E36751
前期
907.1億 円
前期比
102.4%
株価
1,289 (06/26)
発行済株式数
52,610,712
EPS(実績)
68.86 円
PER(実績)
18.72 倍
前期
782.6万 円
前期比
89.8%
平均年齢(勤続年数)
47.6歳(10.3年)
従業員数
64人(連結:2,300人)
当社は、2021年10月1日付で(株)タケエイ及びリバーホールディングス(株)の経営統合に伴い、両社の共同持株会社として設立されました。
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社35社及び持分法適用関連会社6社により構成されております。
当社は持株会社として、グループ戦略の立案・決定、グループ経営のモニタリング機能を果たすとともに、一部のグループ会社への経営管理業務に関する各種サービスの提供を行っております。また、グループ会社は、取り扱うサービス・製品について密接に連携し、グループシナジーを発揮する事業展開を行っております。
当社グループにおける事業内容は、廃棄物処理・再資源化事業、資源リサイクル事業、再生可能エネルギー事業及びその他(環境エンジニアリング事業及び環境コンサルティング事業)に区分されます。
(1) 廃棄物処理・再資源化事業
連結子会社17社・持分法適用関連会社1社の計18社で構成されております。
廃棄物を収集し中間処理工場へ運搬する収集運搬業務、中間処理工場へ搬入された廃棄物を品目ごとに適切に精選別し、異物除去、破砕、圧縮、薬剤処理等を行う中間処理業務、併せて再資源化が可能な廃棄物については、加工、成型、品質調査等を行う再資源化業務、及び中間処理により発生した残さを自社最終処分場に埋め立てる最終処分場運営等を行っております。
(2) 資源リサイクル事業
連結子会社3社・持分法適用関連会社2社の計5社で構成されております。
資源リサイクル事業では、金属リサイクル、自動車リサイクル、産業廃棄物処理、家電リサイクル等を行っております。
① 金属リサイクル
資源リサイクル事業の主力であり、鉄スクラップ及び非鉄スクラップについて、生産工場、建物解体業者、自動車解体業者、地方自治体及び同業他社から仕入れた金属スクラップを品物に応じてせん断、圧縮、破砕、選別し、金属原料として再資源化を行っております。
② 自動車リサイクル
カーディーラーやオートオークションから仕入れた使用済自動車について、処理を引取からパーツの販売や破砕までワンストップで行っております。
③ 産業廃棄物処理
産業廃棄物の中間処理の許可を持つ事業所を運営し、産業廃棄物の中間処理を行っております。
④ 家電リサイクル
家電量販店等で回収された家電4品目(エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機)について、リサイクルシステムの管理会社から指定引取場所、再商品化施設及び地域管理会社として処理料・管理料を受け取り、集荷拠点の運営、再商品化及び地域管理事業を行っております。
(3) 再生可能エネルギー事業
連結子会社13社・持分法適用関連会社3社の計16社で構成されております。
主に森林資源を燃料とする木質バイオマス発電所の運営を行うとともに、付帯する業務として、発電用の燃料の製造、発電した電力の販売、森林経営等を行っております。
(4) その他
① 環境エンジニアリング事業
連結子会社1社で構成されております。
環境装置やプラント、特殊車輌の開発・製造・販売を行っております。
② 環境コンサルティング事業
連結子会社2社で構成されております。
計量証明業務、環境対策工事及び有害廃棄物等の調査・分析業務を行っております。
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。
(事業系統図)
※画像省略しています。
なお、当社は有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することになります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 経営成績の状況
当連結会計年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)における我が国経済は、コロナ禍の終息に伴って経済活動の正常化が進みました。企業の設備投資意欲も、人手不足を受けた省力化ニーズの高まりなどからソフトウェア投資が好調であるなど、引き続き旺盛です。一方、地政学的リスクに起因する原材料や資源価格の高止まり及び円安、世界的なインフレといった金融不安等の影響は続いています。
当社グループと関連の高い建設業界については、建設工事受注は資材価格高騰や人件費増加の影響を受けつつも堅調に推移する一方、新設住宅着工戸数は物価上昇等による消費マインドの冷え込みも影響して弱含みの傾向にあります。また、鉄スクラップ相場は、期初53,000円/トン(東京製鐵(株)宇都宮工場特級価格)で始まり、海外市況や需給のタイト化などにより一時的に上昇・下降局面を迎えるものの概ね50,000円台で推移し、2024年3月末には51,500円/トンとなっています。
このような状況下、廃棄物処理・再資源化事業においては、燃料費の高騰や諸物価の上昇などが続き、人件費、販管費などのコスト増が影響しましたが、廃棄物の付加価値化、製品化などに継続して取り組みました。資源リサイクル事業においては、鉄スクラップ流通量が低調に推移するなど、取扱量が減少したことによる影響を受けましたが、分選別強化による搬出品の付加価値化や、在庫マネジメントによる粗利確保に努めております。再生可能エネルギー事業においては、6発電所全てで安定稼働に努めており、電力小売部門も好調に推移しました。その他の事業においても、グループ間での相乗効果を図る製品開発、研究開発、クロスセリング等に積極的に取り組みました。
なお、当社連結子会社である(株)門前クリーンパーク及び(株)北陸環境サービスが、2024年1月1日に発生した令和6年能登半島地震において被害を受けたことから、特別損失(災害損失及び災害損失引当金繰入額)として2,033百万円を計上しました。
この結果、当連結会計年度の売上高は92,860百万円(前連結会計年度比2.4%増)、営業利益は7,769百万円(同3.5%増)、経常利益は7,787百万円(同2.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,623百万円(同30.3%減)となりました。
