売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当(単独)

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E03061 Japan GAAP

売上高

8.72兆 円

前期

8.60兆 円

前期比

101.3%

時価総額

2.29兆 円

株価

2,626 (02/07)

発行済株式数

871,924,572

EPS(実績)

7.46 円

PER(実績)

352.04 倍

平均給与

856.2万 円

前期

829.7万 円

前期比

103.2%

平均年齢(勤続年数)

49.7歳(19.8年)

従業員数

433人(連結:155,465人)


 

3 【事業の内容】

 当社グループ(イオン)は、当社(純粋持株会社)及び286社の連結子会社、26社の持分法適用関連会社により構成され、小売事業を中心として、総合金融、ディベロッパー、サービス・専門店等の各事業を複合的に展開しています。

 当社グループ事業にかかる位置づけ並びに報告セグメント及びその他事業セグメント等との関連は以下のとおりです。なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。

 

※画像省略しています。

 

 なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。

 

 

22/05/26

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績の状況

当連結会計年度(2021年3月1日~2022年2月28日)の連結業績は、営業収益が過去最高を更新する8兆7,159億57百万円(対前期比1.3%増)、営業利益は1,743億12百万円(同15.8%増)、経常利益1,670億68百万円(同20.4%増)となり、増収増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益についても65億4百万円(前年より775億29百万円の増益)と大幅に損益改善し黒字に回復しました。

セグメント別では、調剤併設店舗の拡大や積極的な新規出店を推進したヘルス&ウエルネス事業、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)拡大の第一波に伴い前期に国内外で大規模な臨時休業を実施したディベロッパー事業やサービス・専門店事業が増収増益となりました。SM(スーパーマーケット)事業、DS(ディスカウントストア)事業は継続する内食需要を獲得し、コロナ前の2020年2月期連結累計期間に対して増収増益となりました。総合金融事業は審査の精緻化や債権回収の強化やデジタル化による利便性及び生産性の向上により増益となり、GMS(総合スーパー)事業は継続する内食需要への対応に加え、ネットスーパーの拡大・強化、AIの活用や在庫削減による荒利益率の改善等の取り組みにより損益改善となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益については、経常利益段階までの増益に加え、新型感染症対応による損失や減損損失の減少等により大きく改善しました。

 

(グループ共通戦略)

・  当社を取り巻く経営環境は、人口動態の変化や気候変動に伴うお客さまの行動変化、また、デジタル技術のあらゆる生活への浸透、環境・健康意識の高まり、競争環境の構造的な変化等に加え、コロナの拡大によりお客さまの行動・意識・価値観が大きく変容したことで、従来から起きていた社会変化のスピードが、より一層加速しています。このような環境変化をグループの飛躍的成長を遂げるための好機と捉え、2030年に向けた持続的成長への移行を目指し、2021~2025年度中期経営計画(以下、新中期経営計画)を策定しました。新中期経営計画では、グループ共通戦略としてデジタルシフトの加速と進化、サプライチェーン発想での独自価値の創造、新たな時代に対応したヘルス&ウエルネスの進化、イオン生活圏の創造、アジアシフトの更なる加速の5つの変革に加え、急速に重要性が高まる環境グリーンへの取り組みを加速させています。既存の事業モデルの革新をはかり、新たな成長モデルを確立するとともに、収益性を高め、生み出した経営資源を新たな成長領域へ集中的に投下することで、グループ一体となって新しい成長機会を獲得してまいります。

  新中期経営計画についてはhttps://www.aeon.info/ir/policy/strategy/ をご参照ください。

・  多くの生活必需品の値上げが続き家計への負担が増していく中、お客さまの生活を応援するため、9月にはトップバリュの食料品(生鮮食品、米、惣菜、酒、ギフト、企画品等の一部仕様を変更する商品を除く)、12月にはトップバリュの日用品を加え、合計約5,000品目の価格据え置きを宣言しました。この取り組みは、イオンに脈々と受け継がれる流通コストの削減や消費者代位機能の向上によりお客さまが必要とする商品やサービスをお値打ち価格で提供し、お客さまの生活の豊かさに貢献することがイオンの社会的な使命であるとの考えに基づいています。宣言以降2022年2月までの期間、キャノーラ油やマヨネーズ等のトップバリュ主要単品の売上高が前期比で4割強伸長しました。また、生活必需品のさらなる値上げによりお客さまの負担増が続く中、独自物流の効率化や販売量の拡大等の企業努力により、2022年3月には、価格据え置き期間を6月末まで延長することを発表しました。

