売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E38148 

売上高

676.6億 円

前期

649.9億 円

前期比

104.1%

時価総額

2,613.2億 円

株価

2,616 (04/25)

発行済株式数

99,892,900

EPS(実績)

105.05 円

PER(実績)

24.90 倍

平均給与

535.3万 円

前期

531.9万 円

前期比

100.6%

平均年齢(勤続年数)

40.4歳(8.4年)

従業員数

1,049人(連結:2,089人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社グループは、当社及び連結子会社30社、非連結子会社2社、持分法適用関連会社5社、持分法非適用関連会社7社で構成されております。

 また、2023年3月末日現在、65の事業拠点を有しております。「再資源化施設等」は、廃棄物や汚染土壌の再資源化や処分等を行う施設で32ヶ所、「その他事業拠点」は、分析センターや自治体から受託した廃棄物処理施設の運営を実施している施設等で20ヶ所、「営業所」は、当社グループ統括の営業本部を含め13ヶ所であります。

 

※画像省略しています。

※一部プロットには事業所の重複があります。また、持分法適用関連会社5社の拠点も含んでおり、持分法非適用関連会社の拠点は重要性の観点から含めておりません。

 

 当社グループは、持続可能な循環型社会の実現を目指し、「廃棄物処理・資源循環」を中心とする「環境関連事業」を主な事業としております。「環境関連事業」は「廃棄物処理・資源循環」のほか、「土壌浄化」、「施設建設・運営管理」、「コンサルティング」、「エネルギー創造」、「森林保全」、「その他」の7つの事業に区分しております。また、「その他」として、「アルミペレット」、「リサイクルプラスチックパレット」で構成される「有価資源リサイクル事業」を行っております。

 なお、以下の事業区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。

 また、各事業を構成する主要な関係会社の状況については、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載しております。

 

(1)環境関連事業

(廃棄物処理・資源循環)

 2023年3月期において、当社グループの連結売上高の83.5%を占めております。

 当社グループの主力となる「廃棄物処理・資源循環」においては、様々な施設群を活用して、産業廃棄物及び一般廃棄物の収集運搬、中間処理・再資源化及び最終処分に至るまでのワンストップサービスを展開しております。自社廃棄物管理システム等を活用して、廃棄物のトレーサビリティ、処理状況の見える化や再資源化に向けた分別指導などを進め、排出事業者の廃棄物管理をサポートすることで、事務負担やリスクの低減を図り、安全・安心な廃棄物処理サービスを提供しております。産業廃棄物は主に製造メーカー、ゼネコン、医療機関(国立病院、大学病院、大手民間病院等)から、また、一般廃棄物は主に自治体(2023年3月期における取引自治体数425(※1))から、廃棄物処理を請け負っております。

 

※画像省略しています。

 

 収集運搬は、廃棄物を排出場所から収集し、中間処理・再資源化等を行うリサイクルセンターまで運搬する事業であります。当社グループは、収集運搬に用いるパッカー車、コンテナ車、ダンプ車のほか、トレーラーなど合計695台(2023年3月末日現在)の車両を保有し、関西・中部エリアをはじめ、関東エリア、中四国エリアにおいて収集運搬を行っております。また、廃棄物の大量輸送、広域物流に対応するため、海上輸送も実施しており、廃棄物専用海上コンテナも800基以上保有しております。

 中間処理・再資源化は、廃棄物を再生利用するための選別・破砕や減容化のための焼却等を行う事業であり、当社グループの25ヶ所ある中間処理施設の総許可能力(※2)は、2023年3月末日現在、1日当たり55,053トン(選別・破砕・再資源化施設52,986トン、焼却等熱処理施設2,067トン)であります。当社グループは、一般廃棄物及び輸入廃棄物を除く産業廃棄物全20品目に対応する処分業許可及び特定有害汚泥・廃石綿等など特別管理産業廃棄物処分業許可を有しており、廃棄物の減容化・無害化等を通じて、最終処分量の低減を図るとともに、循環型社会の実現に貢献するため、金属・非鉄金属回収や廃プラスチック類の固形燃料化など各種リサイクル法等に対応した処理を行っております。また、廃棄物の焼却時の余熱や蒸気は、エネルギーとして活用しております。

