E04147 Japan GAAP
前期
1.98兆 円
前期比
121.6%
株価
2,911.5 (03/29)
発行済株式数
1,134,412,200
EPS(実績)
87.47 円
PER(実績)
33.28 倍
前期
639.3万 円
前期比
105.8%
平均年齢(勤続年数)
38.3歳(15.7年)
従業員数
41,147人(連結:69,235人)
当社および当社の関係会社(子会社134社および関連会社74社(2023年3月31日現在))においては、運輸事業、流通・サービス事業、不動産・ホテル事業、その他の事業を行っております。各事業における当社および当社の関係会社の位置づけ等は次のとおりであります。
なお、次の区分は「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント情報の区分と同一であります。
鉄道事業を中心とした旅客運送事業のほか、旅行業、清掃整備業、駅業務運営業、建設・設備工事業、鉄道車両製造事業および鉄道車両メンテナンス事業等を展開しております。当社の鉄道事業の営業エリアは、主として関東および東北地方の1都16県にわたり、駅数は1,629駅、営業キロは在来線が6,108.0km、新幹線が1,194.2km、総合計は7,302.2kmとなっております。当社の路線図は「第1 企業の概況 3 事業の内容」末尾に表示しております。
主な関係会社:当社(鉄道旅客運送事業等)
(自動車・鉄道旅客運輸サービス) ◎ジェイアールバス関東㈱、◎東京モノレール㈱
(旅行業) ◎㈱JR東日本びゅうツーリズム&セールス、○㈱JTB
(清掃整備業) ◎㈱JR東日本環境アクセス
(駅業務運営業) ◎㈱JR東日本ステーションサービス
(建設・設備工事業) ◎JR東日本ビルテック㈱、○東鉄工業㈱、
〇第一建設工業㈱、○日本電設工業㈱、
○日本リーテック㈱、〇鉄建建設㈱
(鉄道車両製造事業) ◎㈱総合車両製作所
(鉄道車両メンテナンス事業) ◎JR東日本テクノロジー㈱
小売・飲食業、卸売業、貨物自動車運送事業および広告代理業等の生活サービス事業を展開しております。
主な関係会社:当社(駅スペースの創出等)
(小売・飲食業) ◎㈱JR東日本クロスステーション、◎JR東日本東北総合サービス㈱
(卸売業) ◎㈱JR東日本商事
(貨物自動車運送事業) ◎㈱ジェイアール東日本物流
(広告代理業) ◎㈱ジェイアール東日本企画
ショッピングセンターの運営事業、オフィスビル等の貸付業、ホテル業およびこれらを展開する不動産の開発・販売事業等の生活サービス事業を展開しております。
主な関係会社:当社(ショッピングセンター・オフィスビル等の開発、ホテル業、不動産販売事業)
(ショッピングセンター運営事業) ◎㈱ルミネ、◎㈱アトレ、◎㈱ジェイアール東日本都市開発
(オフィスビル等貸付業) ◎㈱JR東日本ビルディング
(ホテル業) ◎日本ホテル㈱、◎仙台ターミナルビル㈱
クレジットカード事業等のIT・Suica事業および情報処理業等を展開しております。
主な関係会社:当社(IT・Suica事業、その他)
(IT・Suica事業) ◎㈱ビューカード、◎JR東日本メカトロニクス㈱
(情報処理業) ◎㈱JR東日本情報システム
(その他) ○UQコミュニケーションズ㈱、○セントラル警備保障㈱
(注) ◎は連結子会社、○は持分法適用関連会社を示しております。なお、会社名は主たる事業において記載しております。
以上に述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
(注)1 ◎は連結子会社、○は持分法適用関連会社を示しております。なお、会社名は主たる事業において記載しております。
2 矢印は主な取引・サービスの提供を示しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかに持ち直しの動きがみられたものの、新型コロナウイルス感染症、物価上昇、供給面での制約および金融資本市場の変動等の影響により厳しい状況が続きました。
このような状況の中、当社グループは、2020年9月に発表したポストコロナ社会に向けた対応方針である「変革のスピードアップ」のもと、「安全」を経営のトッププライオリティに位置づけ、「収益力向上」、「経営体質の抜本的強化」および「ESG経営の実践」に取り組み、グループ経営ビジョン「変革 2027」の実現に向けた歩みを加速しました。
「究極の安全」を実現するため、「グループ安全計画2023」のもと、大規模災害等の新たなリスクを捉えたルール・しくみの変革や、「うまくいっていること」にも着目する取組みの推進といった、一人ひとりの「安全行動」および「安全マネジメント」の進化と変革に、グループ一体で取り組みました。また、2022年度より導入した電柱建替用車両による新幹線の電柱地震対策をはじめ、新たな技術を積極的に活用した安全設備の整備を推進しました。