・ 9月、お客さまのさらなる利便性向上とグループ共通デジタル基盤の整備のため、9月11日以降のイオンカード支払いで付与されるときめきポイントをWAON POINTに変更しました。今回のポイント制度の変更により、イオンのポイントはWAON POINTに共通化され、イオンカードのご利用でもWAON POINTがたまるようになり、たまったポイントが1ポイント単位でお買物時にご利用いただけるようになる等、お客さまにとって、たまりやすい、わかりやすい、便利なポイントに進化しました。また、同じく9月に、お客さまのライフスタイルに合った利便性と満足度の高いサービスの提供、店舗とデジタルが融合されたシームレスな体験を提供することを目的に、グループ全体の共通のタッチポイントとなるイオンのトータルアプリ「iAEON(アイイオン)」によるサービスを開始しました。「iAEON」では、WAON POINTの利用・付与・照会・交換ができるほか、モバイルWAONやコード決済「AEON Pay」での支払い、お気に入りの店舗のキャンペーン情報が確認できる等、グループ各社が提供する様々なサービスをまとめて1つのアプリで利用することが可能になりました。お客さまのさらなる利便性向上に向け、登録可能店舗の拡大、支払手段の拡充やグループ各社が提供するアプリ・サービスとの連携等、機能を随時追加・更新してグループ全体の共通のタッチポイントとして進化させていく予定です。

・  当社は2019年に英国ネットスーパー企業Ocado Group Plcの子会社であるOcado Solutionsと日本国内における独占パートナーシップ契約を締結しました。当社子会社を通じて、最先端のAI及びロボティクス機能を導入した国内初の顧客フルフィルメントセンター(以下、CFC)を千葉市内に建設中で、2023年にはそのCFCを起点とした次世代型ネットスーパー事業を開始する予定です。12月には、イオンモール㈱が東京都八王子市に出店予定の複合型商業施設に併設する形で新たなCFCを展開することを発表しました。

・  9月、㈱フジ(以下、フジ)、マックスバリュ西日本㈱(以下、MV西日本)及び当社は、地域の共創の一翼を担い得る企業体へと進化することを目的として、2024年3月のフジとMV西日本の合併について基本合意しました。合併に先立ち、2022年3月にはフジが共同持株会社となり、傘下にMV西日本とフジから事業部門を承継した㈱フジ・リテイリングを保有する形での経営統合を実施し当社の連結子会社となりました。今後は、グループ一体となり、中国・四国エリアにおけるドミナンスをさらに強め、コロナで拍車がかかる地域環境の変化や競争の激化に対応し、持続的なお客さまの豊かなくらしづくりと地域における社会的な問題の解決についてスピードを上げて取り組んでいきます。また、公正で透明性の高いガバナンス体制を確立し、柔軟かつ革新力あふれる企業風土づくりを推進するとともに、商品、物流・プロセスセンター等の最適化やデジタルテクノロジーの活用によるコスト削減と新たなビジネスモデルの創造を目指します。

・ 10月、㈱キャンドゥ(以下、キャンドゥ)を連結子会社化することを目的として、キャンドゥの普通株式を金融商品取引法による公開買付けにて取得することを発表し、2022年1月5日付で当社の連結子会社となりました。キャンドゥは、生活必需品を提供し、低価格と品質、商品デザイン力の高さからお客さまに強いご支持を受けています。当社の既存事業にとってキャンドゥからの商品の提供や小型店舗から大型店舗まで様々な形態での出店等、多様な取り組みが可能であり、リアル店舗における業態のさらなる進化を考えるうえで、均一価格雑貨業態との組み合わせは親和性が非常に高く、ラインロビングにより大きな事業拡大やシナジー効果が創出可能と考えています。今後、両社が保有する事業・経営ノウハウを共有することにより、効率的な事業運営を行い、ビジネスモデルの強化をはかっていきます。

 

 

セグメントごとの業績は次のとおりであります。
 なお、第1四半期連結会計期間及び第3四半期連結会計期間より報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。

 

