E03133 Japan GAAP
前期
2,464.5億 円
前期比
103.5%
株価
1,064 (04/26)
発行済株式数
93,552,156
EPS(実績)
67.94 円
PER(実績)
15.66 倍
前期
753.8万 円
前期比
99.7%
平均年齢(勤続年数)
55.3歳(3.3年)
従業員数
24人(連結:2,719人)
当社の企業集団は、当社及び子会社12社で構成し、スーパーマーケット事業を主な事業の内容としております。
なお、当社は純粋持株会社であり、「有価証券の取引等の規制に関する内閣府令」(2007年内閣府令第59号)第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については、連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。
当社の企業集団の事業に係わる位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。
(注) 2023年4月1日をもって、(株)フレッセイを存続会社、(株)フレッセイヒューマンズネットを消滅会社とする吸収合併を行っております。
事業の系統図は次のとおりであります。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社グループ(当社及び当社の連結子会社)が判断したものであります。
なお、将来に関する事項につきましては、不確実性を有しており、将来生じる結果と異なる可能性がありますので、記載しております事項に対する判断は、以下記載事項及び本項目以外の記載内容も合わせて慎重に行われる必要があります。
当社グループは、スーパーマーケットの経営を事業主体としており、店舗「原信」「ナルス」「フレッセイ」を各地に出店しております。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による影響下の制約が緩み、人々の動きや経済活動が段階的に再開しつつあります。しかし、国際情勢や環境問題に端を発した物価高騰や円安の進行は経済復調の障害となっております。
このような状況において、当連結会計年度における当社グループの連結経営成績は、売上高が2,549億66百万円(前年同期比3.5%増)、営業利益が104億43百万円(前年同期比1.3%増)、経常利益が109億40百万円(前年同期比3.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が63億56百万円(前年同期比10.2%減)となりました。
売上高につきましては、新規出店による売場面積の増加、商品・原材料等の仕入価格上昇の影響、梅雨明けが早かったことによる気温上昇、並びに、行動制限が緩んだことによる人流の回復により増加し、収益認識に関する会計基準等の組替影響を除外した実績は連結会計年度として過去最高となりました。
営業利益、経常利益につきましては、お客様の急激な家計負担増加を懸念し販売価格への転嫁を抑制したことによる売上総利益率の微減、電気料金や各種資材の大幅な値上げ、並びに、前年同期に比べ新規出店を多く行ったことによる成長投資に係る費用の増加等がありましたが、物価上昇による営業費用の増加に対して、全社、各部署が横断的に適正利益確保対策、費用削減対策等の様々な施策を講じ、前年同期に比べ若干増加いたしました。
親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、様々な物価高騰を踏まえた営業費用の増加を勘案して固定資産の減損評価を行ったことにより減損損失12億49百万円を計上したため、前年同期に比べ減少いたしました。
当連結会計年度における各セグメント別の経営成績を示すと、次のとおりであります。なお、各セグメントの経営成績につきましては、セグメント間の内部取引高を含めて表示しております。
当連結会計年度におきましては、「“楽しみの種をまく”― 泥まみれで耕す、実るまでやる ―」を年度方針として掲げ、再整備(畑を耕し直し)、開拓・開発(新しい種をまく)、新しい価値観への対応(これからの時代を見据えて)のための諸施策の展開を進めました。
業績につきましては、主に冒頭記載の売上高並びに営業利益に係る要因影響を受けており、当連結会計年度におけるスーパーマーケット事業の経営成績は、売上高が2,542億2百万円(前年同期比3.4%増)、営業利益が97億54百万円(前年同期比1.0%増)となりました。
当連結会計年度における業績の内容、取組みに関する事項は、以下のとおりであります。
(販売指標に関する動向)
当連結会計年度の販売指標は以下のとおりであります。
(注)1 記載数値は、「収益認識に関する会計基準」等に基づく調整前の数値で記載しております。
2 店舗数は、当連結会計年度末現在におけるスーパーマーケットの設置店舗数であり、他業態の設置店舗数(100円ショップ2店舗)は含みません。
3 店舗売上高、来店客数、客単価、買上点数、一品単価は、スーパーマーケット店舗のみの数値であります。
4 客単価は、お客様一人当たりが一回のご来店でお買い上げになった金額の平均であります。
5 買上点数は、お客様一人当たりが一回のご来店でお買い上げになった商品数の平均であります。
6 一品単価は、お客様がお買い上げになった商品の一品当たり金額の平均であります。
7 既存店は、店舗開設より満13ヶ月以上を経過した店舗であります。
<来店客数>
値上げ基調の中、プライベート・ブランド商品で値ごろ感を維持していること、惣菜などがおいしさで支持を受けていることに加え、新型コロナウイルス感染症下の行動制限が薄れ、夏季の猛暑、年末年始の帰省増加等もあり、来店客数は、既存店で前年同期に比べ0.3%増加し、全店では、近年の新規出店、改装により前年同期に比べ2.0%増加いたしました。
<買上点数>
前年同期には、来店頻度を減らしまとめ買いをする傾向や食事は外食を控え店舗で購入して内食・中食で済ますといったお客様の動向がみられましたが、当連結会計年度は、この傾向が弱まったことに加えて、昨今の様々な物価上昇による節約志向の高まりにより、買上点数は、既存店で前年同期に比べ1.6%減少し、全店では前年同期に比べ1.4%減少いたしました。
<一品単価>
生鮮品全般の相場が前年同期に比べ若干高めに推移したことや、商品・原材料等の仕入価格上昇に伴う販売価格改定により、一品単価は、既存店で前年同期に比べ3.4%増加し、全店では前年同期に比べ3.6%増加いたしました。