「収益力向上(成長・イノベーション戦略の再構築)」では、鉄道事業を取り巻く環境が厳しさを増す中、旅行気運・移動需要を喚起するため、現業機関社員の発意も取り入れながら、「鉄道開業150年」や「新幹線YEAR2022」に関わる様々な施策を展開しました。さらに、ライフスタイルの多様化を大きなチャンスと捉え、成長・イノベーション戦略を再構築し、グループの強みであるリアルなネットワークとデジタルを掛け合わせ、デジタル化・チケットレス化やスタートアップ事業の推進等、新しい暮らしの提案や新領域への挑戦に取り組みました。
「経営体質の抜本的強化(構造改革)」では、ワンマン運転の拡大や自動運転技術の推進、スマートメンテナンスをはじめとしたDXのさらなる加速等、生産性向上に向けた取組みを実施しました。また、サステナブルなJR東日本グループを創るため、2022年6月以降、JR東日本の組織改正を進めるとともに、グループ全社員の働きがいの向上のため、業務改革、働き方改革、職場改革の3つの改革を進めました。2023年3月31日現在、計34箇所で「組織横断プロジェクト」が活動しており、部門や組織を越えてお客さまに近い場所で創意を発揮し、エリアや線区の課題解決に挑戦しております。
「ESG経営の実践」では、当社グループがめざすエネルギー戦略として、2022年7月に「エネルギービジョン2027~つなぐ~」を策定し、2050年度までに当社グループ全体のCO₂排出量実質ゼロに向けて、駅・車両への省エネ設備の導入や省エネ運転の推進、風力・太陽光といった再生可能エネルギー開発を推進しました。また、地域との共創を通じた地方創生の実現をめざし、いわきや青森、新潟における地方中核駅を中心としたまちづくり、山形や弘前における地域連携ICカードのエリア拡大、および京葉線と田沢湖線における新駅開業を実施しました。
今後も、グループ経営ビジョン「変革 2027」の実現に向けてグループ一体で取り組んでまいります。
当連結会計年度の決算につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復によりすべてのセグメントで増収となったことなどにより、営業収益は前期比21.6%増の2兆4,055億円となりました。また、これに伴って営業利益は1,406億円(前期は営業損失1,539億円)、経常利益は1,109億円(前期は経常損失1,795億円)、親会社株主に帰属する当期純利益は992億円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失949億円)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
a 運輸事業
運輸事業では、新型コロナウイルスの感染防止対策の徹底と、安全・安定輸送およびサービス品質の確保にグループの総力を挙げて取り組みました。
この結果、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復で鉄道運輸収入が増加したことに加え、Suicaに係る負債の収益計上時期を変更したことなどにより、売上高は前期比26.1%増の1兆6,803億円となり、営業損失は240億円(前期は営業損失2,853億円)となりました。
b 流通・サービス事業
流通・サービス事業では、駅を交通の拠点からヒト・モノ・コトがつながる暮らしのプラットフォームへと転換する「Beyond Stations構想」などを推進しました。
この結果、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復でエキナカ店舗の売上が増加したことなどにより、売上高は前期比16.4%増の3,635億円となり、営業利益は前期比149.9%増の352億円となりました。
c 不動産・ホテル事業
不動産・ホテル事業では、大規模ターミナル駅開発や沿線開発など「くらしづくり(まちづくり)」を推進し、地域とともに街の魅力を高めました。
この結果、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復でホテルやショッピングセンターの売上が増加したことなどにより、売上高は前期比9.1%増の4,097億円となり、営業利益は前期比3.5%増の1,115億円となりました。
d その他
その他の事業では、Suicaの利用シーンのさらなる拡大と、シームレスでストレスフリーな移動を実現する「MaaSプラットフォーム」の拡充などに取り組みました。
この結果、クレジットカード事業の売上が増加したことなどにより、売上高は前期比7.0%増の2,231億円となり、営業利益は前期比47.9%増の172億円となりました。
当社の鉄道事業の営業実績
当社の鉄道事業の最近の営業実績は次のとおりであります。
(注) 1 乗車効率は次の方法により算出しております。
