売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

ニュース

  • ニュースリリースデータがありません。


最終更新:

E38693 

売上高

32.7億 円

前期

31.6億 円

前期比

103.8%

時価総額

37.0億 円

株価

1,576 (05/02)

発行済株式数

2,350,000

EPS(実績)

89.39 円

PER(実績)

17.63 倍

平均給与

499.4万 円

平均年齢(勤続年数)

42.4歳(6.5年)

従業員数

223人(連結:222人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

当社の事業につきましては、信頼性評価事業、微細加工事業及びその他事業の3つの柱で構成されております。

 

(信頼性評価事業)

当事業においては、電子部品等に対する環境試験、電気試験、振動試験等からなる信頼性評価試験、良品・不良解析、試験素材切断と切断面の研磨加工、試験機製造販売等を行っております。

単なる分析・故障解析業務にとどまらず、不良の真因を見つけ出すための再現実験を行い、顧客の技術課題を根本から解決できる会社を志向し、関連会社であるSGSクオルテック株式会社の営業力と当社の技術力を融合した技術営業体制を構築しております。また、分析や信頼性評価試験のみならず、受託試験を通じて蓄積した技術・ノウハウを活かしたパワー半導体の信頼性評価装置の開発・販売にも取組んでおります。

当社では電気自動車の開発・普及が急速に拡大すると予測される以前から電気自動車の基幹部品であるインバータの中のパワー半導体の信頼性評価試験や故障解析に取組み、受注をいただいております。電子回路、ソフトウエア、水冷機構などの試験環境を自社内で開発できることから、顧客の多種多様なニーズに対応して参りました。また、信頼性評価試験の前後において、部品や基板の実装部の解析や評価、改善提案までトータルで対応できることで、パワー半導体の信頼性評価試験において強みを有しております。

近年では、信頼性評価試験を実施するだけでなく、国際規格に基づく試験の実施から規格認証の取得まで、トータルに対応できる体制を構築しております。現在では、信頼性評価試験の規格を策定する活動(IPC(米国電子回路協会)やJEITA(電子情報技術産業協会))にも参画しております。

当事業では、顧客より試験や検査、分析、解析、加工、機器販売の役務提供の対価として収益を得ております。

 

(微細加工事業)

当事業においては、ビルドアップ基板やフレキシブルプリント基板(薄く柔らかい屈曲可能な基板)等に対する試作・量産レーザ加工を行っております。

スマートフォンから医療機器まで、あらゆる製品領域において、ジャンルを問わない幅広い対応力で顧客のニーズに対応して参りました。また、顧客の要望に応えるために必要な設備を揃えることで電子部品業界の技術的なニーズに応える体制を整えて参りました。

温湿度などの少しの環境変化で加工が変わってしまったり、設備ごとの個体差があるなど管理が非常に難しいレーザ加工機を自社では持たずアウトソーシングする基板メーカーに対して、ビッグロットの量産加工から新材料のレーザ加工性評価や極短納期の試作品加工まで、多様な依頼に柔軟に対応できることが当社の強みであり、20年以上の長きに亘って事業を継続できている理由であると考えております。

当事業では、顧客より加工の役務提供の対価として収益を得ております。

 

(その他事業)

当事業においては、遺伝子検査を通じて、犬・猫遺伝子疾患の原因遺伝子変異の検出サービスや、バイオ医療関連製品(包装材料、シリンジなど)の受託検査を行うバイオ事業、各種コンサルティングのゼロイノベーション事業、表面処理技術事業を行っております。また、新材料への表面処理加工等、最先端の材料への処理を試作から量産まで請け負っております。

顧客が開発する製品は、高品質かつ高い信頼性を目指されており、その実現に向けて素材等の改善提案をしております。そのために当社は、基礎実験や再現実験を繰り返し、ノウハウとデータの蓄積を地道に行って参りました。

当事業では、検査や加工、指導の役務提供の対価として収益を得ております。

 

これらの事業に加えて研究開発部門を有しており、「パワー半導体とオートモーティブ」をキーワードにしたテーマで研究開発を行っております。

・パワー半導体に関する研究

市場が拡大しているパワー半導体について、当社はパワー半導体の信頼性評価試験であるパワーサイクル試験受託市場での実績を持っております。その実績を活かすために、当社の得意とする実装技術/表面処理技術の融合による高信頼性を有した実装・工法を提供するために、次の研究に取組んでいます。

1)パワー半導体の接合不具合要因となる、マイグレーション現象(電界の影響で金属が絶縁物上や界面を移動する現象)のメカニズム解析

2)パワー半導体の接合不具合要因となるはんだ中のボイドが発生しないボイドレスはんだの開発

3)高温接合に適したはんだめっき技術の開発

4)はんだ接合部などのボイド及びクラックの画像解析ソフトの開発

 

 