①  GMS事業

GMS事業は、営業収益3兆3,004億50百万円(対前期比98.2%)、営業損失23億21百万円(前期より87億94百万円の改善)となりました。

イオンリテール㈱では、生活必需品の値上げが続き家計への負担が増す中、お客さまの生活防衛意識の高まりに対応すべく価格を据え置いたトップバリュの拡販や、継続する内食需要を捉えるための取り組みを強化しました。

また、同社では当連結会計年度をリバイバル期間の最終年度として位置づけ、「構造改革」「成長の基盤づくり」の両輪で改革を進めました。「構造改革」では、マーチャンダイジング・サイクルの精度改善に努め、当連結会計年度末の既存店在庫高や回転日数は前期比で大幅に改善しました。デリカ部門で導入を進めている、販売実績や天候・客数等の環境条件をAIが学習し簡単な操作で割引時に適切な価格を設定できる「AI カカク」の導入や品揃えの見直し等も奏功し、デリカ部門では売価変更率が前年から大幅に改善し、食品部門における売上総利益率改善に貢献しました。また、セルフスキャン・セルフチェックアウトシステムの展開拡大による利便性・人時生産性の向上、RPA化による後方業務の効率改善にも取り組みました。

「成長の基盤づくり」においては、衣料でのスポーツ、カジュアル、エシカル等といった成長性の高い分野における「スポージアム」「エシーム」「SELF+SERVICE」等のブランドの拡大や、食品部門においてはデリカ商品における差別化の取り組みや、成長率が高い冷凍食品の重点的な売場拡大、非食品においてはイエナカを快適に暮らす需要に対応した寝具、ダイニング、家具の大幅な品揃えの強化等に取り組みました。また、ネットスーパーでは、生鮮品やデリカの品揃えを強化したことに加え、午前便の拡大や配送枠数の拡大を進めたほか、最長10日先の配送便を予約できる「先取り配送便」を開始する等、利便性強化にも取り組み、前期比約2割の売上伸長となりました。

イオン九州㈱では、同社の中期経営計画で掲げた「食の強化」「非食品分野の専門化」「DXの推進」の取り組みを進めました。「食の強化」においては、地元素材にこだわった逸品企画として、各県の自慢の素材を使った惣菜を発売する等、生産者等と協力して地産地消・地産域消の取り組み等を推進し、食品部門の既存店売上高は前期比100.8%と伸長しました。「DXの推進」では、同社のECサイト「イオン九州オンライン」をリニューアルし、スマートフォン・ユーザー向けサイト環境の最適化をはかりました。また、家庭で各地のおいしいものを食べたいというニーズの高まりに対応した、九州各地の「じもの」を全国にお届けする「九州のいいもの うまいもの」の拡充等に努めた結果、同サイトの売上高は前期比142.2%と大幅に伸長しました。加えて、「イオン九州公式アプリ」は、累計ダウンロード数が当連結会計年度末時点で78万件を超える規模となりました。今後、イオンのトータルアプリ「iAEON」との連携を進め、さらなる利便性向上に努めます。

 

②  SM事業・DS事業

SM事業は、営業収益2兆5,206億78百万円(対前期比98.9%)、営業利益305億39百万円(同73.3%)となりました。DS事業は営業収益3,881億11百万円(対前期比97.7%)、営業利益27億59百万円(同61.4%)となりました。

ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス㈱では、当連結会計年度において、同社の中期経営計画に掲げた「デジタル改革」を中心に「コスト改革」「フォーマット改革」「ワークスタイル改革」を推進し、コロナの拡大により急速に多様化した消費者ニーズの変化に対応する取り組みを進めてまいりました。デジタルの取り組みでは、自社開発のスマートフォン決済サービス「Scan&Go Ignica」(スキャンアンドゴー イグニカ)にオンラインデリバリー(食品宅配サービス、インターネットショッピング)等の機能を追加し、様々なシーンでのお買い物体験を実現するアプリによるマルチチャネルサービス化に注力しました。また、「Scan&Go Ignica」の利用店舗は、当連結会計年度において500店舗を超える規模にまで拡大し、同社傘下の㈱マルエツ、㈱カスミ、マックスバリュ関東㈱の各店舗で利用可能になったことに加え、同社グループ外企業への展開も開始しました。商品の取り組みでは、気候変動や自然災害に左右されない独自のサプライチェーン構築に向けて、植物工場に関する専門知見を有する㈱PLANTXとのパートナーシップにより、野菜の栽培から販売まで一貫した製造小売モデルを構築し、一部店舗での販売を開始しました。

