売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

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最終更新:

E03788 Japan GAAP

売上高

240.4億 円

前期

196.9億 円

前期比

122.1%

時価総額

577.0億 円

株価

2,307 (07/12)

発行済株式数

25,012,800

EPS(実績)

222.05 円

PER(実績)

10.39 倍

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

当社グループは、当社並びに子会社である岩井コスモ証券株式会社及び岩井コスモビジネスサービス株式会社にて構成されており、主として、金融商品取引業を中心とした事業活動を営んでおります。

具体的な事業としては、有価証券の売買等及び売買等の委託の媒介、有価証券の引受け及び売出し等の金融商品取引業及び金融商品取引業に関連又は付随する事業、その他関連ビジネスを行い、顧客に対して幅広いサービスを提供しております。

なお、当社グループは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの記載の区分と同一であります。

また、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。

 

[当社グループの事業系統図]

 

  岩井コスモホールディングス株式会社

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  岩井コスモ証券株式会社

 金融商品取引業及びそれに付随する業務等

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  岩井コスモビジネスサービス株式会社

 証券等バックオフィス事業

 

 

 

 

 

 

 

 

 

24/06/21

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

 当連結会計年度(2023年4月1日~2024年3月31日)におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復基調で推移しました。

 また、海外の経済情勢は、米国においては緩やかな景気回復傾向にありますが、中国の不動産市場低迷に伴う景気減速に加え、中東情勢などの地政学リスクを抱え、先行き不透明な状況が続きました。

 こうした経済環境のもと、国内株式市場は、日本銀行が金融緩和策の維持を決定したことが好感され、上昇基調で始まり、6月中旬の日経平均株価(終値)は約33年ぶりに33,000円台を回復しました。その後、9月に入り、欧米の金融引き締め長期化懸念から株価は軟調に推移する局面もありましたが、年が明け2月に入ると、企業による「資本コストや株価を意識した経営」への期待感に加え、生成AI(人工知能)で成長が見込まれる半導体関連銘柄が相場上昇を牽引したことから、日経平均株価は1989年につけた最高値を約34年ぶりに更新し、3月上旬には4万円を突破しました。その後、日本銀行が金融政策決定会合でマイナス金利政策の解除を決定しましたが、当面は緩和的な金融環境が継続するとの観測を受け、株価は上昇基調で推移し取引を終えました。3月末の日経平均株価(終値)は、前期末を44.0%上回る40,369円44銭となりました。

 一方、米国株式市場は、主要企業の堅調な決算内容を好感して、期初より上昇基調で始まり、7月には、景気の大幅な減速は避けられるとする「ソフトランディング」への期待が高まり、ダウ工業株30種平均は約36年ぶりに13営業日連続で上昇しました。その後、10月に入ると、米国の金融引き締め長期化懸念から長期金利が上昇したことに加え、中東情勢の緊迫化による地政学リスクの高まりを背景に株価は下落しました。しかしながら、2月に入り、再び米国景気のソフトランディング期待が高まったことに加え、生成AI向け需要の拡大が見込まれる半導体関連銘柄を中心に株価は一段高となり、3月末のダウ工業株30種平均は史上最高値となる39,807ドル37セント(前期末比19.6%上昇)で取引を終えました。

 

(当社グループの経営成績)

 当社グループの営業収益は前期比22.1%増加の240億40百万円、純営業収益は同22.4%増加の237億81百万円となりました。一方、販売費・一般管理費は、同10.4%増加の161億80百万円となり、経常利益は同54.9%増加の80億3百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同55.9%増加の55億54百万円となりました。

 セグメント別の経営成績は、以下のとおりであります。

 

岩井コスモホールディングス株式会社

 岩井コスモホールディングス株式会社は、グループの経営戦略の策定及びその推進に取り組んでおります。営業収益は、前期と同額の19億60百万円となりました。一方、販売費・一般管理費は、租税公課の増加を主因として前期比1.3%増加の1億46百万円となりました。営業外損益は、投資有価証券の配当金の減少を主因として同5.3%減少の2億63百万円の利益となり、以上の結果、経常利益は同0.8%減少の20億77百万円となりました。