 最終処分は、再生利用できない廃棄物を適切に管理された処分場にて埋立処分する事業であり、当社グループは、6地域で管理型最終処分場及び1地域で安定型最終処分場を有しており、2023年3月末日現在、総設置許可容量(※2)は合計31,793千㎥(2023年3月末日現在の残容量(※3)は、11,327千㎥)であります。

 当社グループは、これらの施設群を活用して、収集運搬、中間処理・再資源化及び最終処分に至るまでのワンストップサービスを提供しております。このワンストップ体制については、排出事業者から廃棄物処理過程の透明化に対するニーズの高まりに応えることができ、また、許認可取得が難しく、利益率が高い大型の熱処理施設や最終処分場を自社で保有していることにより、外部委託による収益性低下を回避できるといったメリットがあると考えております。また、廃棄物処理・資源循環ビジネスは、不法投棄リスクや排出事業者責任の強化により、排出事業者は安心安全で信頼できる処理事業者を選ぶという事業の性質上、既存顧客の取引継続性が高く、かつ許認可の取得や多額の投資を要することから参入障壁が高いため、今後も安定した事業成長を見込んでおります。

 また、被災地の災害復興支援として災害廃棄物の処理も実施しております。さらに、少子高齢化に伴う税収やごみ量の減少、多発する大規模災害による大量の災害廃棄物への対応など市町村が抱える課題解決の方策として、廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏(※4)の構築を進めております。

 

(土壌浄化)

 2023年3月期において、当社グループの連結売上高の8.8%を占めております。

 当社グループは、土壌汚染対策法に基づく指定調査機関の許可を保有しており、主に建設会社に対して、土壌汚染エリアの調査から汚染対策の提案、汚染土壌処理に至るトータルソリューションを提供しております。当社グループは、6事業所で汚染土壌処理業許可を取得しております。ほぼ全ての汚染土壌処理方式に対応し、PCB(ポリ塩化ビフェニル)汚染土壌など難処理土壌の処理も実施しております。また、連結子会社の株式会社ジオレ・ジャパン及び株式会社セーフティーアイランドにおいては、専用岸壁を有しており、船舶による広域的な受入れを実現しております。当社グループの土壌浄化の総許可能力(※2)は、2023年3月末日現在、1日当たり11,915トンであります。

 

(施設建設・運営管理)

 2023年3月期において、当社グループの連結売上高の2.9%を占めております。

 当社グループは、主に自治体から受託したごみ処理施設の施設建設から、維持管理及び保全業務まで一貫して実施しており、緊急時のバックアップ体制も備えた安定的な施設運営を図っております。施設建設は、基本仕様の設計から建設工事での工程管理に至るまで廃棄物処理施設を保有するエンドユーザー目線で廃棄物の性状に適した施設を建設しております。維持管理及び保全業務は、日々の点検・保守及び設備や機器の清掃により、設備や機器の不具合・異常の早期発見に繋げております。また、最適な補修・整備計画の立案を行っており、立案した計画に基づき修繕・整備工事も実施しております。

 

(コンサルティング)

 2023年3月期において、当社グループの連結売上高の0.9%を占めております。

 当社グループがこれまで蓄積した経験やノウハウをもとにAI・IoTなどを活用した新たなサービスを研究・開発し、廃棄物を排出する自治体や製造メーカー、ゼネコンなどの民間企業に対して最適なソリューションを提供しております。また、災害廃棄物処理計画策定支援、循環型社会の実現に向けた事業者のゼロエミッション活動の支援、自治体が抱える課題やニーズに応じた廃棄物管理に関する提案等を行っております。産学官と連携したオープンイノベーションを通じて、地域ソーシャルビジネスを創出し、今後加速する人口減少などの社会課題に対応してまいります。

 

(エネルギー創造)

 2023年3月期において、当社グループの連結売上高の0.4%を占めております。

 当社最終処分場の跡地を利用したメガソーラーや、廃棄物及びバイオマスからの熱回収によるエネルギー供給施設、並びにメタン発酵によるバイオガス発電事業における余剰電力の有効利用など、再生可能エネルギーや非化石エネルギーの供給事業を展開しております。余剰電力は再生可能エネルギーの固定価格買取制度の利用等により電力会社に販売しております。このように、廃棄物という資源と自然の力をエネルギーに変換し、地域循環共生圏(※4)の構築に貢献しております。