<客単価>
買上点数は前年同期を下回りましたが、一品単価が前年同期を上回ったため、客単価は、既存店で前年同期に比べ1.0%増加し、全店では前年同期に比べ1.4%増加いたしました。
<売上総利益率>
商品販売における売上総利益率は、前年同期に比べ0.1ポイント減少し28.9%となりました。
(出店・退店等)
出店につきましては、フレッセイ朝日町店(4月、群馬県前橋市、売場面積1,996㎡)、長野県中信地区への初出店となる原信安曇野店(5月、長野県安曇野市、売場面積2,267㎡)、フレッセイ朝倉店(10月、群馬県前橋市、売場面積2,322㎡)を新設いたしました。また、原信古正寺店(10月、新潟県長岡市、売場面積2,268㎡)とフレッセイ館林美園店(12月、群馬県館林市、売場面積2,113㎡)の建替えを完了いたしました。
改装につきましては、該当ありません。
退店につきましては、フレッセイ沼田ビバタウン店(9月、群馬県沼田市、売場面積1,486㎡)、フレッセイ富士見店(11月、群馬県前橋市、売場面積1,664㎡)、フレッセイ広瀬店(1月、群馬県前橋市、売場面積1,490㎡)を閉鎖いたしました。また、原信白根店(2月、新潟県新潟市南区、売場面積1,681㎡)について建替えのため、フレッセイ境町店(3月、群馬県伊勢崎市、売場面積1,624㎡)について移転のため、それぞれ一旦閉鎖いたしました。
(インストア・マーチャンダイジング)
お買い物し易い環境をご提供すると同時に、売上高と荒利益高の最大化をはかるために、当連結会計年度においては、お客様の行動目線に立って、商品をご購入いただくための商品陳列や品揃えの構成、提案の方法について、改めて全社で勉強し改善を図っていくための活動を強化いたしました。
この活動は、お客様にとってあるべき売場を科学的にとらえ改善を図っていくものであり、売上高、売上総利益の向上に大きく貢献しています。
(電子商取引の拡大)
当社グループでは、近年、インターネットを活用した電子商取引(EC:エレクトリック・コマース)についても、注力しております。
新潟県内では、原信が3店舗のネットスーパーを運営し新潟県内への発送を行っておりますが、昨今のご利用件数増加に対応するため、1店舗で機能を増強し、取扱い商品数、配送時間等、お客様のご要望に一層お応えできる体制を整えました。
群馬県内では、フレッセイが群馬県内全域を対象に1店舗のネットスーパーを新規に始めました。なお、ECサイトの構築は、当社グループ会社の情報処理事業を担うアイテックが行いました。
また、新たな販売チャンネルの取組みとして、原信南万代店(新潟県新潟市中央区)が、オンラインデリバリーサービス「Uber Eats」を活用した商品のお届けサービスを開始いたしました。新潟県内のスーパーマーケットでUber Eatsの活用は初めての試みとなります。今後は、お客様のご利用状況等を踏まえて、取扱い店舗の拡大等を検討してまいります。
(災害対応)
8月4日、原信荒川店(新潟県村上市)が豪雨災害で被災いたしました。店内は40cmの浸水に至り、商品は全量廃棄を余儀なくされ、設備も甚大な被害を受けました。
当社グループは過去幾度もの大規模災害で被災し、その都度復旧を成し遂げてきた経験と精神が役職員全員に浸透しています。今回の被災でも、出店地域の社会インフラとして「1分でも早く店を開けよう」と社長をはじめ多くの従業員が泥まみれになって復旧に取り組み、6日後には通常の状態での営業再開が出来ました。この背景には、当社グループが培ってきた社会貢献意識、危機管理対応能力だけでなく、当社グループの真摯な姿勢に共感していただいたお取引先様からの多大なご支援もありました。営業再開後は、お客様から大変感謝され、当社グループが社会に存在しうる価値を再確認することができました。なお、この豪雨災害の被災により、特別損失に「災害による損失」95百万円を計上しており、営業外収益に「受取保険金」143百万円を計上しております。
12月下旬には、新潟県内の各所で数日間にわたる大渋滞が発生する災害級の豪雪に見舞われました。この豪雪では交通網が大混乱し、物流体制が機能不全に陥り、年末の営業に支障をきたしました。長年、降雪地帯で事業を行ってきた当社グループにとっても、この豪雪は対処しがたいレベルとなり、通常の体制に戻るまで約2週間を要しましたが、最大限の復旧体制を敷き、影響を最小限にとどめました。
(環境マネジメントの向上)
当社グループでは、2000年に原信が日本の食品スーパーマーケットで初めて全事業所を対象に環境マネジメントシステムの国際規格であるISO14001の認証を取得して以来、毎期、環境会計を取りまとめ、エネルギーの使用量等、事業活動が及ぼす環境影響を開示しております。
サプライチェーン全体における温室効果ガス排出量については、算定のための国際的な報告基準に定めるスコープ1(事業者自らによる温室効果ガスの直接排出)、スコープ2(他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出)の算定についてすでに仕組みを構築しております。スコープ3(事業者の活動に関連する他社の排出)については、一部のカテゴリーについて算定、範囲の拡大を進めることで優先的に対応する項目を見極め、排出量のさらなる削減を目指してまいります。
(環境負荷削減の新たな取組み)
当社グループは環境経営を基本政策の一つと位置付け、環境汚染の予防、持続可能な資源の利用、気候変動の緩和などによる持続可能な社会づくりへの貢献を環境方針に掲げています。
その一環として、様々な電力使用量低減の取組みを進め、二酸化炭素排出量の削減を目指しています。自家消費型太陽光発電設備の導入につきましては、関東地区を拠点とし地域的に適性が高いフレッセイが先行して取り組んでおりましたが、このたび、雪国を拠点とする原信についても、3月より設置可能な店舗について導入を開始いたしました。原信では、当連結会計年度から次年度にかけて11店舗への導入を予定しており、年間で約1,508トンの二酸化炭素排出量を削減できる見込みです。また、自家消費分を超える余剰電力は地域の公共施設でご活用いただく全国初の取組みとなります。
(地域貢献と人材育成)
原信は、長岡造形大学様とコラボレーションして開催したデザインコンテストで、応募のあった75作品から選ばれた優秀作品13作品を長岡市内の3店舗で展示することをはじめました。