 

岩井コスモ証券株式会社

 岩井コスモ証券株式会社は、資産形成やNISA制度などをテーマとしたWebセミナーの開催やSNS、YouTubeを積極的に活用した情報配信などのデジタルを駆使した金融サービスの提供に加え、国内外の株式を中心とした提案営業に注力しました。この様な取り組みのほか、対面取引・コールセンター取引では、成長・配当・割安に注目し持続的成長が期待できる優良企業に投資する「インベスコ・世界厳選株式オープン」や、中長期的な資産形成を目的とした「野村PIMCO・世界インカム戦略ファンド」に加え、相対的に高い利回りが期待される米国の超長期社債へ投資する「米国超長期プライム社債ファンド」の販売に継続的に取り組みました。また、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展により、今後も成長が期待される半導体関連企業へ投資する「世界半導体関連フォーカスファンド」や「ジャパン半導体株式ファンド」の取り扱いを開始するなど、商品の拡充を図るとともに、投資信託残高の増大に注力しました。

 一方、インターネット取引では、「コスモ・ネットレ」の更なる利便性の向上を目的として、2023年7月末より米国株式リアルタイムトレードにおいて「外貨決済サービス」を開始したほか、NISA口座における日本株・米国株の売買手数料無料化(2024年4月1日~)を決定しました。また、ゆとりある老後生活実現に向けた資産形成ニーズの高まりを受け、投資初心者の方はもちろん、シニア世代へのサポートを強化するとともに、各種キャンペーンを積極的に展開し、取引の促進及び新規口座獲得に注力しました。

 これらの取り組みに加え、企業知名度とサービス認知度の向上を目的としたテレビCM制作に取り組み、お客様の資産形成をサポートする当社アナリストの投資情報の活用を訴求した「対面取引篇」と、インターネット取引「コスモ・ネットレ」の米国株式取引サービスを紹介した「ネット取引(眠らない世界経済)篇」の放映を開始しました。

 また、当社が持続的に発展していくためには、常に進化し続けることが重要であると認識し、更なる効率化を求めて「生成AI」や新しいデジタル技術の導入に積極的に取り組むべく、その第一歩として、2024年1月に「DX推進部」を新設しました。当該部署が中心となって、当社のデジタルトランスフォーメーション(DX)を更に強力に推し進め、お客様の利便性の向上及び業務効率化の推進を継続的に図って参ります。

 なお、人への投資という考えのもと、昨今の物価上昇に対する従業員の生活支援に加え、優秀な人材の確保及び定着を目的として、2024年度は本年度の5%を上回る7%の賃上げ(ベースアップを含む)を実施するとともに、2025年度入社の新卒初任給についても大幅に引き上げる方向で対処して参ります。

 この結果、営業収益は前期比22.1%増加の240億48百万円、純営業収益は同22.4%増加の237億89百万円となりました。一方、販売費・一般管理費は、テレビCM放映料などの一時的な費用に加え、業績に連動する賞与等の変動費の増加を主因として同10.4%増加の161億78百万円となり、投資有価証券の配当金などによる営業外損益1億40百万円の利益(対前期比19.3%増加)を加えた経常利益は、同58.3%増加の77億50百万円となりました。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

①連結会計年度の財政状態の分析

 当連結会計年度末の資産合計は2,081億14百万円となり、前連結会計年度末に比べて246億4百万円増加しました。主な要因としては、預託金が195億46百万円増加したことが挙げられます。

 一方、負債合計は1,417億69百万円となり、前連結会計年度末に比べて158億16百万円増加しました。主な要因としては、預り金が102億15百万円増加したことが挙げられます。

 純資産合計は663億44百万円となり、前連結会計年度末に比べて87億87百万円の増加となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は79億82百万円と前連結会計年度末に比べて32億51百万円の増加となりました。