 

(森林保全)

 2023年3月期において、当社グループの連結売上高の0.1%を占めております。

 当社グループは、全国29ヶ所、合計約8,170haの山林を保有し、100年先を見据え、森林保全事業を通じて、主に森林組合や奈良県など森林所有自治体に対して、「地域づくりモデルの確立」「森づくり技術開発」「林業コンサル・人材育成」「防災・生物多様性」の4つの取組みを展開しております。奈良県十津川村では、「バイオマスプラットフォーム」を設け、周辺の森林所有者や行政、森林組合、素材生産業者などの林業関係者とともに、建築、エネルギーなどの様々な分野のニーズとのマッチングを行うとともに、行政と連携し林業管理の担い手を育てる仕組みづくりも行っております。

 

(その他)

 2023年3月期において、当社グループの連結売上高の0.1%を占めております。

 当社グループが保有する廃棄物処理施設の運転管理等の担い手を確保すること等を主たる目的に事業を行っている「人材派遣及び人材紹介」や最終処分場が立地している地域の基幹産業である農業の担い手不足を補い、遊休農地を活用し地元雇用など地域貢献を行う「アグリビジネス」などを行い、多様な事業展開を通じて地域社会へ貢献しております。

 

※1 取引自治体数には都道府県、東京23区を含み、また広域連合に関しては、構成する各市町村をそれぞれ1自治体としてカウントして算出しております。

※2 総許可能力・容量とは、都道府県等から許可を取得している処理能力(最終処分場は容量ベースのため「許可容量」と記載)をいいます。

※3 残容量とは、総許可容量から既に廃棄物や土壌を埋立した容量を除いた将来埋立可能な容量をいいます。

※4 地域循環共生圏とは、各地域が地域資源を最大限活用しながら、自立・分散型の社会を形成しつつ、地域の特性に応じて資源を補完し支え合うことにより、地域の活力が最大限に発揮されることを目指す考え方をいいます。

 

(2)その他(有価資源リサイクル事業)

 飲料用アルミ缶や容器包装プラスチック等の原料を仕入れ、再生品に加工・販売する事業を行っております。

※画像省略しています。

(アルミペレット)

 2023年3月期において、当社グループの連結売上高の2.4%を占めております。

 主に自治体から仕入れる飲料用アルミ缶の表面塗料やコーティング材などの異物を取り除き、徹底した品質管理で高純度なアルミペレットを製造し、高炉メーカー等に販売を行っております。アルミ缶を原料とした粒状の製品であるアルミペレットは、高炉での「鋼」製造工程で使用する副資材である「脱酸材」として国内外で取引しております。

 

(リサイクルプラスチックパレット)

 2023年3月期において、当社グループの連結売上高の0.8%を占めております。

 自治体が回収する容器包装プラスチック等を原料にリサイクルプラスチックパレットの製造及び販売を行っております。

[事業系統図]

 事業の系統図は以下のとおりとなります。

 

※画像省略しています。

 

※1 当社

連結子会社:三重中央開発㈱、DINS関西㈱、㈱共同土木、㈱摂津清運、㈱セーフティーアイランド、

他連結子会社13社

持分法適用関連会社:メジャーヴィーナス・ジャパン㈱、㈱シムファイブス、他持分法適用関連会社2社

持分法非適用関連会社:㈱グローバル・エンバイロメンタル・テクノロジー、他持分法非適用関連会社2社

※2 当社

連結子会社:三重中央開発㈱、㈱ジオレ・ジャパン、㈱セーフティーアイランド

※3 当社

連結子会社:近江八幡エコサービス㈱

持分法非適用関連会社:㈱コウキ、㈱エコクリーン大和郡山

 

※4 当社

連結子会社:三重中央開発㈱、資源循環システムズ㈱、㈱ソフトウェアトータルサービス、

㈱ディンズ環境分析センター、㈱大栄環境総研

持分法非適用関連会社:㈱イーアイアイ

※5 当社

連結子会社:三重中央開発㈱、DINS関西㈱

持分法適用関連会社:リエネルミエ㈱

持分法非適用関連会社:かけがわ報徳パワー㈱

※6 連結子会社:㈱総合農林

※7 連結子会社:㈱クリエイトナビ、DINSみらい㈱、他連結子会社2社

非連結子会社:福知山ゴルフ㈱、他非連結子会社1社

※8 当社

※9 連結子会社:㈱プラファクトリー

 