マックスバリュ東海㈱では、根強い節約志向や相次ぐ食品値上げ等、消費者の生活防衛意識への高まりに対応すべく、食べきり・使い切りを意識した小容量の品揃えの徹底、同社専用アプリからの割引クーポンの配信、価格を据え置いたトップバリュの展開拡大に取り組みました。また、地域で親しまれる「じもの」商品の拡充や地域食材を活用した商品開発に継続して取り組んだほか、各地の自治体や学生との協働による健康を意識した惣菜や弁当の商品開発を行う等、地域に根差した活動にも取り組みました。加えて、活性化店舗や新設店舗を含め70店舗にてキャッシュレスセルフレジの導入拡大を進め、店舗業務の効率化をはかりました。また、コロナ下での購買行動の多様化に対応すべく、当連結会計年度はネットスーパーの拠点を新規3拠点開設(全23拠点)したほか、新たな販売方法の開発と販路拡大に繋げるべく、無人店舗「Max マート」や移動販売車事業の立ち上げ準備を進めました。「Max マート」は2022年3月に静岡県内企業の社屋にて、移動販売車事業は同年4月に静岡県浜松市天竜区にてそれぞれ稼働しており、今後のさらなる展開拡大を目指します。

東京都、神奈川県を中心に小型食品スーパーを展開するまいばすけっと㈱は、2022年1月に東京都大田区に新たな店舗をオープンし1,000店舗体制となりました。2005年の創業以来、「都市生活者へ、こだわりのある安さと品質を、毎日提供する」という思いをもとに、「近い、安い、きれい、そしてフレンドリィ」のコンセプトを実現すべく、流通を合理化し、店舗オペレーションを磨き、お客さまが求める商品サービスをお値打ち価格で提供し続け、約16年で1,000店舗体制という大きな節目を迎えました。

当社はDS事業の確立と成長に向けて、グループ内でのDS事業の再編を推進しています。3月には、首都圏における小型のDS事業のドミナンスを加速し新たな成長戦略を築くことを目的に、㈱ビッグ・エーとアコレ㈱が経営統合しました。加えて6月には、イオンビッグ㈱が、マックスバリュ長野㈱と合併し、DS事業のさらなる再編と強化をはかりました。

 

③  ヘルス&ウエルネス事業

ヘルス&ウエルネス事業は、営業収益1兆310億20百万円(対前期比107.8%)、営業利益419億9百万円(同100.9%)となりました。

ウエルシアホールディングス㈱及び同社連結子会社では、当連結会計年度において、調剤併設店舗数の増加(当連結会計年度末1,844店舗)等により処方箋受付枚数が引き続き増加し、当連結会計年度の調剤売上高前期比は114.4%と大きく伸長しました。物販売上高(化粧品、家庭用雑貨、食品、医薬品・衛生介護品・ベビー用品・健康食品、その他の各部門)も、新規出店や地域ドラッグストア企業のグループ化等の成長戦略が奏功し、同期間の前年売上高を上回りました。また、生産性改善の取り組みとして、店舗人時数の適正化に向け、管理の徹底や自動発注等の推進により店舗業務の効率化を推し進めるとともに、薬剤師の適正配置をはかる等、人件費を中心に適正化をはかりました。同社グループ内再編については、3月には同社の連結子会社であるウエルシア薬局㈱を存続会社として、愛媛県を中心に四国エリアで調剤事業を展開する同社完全子会社の㈱ネオファルマー及び㈱サミットを吸収合併し、事業の効率化を進めました。10月にオープンしたウエルシア イオンタウン幕張西店(千葉県)では、調剤における新たな顧客体験をコンセプトに調剤ロボット、お薬受け取りロッカー等、最新機器の導入により業務効率や患者さまの利便性の向上に取り組みました。加えて、成長戦略の一環として、同社は広島県を中心に132店舗を展開する㈱ププレひまわりを2021年12月1日付で子会社化しました。当連結会計年度において、同社グループ全体で144店舗出店し、当連結会計年度末日現在の店舗数は2,468店舗となりました。

 