・オートモーティブに関する研究

自動車の電動化に伴い、様々な変化が生じています。2021年6月に経済産業省が、2035年までに乗用車新車販売で電動車100%を実現できるよう、包括的な措置を講じると公表したことにより、さらに電動化は加速することが予想されます。また、自動運転、電動化が進むことにより自動車のノイズ問題は複雑となりかつ高周波を扱う必要性が生じております。こうした業界動向に対し次の研究に取組んでおります。

1)自動車の電動化に伴い必需品となる高速充電が特徴となるキャパシタを、当社独自技術である水系電解液を使って開発

2)EMC(電磁両立性)のコンサルティングを通じて顧客の課題を抽出し、ビジネス化につなげる取組みと、高周波計測(ミリ波、高速通信など)の評価技術の確立を目的とした研究活動

3)固体電池用電解質材料の開発と、電気特性評価手法の確立

 

当社及び当社の関係会社の事業に係る位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。

[事業系統図]

※画像省略しています。

 

23/09/27

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態の状況

(資産)

当事業年度末における総資産は3,177,770千円となり、前事業年度末に比べ220,022千円減少いたしました。

流動資産は2,074,552千円となり、前事業年度末に比べ143,125千円減少いたしました。これは主に「現金及び預金」197,062千円減少、前事業年度の所得がベースの予定納税額が過大となったこと等に伴う「未収還付法人税等」33,712千円増加及び「電子記録債権」29,087千円増加によるものであります。固定資産は1,103,218千円となり、前事業年度末に比べ76,896千円減少いたしました。これは主に減価償却等に伴う「建物」42,228千円減少及び法定実効税率の変更に伴う「繰延税金資産」37,270千円減少によるものであります。

 

(負債)

当事業年度末における負債は797,402千円となり、前事業年度末に比べ353,445千円減少いたしました。

流動負債は487,923千円となり、前事業年度末に比べ204,305千円減少いたしました。これは主に納付等に伴う「未払法人税等」145,341千円減少及び繰上償還に伴う「1年内償還予定の社債」60,000千円減少によるものであります。固定負債は309,479千円となり、前事業年度末に比べ149,140千円減少いたしました。これは主に繰上償還に伴う「社債」60,000千円減少、「1年内返済予定の長期借入金」への振替に伴う「長期借入金」56,684千円減少、及び支給等に伴う「役員退職慰労引当金」35,076千円減少によるものであります。

 

(純資産)

当事業年度末における純資産は2,380,368千円となり、前事業年度末に比べ133,423千円増加いたしました。

これは主に「当期純利益」210,076千円の計上及び剰余金の配当77,700千円によるものであります。

 

② 経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大防止策である行動制限が解除され、景気回復の兆候が見られる一方で、国際情勢ではウクライナ情勢が未だ収束せずむしろ長期化する様相であります。また、資源価格の高騰や金融資本市場の急激な変動等、経済活動に急激な影響を与える要因が払拭されない、先行きが不透明な状況が依然として続いております。

一方、当社のターゲット市場である自動車業界では、電気自動車に代表される次世代自動車の販売計画や、半導体供給の緩やかな回復を背景にした生産台数の大幅な伸びなどのニュースが発表されております。

このような状況の中、信頼性評価事業では、前事業年度に好調であった半導体真贋判定の受注に顕著な落込みが見られましたが、一方で高難度、高単価の検査の需要が大きく伸長しました。微細加工事業では、開発段階の試作品加工の受注は堅調に推移しましたが、半導体不足による最終製品の生産が減退した影響を受けました。その他事業では、コロナ禍の巣ごもり生活により伸びていたペット購買需要が減衰し、第3四半期から遺伝子検査受注が鈍化しました。

これらの結果、当事業年度の経営成績は、売上高3,274,204千円(前年同期比3.8%増)、営業利益304,399千円(同12.6%減)、経常利益295,370千円(同13.0%減)、当期純利益210,076千円(同35.8%減)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

(信頼性評価事業)

信頼性評価事業では、前事業年度において分析・故障解析の分野で好調であった半導体不足による市場流通品の真贋判定検査の需要が当事業年度に入り顕著な落込みとなり、同検査の受注が一段落しました。また、パワーエレクトロニクスの評価及び信頼性評価試験では、一部顧客のパワー半導体開発フェーズが端境期を迎えたことで、前事業年度に比べ受注が鈍化しましたが、一方で高度な分析装置による分析需要が好調に推移し、併せて試験や検査の前後の工程である研磨工程の受注も好調に推移したことで売上を牽引しました。

これらの結果、当事業年度の経営成績は、売上高2,874,161千円(前年同期比6.9%増)、営業利益793,188千円(同2.6%増)となりました。

 

(微細加工事業)

微細加工事業では、開発工程である試作品加工の受注は堅調に推移しましたが、コロナ禍による半導体不足やサプライチェーンの混迷による影響で、最終製品の生産が減退したことで同事業の量産品加工の受注に大きく影響を及ぼしました。

これらの結果、当事業年度の経営成績は、売上高244,741千円(前年同期比25.4%減)、営業利益30,758千円(同58.5%減)となりました。

 