23/06/28

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

a.経営成績の状況

 

2022年3月期

(百万円)

2023年3月期

(百万円)

増減額

(百万円)

増減率

売上高

64,992

67,658

2,665

4.1%

営業利益

12,840

16,623

3,783

29.5%

営業利益率

19.8%

24.6%

+4.8pt

経常利益

13,304

16,702

3,398

25.5%

親会社株主に帰属する当期純利益

8,870

10,494

1,624

18.3%

EBITDA

19,826

22,250

2,424

12.2%

EBITDAマージン

30.5%

32.9%

+2.4pt

 

 当連結会計年度におけるわが国経済は、ウクライナ情勢の悪化等によるエネルギー・資機材価格の高騰から期初に停滞が見られた経済活動も、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和に伴い、設備投資や個人消費等が緩やかな回復傾向にあります。今後も景気の持ち直しが期待される一方で、欧米に加えて日銀の金利政策による景気下押しリスク、エネルギー・資機材価格のさらなる上昇、資材納期の長期化による工事着工の遅れ等の懸念材料もあり、依然として国内景気の先行きは不透明な状況が続いております。

 このような状況のもと、当社グループのコア事業である「廃棄物処理・資源循環」においては、企業の生産活動や建設工事の遅れに回復の兆しが見られたことにより、昨秋以降、廃棄物受入量は増加基調にあるものの、通期では前年同期並みの水準となりました。

 「土壌浄化」においては、年間を通して、関西地方の再開発工事等をはじめ、広範囲でスポット案件を受注獲得できたことにより、汚染土壌受入量は前年同期を大幅に上回る結果となりました。

 コスト面においては、エネルギー・資機材コストは上昇したものの、子会社における収益改善等に努めました。

 また、当社グループの事業は、決して止めることのできない重要な社会インフラであり、政府が宣言する2050年カーボンニュートラルに向けて、長期的視点をもって、事業拡大による持続的成長と社会課題解決に繋がるESG施策に取り組んでおります。

 資源循環システムの高度化の施策として、当社伊賀リサイクルセンター(三重県伊賀市)では、有機性廃棄物をリサイクルする国内有数の処理能力を持つメタン発酵施設及び堆肥化施設を2022年11月と10月にそれぞれ稼働開始いたしました。子会社の株式会社セーフティーアイランド(兵庫県神戸市東灘区)においては、2022年7月に汚染土壌分別(異物除去)設備を新設しております。

 再生利用できない廃棄物を適切な管理のもとで埋立処分するための最終処分場は、資源循環システム構築に必要不可欠であり、増設や新設を計画的に進めてまいりました。管理型最終処分場について、子会社の三重中央開発株式会社(三重県伊賀市)で2022年5月に当社グループ最大となる約664万m3を、子会社の株式会社東北エコークリーン(福島県田村郡小野町)で2022年7月に約17万m3を、当社三木リサイクルセンター(兵庫県三木市)で2022年8月に約172万m3をそれぞれ拡張し、供用を開始しております。さらに、当社御坊リサイクルセンター(和歌山県御坊市)で、2022年12月に管理型最終処分場を約135万m3拡張するための産業廃棄物処理施設設置許可証の交付を和歌山県より受け、早期の供用開始に向けた準備を進めております。

 地域資源である廃棄物を資源やエネルギーに変え、地域社会へ還元することで自立・分散型の社会を形成する地域循環共生圏構築の取組みにおいては、当社グループ3例目となる公民連携協定を2023年2月に大阪府泉北郡忠岡町及びパートナー企業と締結しました。2023年3月には新会社となる「忠岡エコサービス株式会社」を共同出資により設立し、地域エネルギーセンター等を整備・運営する事業の推進に向けて調査・計画を開始しております。

 

 当連結会計年度の業績につきましては、売上高は67,658百万円(前年同期比4.1%増)、営業利益は16,623百万円(前年同期比29.5%増)、営業利益率は前年同期と比べて4.8ポイント向上し24.6%、経常利益は16,702百万円(前年同期比25.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は10,494百万円(前年同期比18.3%増)となりました。また、EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)は22,250百万円(前年同期比12.2%増)となり、EBITDAマージン((営業利益+減価償却費+のれん償却額)/売上高)は前年同期と比べて2.4ポイント向上し32.9%となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