④  総合金融事業

総合金融事業は、営業収益4,725億49百万円(対前期比96.9%)、営業利益617億91百万円(同144.9%)となりました。

イオンフィナンシャルサービス㈱は国内及び海外において、オンラインサービスの拡充、新規事業の創出、グループ共通ポイントを活用したイオン生活圏の構築、国内でのコード決済や生命保険事業の開始等、中長期的な成長に向けた投資を進めるとともに、前年度から継続して審査の精緻化、債権回収体制の強化や、デジタル化を通じた販売費及び一般管理費の抑制に努めました。

イオン銀行住宅ローンにおいて、Webからのお申込みや電話、郵送を活用し、お客さまがご自宅で契約を完結できる取り組みを推進しました。また、魅力のある金利プランやご契約者限定のイオングループでのお買物特典の継続的な訴求により、居住用住宅ローン貸出金残高は期首比で伸長しました。

イオンカードについては、Web限定のカード新規入会・ご利用キャンペーンに加え、ポイント制度変更による利便性向上について訴求を強化した結果、国内のカード有効会員数は3,000万人を突破(3,009万人、期首差64万人増)しました。また、9月には「iAEON」へコード決済機能「AEON Pay」を導入し、さらに10月には電子マネー「WAON」のApple Payサービスを開始する等、イオングループのキャッシュレス化を一層推進しました。カードショッピングにおいては、コロナの影響を受けた業態での利用が徐々に回復したことや、AEON Payの利用推進企画やブラックフライデー商戦に合わせたポイント上乗せ企画等の当社グループとの大型販促施策等の実施により、通期の取扱高がコロナ前の水準を上回り過去最高となりました。

イオン・アリアンツ生命保険㈱において、11月、お客さまの未病・予防・健康増進のニーズに対応した健康増進型の終身医療保険「元気パスポート」の販売を開始しました。また、健康増進活動を行うことでイオングループ等の健康関連商品やクーポンに交換できる専用アプリ「ウエルネスパレット」のサービスを同時に開始し、イオングループが有する販売チャネルや商品、データ等の強みを発揮しお客さまに新たな価値を提供するクロスセルの取り組みを推進しました。

タイにおいては、ECサイトや食品宅配の提携先との販促企画実施等により、カードショッピング取扱高が前期比101.5%と回復傾向で推移しました。また、個人ローンは、所得水準が比較的高く返済実績が良好な優良会員に対する利用枠の引上げや、従来の審査方法では与信が困難であった方々への新たなスキームでのローン提供等に取り組んだことで、取扱高が前期比110.1%と大きく伸長しました。

マレーシアにおいては、割賦販売やローンの審査申込みのオンライン化等、非対面での対応を強化しましたほか、カードのオンライン利用を促進しました。バイクローンについては、メーカーとのタイアップ企画に加え、活動制限緩和後のツーリング需要取り込みに向けた大型バイクの販促施策の実施等により、マレー圏における個品割賦の取扱高は前年実績を上回りました。また、審査基準の精緻化や債権回収体制の確保や、外部委託の利用による遅延債権回収の効率化等が奏功し、継続した営業債権の良質化がはかられ貸倒関連費用が減少しました。

 

⑤ ディベロッパー事業

ディベロッパー事業は、営業収益3,667億43百万円(対前期比112.1%)、営業利益388億70百万円(同108.8%)となりました。

イオンモール㈱は、「海外事業の利益成長の実現と新規出店の加速」「CX(カスタマーエクスペリエンス)の創造によりリアルモールの魅力の最大化」「次世代モールの構築と都市型SC事業の推進」「DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進」「中期戦略の推進とESG視点に基づく改革の加速」を通じて地域・社会の課題に対してソリューションを提供し続けることで、地域のコミュニティにおける中核となる社会インフラ機能としてのポジションの確立を目指しています。

国内では、4モールを新規オープン、1モールを増床リニューアルオープンしました。既存モールのスクラップ&ビルドとして6月にオープンしたイオンモール川口(埼玉県)は、ニューノーマルな社会環境に合わせ、リアルとデジタルを融合した最新型のモールへと生まれ変わり、エリア最大級のグルメゾーンを展開するとともに、イオンモールアプリを活用したモバイルオーダーサービスやフードデリバリーサービスを導入しました。10月にオープンしたイオンモールNagoya Noritake Garden(愛知県)では、開放的で居心地の良い外部ゾーンに対するお客さまのニーズが高まる中、1階から3階までの食のゾーンすべてを緑豊かな屋外に面する配置とし、屋外席やテラス席を設け、自然環境と四季を感じられる憩いの空間を設けました。また、最新医療設備を取り揃えた大型クリニックとともに、健康をテーマに様々な機能を持つ店舗を集約したヘルス&ウエルネスゾーンを形成し、お客さまだけでなく近隣のオフィスワーカーにも健康的な生活習慣を提案することで来店動機創出をはかりました。