また、当連結会計年度の経営成績及び主要な経営指標は次のとおりとなりました。
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当連結会計年度 (自 2023年 4月 1日 至 2024年 3月31日) |
収益性 |
売上高 |
(百万円) |
92,860 |
営業利益 |
(百万円) |
7,769 |
|
営業利益率 |
(%) |
8.4 |
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経常利益 |
(百万円) |
7,787 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
(百万円) |
3,623 |
|
資本効率 |
自己資本利益率(ROE) |
(%) |
5.5 |
財務健全性 |
自己資本比率 |
(%) |
47.2 |
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
各セグメントにおける売上高については、「外部顧客への売上高」の金額、セグメント利益については、「報告セグメント」の金額を記載しております。
a. 廃棄物処理・再資源化事業
(株)タケエイの建設系廃棄物処理・リサイクルにおいては、大型案件の受注が回復基調にあることや、取扱数量の増加等により対前年同期比で増収となったものの、外部処理費や人件費、販管費、燃料費といったコスト増加の影響を受け、減益となりました。一方で、中間処理施設における廃棄物の徹底した分選別による有価物回収や、廃プラスチック等からの固形燃料RPF製造や製鉄副資材「エコ・フォーム」製造による搬出品の付加価値化、製品化、太陽光パネル設置による電力の内製化といったコスト削減に継続して取り組んでおります。
その他、廃石膏ボードの再資源化を行う(株)ギプロ、(株)グリーンアローズ関東、(株)グリーンアローズ東北は、搬入量が引き続き堅調に推移し、特に東北での災害廃棄物関連の取り扱いも寄与して連結業績に貢献しました。TREガラス(株)は、ガラスリサイクルのニーズの高まりを受け、引き続き好調に推移しています。管理型最終処分場を運営する(株)北陸環境サービスは、集中豪雨災害やそれに起因する北陸地方の経済停滞等の影響を受けておりますが、当第4四半期連結会計期間において、令和6年能登半島地震によって発生した震災廃棄物の受け入れを開始しており、搬入量は増加しております。また、同地震において被害を受けた(株)門前クリーンパークは、2024年8月の開業に向けた準備を進めております。(株)信州タケエイは、解体事業における大型案件の受注が低調であったことや、産業廃棄物の搬入量が減少したことなどから、減収減益となりました。
この結果、セグメント売上高は26,732百万円(前連結会計年度比4.9%増)、セグメント利益は4,068百万円(同3.4%減)となりました。
b. 資源リサイクル事業
鉄・非鉄スクラップの仕入・加工・販売を行うスプレッド事業では、低迷していた使用済自動車の発生台数が回復してきたことにより取扱量も前年同期比で増加しましたが、建物解体屑などの鉄スクラップ流通量が依然として低調であったことに加え仕入競争も激化するなど、全体で見ると取扱量は減少しました。前期に導入したリバー(株)船橋事業所のせん断後ダスト選別ライン等を活用した分選別の徹底による再資源化や付加価値化を図り収益の確保に努めております。
廃棄物や廃家電などの中間処理及び再資源化を行う非スプレッド事業では、物価高による消費者マインドの冷え込みによる家電の買い控えなどの影響により、廃家電の発生量が減少するなど取扱量は減少しました。リバー(株)那須事業所の樹脂選別ラインや同東松山事業所の電子廃棄物専用破砕ラインなどを活用し、複合素材から有価物を効率的に回収し搬出品の付加価値化に繋げるとともに、ダスト(残さ物)削減によるコスト低減に取り組むなど、収益の確保に努めております。
徹底した再資源化を進めるものの、取扱量が減少したことに加え、大型シュレッダー更新に伴う一過性のコスト等が発生したことなどにより、減収減益となりました。
この結果、セグメント売上高は43,419百万円(前連結会計年度比3.2%減)、セグメント利益は2,761百万円(同12.1%減)となりました。
c. 再生可能エネルギー事業
市原グリーン電力(株)は、第1四半期連結会計期間において長期間の運転停止があったものの、修繕後は高負荷運転を継続したことから増収増益となりました。(株)タケエイグリーンリサイクルは、横須賀バイオマス発電所において安定稼働に努め、収益が改善しました。(株)大仙バイオマスエナジーは、木質チップより安価なバーク(樹皮)の活用も寄与して増収となり、収益も改善しました。2022年9月1日付で電力小売子会社5社を統合した(株)タケエイでんきは、小売電力量が増加したことや、顧客への提案営業が奏功したことなどから、増収増益となりました。(株)タケエイ林業は、原木の取扱量を増やしたことなどから増収増益となりました。
この結果、セグメント売上高は14,340百万円(前連結会計年度比4.8%増)、セグメント利益は1,201百万円(同74.7%増)となりました。
d. その他
環境装置、特殊車輌等を開発・製造・販売する富士車輌(株)は、大型案件の受注が引き続き好調に推移し、製造や据付工事等も順調に進行したことなどから増収増益となりました。
環境保全(株)及び(株)アースアプレイザルは、2021年4月の大気汚染防止法改正に伴うアスベスト(石綿)分析受注が続き、増収増益となりました。
この結果、セグメント売上高は8,367百万円(前連結会計年度比24.7%増)、セグメント利益は587百万円(同80.8%増)となりました。
② 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年 4月 1日 至 2024年 3月31日) |
前年同期比(%) |
廃棄物処理・再資源化事業(百万円) |
18,283 |
+8.9 |
資源リサイクル事業(百万円) |
36,908 |
△3.0 |
再生可能エネルギー事業(百万円) |
11,704 |
△3.8 |
その他(百万円) |
6,683 |
+24.8 |
合計(百万円) |
73,580 |
+1.7 |