2022年3月期

(百万円)

2023年3月期

(百万円)

増減額

(百万円)

増減率

環境関連

事業

売上高

63,154

65,472

2,318

3.7%

セグメント利益

12,975

16,715

3,739

28.8%

その他

売上高

1,838

2,185

347

18.9%

セグメント利益

106

134

28

26.4%

 

(環境関連事業)

 「廃棄物処理・資源循環」において、廃棄物受入量は、1,893千トン(前年同期比0.4%減)となりました。これは、昨秋以降企業の生産活動が回復基調にあり、廃棄物受入量は第4四半期連結会計期間に前年同期を上回ったものの、通期では、新型コロナウイルス感染症やエネルギー・資機材価格の高騰の影響により期初に低迷した受入量をカバーするには至らなかったためであります。

 「土壌浄化」において、汚染土壌受入量は、668千トン(前年同期比64.3%増)となり、前年同期を大幅に上回る結果となりました。これは、年間を通して、関西地方の再開発工事等をはじめ、広範囲でスポット案件を受注獲得できたことによるものであります。

 また、エネルギー・資機材価格の高騰によりコストは上昇したものの、子会社における収益改善等により、大幅な増益となりました。

 これらにより、売上高は65,472百万円(前年同期比3.7%増)、セグメント利益は16,715百万円(前年同期比28.8%増)となりました。

 

(その他)

 「アルミペレット」においては、主に半導体不足による自動車鋼板等の生産減の影響からアルミペレット需要も減少しており、販売量は下降傾向にありますが、アルミ相場が高値圏で推移したため、スプレッドを確保することができました。

 「リサイクルプラスチックパレット」においては、2022年6月に子会社の株式会社プラファクトリー(大阪府堺市西区)において増設した製造ラインが稼働し、生産量・販売量ともに増加しました。

 これらにより、売上高は2,185百万円(前年同期比18.9%増)、セグメント利益は134百万円(前年同期比26.4%増)となりました。

 

b.財政状態

 

2022年3月期

(百万円)

2023年3月期

(百万円)

増減額

(百万円)

増減率

資産

158,282

163,615

5,333

3.4%

負債

98,211

84,646

△13,565

△13.8%

純資産

60,070

78,969

18,898

31.5%

自己資本比率

37.7%

48.0%

+10.3pt

 

(資産の部)

 当連結会計年度末における総資産は163,615百万円(前連結会計年度末比5,333百万円の増加)となりました。

 流動資産は66,068百万円(前連結会計年度末比5,742百万円の減少)となりました。これは主に、現金及び預金が前連結会計年度末比6,435百万円減少したことによります。

 固定資産は97,139百万円(前連結会計年度末比10,667百万円の増加)となりました。これは主に、建物及び構築物が3,461百万円、機械装置及び運搬具が2,758百万円、最終処分場が3,677百万円増加したことによります。建物及び構築物、機械装置及び運搬具並びに最終処分場は、主に当社伊賀リサイクルセンターの堆肥化施設、子会社の三重中央開発株式会社及び株式会社東北エコークリーンで拡張した管理型最終処分場及びその関連施設の設置に伴う増加となります。

 

(負債の部)

 当連結会計年度末における負債は84,646百万円(前連結会計年度末比13,565百万円の減少)となりました。

 流動負債は26,237百万円(前連結会計年度末比1,516百万円の減少)となりました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が2,450百万円減少したことによります。

 固定負債は58,408百万円(前連結会計年度末比12,048百万円の減少)となりました。これは主に、資産除去債務が1,922百万円増加しましたが、長期借入金が12,398百万円、社債が1,140百万円減少したことによります。資産除去債務は主に、子会社の三重中央開発株式会社及び株式会社東北エコークリーンの管理型最終処分場拡張による増加となります。

 

(純資産の部)

 当連結会計年度末における純資産は78,969百万円(前連結会計年度末比18,898百万円の増加)となりました。これは主に、配当金の支払いにより利益剰余金が2,747百万円減少したものの、新規上場における公募増資により資本金及び資本準備金がそれぞれ5,348百万円、親会社株主に帰属する当期純利益10,494百万円の計上により利益剰余金が増加したことによります。

