株式会社いなげや

ブランドなど:いなげやウェルパーク三浦屋
小売業スーパープライムTOPIX Small 2

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E03064 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 財務状態及び経営成績の状況

①経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染法上の位置づけが5類感染症に引き下げられたことなどにより、社会経済活動が活発化し、インバウンド需要はコロナ禍前と変わらない状況まで回復いたしました。一方、引き続き原材料価格の高止まりが続き、消費者の生活防衛意識は依然として高い状態が継続し、先行きが不透明な状況が続いております。 

当社グループが属する食品スーパーマーケット業界におきましては、インターネット販売などを中心に消費者の購買行動が多様化するなど、販売を取り巻く環境は依然厳しい状況が続いております。

このような状況のもと、当社グループは、「まずはお客様ありき」の精神のもと、地域のお役立ち業として安全・安心な食の提供と、豊かな地域社会の実現に寄与すべく事業活動に取り組んでまいりました。

当第3四半期連結累計期間における経営成績は、1品単価の上昇とともに既存店客数が前年同四半期比2.3%増と回復したことから営業収益が1,979億87百万円(同4.7%増)の増収となりました。営業総利益は606億1百万円(同4.2%増)、販売費及び一般管理費は579億75百万円(同2.6%増)の増加となりました。

以上の結果、営業利益は26億25百万円(同63.7%増)、経常利益は26億30百万円(同43.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は16億24百万円(同51.5%増)となりました。

なお、当社グループは2023年12月6日をもってイオングループの連結対象子会社になりました。

 

当社グループにおける事業セグメントごとの状況は次のとおりです。

[スーパーマーケット事業]

当社は、“新鮮さを お安く 心をこめて”を経営目標とし、「楽しい」「美味しい」「鮮度感溢れる」をお客様に感じていただくことを目指し、価値ある商品の開発、お値打ち価格での商品提供、お客様の立場に立った「お買い場」づくりを行い、お客様の来店頻度を高めることをテーマとして施策を推進してまいりました。

商品面では、競合他社との差別化のため、生鮮、惣菜、インストアベーカリーのおいしさや魅力をお客様にお伝えし、こだわりの商品を提供してまいりました。また、グロッサリーでは原料原価高騰による多くの商品の値上げへの対応として、カテゴリー割引を定期的に実施し、来店客数の拡大を行ってまいりました。

販売促進といたしましては、来店動機となるコモディティの主力商品の曜日セールを実施するとともに、ロイヤルカスタマーへの対応としてポイント施策の強化を行いました。さらにチラシだけでなく、LINEミニアプリやネイティブアプリなどのデジタルコンテンツを活用したお客様との接点の拡大を図ってまいりました。

生活様式の変化への対応といたしまして、ネットスーパーの展開を強化しており、5月に新宿小滝橋店(東京都新宿区)にて展開を開始し12月末時点で13店舗となりました。さらには、ラストワンマイル(お客様からのご注文からお届けまで)への対応として、クイックコマースへの取り組みを進めてまいります。

地域のお客様のお困りごとの解消といたしましては、移動スーパー「とくし丸」のエリアの拡大を行い、今期は4月に毛呂店(埼玉県入間郡毛呂山町)にて運行を開始し、配車台数は12月末時点で23台と順調に配車台数を増やしております。

お客様のレジ待ちストレス軽減および多様化した決済手段への対応、そして労働力不足の解消を目的としたセミセルフレジ、セルフレジの導入を加速しております。

設備投資といたしましては、スクラップ&リプレイスにより練馬中村南店(東京都練馬区)の1店舗を新設し、一方でina21練馬中村南店(東京都練馬区)、ina21町田相原駅前店(東京都町田市)、立川南口店(東京都立川市)の3店舗を閉鎖いたしました。また、既存店の活性化を引き続き推進し、横浜綱島店(横浜市港北区)、横浜星川駅前店(横浜市保土ヶ谷区)など12店舗の改装を実施いたしました。当第3四半期連結会計期間末における店舗数は、前連結会計年度末から2店舗減少し131店舗となっております。

当社は当第3四半期においてイオン株式会社の子会社となり、イオングループの一員となりました。現在、イオングループの資産であるプライベートブランド商品「トップバリュ」を順次導入し競合との差別化を図るとともに、同じくイオングループの決済手段である「AEON Pay」を導入しお客様の利便性向上にも取り組んでおります。

以上の結果、既存店売上高は前年同四半期比4.9%増となり、当第3四半期連結累計期間のセグメント別売上高(外部顧客)は1,545億70百万円(同4.8%増)、セグメント利益は17億63百万円同105.7%増)となりました。

 

[ドラッグストア事業]

㈱ウェルパークにおいては、「チェーンストア経営深化による成長力・収益力の拡大」を基本方針として、自動発注の精度向上やそのデータをもとに売れ筋商品の発掘、またグループ内においてPB商品の販売拡大や共同仕入れなどグループシナジー効果による収益力向上により、チェーンストア経営のメリットを最大限に引き出し、個店の魅力を高め顧客満足度向上の実現を目指して営業活動を行っております。