中国においては、海外への移動制限が継続され、中国国内での消費需要が高い中、急速に変化するお客さまのライフスタイルに対応した専門店や施設の展開を推進し、当連結会計年度の既存モール専門店売上高は前期比132.0%(対象21モール)、2020年2月期比105.3%(対象19モール)と伸長しました。新規モールについては、5月にイオンモール広州新塘(広東省)をオープンし、当連結会計年度末時点において22モール体制となりました。これらの取り組みの結果、同社中国事業は前年同期比、コロナの影響を受けていない2020年2月期比ともに増収増益となりました。

アセアンにおいても、展開各国においてコロナの影響を受けましたが、当連結会計年度末時点において、11モール体制まで拡大しました。最重点出店エリアであるベトナムでは、今後の新規出店用地の確保に向けて11月までに同国内の4つの省との間で「ショッピングモール開発に関する投資及び事業推進に関する包括的覚書」を締結し、地方政府との連携強化をはかりました。また、モール事業に続く今後の成長戦略として、カンボジアにおいて、海外物流のプラットフォームとなる同国初の多機能物流センター事業を展開するAEON MALL(CAMBODIA) LOGI PLUS CO.,LTD.を新たに設立しました。

同社は、社会課題の解決と環境配慮を目的に、同社初となるサステナビリティ・リンク・ボンドとしての社債を11月に200億円発行しました。同社債は、脱炭素社会の実現に向けたサステナビリティファイナンスの取り組みとして、予め定めたサステナビリティ目標を達成するか否かで変化する条件での発行としており、目標達成に向けて今後もESGの取り組みをさらに拡充していきます。

 

⑥ サービス・専門店事業

サービス・専門店事業は、営業収益7,034億47百万円(対前期比109.6%)、営業損失27億30百万円(前期より149億49百万円の改善)となりました。

イオンディライト㈱では、施設の「安全・安心」を守るファシリティマネジメント企業として、感染拡大が続くコロナへの対応を実施しながら、同社が中期経営計画で掲げる「お客さま起点の経営」、「DXの推進」、「グループ経営」の3つの基本方針に基づく各種取り組みを推進しました。「お客さま起点の経営」としては、顧客毎の取引全般に責任を持つアカウントマネジャーを配置し、アカウント営業の強化に取り組みました。アカウントマネジャーによる顧客に寄り添った対応により顧客満足度を高めるとともに、各顧客への理解を深め、それぞれの課題や業界動向の正確かつ迅速な把握に努めました。「DXの推進」としては、人手不足に対応しながら設備管理の専門性を活かしたサービスを効率的に提供していくための新たな施設管理モデル「エリア管理」の展開を推進しました。遠隔サポートと各種システムやセンサーを活用した設備管理業務の省人化を通じて、従来の常駐型個別管理から巡回を主体にエリア単位で複数の施設を効率的に管理する仕組みへと移行を進めました。同社の「グループ経営」としては、同社がアジア最大の成長エリアとして位置づける中国で4月に設立した統括会社永旺永楽(中国)物業服務有限公司のもと、中核となる事業会社において、重点ターゲットとする中高級ショッピングセンターや病院・養老院、再開発エリアでの受託拡大に注力しました。

㈱イオンファンタジーは、4つの主要施策「あそび場の進化と拡大」、「ポートフォリオマネジメント経営」、「フルデジタリゼーション」、「成長を支える人財・組織・風土改革」を推進しました。国内事業では、プライズ部門において同社オリジナル景品や食品メーカーとコラボした同社限定アイテム等を集中展開するとともに、Twitterキャンペーンといった集客を強化するための販促企画を実施しました。メダル部門においても「メダル1万円1万枚」のイベントを1年ぶりに実施する等、売上の確保に努めました。12月に全面刷新したモーリーファンタジーむさし村山店(東京都)は、今後の既存店活性化のモデル店舗として位置づけ、競合と差別化するためキッズコーナーの面積を1.3倍に拡大するとともに、横幅20メートルの大型デジタルサイネージを導入する等の新たな試みを多数取り入れました。オンラインクレーン事業では「MOLLY.ONLINE」のほか、11月には「モーリーオンラインスクラッチ」を新たにリリースし好調な売上の推移となりました。中国事業においては、新たな収益増に向けショッピングセンターの空床等の一時使用区画の確保に積極的に取り組みました。また、客数と収益拡大を目的としてショッピングセンター内でのパレードやセンターコートを活用した有料イベントを積極的に実施するとともに、会員向けアプリのエデュテイメント機能を強化し会員数の獲得に努めました。

