E03127 Japan GAAP
前期
5,140.3億 円
前期比
105.4%
株価
8,350 (04/25)
発行済株式数
41,894,288
EPS(実績)
378.31 円
PER(実績)
22.07 倍
前期
603.5万 円
前期比
98.7%
平均年齢(勤続年数)
39.4歳(11.3年)
従業員数
3,956人(連結:4,174人)
当社グループは株式会社ヤオコー(当社)、子会社4社及び関連会社1社で構成されており、食品を中心とした小売業を主要業務としております。
事業内容と当社及び関係会社の当該事業に係る位置付けは、次のとおりであります。
事業の系統図は、次のとおりであります。
当社グループは、スーパーマーケット事業の単一セグメントであるため、セグメント情報は記載しておりません。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ12,234百万円増加し、318,231百万円となりました。これは主に、土地が減少したものの、現金及び預金が増加したためであります。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ550百万円減少し、176,618百万円となりました。これは主に、流動負債のその他に含まれている未払消費税、買掛金が増加したものの、借入金、流動負債のその他に含まれている未払金が減少したためであります。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ12,784百万円増加し、141,613百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したためであります。
当社グループは、新規出店や既存店売上高の増加に伴い売上高が増加し、特に当社においては前期に続き、デリカ部門が好調な推移をいたしました。利益面では、売上増加を主要因とする営業総利益の増加が販売費及び一般管理費の増加を上回り、当連結会計年度における売上高は541,824百万円(前期比5.4%増)、営業利益は26,235百万円(同8.9%増)、経常利益は25,597百万円(同9.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は15,849百万円(同3.0%増)となりました。
当連結会計年度は、「『2割強い店づくり』の実現」をテーマに掲げた第10次中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)の2年目に当たります。グループ全体で「価格対応」に注力し、更なる伸長を目指してまいります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ14,508百万円増加し、45,777百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は33,276百万円(前期比2,751百万円増)となりました。これは主に、法人税等の支払があったものの、税金等調整前当期純利益及び減価償却費を計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は10,516百万円(前期比36,393百万円減)となりました。これは主に、土地等の売却による収入があったものの、新規出店・既存店改装に係る投資による支出があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は8,251百万円(前期の得られた資金は15,571百万円)となりました。これは主に、長期借入金の返済及び配当金の支払によるものであります。
当社グループは、スーパーマーケット事業の単一セグメントであるため、部門別に販売及び仕入の状況を記載しております。
(注) 総販売実績に対し、10%以上に該当する販売先はありません。
(注) 上記の金額は、実際仕入額によっております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループは、「地域のすべての方々の食生活をより豊かに、より楽しく」を長期ビジョンとして掲げ、企業価値の創造と持続的な成長に向け取り組んでおります。消費者の価格ニーズが一層高まるなか、「消費の二極化」が加速することを想定して、グループ全体で価格対応を進めてまいります。
当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大への警戒が続く中、感染防止対策と経済活動の両立を目指し、正常化に向けた動きが見られました。一方で、ウクライナ情勢長期化の影響などによる原材料価格の上昇や円安の影響等により、先行き不透明な状況が継続しております。
食品スーパーマーケット業界においても、オンライン取引を含め、業界の垣根を越えた厳しい競争に加え、原材料や光熱費をはじめとした各種コストの高騰もあり、極めて厳しい状況が続いております。
こうした環境下、当社は「ミールソリューションの充実」と「価格コンシャスの強化」を基本方針とし、2年目を迎えた第10次中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)のメインテーマである「『2割強い店づくり』の実現」に向け、「価格対応」、「個店の販売力強化」、「独自の商品開発・開拓」、「生産性の向上」の重点施策に取り組んでまいりました。
[商品・販売戦略]
商品面につきましては、当社の独自化・差別化につながる品揃えを実現するべく、ミールソリューションの充実に注力いたしました。主力商品の磨き込みと部門を越えた商品開発を進めております。
販売面につきましては、ヤングファミリー層の支持を固めるべく、EDLP(常時低価格施策)や「厳選100品」に加え、生鮮の頻度品などの価格政策と売場づくりに取り組みました。また、集客強化を図るべく、単品量販を推進する「日本一企画」、地方の特産品を品揃えする「産地フェア」や、十五夜などの「小さなキワ」を楽しむ顧客参加型企画を実施しました。
[運営戦略]
生産性向上のために、自動化による業務改善やデジタルを活用したカイゼンに取り組んでおります。グロッサリーにおけるAIによる需要予測に基づく自動発注システムは展開店舗拡大を進めたほか、フルセルフレジの導入を開始し、生産性向上に寄与しています。2月に新設した草加物流センター(埼玉県草加市)では、初となる自社WMS(倉庫管理システム)などを導入し、チルド商品の供給をスタートしました。
また、循環型社会に向けて廃棄削減、節電、リサイクル推進の取組みを進めており、エコセンターにおいては、当初想定以上の稼働が続いており、今後も活用拡大を図ってまいります。
[育成戦略]
カイゼンと並行して、働き方に対する意識改革、労働環境を改善する取組みを継続しました。また、主体的に成長でき、働きがいにつながる制度・教育の再設計に向け、社員教育・研修体制の充実を図っております。前期に引き続き、サクセッションプランとして、幹部候補者育成を目的とした研修を計画的に実施しました。