この企画は、「米百俵の精神」で育まれた長岡で、多くの人材を育て上げている長岡造形大学様と当社が、人材育成と地域貢献を目的に実施した企画です。
(全般)
当連結会計年度におけるその他の事業の経営成績は、売上高が54億48百万円(前年同期比1.4%増)、営業利益が6億1百万円(前年同期比2.0%増)となりました。
当連結会計年度における業績の内容、取組みに関する事項は、以下のとおりであります。
(情報処理事業)
主力であるスーパーマーケット事業向けの販売は、情報機器の販売が前年同期を下回り減少いたしました。一方、外部顧客向けの販売は、納期に至った受注案件が前年同期を上回り増加いたしました。この結果、売上高は、前年同期に比べ0.2%減少いたしましたが、営業利益は、人件費の減少並びに固定費減少で製造原価が減少したため前年同期に比べ9.6%増加いたしました。
(印刷事業)
主力であるスーパーマーケット事業向けの販売は、各種印刷物について電子媒体への移行が進んだ影響で減少いたしました。一方、外部顧客向けの販売は、新型コロナウイルス環境下における顧客の事業活動等が低調であったことからの回帰が見られ、印刷物や各種イベント関連の受注が増え増加いたしました。この結果、売上高は、前年同期に比べ2.4%増加いたしましたが、営業利益は、人員強化による人件費の増加並びに原材料をはじめとした製造関連の諸経費に関する価格上昇で製造原価が増加したため前年同期に比べ44.9%減少いたしました。
(清掃事業)
主力であるスーパーマーケット事業向けの販売は、安定した受注を受け前年同期に比べ増加いたしました。また、外部顧客向けの販売は、清掃関連の販売が前年同期並みであったことに加えリサイクル資材の販売単価が上昇し、前年同期に比べ増加いたしました。この結果、売上高は、前年同期に比べ1.6%増加し、営業利益は、前年同期に比べ6.1%増加いたしました。
(注)1 セグメント間の内部取引高を含めて表示しております。
2 主な商品別売上高の状況
(注) 主要な販売先(総販売実績の100分の10以上を占める相手先)に該当する相手先はありません。
(注)1 セグメント間の内部取引高を含めて表示しております。
2 主な商品別仕入高の状況
当連結会計年度における連結経営成績全般の各項目の内容を示すと、次のとおりであります。
セグメント別の詳細に関しましては、「① セグメント別経営成績」及び「② 生産、受注及び販売の状況」に記載したとおりであります。
この結果、売上高(セグメント間の内部取引高消去後)は、既存店の売上増加と売場面積の増加により、前年同期に比べ3.5%増加し2,549億66百万円となりました。
また、売上総利益は、前年同期に比べ3.3%増加し748億27百万円となり、売上高売上総利益率は、前年同期に比べ0.1ポイント減少し29.3%となりました。
諸経費につきましては、当社グループ全体の観点から、あらゆるコストの見直し、削減、適正利用に努め、削減の取組みを進めております。なお、総額につきましては、主に店舗の新設や改装並びに売上の状況に伴い変動しております。
人件費につきましては、適正な人員配置と生産性の向上を進めておりますが、新規出店等による人員の増加に加え、定期昇給や基本給のベースアップ実施、社会保険料率の上昇の影響等により、前年同期に比べ7億85百万円増加いたしました。なお、売上高に対する比率は、前年同期に比べ0.2ポイント減少し14.6%となり、労働分配率(人件費÷売上総利益)は、前年同期に比べ0.5ポイント減少し49.9%となりました。
水道光熱費につきましては、契約内容の見直しや省エネルギー機器の導入により削減を図っておりますが、大幅な電気料金値上げの影響により、前年同期に比べ15億47百万円増加いたしました。
配送費につきましては、燃料単価の上昇、店舗の新設等により、前年同期に比べ2億1百万円増加いたしました。
減価償却費につきましては、店舗の新設等により、前年同期に比べ1億86百万円増加いたしました。
その他諸経費につきましては、全社的な費用削減対策等の様々な施策を講じ、前年同期に比べ4億30百万円減少いたしました。
この結果、販売費及び一般管理費の総額は、前年同期に比べ3.7%増加し643億83百万円となり、売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は、前年同期と同様の25.2%となりました。
お客様の急激な家計負担増加を懸念し販売価格への転嫁を抑制したことによる売上総利益率の微減、電気料金や各種資材の大幅な値上げ、並びに、前年同期に比べ新規出店を多く行ったことによる成長投資に係る費用の増加等がありましたが、物価上昇による営業費用の増加に対して、全社、各部署が横断的に適正利益確保対策、費用削減対策等の様々な施策を講じ、営業利益は、前年同期に比べ1.3%増加し104億43百万円となりました。なお、売上高営業利益率は、前年同期に比べ0.1ポイント減少し4.1%となりました。
受取保険金は、主に店舗設備に関する損害保険金の受領であり、水害の被災があったため、前年同期に比べ1億17百万円増加いたしました。また、その他は、保険積立金の払戻に伴う保険差益の計上他各種積み重ねにより、前年同期に比べ56百万円増加いたしました。
この結果、営業外収益の総額は、前年同期に比べ44.0%増加し5億48百万円となり、売上高に対する営業外収益の比率は、前年同期に比べ0.1ポイント増加し0.2%となりました。
支払利息は、効率的な資金活用に努め有利子負債を削減できたことにより、前年同期に比べ1百万円減少いたしました。また、契約解約損は、前年同期に比べ21百万円減少いたしました。
この結果、営業外費用の総額は、前年同期に比べ31.2%減少し52百万円となり、売上高に対する営業外費用の比率は、前年同期と同様の0.0%となりました。
なお、インタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローの増加もあり、前年同期に比べ89.6ポイント向上し314.7倍となりました。
営業利益及び営業外損益の要因により、経常利益は前年同期に比べ3.1%増加し109億40百万円となり、売上高経常利益率は、前年同期と同様の4.3%となりました。
なお、経営の重要指標と位置付けている総資本経常利益率(ROA)の年間換算値は、総資産の増加が影響し、前年同期に比べ0.1ポイント減少し9.1%となりました。
前年同期同様、固定資産売却益並びに投資有価証券売却益の計上が若干ありました。