2 「関東圏」とは、当社首都圏本部、横浜支社、八王子支社、大宮支社、高崎支社、水戸支社および千葉支社管内の範囲であります。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローについては、税金等調整前当期純利益の計上などにより、流入額は前連結会計年度に比べ3,912億円増の5,817億円となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローについては、投資有価証券の取得による支出が増加したことなどにより、流出額は前連結会計年度に比べ391億円増の5,655億円となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローについては、有利子負債の調達が減少したことなどにより、流入額は前連結会計年度に比べ2,778億円減の268億円となりました。
なお、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ439億円増の2,150億円となりました。
また、当連結会計年度末のネット有利子負債残高は4兆5,598億円となりました。なお、「ネット有利子負債」とは、連結有利子負債残高から連結現金及び現金同等物の期末残高を差し引いた数値であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社および当社の連結子会社の大多数は、受注生産形態をとらない業態であります。
なお、販売の実績については、「(1) 経営成績等の状況の概要」におけるセグメントの業績に関連づけて示しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
a 経営成績
○ 営業収益
当連結会計年度の営業収益は、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復によりすべてのセグメントで増収となったことなどにより、前期比21.6%増の2兆4,055億円(対4月業績予想474億円減)となりました。
運輸事業の外部顧客への売上高は、前期比26.7%増の1兆6,185億円(対4月業績予想564億円減)となりました。
これは、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復で鉄道運輸収入が増加したことに加え、Suicaに係る負債の収益計上時期を変更したことなどによるものであります。
新幹線に関しては、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復により、輸送人キロは前期比58.8%増の164億人キロとなりました。定期収入は前期比4.6%増の212億円、定期外収入は前期比68.5%増の4,007億円となり、全体では前期比63.5%増の4,219億円となりました。
関東圏の在来線に関しては、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復により、輸送人キロは前期比12.5%増の863億人キロとなりました。定期収入は前期比3.6%増の3,541億円、定期外収入は前期比28.0%増の6,021億円となり、全体では前期比17.8%増の9,563億円となりました。
関東圏以外の在来線に関しては、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復により、輸送人キロは前期比13.3%増の46億人キロとなりました。定期収入は前期比0.8%増の161億円、定期外収入は前期比38.3%増の373億円となり、全体では前期比24.4%増の535億円となりました。
運輸事業以外の事業の外部顧客への売上高については、以下のとおりであります。
流通・サービス事業では、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復でエキナカ店舗の売上が増加したことなどにより、前期比17.9%増の3,278億円(対4月業績予想251億円減)となりました。
不動産・ホテル事業では、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復でホテルやショッピングセンターの売上が増加したことなどにより、前期比8.4%増の3,822億円(対4月業績予想292億円増)となりました。
その他の事業では、クレジットカード事業の売上が増加したことなどにより、前期比8.2%増の769億円(対4月業績予想49億円増)となりました。
○ 営業費用
営業費用は、前期比6.2%増の2兆2,649億円となりました。営業収益に対する営業費用の比率は、前連結会計年度の107.8%に対して、当連結会計年度は94.2%となりました。
運輸業等営業費及び売上原価は、前期比5.7%増の1兆6,878億円となりました。これは、物件費が増加したことなどによるものであります。
販売費及び一般管理費は、前期比7.5%増の5,770億円となりました。これは、物件費が増加したことなどによるものであります。
○ 営業利益
