し、国立矢川店(東京都国立市)では新たに調剤薬局を併設いたしました。当連結会計年度末における店舗数は、140店舗となっております。
デイリー食品卸しと惣菜製造を行っている㈱サンフードジャパンは、安全・安心でおいしい価値ある商品の提供に取り組んでおります。惣菜製造事業においては、㈱いなげやと連携した独自商品の開発、内製化等、グループ内の同事業強化のバックアップに注力してまいりました。
商業施設を中心に建物施設の企画、設計や警備、清掃等を行っている㈱サビアコーポレーションは、いなげやグループが地域のお役立ち業として企業価値を高めるために、店舗の企画段階から検討を行い開発および管理におけるコスト削減やリスク低減に取り組んでおります。また、これらグループ内事業で積みあげた安全・安心で快適な各種機能・サービスを一般のお客様に提供することも行ってまいりました。
障がい者雇用の推進を目的とした特例子会社㈱いなげやウィングは、従業員の能力開発や自立支援、グループ各社に向け障がい者雇用の支援に取り組んでおります。また、障がい者の職場での定着支援活動などを行うことによりグループ会社全体に障がい者への理解を深めていく役割も担っております。
露地栽培・水耕栽培等、農業経営を行う㈱いなげやドリームファームは、「安全」「安心」「おいしい」で健康と笑顔の創造を目指し品質向上や地産地消の推進に取り組んでおります。また、㈱いなげやの青果担当者に対する学びの場として農業研修を実施する等、グループ内の人財育成の役割も担っております。
(単位:億円)
当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症の感染法上の位置づけが5類感染症に引き下げられたことなどにより、社会経済活動は活発化しました。一方、円安やエネルギー価格の上昇などにより、商品価格の上昇が続いており、先行きが不透明な状況が続いております。当社グループにおきましては、お客様の来店動機づくりとして曜日セールやポイント施策の強化、ネットやクイックコマースなど販売チャネル拡大を積極的に行い、目標数値を上回る結果となりました。
新年度(2024年4月~2025年3月)の計画といたしましては、2024年4月18日にお知らせいたしましたユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス株式会社(以下「U・S・M・H」)を株式交換完全親会社、当社を株式交換完全子会社とする株式交換交換契約を締結しており、2024年11月30日をこの株式交換の効力発生日として行われる予定となっていることから、新年度の連結目標数値は、2025年3月期第2四半期連結累計期間の目標数値となっております。
営業収益1,270億円(前年同四半期比1.7%減)、営業利益6億円(同53.6%減)、経常利益5億50百万円(同60.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益16億31百万円(同107.5%増)を目標としております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
当社グループの将来に関する予想、見積り等の事項は過去の経験や状況に応じて判断したものであり、先行きに不確実性やリスクを含んでいるため将来生じる結果と異なる場合があります。
また、以下の会計上の見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。
a 固定資産の減損処理
固定資産の減損処理に際して用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
b 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。