この結果、特別利益の総額は、前年同期に比べ141.7%増加し47百万円となり、売上高に対する特別利益の比率は前年同期と同様の0.0%となりました。
災害による損失は、前年同期においては発生がありませんでしたが、当連結会計年度においては、8月に原信荒川店が被災した水害による商品の廃棄、店舗の復旧に関する費用等95百万円を計上しております。また、減損損失は、様々な物価高騰を踏まえた営業費用の増加を勘案して固定資産の減損評価を行ったことにより、前年同期に比べ1,084.1%増加いたしました。
この結果、特別損失の総額は、前年同期に比べ336.3%増加し13億58百万円となり、売上高に対する特別損失の比率は、前年同期に比べ0.4ポイント増加し0.5%となりました。
経常利益が増加した反面、特別損失が大幅に増加したことにより、税金等調整前当期純利益は前年同期に比べ6.7%減少し96億29百万円となり、売上高に対する税金等調整前当期純利益の比率は、前年同期に比べ0.4ポイント減少し3.8%となりました。
税金費用の総額は、課税所得の増加により、前年同期に比べ0.7%増加し32億73百万円となり、売上高に対する税金費用の比率は、前年同期と同様の1.3%となりました。
また、税金等調整前当期純利益に対する税効果会計適用後の法人税等の負担率は、税効果会計上のスケジューリング不能な一時差異の増加により、前年同期に比べ2.5ポイント増加し34.0%となりました。
以上の結果、当期純利益は、前年同期に比べ10.2%減少し63億56百万円となり、売上高に対する当期純利益の比率は、前年同期に比べ0.4ポイント減少し2.5%となりました。
すべての連結子会社は完全子会社であるため、該当事項はありません。
非支配株主に帰属する当期純利益がないため、親会社株主に帰属する当期純利益は、当期純利益と同額となり、前年同期に比べ10.2%減少し63億56百万円となり、売上高に対する親会社株主に帰属する当期純利益の比率は、前年同期に比べ0.4ポイント減少し2.5%となりました。
また、自己資本利益率(ROE)は、純資産の増加もあり、前年同期に比べ1.6ポイント減少し8.3%となり、1株当たり当期純利益は、前年同期に比べ31円17銭減少し275円85銭となりました。
その他有価証券評価差額金は前年同期に比べ増加いたしましたが、当期純利益の減少により、包括利益は、前年同期に比べ4.9%減少し64億90百万円となりました。
当連結会計年度の実績は、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれについても、当初の見込値を上回る実績値を達成することができました。
(当連結会計年度の見込みに対する実績の状況)
当連結会計年度における業績見込みに対する実績の状況を示すと、以下のとおりであります。
(注) 見込値は2022年5月6日付けで「2023年3月期の通期連結業績予想」として公表したものであります。
(業績見込みに対する実績の状況の分析)
売上高が当初の見込値を上回った要因につきましては、以下のとおりであると考えております。
・当社グループの規模を活かした商品調達や品ぞろえの優位性が確保できたこと。
・当社グループならではの名物商品やプライベート・ブランド商品の販売が好調だったこと。
・営業全般における週間管理の仕組みが良好に運用され、売場管理や不要なロス削減が維持されていること。
営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益が当初の見込値を上回った要因につきましては、以下のとおりであると考えております。
・売上高の増加に加え、売上総利益率を高い水準で維持できたことにより、売上総利益が増加したこと。
・諸費用について、契約内容や調達先の見直し、費用削減対策の継続的取組みにより、増加額を最小限にとどめることができたこと。
・水害や豪雪被害で想定外の費用が発生したものの、全社的な経費削減活動が奏功し、営業利益段階でも増益を実現できたこと。
当連結会計年度末における連結財政状態は、総資産が1,227億56百万円(前連結会計年度末比59億円増)、総負債が440億51百万円(前連結会計年度末比12億54百万円増)、純資産が787億5百万円(前連結会計年度末比46億46百万円増)となりました。
当連結会計年度末における各セグメントの財政状態を示すと、次のとおりであります。なお、各セグメントの財政状態につきましては、セグメント間の調整額控除前で表示しております。
資産は1,167億23百万円となり、前連結会計年度末に比べ68億93百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が、営業キャッシュ・フローの増加による手持資金の増加と短期決済資金確保のための短期借入により前連結会計年度末に比べ22億48百万円増加したこと、並びに、有形固定資産が、新規出店及び今後の出店等に係る設備投資により前連結会計年度末に比べ31億87百万円増加したことによるものであります。
負債は449億33百万円となり、前連結会計年度末に比べ27億78百万円増加いたしました。これは主に、セグメントに帰属しない全社(持株会社である当社)からの短期借入金が、短期決済資金確保のため前連結会計年度末に比べ15億円増加したこと、並びに、未払法人税等が、課税所得の増加により前連結会計年度末に比べ9億81百万円増加したことによるものであります。
資産から負債を差し引いた純資産相当額は717億90百万円となり、前連結会計年度末に比べ41億14百万円増加いたしました。なお、純資産相当額を資産で除した自己資本比率相当は、資産の増加額が多かったため、前連結会計年度末に比べ0.1ポイント減少し61.5%となりました。
資産は76億34百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億47百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が、営業キャッシュ・フローの増加による手持資金の増加により前連結会計年度末に比べ1億62百万円増加したこと、並びに、無形固定資産が、ソフトウエア関係の投資により前連結会計年度末に比べ67百万円増加したことによるものであります。
負債は8億55百万円となり、前連結会計年度末に比べ46百万円減少いたしました。これは主に、買掛金が前連結会計年度末に比べ31百万円減少したことによるものであります。