更に、健康経営の推進を図り、従業員の「心」と「からだ」の健康づくりに向けて、健康診断項目の充実や運動機会の提供など具体的な施策に取り組んでおります。
[出店・成長戦略]
新規出店として、5月に大宮櫛引店(埼玉県さいたま市)、7月に横浜磯子店(神奈川県横浜市)、9月に八王子鑓水店(東京都八王子市)、1月に加須店(埼玉県加須市)、2月にトナリエ宇都宮店(栃木県宇都宮市)、3月に草加松原店(埼玉県草加市)を開設いたしました。加えて、既存店の活性化策としまして、9店舗の大型改装を実施しております。
また、店舗を拠点とするヤオコーネットスーパーは18店舗で展開しており、今後も拡大の予定です。
当社グループは各々が独自の「強み」を磨くことを企図し、各社が独立運営を行っております。株式会社エイヴイでは、「圧倒的な低価格」と「徹底したローコスト運営」を基本方針とし、その具現化を図る施策や取組みを鋭意進めております。設立3期目を迎えた株式会社フーコットにおいては、「美味しいもの、圧倒的な品揃え、低価格とそれらを支えるローコストオペレーションの徹底追求」を経営方針とし、8月に開設した秩父店(埼玉県秩父市)を含めて現在3店舗を運営しております。
また、前連結会計年度において、資本・業務提携を行った株式会社せんどうとは、互いの強みを学びながら、具体的な取組みとして、一部デリカ商品の供給を始めております。
2023年3月31日現在の店舗数は、グループ全体で199店舗(ヤオコー183店舗、エイヴイ13店舗、フーコット3店舗)となっております。
これらの結果、当連結会計年度における売上高は541,824百万円(前期比5.4%増)、営業利益は26,235百万円(同8.9%増)、経常利益は25,597百万円(同9.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は15,849百万円(同3.0%増)となりました。
ロ 目標とする経営指標に基づく経営成績等に関する分析
当社グループの目標とする経営指標につきましては、「売上高経常利益率4%以上」の継続的な確保を目指しております。
上記「イ 経営成績の分析」に記載しております戦略課題に取り組んだ結果、新規出店及び既存店売上高の増加により、当連結会計年度における売上高は541,824百万円(前期比5.4%増)となりました。利益面につきましては、売上高の増加を主因とした売上総利益及び営業収入の増加が、人件費や地代家賃、水道光熱費などの増加による経費増を上回った結果、営業利益は26,235百万円(前期比8.9%増)となりました。
結果として、当連結会計年度における売上高経常利益率は4.7%となり、当社グループが目標とする経営指標を達成することができました。
当連結会計年度においては、想定以上に長引いた新型コロナウイルス感染症の影響を受けたものの、節約志向に対応した価格強化やライフスタイルの変化に対応したデリカ需要の獲得などもあり、売上高は底堅く推移しました。当社の既存店売上高の昨年比は101.7%と好調に推移しました。また、新店も堅調に推移しております。ディスカウント業態のフーコットについても新規出店を行い、売上高の増加に寄与しております。
なお、次期においては、新型コロナウイルス感染症への対応見直しによる経済活動の正常化が見込まれる一方、地政学リスクに伴う物価上昇、原材料高騰や人手不足の深刻化など、不透明な状況が継続しております。また、スーパーマーケット業界においては、賃金上昇による消費の活性化が期待されるものの、業態の垣根を越えた競争の激化、物価上昇の影響により、厳しい経営環境が想定されますが、グループ全体で「価格対応」に注力し、第10次中期経営計画に掲げた施策について、着実に取り組んでまいります。
当社グループは、主として営業活動により得られた資金のほか、金融機関からの借入及び社債の発行により必要資金を調達しており、新規出店、既存店の改装等の設備資金及び店舗運営費用、販売費及び一般管理費等の運転資金需要に対応しております。
当連結会計年度においては、業績の堅調な推移により安定的にキャッシュ・フローを創出できた結果、十分な流動性を確保しているものと考えております。当社グループでは、財務健全性を図りながら、適正な株主還元と厳しい競争環境を勝ち抜くための成長投資を継続していく計画であります。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、当社グループの経営陣は決算日における資産・負債の金額、並びに報告期間における収益・費用の金額のうち、見積りが必要となる事項につきましては、過去の実績、現在の状況を勘案して可能な限り正確な見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これら見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項」に記載しておりますが、以下の会計方針及び見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。
イ 固定資産の減損
当社グループは、店舗に係る有形固定資産をはじめとする多額の固定資産を保有しており、店舗の収益性が低下するなど、固定資産の回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に減損処理を行っております。回収可能価額の評価にあたっては、資産グループの時価や割引後将来キャッシュ・フロー等様々な仮定を用いて合理的に見積りを行っておりますが、今後、地価等の大幅な下落や店舗を取り巻く競争環境の激化等、想定を上回る変化が生じた場合には、新たに減損損失が発生する可能性があります。
ロ 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の計上にあたっては、回収可能性を考慮して、繰延税金資産総額から評価性引当額を減額しております。繰延税金資産の回収可能性については、当社グループの業績の推移などから将来の課税所得を合理的に見積り判断しておりますが、今後、課税所得の予測に影響を与える変化が生じた場合には、繰延税金資産の回収可能性が変動する可能性があります。
ハ 退職給付費用及び退職給付債務
退職給付費用及び債務は、割引率、死亡率、退職率等の数理計算上の前提条件に基づき算出しております。今後、実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件が変更された場合には、将来の退職給付費用及び債務が変動する可能性があります。
ニ 資産除去債務の計上
当社グループは、主に店舗用に賃借した土地建物において、不動産賃借契約に基づき返還時に必要とされる原状回復義務等に備えるため、資産除去債務を計上しております。計上にあたっては、過去の実績を基に算定した原状回復費用の見込み額を現在価値に割り引いて算出しているため、今後、過去の実績と実際の原状回復費用が異なる場合や見積りに影響する新たな事実等が発生した場合には、資産除去債務の見積り額が変動する可能性があります。