営業利益は、1,406億円(対4月業績予想123億円悪化)となりました。前連結会計年度は、営業損失1,539億円でありました。
○ 営業外損益
営業外収益は、前期比4.9%減の420億円となりました。これは、協力金収入が減少したことなどによるものであります。
営業外費用は、前期比2.9%増の718億円となりました。これは、社債利息が増加したことなどによるものであります。
○ 経常利益
経常利益は、1,109億円(対4月業績予想129億円改善)となりました。前連結会計年度は、経常損失1,795億円でありました。
○ 特別損益
特別利益は、前期比45.4%増の932億円となりました。これは、受取補償金が増加したことなどによるものであります。
特別損失は、前期比16.3%増の757億円となりました。これは、工事負担金等圧縮額が増加したことなどによるものであります。
○ 税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は、1,283億円となりました。前連結会計年度は、税金等調整前当期純損失1,805億円でありました。
○ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、税金等調整前当期純利益の計上などにより、992億円(対4月業績予想392億円改善)となりました。前連結会計年度は、親会社株主に帰属する当期純損失949億円でありました。前連結会計年度の1株当たり当期純損失251.69円に対し、当連結会計年度は1株当たり当期純利益263.38円となりました。
b 財政状態
当連結会計年度末の資産残高は前連結会計年度末に比べ2,604億円増の9兆3,518億円、負債残高は前連結会計年度末に比べ1,808億円増の6兆8,541億円、純資産残高は前連結会計年度末に比べ796億円増の2兆4,977億円となりました。
運輸事業においては、大規模地震対策やホームドア整備、車両新造、幕張豊砂駅新設工事などに3,730億円の投資を行ったことなどにより、当連結会計年度末の資産残高は7兆871億円となりました。
流通・サービス事業においては、仙台駅北部高架下開発など、新規店舗の展開や既存店舗の改良などに156億円の投資を行ったことなどにより、当連結会計年度末の資産残高は3,535億円となりました。
不動産・ホテル事業においては、いわき駅南口開発や青森駅東口駅ビル開発など、ショッピングセンターやオフィスビル、ホテルの建設などに1,102億円の投資を行ったことなどにより、当連結会計年度末の資産残高は1兆8,150億円となりました。
その他の事業においては、システム開発などに557億円の投資を行ったことなどにより、当連結会計年度末の資産残高は1兆738億円となりました。
a キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度より3,912億円増加し、5,817億円の流入となりました。これは、税金等調整前当期純利益の計上などによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度より391億円増加し、5,655億円の流出となりました。これは、投資有価証券の取得による支出が増加したことなどによるものであります。
なお、設備投資の概要は以下のとおりです。
運輸事業に関しては、大規模地震対策やホームドア整備、車両新造、幕張豊砂駅新設工事などの設備投資を実施しました。流通・サービス事業に関しては、仙台駅北部高架下開発など、新規店舗の展開や既存店舗の改良などを行いました。不動産・ホテル事業に関しては、いわき駅南口開発や青森駅東口駅ビル開発などの設備投資を実施しました。その他の事業においては、システム開発などの設備投資を実施しました。
また、フリー・キャッシュ・フローは、前連結会計年度より3,520億円増加し、162億円の流入となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度より2,778億円減少し、268億円の流入となりました。これは、有利子負債の調達が減少したことなどによるものであります。
なお、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末の1,710億円から439億円増加し、2,150億円となりました。
b 財務政策
グループ経営ビジョン「変革 2027」の早期実現に向けて、設備投資に関して、成長投資においては、収益力向上や生産性向上に資する投資を積極的に実施します。維持更新投資においては、大規模地震対策やホームドア整備など安全のレベルアップに資する投資を引き続き着実に進めるとともに、安全の確保を大前提とした投資の選択と集中を徹底します。さらに、「脱炭素社会」実現などの社会的課題の解決、地域社会など多様なステークホルダーへの貢献、長期的視点での生産性向上や業務変革を目指し、地方創生やDXなどの設備投資を厳選して実施します。2023年度から2027年度まで総額3兆8,900億円の投資を計画しています。また、株主還元については、中長期的に総還元性向40%を目標とし、配当性向は30%をめざすこととしております。このために必要な資金については、営業キャッシュ・フローによるほか、社債の発行や金融機関からの借入等による資金調達を行っており、連結有利子負債残高は、連結営業収益、利益に応じた水準とすることを中長期的な考え方としております。具体的には、ネット有利子負債/EBITDAを中期的に5倍程度、長期的に3.5倍程度とすることをめざしております。