資産から負債を差し引いた純資産相当額は67億78百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億93百万円増加いたしました。また、純資産相当額を資産で除した自己資本比率相当は、前連結会計年度末に比べ1.0ポイント増加し88.8%となりました。
当連結会計年度における連結財政状態全般の各項目の内容を示すと、次のとおりであります。
流動資産は348億4百万円となり、前連結会計年度末に比べ23億80百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が、営業活動によるキャッシュ・フローの増加による手持資金の増加により前連結会計年度末に比べ10億89百万円増加したこと、売掛金が、キャッシュレス決済の増加により前連結会計年度末に比べ8億78百万円増加したこと、並びに、商品及び製品が、売場面積の増加等により前連結会計年度末に比べ4億77百万円増加したことによるものであります。なお、流動資産の構成比は、前連結会計年度末に比べ0.7ポイント増加し28.4%となりました。
固定資産は879億52百万円となり、前連結会計年度末に比べ35億20百万円増加いたしました。その内容は次のとおりであり、固定資産の構成比は、前連結会計年度末に比べ0.7ポイント減少し71.6%となりました。
有形固定資産は706億24百万円となり、前連結会計年度末に比べ31億71百万円増加いたしました。これは主に、建物及び構築物が、新規出店等により前連結会計年度末に比べ14億29百万円増加したこと、並びに、建設仮勘定が、本社移転及び今後の新規出店等に係る設備投資により前連結会計年度末に比べ29億87百万円増加したことによるものであります。
無形固定資産は26億26百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億71百万円増加いたしました。これは主に、借地権が、新規出店により前連結会計年度末に比べ98百万円増加したこと、並びに、ソフトウエア及びソフトウエア仮勘定が、新規情報システムへの投資により合計で前連結会計年度末に比べ74百万円増加したことによるものであります。
投資その他の資産は147億1百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億77百万円増加いたしました。これは主に、投資有価証券が、時価総額の増加により前連結会計年度末に比べ2億37百万円増加したこと、並びに、繰延税金資産が、税効果会計における一時差異の増加により前連結会計年度末に比べ2億59百万円増加したことによるものであります。
流動負債は292億62百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億96百万円増加いたしました。これは主に、未払法人税等が、課税所得の増加により前連結会計年度末に比べ9億83百万円増加したこと、並びに、買掛金が、商品仕入高の増加により前連結会計年度末に比べ4億69百万円増加したことによるものであります。なお、流動負債の構成比は、前連結会計年度末に比べ0.4ポイント減少し23.8%となりました。
固定負債は147億88百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億57百万円増加いたしました。これは主に、長期預り保証金が、新規テナントとの契約により前連結会計年度末に比べ3億98百万円増加したこと、並びに、資産除去債務が、店舗の新設により前連結会計年度末に比べ1億46百万円増加したことによるものであります。なお、固定負債の構成比は、前連結会計年度末に比べ0.3ポイント減少し12.1%となりました。
株主資本は771億59百万円となり、前連結会計年度末に比べ45億12百万円増加いたしました。増加要因は、親会社株主に帰属する当期純利益63億56百万円であり、減少要因は、剰余金の配当18億43百万円、並びに、自己株式の取得0百万円であります。
その他の包括利益累計額は15億46百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億34百万円増加いたしました。これは主に、その他有価証券評価差額金が、保有する投資有価証券の時価総額の増加により前連結会計年度末に比べ1億94百万円増加したことによるものであります。
なお、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ0.7ポイント増加し64.1%となり、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末に比べ201円68銭増加し3,415円81銭となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、195億39百万円(前連結会計年度末比10億89百万円増)となりました。
当連結会計年度末における各セグメントの資金の期末残高を示すと、次のとおりであります。なお、各セグメントの資金の期末残高には、報告セグメントに帰属しない全社(持株会社である当社)の資金の期末残高は含まれておりません。
スーパーマーケット事業は、現金販売が主体であるため資金の流動性が高く、滞留資金が極力生じないよう効率的な資金繰りに努めております。
資金の期末残高は、151億57百万円となり前連結会計年度末に比べ22億48百万円増加いたしました。これは主に、営業キャッシュ・フローの増加による手持資金の増加と短期決済資金確保のための短期借入によるものであります。
資金の期末残高は、8億6百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億62百万円増加いたしました。これは主に、営業キャッシュ・フローの増加による手持資金の増加によるものであります。
当連結会計年度における連結キャッシュ・フロー全般の各項目の内容を示すと、次のとおりであります。
営業活動の結果得られた資金は125億94百万円となり、前年同期に比べ31億65百万円増加(前年同期比33.6%増)いたしました。これは主に、経常利益の増加、並びに、法人税等の支払額が、前連結会計年度に係る課税所得と中間納付の関係により前年同期に比べ23億2百万円減少(前年同期比47.7%減)したことによるものであります。