 

⑦ 国際事業 (連結対象期間は主として1月から12月)

国際事業は、営業収益4,122億32百万円(対前期比99.5%)、営業利益55億92百万円(同92.2%)となりました。

イオンマレーシア(AEON CO.(M)BHD.)では、コロナの感染再拡大によりマレーシア政府が厳格な規制に伴う衣料・住居余暇等の売場を119日間閉鎖する等の影響がありました。このような環境下において、食品の品揃えの見直し、生鮮及び冷凍食品の売場を拡大する等、内食需要の高まりへの対応を強化しました。また、オンライン強化の一環で、8月に機能的な画面設計やパーソナライズ機能等を有するBOXEDのECプラットフォームを活用したネットスーパーを開始しました。

イオンベトナム(AEON VIETNAM CO.,LTD.)では、数カ月に渡り継続したロックダウンの影響を受けたほか、感染予防措置が緩和された10月以降も消費マインドは回復せず、特に衣料・住居余暇商品の売上に影響を受けました。一方、食品は移動販売やコロナ下で来店できないお客さまへの注文販売等に取り組みました。また、11月にイオンベトナム第1号店を改装オープンしたほか、GMS事業に次ぐ第二の柱であるSM事業の展開を加速すべく、スーパーマーケットを11月に2店舗、1月に3店舗オープンしました。

中国においては、コロナ感染者の増加を受け、政府がコロナ封じ込めに向けて活動制限を強化したことに伴う広東・華南エリアでの臨時休業の影響や、香港での飲食規制緩和に伴う中食需要縮小の影響がありました。一方で、コロナが最初に拡大した武漢市で事業を展開するイオン湖北(AEON (HUBEI)CO.,LTD.)の当連結会計年度における売上高は前期比で約1.2倍の回復となりました。中国のネットスーパーにおいては、ネット販売でのニーズが高いカテゴリーを重点とした販売促進に取り組むとともに、受注から配送までの時間を1時間で完了する取り組みを強化した結果、当第4四半期連結会計期間の売上高は前期比で約7割伸長し、食品内の売上構成比が約12%となりました。

 

なお、上記の金額及びこれ以降に記載している営業収益、仕入高等には消費税等は含まれておりません。

 

 

(販売の状況)

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

GMS事業

3,300,450

98.2

SM事業

2,520,678

98.9

DS事業

388,111

97.7

ヘルス&ウエルネス事業

1,031,020

107.8

総合金融事業

472,549

96.9

ディベロッパー事業

366,743

112.1

サービス・専門店事業

703,447

109.6

国際事業

412,232

99.5

その他事業

53,298

96.8

調整額

△532,574

合計

8,715,957

101.3

 

(注) SM事業の営業収益には、コンビニエンスストアの加盟店の売上高(当連結会計年度388,751百万円)は含んでおりません。

 

(2) 財政状態の状況

当連結会計年度末の総資産は、前期末より1,518億15百万円増加し、11兆6,330億83百万円(前期比101.3%)となりました。前期末からの増加の主な要因は、受取手形及び売掛金が523億69百万円、たな卸資産が122億41百万円、営業貸付金が132億89百万円、銀行業における貸出金が891億32百万円、有形固定資産が679億72百万円、ソフトウエアが127億8百万円増加した一方で、現金及び預金が1,153億円減少したこと等によるものです。

 

 セグメントごとの資産は次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

GMS事業

1,411,959

97.8

SM事業

1,022,797

95.1

DS事業

64,138

94.9

ヘルス&ウエルネス事業

501,442

105.3

総合金融事業

6,316,042

102.5

ディベロッパー事業

1,676,112

103.7

サービス・専門店事業

417,181

108.1

国際事業

426,984

104.5

その他事業

86,093

131.4

調整額

△289,669

合計

11,633,083

101.3

 