「ネット有利子負債」とは、連結有利子負債残高から連結現金及び現金同等物の期末残高を差し引いた数値であり、当連結会計年度末のネット有利子負債残高は4兆5,598億円となりました(なお、当連結会計年度末の有利子負債残高は4兆7,748億円であります)。また、「EBITDA」とは、連結営業利益に連結減価償却費を加えた数値であり、当連結会計年度のEBITDAは5,305億円となりました。
当社グループはキャッシュマネジメントシステム(CMS)を導入しており、CMS参加各社の余裕資金の運用と資金調達の管理を一括して行い、連結ベースでの資金効率の向上に努めております。また、グループ間決済の相殺やグループ内の支払業務を集約する支払代行制度などの資金管理手法を採用しております。
当社は、健全な財務体質の維持・向上および十分な手元流動性の確保を基本方針に置き、社債の発行や金融機関からの借入等により資金調達を行っております。また、金利上昇リスクの抑制を目的とし、支払金利の固定化や、調達年限の長期化による支払金利の長期固定化を行っております。さらに、年度ごとの債務償還額の抑制および平準化に資する年限選択を行うことで、将来の借換リスク抑制を図っております。
当社は、当連結会計年度に国内において償還期限を2025年から2072年の間とする13本の無担保普通社債を総額1,820億円発行いたしました。これらの社債については、㈱格付投資情報センターよりAA+の格付けを取得しております。また、海外において償還期限を2025年から2043年の間とする4本の無担保普通社債を総額26億ユーロ(3,621億円)発行いたしました。これらの社債は、S&Pグローバル・レーティング・ジャパン㈱よりA+、ムーディーズ・ジャパン㈱よりA1の長期債格付けを取得しております。その他、金融機関から1,745億円の長期資金を借り入れました。
新幹線鉄道施設に関連する鉄道施設購入長期未払金は、元利均等半年賦支払であり、年利6.55%の固定利率により2051年9月30日までに支払われる3,147億円であります。
このほか、当連結会計年度末現在、東京モノレール㈱が3億円の鉄道施設購入長期未払金を有しております。
短期資金の需要に対応するため、当連結会計年度末現在、主要な銀行に総額3,600億円の当座借越枠を設定しております。また、コマーシャル・ペーパーについては、当連結会計年度末現在、㈱格付投資情報センターよりa-1+、㈱日本格付研究所よりJ-1+の短期債(CP)格付けを取得しております。なお、当連結会計年度末における当座借越残高およびコマーシャル・ペーパーの発行残高はありません。さらに、当連結会計年度末現在、銀行からのコミットメント・ライン(一定の条件のもと契約内での借入れが自由にできる融資枠)を3,000億円設定しておりますが、当連結会計年度末におけるコミットメント・ラインの使用残高はありません。
当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されており、連結財務諸表の作成に当たっては、連結決算日における資産・負債および当連結会計年度における収益・費用の数値に影響を与える事項について、過去の実績や現在の状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積りを行った上で、継続して評価を行っております。ただし、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた見積りや仮定のうち、財政状態および経営成績に重要な影響を与える可能性がある項目は以下のとおりです。
a 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性に関する仮定に関しては、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。
b 固定資産の減損
固定資産の減損に関する仮定に関しては、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。
c 退職給付債務の見積り
従業員の退職給付債務は、割引率、昇給率、退職率、死亡率等の数理計算上の前提条件を用いて見積りを行っております。数理計算上の前提条件と実績が異なる場合または前提条件の変更があった場合は、翌連結会計年度の退職給付債務の見積りに影響を与える可能性があります。