投資活動の結果使用した資金は92億90百万円となり、前年同期に比べ34億93百万円増加(前年同期比60.3%増)いたしました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が、新規出店3店舗、建替え2店舗、並びに、本社移転及び今後の出店等に係る設備投資により前年同期に比べ31億86百万円増加(前年同期比52.8%増)したことによるものであります。
財務活動の結果使用した資金は22億15百万円となり、前年同期に比べ9百万円増加(前年同期比0.4%増)いたしました。これは主に、リース債務の返済による支出が、前年同期に比べ10百万円増加(前年同期比2.8%増)したことによるものであります。
当社グループは、スーパーマーケット事業を主体としており、売上金の回収期間が比較的短い特性があるため、営業活動の収益性を高める一方、余剰資金の削減を積極的に進め、手許流動性の向上と自己資金を主体とした事業運営に努めております。
設備投資については、営業活動によるキャッシュ・フローの範囲内で行うことを基本とし、最近5年間の状況は、営業活動の結果得られた資金が平均で120億円程度に対し、投資活動の結果使用した資金は平均で70億円程度で推移しており、方針に沿った結果となっております。
資金調達の方法については、自己資金を基本とし、短期的に運転資金が不足した場合には、金融機関から短期運転資金の調達を行っており、長期運転資金の調達については、現時点では想定しておりません。
資金調達の状況については、当連結会計年度末において、金融機関から借り入れている短期借入金並びに長期借入金(1年内返済予定のものを含む)の残高はありません。なお、当連結会計年度においては、金融機関より短期運転資金を延べ359億円調達し、延べ359億円返済しております。
今後の資金需要の動向については、概ね、これまでと同様の状況が続くと考えております。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「(3) キャッシュ・フローの状況の概要及び分析・検討内容」に記載したとおりであります。
当社の企業集団のキャッシュ・フロー指標を示すと、次のとおりであります。
(注)1 各指標の算出方法は以下のとおりであります。
自己資本比率 = (自己資本)÷(総資産)
時価ベースの自己資本比率 = (株式時価総額)÷(総資産)
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 = (有利子負債)÷(キャッシュ・フロー)
インタレスト・カバレッジ・レシオ = (キャッシュ・フロー)÷(利払い)
2 各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
3 株式時価総額は、(期末株価終値)×(期末発行済株式総数(自己株式控除後))により計算しております。
4 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象にしております。
5 キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
6 利払いは連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループが主として事業展開しております小売業、特にスーパーマーケット事業については、競合各社の新規出店が相次ぎ、市場全体がいわゆるオーバーストアの状態にあり、企業淘汰や外資を巻き込んだ業界再編の様相を呈しております。このような状況は、当社グループがドミナント化を図りつつ出店している地域にも重要な影響を及ぼしていると判断しております。
消費者のライフスタイルは年々変化しており、生活シーンの多様化はますます進んでいくものと考えております。
このような現状において、数ある企業の店舗から当社グループの店舗へのお客様の支持を獲得し続けていくためには、販売する商品の鮮度・価格・品質といった基本的事項の徹底はもとより、食を中心とした生活全体に対する様々な提案と接客サービスの充実を図っていくことが重要であると考えております。
当社グループを取り巻く経営環境は、個人消費の動向や他社との競合の問題等を踏まえ、今後も厳しい状況が続くものと考えております。
当社グループは、これらの状況を踏まえ、お客様から真にご支持をいただける経営を行っていくことが重要であると考えており、経営理念を「我々は毎日の生活に必要な品を廉価で販売し、より豊かな文化生活の実現に寄与することを目的とする」と定め、それぞれの事業が地域に密着して経営を行っております。
特に、主力であるスーパーマーケット事業は、「鮮度」、「品質」、「品揃え」、「価格」、「サービス」などにおいて地域のお客様から圧倒的に支持されるリージョナル・チェーンの実現を目指してまいります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準(いわゆる日本基準)に基づき作成されており、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに関する以下の分析を行っております。
当社経営陣は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定の設定を行う必要があり、仕入リベート、貸倒債権、投資、法人税等、財務活動、退職金、偶発事象や訴訟等に関する見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。また、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判断しにくい資産・負債の簿価及び収入・費用の報告数値についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積り及び仮定に基づく数値と異なる場合があります。
当社グループは、特に、以下の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定が重要であると考えております。