 
 負債は、前期末より951億68百万円増加し、9兆8,206億60百万円(前期比101.0%)となりました。前期末からの増加の主な要因は、銀行業における預金が1,633億56百万円、短期借入金が133億63百万円増加した一方で、支払手形及び買掛金が968億92百万円減少したこと等によるものです。
  純資産は、前期末より566億46百万円増加し、1兆8,124億23百万円(前期比103.2%)となりました。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前期末より1,261億31百万円減少し、1兆909億23百万円(前期比89.6%)となりました。

 

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、増加した資金は2,044億52百万円(前期比51.6%)となりました。前期に比べ1,920億8百万円減少した主な要因は、銀行業における貸出金の増減額が1,792億38百万円減少し資金が増加した一方で、仕入債務の増減額が1,199億60百万円減少、その他の資産・負債の増減により966億39百万円資金が減少したこと等によるものです。
 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、減少した資金は3,438億54百万円(前期比 100.6%)となりました。前期に比べ20億39百万円支出が増加した主な要因は、銀行業における有価証券の取得による支出が641億80百万円減少した一方で、固定資産の取得による支出が512億66百万円増加、有価証券の売却及び償還による収入が404億39百万円減少したこと等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、減少した資金は22億7百万円となりました。前期に比べ264億98百万円収入が減少した主な要因は、短期借入金及びコマーシャル・ペーパーの増減額が297億49百万円増加し資金が増加した一方で、長期借入れによる収入が489億51百万円減少、社債の償還による支出が347億84百万円増加したこと等によるものです。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性

(資金需要)

当社グループの資金需要の主なものは、商品の仕入の他、人件費、地代家賃等の販売費及び一般管理費の営業費用であります。また、設備投資に係る資金需要の主なものは、新規出店に伴う有形固定資産の取得等であります。

 

(財務政策)

当社グループの事業活動に必要な資金については、営業キャッシュ・フローによることを基本とし、金融機関からの借入れ、社債やコマーシャル・ペーパーの発行等、資金調達の多様化をはかっております。

 

(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。その作成にあたり重要となる会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

連結財務諸表の作成にあたっては、経営者の判断のもと、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす一定の前提条件に基づく見積り及び仮定を用いております。これらの見積り及び仮定に基づく数値は、過去の実績、現在の状況、今後の見通し等を総合的に勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果と異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、見積り特有の不確実性により、翌連結会計年度の財政状態及び経営成績に重要な影響が及ぶ可能性があるものとして、以下の項目を「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

(固定資産の減損)

(繰延税金資産の回収可能性)

(貸倒引当金)

 

 

その他の会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

(退職給付)

退職給付に係る資産、退職給付に係る負債及び退職給付費用の計上にあたっては、確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用について、簡便法を適用している一部子会社を除き、数理計算上で設定される仮定に基づき退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、年金資産の長期期待運用収益率、退職率、死亡率、予想昇給率、一時金選択率等の計算基礎が含まれます。特に重要な仮定のひとつである割引率については、主として優良社債の利回りをもとに、退職給付の支払見込期間及び支払見込期間ごとの金額を反映した単一の加重平均割引率を使用して算出しております。

これらの主要な見積り及び仮定について、実際の結果と異なる場合、前提条件に大きな変更が生じた場合、あるいは退職給付制度に変更があった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る資産及び退職給付に係る負債、退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。

なお、当社グループの退職給付制度の概要や主要な数理計算上の計算基礎については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (退職給付関係)」に記載のとおりであります。

 

(資産除去債務)

資産除去債務の計上にあたっては、不動産賃借契約に付されている土地の更地返還義務及び建物原状回復義務に基づき、借地物件における自社建物の解体費用、建物賃借物件における原状回復費用等を一定の仮定をおいて見積り、割り引くことにより算定しております。将来の除去費用の見積りについては、主として過去の実績、施工業者による見積りを基礎とし、個別の契約内容等を考慮して算定しております。

これらの主要な見積り及び仮定について、実際の除去費用が見積り金額と異なる場合、新たな事実の発生により使用見込期間や原状回復費用の見積り額等に影響を与えることとなった場合、資産除去債務の金額に影響を与える可能性があります。

なお、資産除去債務の概要や金額の算定方法については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項  (資産除去債務関係)」に記載のとおりであります。

 

なお、当社の個別財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。