設備投資といたしましては、調剤薬局併設の東村山富士見町3丁目店(東京都東村山市)の1店舗を新設し、一方で新座片山店(埼玉県新座市)、二俣川北口店(横浜市旭区)、ふじみ野店(埼玉県ふじみ野市)の3店舗を閉鎖いたしました。また、既存店の活性化のため、花小金井駅前店(東京都小平市)など20店舗の改装を実施いたしました。当第3四半期連結会計期間末における店舗数は、141店舗となっております。

以上の結果、既存店売上高は前年同四半期比4.1%増となり、当第3四半期連結累計期間のセグメント別売上高(外部顧客)は348億13百万円(同5.3%増)、セグメント利益は6億15百万円同21.2%増)となりました。

 

[小売支援事業]

デイリー食品卸しと惣菜製造を行っている㈱サンフードジャパンは、安全・安心でおいしい価値ある商品の提供に取り組んでおります。惣菜製造事業においては、㈱いなげやと連携した独自商品の開発、内製化等、グループ内の同事業強化のバックアップに注力してまいりました。

商業施設を中心に建物施設の企画、設計や警備、清掃等を行っている㈱サビアコーポレーションは、いなげやグループが地域のお役立ち業として企業価値を高めるために、店舗の企画段階から検討を行い開発および管理におけるコスト削減やリスク低減に取り組んでおります。また、これらグループ内事業で積みあげた安全・安心で快適な各種機能・サービスを一般のお客様に提供することも行ってまいりました。

障がい者雇用の推進を目的とした特例子会社㈱いなげやウィングは、従業員の能力開発や自立支援、グループ各社に向け障がい者雇用の支援に取り組んでおります。また、障がい者の職場での定着支援活動などを行うことによりグループ会社全体に障がい者への理解を深めていく役割も担っております。

露地栽培・水耕栽培等、農業経営を行う㈱いなげやドリームファームは、「安全」「安心」「おいしい」で健康と笑顔の創造を目指し品質向上や地産地消の推進に取り組んでおります。また、㈱いなげやの青果担当者に対する学びの場として農業研修を実施する等、グループ内の人財育成の役割も担っております。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間のセグメント別売上高(外部顧客)は3億47百万円(前年同四半期比38.9%減)、セグメント利益は2億38百万円同12.2%増)となりました。

 

当社グループにおける環境、地域貢献活動の状況は次のとおりです。

いなげやグループは、地域のお客様に安全・安心な食を中心とした日常を提供するお役立ち業として、社是・経営理念・グループビジョンに基づき「サステナビリティ方針」を策定し、持続可能(サステナブル)な経営の推進に取り組んでおります。

環境活動への取り組みといたしましては、循環型社会の実現に向けて「食品ロス削減」や「食品リサイクル」、「ペットボトルリサイクル(ボトルtoボトル)」に継続的に取り組んでまいりました。また2022年4月より施行の「プラスチック資源循環促進法」に伴い、店舗で無償提供するストローやスプーンなどをプラスチックから環境配慮型資材(紙製や植物由来のバイオマス配合のプラスチック)へ切り替えることで、対象品目のプラスチック使用量を半減することができました。さらに、再生可能エネルギーを利用した太陽光発電の設置拡大にも努めてまいります。

社会貢献活動では、障がい者雇用の促進(㈱いなげやウィング)や地産地消の促進(㈱いなげやドリームファーム)、実店舗への買い物が困難なお客様への対応(移動スーパーとくし丸)、店舗での募金活動(盲導犬育成支援)など様々な取り組みを行ってまいりました。

また、当社グループの「健康経営宣言」に基づく健康経営の取り組みが評価され、今年度も経済産業省と日本健康会議が共同で認定する制度「健康経営優良法人2023」に認定されました。

今後も地域とのつながりを大切に健全な社会の実現に貢献してまいります。

 

②財政状態の状況

(資産の部)

当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末と比べ65億26百万円増加し、1,039億78百万円になりました。

流動資産は、49億16百万円増加し、465億20百万円になりました。これは主に、売掛金が39億58百万円、現金及び預金が11億99百万円それぞれ増加した一方で、有価証券が4億49百万円減少したことによるものです。

固定資産は、16億18百万円増加し、574億6百万円になりました。これは主に、投資その他の資産が9億72百万円、有形固定資産が7億66百万円それぞれ増加した一方で、無形固定資産が1億20百万円減少したことによるものです。

繰延資産は、8百万円減少し、51百万円になりました。これは社債発行費の償却によるものです。

(負債の部)

当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末と比べ46億57百万円増加し、471億28百万円になりました。

流動負債は、59億94百万円増加し、359億90百万円になりました。これは主に、買掛金が52億15百万円(電子記録債務を含め53億2百万円)、流動負債その他(未払金など)が10億79百万円それぞれ増加し、賞与引当金が4億59百万円減少したことによるものです。

固定負債は、13億37百万円減少し、111億38百万円になりました。これは主に、長期借入金が11億61百万円、社債が2億61百万円それぞれ減少したことによるものです。

(純資産の部)

当第3四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末と比べ18億68百万円増加し、568億49百万円となりました。これは主に、その他有価証券評価差額金が9億66百万円、利益剰余金が9億28百万円それぞれ増加したことによるものです。以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ1.7ポイント下がり、53.5%になりました。

 

(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(3) 経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

該当事項はありません。