 

② キャッシュ・フローの状況

 

2022年3月期

(百万円)

2023年3月期

(百万円)

増減額

(百万円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

18,045

16,266

△1,778

投資活動によるキャッシュ・フロー

△16,445

△12,296

4,148

フリー・キャッシュ・フロー

1,600

3,970

2,370

財務活動によるキャッシュ・フロー

△3,171

△8,968

△5,797

(注)フリー・キャッシュ・フロー=営業活動によるキャッシュ・フロー+投資活動によるキャッシュ・フロー

 

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて4,877百万円減少し、53,416百万円(前連結会計年度末比8.4%減)となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは16,266百万円の収入(前連結会計年度は18,045百万円の収入)となりました。これは主に、法人税等の支払額6,081百万円があったものの、税金等調整前当期純利益16,459百万円、減価償却費5,413百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは12,296百万円の支出(前連結会計年度は16,445百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出12,934百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは8,968百万円の支出(前連結会計年度は3,171百万円の支出)となりました。これは主に、新規上場における公募増資により、株式の発行による収入10,239百万円があったものの、長期借入金の返済による支出15,348百万円、配当金の支払額2,747百万円によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、当社グループの大半を占める環境関連事業における生産実績とは、廃棄物の処理実績を意味しております。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前期比(%)

環境関連事業(百万円)

65,472

103.7

その他(百万円)

2,145

111.5

合計(百万円)

67,618

103.9

 (注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

b.受注実績

 当社グループの営む事業においては、受注から売上計上までの所要日数が短く、期中の受注高と販売実績とがほぼ対応するため、記載を省略しております。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前期比(%)

環境関連事業(百万円)

65,472

103.7

その他(百万円)

2,185

118.9

合計(百万円)

67,658

104.1

 (注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.総販売実績に対する割合が10%以上の主要な販売先がないため、相手先別の販売実績の記載を省略しております。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

売上高

64,992

百万円

67,658

百万円

営業利益

12,840

百万円

16,623

百万円

EBITDA

19,826

百万円

22,250

百万円

 

 売上高については、2020年12月にM&Aした子会社の株式会社セーフティーアイランドにおける施設リニューアルを進めたこと、子会社の株式会社東北エコークリーンが管理型最終処分場を供用開始したこと、新型コロナウイルス感染症の治療等の継続による医療系廃棄物売上が引き続き堅調に推移したこと及び関西地方の再開発工事等をはじめ広範囲に汚染土壌のスポット案件を受注できたことにより、廃棄物処理・資源循環は期前半のエネルギー・資機材コスト高騰等の影響による経済活動の停滞による減少があったもののほぼ前期並み、土壌浄化は大幅な増収となりました。この結果、売上高は67,658百万円(前期比4.1%増)となりました。

 利益面については、減価償却費とのれん償却額の合計額が1,359百万円減少し、増益要因となっております。人件費とエネルギー・資機材コストは、合計で1,405百万円増加した一方で、子会社における収益改善等により、その他のコストを1,163百万円圧縮できた結果、営業利益は16,623百万円(前期比29.5%増)、EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)は22,250百万円(前期比12.2%増)となりました。

 また、EBITDAマージン((営業利益+減価償却費+のれん償却額)/売上高)は32.9%、営業利益率は24.6%、ROE(親会社株主に帰属する当期純利益/期首期末平均の自己資本)は15.2%、ROIC(NOPAT/期首投下資本、NOPAT=(営業利益+のれん償却額)*(1-実効税率(30.6%))、投下資本=固定資産+流動資産(現金及び預金除く)-流動負債(有利子負債除く))は13.1%、ネットD/Eレシオ((有利子負債-現金及び現金同等物)/自己資本)は0.1倍となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

 「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

 

b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 運転資金は、手許資金で賄っており、設備資金については、金融機関からの借入金や社債で資金調達をしております。外部借入は当社のみが行う方針であり、当社グループ子会社の設備投資時には、当社から子会社に資金を貸し付け、グループファイナンスによる資金の有効活用を図っております。

 当社グループは、収益力の強化により営業活動によるキャッシュ・フロー獲得能力を高めるとともに、自己資本比率を高め、財務体質を健全化し、資金の流動性を高めてまいります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。