(注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。
b. 受注状況
廃棄物処理・再資源化事業においては、顧客との契約は包括的な契約を主としており、個々の受注案件の期間、数量及び金額等について変動要素が多く情報として有用性に欠くため、記載を省略しております。
資源リサイクル事業においては、受注生産方式を採用していないため、該当事項はありません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年 4月 1日 至 2024年 3月31日) |
前年同期比(%) |
廃棄物処理・再資源化事業(百万円) |
26,732 |
+4.9 |
資源リサイクル事業(百万円) |
43,419 |
△3.2 |
再生可能エネルギー事業(百万円) |
14,340 |
+4.8 |
その他(百万円) |
8,367 |
+24.7 |
合計(百万円) |
92,860 |
+2.4 |
(注)1.総販売額に対する割合が10%以上の主要な販売先が無いため、相手先別の記載を省略しております。
2.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
③ 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産は142,159百万円(前連結会計年度末比9,869百万円の増加、前連結会計年度末比7.5%増)となりました。
流動資産は38,259百万円(前連結会計年度末比918百万円の減少、前連結会計年度末比2.3%減)となりました。これは、受取手形、売掛金及び契約資産が1,320百万円、流動資産のその他に含まれる未収消費税等が600百万円増加したものの、現金及び預金が3,012百万円減少したこと等によるものであります。固定資産は102,785百万円(前連結会計年度末比10,799百万円の増加、前連結会計年度末比11.7%増)となりました。これは、建設仮勘定が6,236百万円、投資有価証券が5,256百万円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は73,076百万円(前連結会計年度末比7,923百万円の増加、前連結会計年度末比12.2%増)となりました。流動負債は32,414百万円(前連結会計年度末比5,403百万円の増加、前連結会計年度末比20.0%増)となりました。これは、災害損失引当金が2,026百万円、短期借入金が1,750百万円増加したこと等によるものであります。固定負債は40,661百万円(前連結会計年度末比2,520百万円の増加、前連結会計年度末比6.6%増)となりました。これは、長期借入金が1,342百万円、繰延税金負債が612百万円減少したものの、社債が4,629百万円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は69,083百万円(前連結会計年度末比1,946百万円の増加、前連結会計年度末比2.9%増)となりました。これは、利益剰余金が1,536百万円、非支配株主持分が290百万円増加したこと等によるものであります。
④ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のフリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計額)は、固定資産の取得や投資事業有限責任組合への出資などによる支出が税金等調整前当期純利益等を源泉とした収入を上回り、4,624百万円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローでは、長期借入金の返済や配当金の支払による支出があったものの、社債の発行や長期借入れによる収入などにより、1,609百万円の収入となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物は3,014百万円減少し、当連結会計年度末残高は、20,663百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益6,006百万円に減価償却費5,895百万円や翌期支出予定の災害損失引当金繰入額2,026百万円等を調整した営業収入が、法人税等の支払額2,042百万円等の支出を上回ったことにより、12,194百万円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、最終処分場の建設、既存設備の更新などによって固定資産の取得による支出11,955百万円や投資事業有限責任組合への出資による支出5,000百万円等があったことにより、16,819百万円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入5,168百万円や長期借入れによる収入3,293百万円等の収入が、長期借入金の返済による支出5,451百万円や配当金の支払額2,088百万円等の支出を上回ったことにより、1,609百万円の収入となりました。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金により充当することを基本としておりますが、最終処分場、新規設備投資・改修等の大型の投資案件に係る資金につきましては資金需要が発生した時点で市場の状況等を勘案の上、銀行借入、社債発行及び増資等の最適な方法により資金調達することとしております。
⑥ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
固定資産の減損損失
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、原則として、事業所又は個々の会社を独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位としてグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては、将来の利益計画に基づき慎重に検討を行っておりますが、その見積りの前提とした条件や仮定に変化が生じた場合、減損処理が必要になる可能性があります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」をご参照ください。