(その他事業)

その他事業では、バイオ事業においてコロナ禍における巣ごもり需要のひとつであるペット購買需要の伸びにより、遺伝子検査の受注が堅調に推移しておりましたが、行動制限の解除により巣ごもり需要が減衰し、第3四半期に入り同検査の受注が鈍化しました。一方で、表面処理加工事業では、主要顧客からの安定的な受注により堅調に推移し、ゼロ・イノベーション事業ではコンサルティングサービスや装置等に使用する消耗部材の販売等が堅調に推移し売上を牽引しました。

これらの結果、当事業年度の経営成績は、売上高155,302千円(前年同期比11.7%増)、営業利益36,837千円(同55.8%増)となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により270,752千円増加、投資活動により197,381千円減少、財務活動により222,164千円減少の結果、前事業年度末に比べ148,793千円減少し1,098,972千円となりました。

 

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果増加した資金は270,752千円(前年同期は686,086千円の増加)となりました。これは主に「減価償却費」320,707千円及び「税引前当期純利益」298,702千円の増加と、「法人税等の支払額」230,881千円、「未払金の減少額」51,781千円及び「未払又は未収消費税等の減少額」43,050千円の減少によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果減少した資金は197,381千円(前年同期は25,085千円の減少)となりました。これは主に「定期預金の払戻による収入」52,272千円の増加と、「有形固定資産の取得による支出」246,166千円の減少によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果減少した資金は222,164千円(前年同期は463,193千円の減少)となりました。これは主に「社債の償還による支出」120,000千円及び「長期借入金の返済による支出」106,737千円等の減少によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

イ.生産実績

当社が提供する主要なサービスの性格上、当該記載が馴染まないことから、記載を省略しております。

 

ロ.受注実績

当社が提供する主要なサービスは、受注から売上計上までの期間が短期間であり、受注実績と販売実績に大きな乖離が生じないため、記載を省略しております。

 

ハ.販売実績

当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当事業年度

(自 2022年7月1日

至 2023年6月30日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

信頼性評価事業

2,874,161

106.9

微細加工事業

244,741

74.6

その他

155,302

111.7

合計

3,274,204

103.8

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自  2021年7月1日

至  2022年6月30日)

当事業年度

(自  2022年7月1日

至  2023年6月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社デンソー

649,801

20.6

684,559

20.9

富士電機株式会社

398,062

12.6

(注)当事業年度における富士電機株式会社に対する販売実績については、総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当事業年度の国内外の経済は、新型コロナウイルス感染症やウクライナ情勢の悪化による影響等により、先行きの不透明感が一層増す状況となりました。

このような状況下で、当社は主力市場である自動車業界において、緩やかな景気回復基調が見られたことを背景に当事業年度の売上高は3,274,204千円(前年同期比3.8%増)となりました。営業利益は主に労務費の計上により売上原価2,406,861千円(同5.6%増)を計上、給料手当、研究開発費を中心とした販売費及び一般管理費を562,944千円(同6.5%増)計上した結果、304,399千円(同12.6%減)となりました。また、営業外収益は主に補助金収入の計上により2,634千円(同42.4%減)を計上、営業外費用は主に上場関連費用の計上により11,663千円(同11.0%減)を計上した結果、経常利益は295,370千円(同13.0%減)となりました。この結果、法人税等控除後の当期純利益は210,076千円(同35.8%減)となりました。

 

② 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、売上高及び売上高営業利益率を重要な経営指標と位置づけ、各種経営課題に取組んでおります。

当社の信頼性評価事業のビジネスモデルの特徴として、固定比率の高いコスト構造となっており、売上高増が営業利益増に直結する傾向にあります。

なお、当期の売上高は信頼性評価事業の受注が好調に推移したことにより3,274,204千円となり、売上高の伸長により売上高営業利益率は9.3%となりました。

 

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの状況の分析は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社の資金需要の主なものは、設備投資資金として、主要事業である信頼性評価事業に係る信頼性評価試験及び分析・故障解析に関する新しい分野を開拓するための試験設備の購入であり、運転資金として、事業を拡大するための消耗部材の購入、サービスや技術向上を目的とする人員を確保するための人件費や外注費であります。

資本の財源及び資金の流動性について、設備投資資金及び運転資金は主として自己資金で充当し、必要に応じて借入等による資金調達を実施することを基本方針としています。

当事業年度において、設備投資資金、株式上場関連費用及び運転資金は自己資金を充当し、現金及び現金同等物の残高は1,098,972千円となっております。

当社は、引き続き強固な財務基盤を構築するため、有利子負債の削減に努め、健全な財務状態、安定的なフリーキャッシュ・フローの創出を図り、成長を維持するために将来必要な設備投資資金及び運転資金を調達する予定であります。

 

④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

イ.繰延税金資産の回収可能性

繰延税金資産については、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

ロ.固定資産の減損処理

固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討を行っておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。

 

⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について

経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。