① 繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、グループ通算制度は適用しておらず、繰延税金資産について、当社グループ企業(納税主体)ごとに、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26号 企業会計基準委員会)に定める「企業の分類に応じた繰延税金資産の回収可能性に関する取扱い」における会社分類を検討し、同指針に定める一時差異のうち、将来減算一時差異に係る繰延税金資産の回収可能性を評価しており、将来における一時差異の解消見込み(以下、「スケジューリング」といいます。)が明確でないと判断された将来減算一時差異に係る繰延税金資産については、回収可能性がないと判断し、評価性引当額を設定して繰延税金資産から控除しております。なお、その内容につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (税効果会計関係)」に示したとおりであります。
会社分類の評価においては、一時差異の総額、過去の課税所得、将来の経営環境の評価等を含み、過去実績、翌期の予算、今後の経営環境、中期経営計画等を総合的に勘案し検討しており、当連結会計年度末において、近い将来に経営環境の著しい変化が見込まれないという仮定のもと、当社グループ全社が、会社分類1(繰延税金資産の全額について回収可能性があると判断する会社)又は会社分類2(スケジューリング不能な将来減算一時差異に係る繰延税金資産については原則として回収可能性がないと判断されるが、将来減算一時差異のうち、将来のいずれかの時点において損金に算入される可能性が高いと見込まれるものについて合理的な根拠をもって説明が可能な場合、その将来減算一時差異に係る繰延税金資産については回収可能性があると判断する会社)のいずれかに該当すると判断しております。
会社分類2に該当する会社においては、スケジューリング可能な将来減算一時差異に係る繰延税金資産の全額を回収可能と判断しており、スケジューリング不能な将来減算一時差異に係る繰延税金資産については、当連結会計年度末現在、15億52百万円の評価性引当額を設定しております。なお、この対象のほとんどは、固定資産の減損損失計上に伴い計上された土地等の非償却資産に関する将来減算一時差異に係る繰延税金資産であり、売却等に係る意思決定又は実施計画等がない限り、当該繰延税金資産に対する評価性引当額の取崩は行われません。
会社分類及び繰延税金資産の回収可能性を評価するにあたっては、将来の課税所得及び慎重かつ実現性の高い継続的な税務計画を検討しますが、将来、各当社グループ会社を取り巻く経営環境の変化がもたらす課税所得の見込みや会社分類の変更、スケジューリングの変化等により、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において、認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に影響を及ぼす可能性があります。なお、繰延税金資産の一部又は全部を将来回収できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産に対する評価性引当額の控除増加額を費用として計上します。同様に、繰延税金資産の一部又は全部を将来回収できると判断した場合は、当該判断を行った期間に繰延税金資産に対する評価性引当額の控除減少額を収益として計上します。
当社グループは、主としてスーパーマーケット事業を営んでおり、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、他の資産又は資産グループから概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位を考慮し、主として店舗を基本単位として資産のグルーピングを行っており、収益性が著しく低下した資産又は資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。なお、当連結会計年度において計上した減損損失12億49百万円であり、その内容につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結損益計算書関係)」に示したとおりであります。
回収可能価額の評価は、正味売却価額と使用価値のいずれか高い方により測定しております。正味売却価額は、各資産グループの構成資産について、市場価格が観察できる場合には観察可能な市場価格とし、市場価格が観察できない場合には、路線価又は固定資産税評価額等を勘案した合理的な見積りにより算定しております。また、使用価値は、各資産グループの継続的使用と使用後の構成資産の処分によって見込まれる将来キャッシュ・フローを、借入資本コストと自己資本コストを加重平均した資本コスト(WACC)で現在価値に割り引いて算定しております。
店舗に関する将来キャッシュ・フローは、継続的な使用とその後の処分によって見込まれるキャッシュ・フローを、その構成要素である売上高、売上総利益率、販売費及び一般管理費、構成資産の処分価値等について、過去実績、競合関係や近隣状況の変化、翌期の予算、今後の改廃等を総合的に勘案し、年度ごとに算出した値の経済的残存使用年数における累計値として見積もっております。経済的残存年数は、上限を20年とし、自社物件及び普通借地物件については、店舗の残存耐用年数を用い、定期借地物件については、残存借地期間を用いております。資本コストは、外部より入手しており、当連結会計年度において用いた値は7.2%で、その算定基礎には、当社の負債・株式時価総額の構成のほか、国債の利回り、予想マーケットリターン、当社株式の株価、株式市場全体の株価指標等の要素が含まれております。
なお、重要な会計上の見積もりの内容につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に示したとおりであります。
固定資産の回収可能価額の評価の前提条件には、投資期間を通じた将来の収益性の評価や資本コストなどが含まれますが、これらの前提条件は長期的な見積りに基づくため、将来の各資産グループを取り巻く経営環境の変化による収益性の変動や金融市況の変動により、回収可能性を著しく低下させる変化が見込まれた場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において、追加の減損損失が発生する可能性があります。