 営業活動によるキャッシュ・フローは、15億79百万円の増加となりました。主な要因としては、顧客分別金信託の増加による支出(△215億円)があったものの、税金等調整前当期純利益(79億47百万円)のほか、預り金の増加により収入(102億15百万円)、受入保証金の増加による収入(47億95百万円)が挙げられます。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、30億20百万円の増加となりました。主な要因としては、定期預金の預入による支出(△27億93百万円)があったものの、定期預金の払戻による収入(63億21百万円)が挙げられます。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、18億86百万円の減少となりました。主な要因としては、配当金の支払額(△18億81百万円)が挙げられます。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としています。これらの見積りについて、過去の実績や状況に応じて入手可能な情報を基に合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるためこれらの見積りと異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

④当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の営業収益は、前期比22.1%増加の240億40百万円、純営業収益は同22.4%増加の237億81百万円となり、経常利益は同54.9%増加の80億3百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同55.9%増加の55億54百万円となりました。主な要因は、米国景気のソフトランディング期待が高まったことに加え、生成AI向け需要の拡大が見込まれる半導体関連銘柄を中心に株価が上昇し、3月末のダウ工業株30種平均が史上最高値となるなど、良好なマーケット環境を背景に、米国株式の店頭取引を主とするトレーディング損益が増加(54億43百万円→106億36百万円 +51億92百万円 +95.4%)したことが挙げられます。なお、経営上の重要指標と位置付けるROE(自己資本利益率)は9.0%となり、比較する主要な証券会社16社(ネット専業証券会社を除く)の平均値(6.0%)を上回るとともに、当社を含む17社中で最も高い数値となりました。今後も、業界平均を上回るROEの維持や経営課題の一つに掲げる安定収益拡大の取り組みとして、投資信託及び信用取引残高の増加に注力し、更なる強固な経営基盤の構築に努めて参ります。

 

 なお、主な収益と費用の内訳は、以下のとおりであります。

 

(受入手数料)

受入手数料は108億9百万円(対前期比10.8%減少)となりました。内訳は以下のとおりであります。

 

①委託手数料

 委託手数料は、株券委託手数料が72億0百万円(前期比6.3%減少)、受益証券委託手数料が1億34百万円(同81.1%減少)となり、委託手数料全体では73億36百万円(同12.7%減少)となりました。

 

 

②引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料

 引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料は、株券の手数料が44百万円(対前期比21.9%減少)、債券の手数料は62百万円(同24.4%減少)となり、同手数料全体では1億7百万円(同23.4%減少)となりました。

 

③募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料

 募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は、投資信託の販売減少を主因として7億87百万円(前期比33.5%減少)となりました。投資信託の主な販売動向として、成長・配当・割安に注目し持続的成長が期待できる優良企業に投資する「インベスコ・世界厳選株式オープン」や、中長期的な資産形成を目的とした「野村PIMCO・世界インカム戦略ファンド」に加え、相対的に高い利回りが期待される米国の超長期社債へ投資する「米国超長期プライム社債ファンド」などが挙げられます。

 

④その他の受入手数料

 その他の受入手数料は、投資信託の信託報酬を中心に25億77百万円(対前期比7.7%増加)となりました。

 

(トレーディング損益)

 株券等トレーディング損益は104億59百万円の利益(対前期比126.0%増加)となりました。一方、債券等トレーディング損益は2億47百万円の利益(同71.2%減少)となり、その他のトレーディング損益70百万円の損失(前期は43百万円の損失)を含めたトレーディング損益の合計は106億36百万円の利益(対前期比95.4%増加)となりました。

 

(金融収支)

 金融収益は、信用取引収益を中心に25億95百万円(対前期比22.2%増加)となりました。一方、金融費用は2億59百万円(同1.3%減少)となり、差し引き金融収支は23億35百万円(同25.5%増加)となりました。

 

(販売費・一般管理費)

 販売費・一般管理費は、テレビCM放映料などの一時的な費用に加え、業績に連動する賞与等の変動費の増加を主因として161億80百万円(対前期比10.4%増加)となりました。

 

(営業外損益)

 営業外損益は、受取配当金を中心に4億3百万円の利益(対前期比1.9%増加)となりました。

 

(特別損益)

 特別損益は、金融商品取引責任準備金繰入れの計上により55百万円の損失(前期は1百万円の損失)となりました。