当社グループは、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式のほか、債券等を保有しており、これらの投資には、市場価格のない株式等以外のものとして時価法で評価する上場株式等と、市場価格のない株式等として主として移動平均法による原価法で評価する非上場株式等が含まれております。なお、当連結会計年度末現在における投資有価証券の残高は32億1百万円であり、このうち時価をもって連結貸借対照表計上額とするものが28億55百万円、取得原価をもって連結貸借対照表計上額とするものが3億46百万円であります。時価をもって連結貸借対照表計上額とするものの内容につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (有価証券関係)」に示したとおりであります。
上場株式等への投資の場合、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には全て減損処理を行い、30~50%程度下落した場合には、個別銘柄ごとの市場価格の推移、金融市場の動向、発行会社の業績等を総合的に勘案した時価の回復可能性を考慮し、必要と認められた額について減損処理を行っております。また、非上場株式等への投資の場合、それらの発行体の純資産額等に基づく評価額が取得原価に比べ50%以上下落した場合には全て減損処理を行っております。
将来の金融市況の悪化又は発行会社の業績不振により、現在の投資有価証券の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能額を生じた場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において、投資有価証券評価損の計上が必要となる可能性があります。
当社グループは、債権の貸倒時に発生する回収不能見込額に対して貸倒引当金を計上しております。
債権区分については、貸倒懸念が顕在化していないものを一般債権とし、貸倒懸念が顕在化しているものを貸倒懸念債権等として区分しております。
貸倒懸念が顕在化していない一般債権については、当社グループ企業ごとに、過去の貸倒実績と同等の貸倒実績が発生する可能性があるとの仮定のもと、過去3年の貸倒実績率に基づいて債権の期末残高に対し一括で回収不能見込額の見積りをしており、貸倒実績率は0.00%~0.04%で、貸倒引当金を1百万円計上しております。貸倒懸念が既に顕在化している特定の貸倒懸念債権等については、個別に回収可能性を勘案して回収不能見込額を見積もっており、対象となった貸倒懸念債権等の総額は当社グループ合計で31百万円であり、これに対し貸倒引当金を21百万円計上しております。
債権の回収可能性の評価は、債権保有先からの回収状況等の評価等が含まれますが、当社グループには考慮しえない外的要因が含まれるため、将来の債権に関する貸倒懸念の変化により、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において、設定する貸倒引当金の金額に影響を及ぼす可能性があります。なお、一般債権の貸倒実績率が増加した場合又は債権の回収可能性を評価し貸倒懸念債権の増加を認識する判断した場合、当該判断を行った期間に貸倒引当金の調整額を費用として計上します。同様に、一般債権の貸倒実績率が減少した場合又は債権の回収可能性を評価し貸倒懸念債権の減少を認識する判断をした場合は、当該判断を行った期間に貸倒引当金の調整額を収益として計上します。
⑤ 退職給付に係る資産又は負債の算定
当社グループは、一部の企業で積立型の確定給付制度(規約型確定給付企業年金制度)を採用しております。退職給付に係る資産又は負債の計上にあたっては、退職給付債務と年金資産の純額を、退職給付に係る資産又は負債として計上しており、その内容につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (退職給付関係)」に示したとおりであります。
退職給付債務の算定においては、退職給付見込額を見積り、現在価値に割り引くことで算定するため、数理計算上の仮定の要素が含まれております。その主要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (退職給付関係)」に示したとおりであります。なお、割引率算定の基礎となるデュレーション(退職給付の支払見込期間を支払見込期間ごとの金額の現在価値で加重平均したもの)は11.6年であり、これに基づき対応する国債の利回りを指標として決定しております。
これらの計算基礎については、「退職給付に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第25号 企業会計基準委員会)の定めに基づき、数理計算上の仮定に重要な変動が生じている場合には、これを見直し、退職給付債務を再計算することとされております。当社グループでは、重要な変動の有無について、継続して検証を行っておりますが、退職給付債務が10%以上変動すると推定される場合には、退職給付債務の再計算を行い差額の追加計上を行います。なお、退職給付債務が10%変動する場合に該当するのは、割引率が現状より1.0ポイント程度変動した場合と想定しております。
数理計算上の仮定の前提となる要素につきましては、将来の経済条件、従業員構成等を含むため、数理計算上の仮定の見直しが生じた場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において、認識する退職給付に係る資産又は負債並びに退職給付費用の金額に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、仕入高について、通常、発注書に基づき当社グループに対して商品が納品された時点、又は、サービスが提供された時点に計上しており、仕入リベートについて、入金済みのものについては、その確定額を仕入高から控除し、入金未了のものについては、リベート契約書と仕入実績に基づいた見積り額を仕入高から控除しております。なお、見積りにあたっては、取引先より確認書を入手した上で、算定を行っております。
仕入リベートの前提となる契約については、仕入実績に基づいて一定割合又は一定額で受領するものや、一定の条件を満たした場合に受領するものなど、様々な形態があるため、将来の契約内容や仕入実績の状況により、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において、認識する仕入リベートに影響を及ぼす可能性があります。