E00721 Japan GAAP
前期
64.1億 円
前期比
97.6%
株価
496 (01/13)
発行済株式数
18,178,173
EPS(実績)
29.78 円
PER(実績)
16.65 倍
前期
563.5万 円
前期比
110.1%
平均年齢(勤続年数)
48.3歳(20.0年)
従業員数
27人(連結:228人)
当社グループは、市販出版物及び電子書籍・アプリの販売、雑誌広告・Web広告の販売、出版物に由来するブランドや商標権の権利許諾等を行う「メディア事業」、当社グループのコアコンピタンスである地図・ガイドデータベースの販売、同データベースを活用したシステム製品やソリューションの販売等を行う「ソリューション事業」、顧客となる官公庁等がデータ制作等の業務委託を行う際に、当社が当該業務委託の契約窓口となり、当該取引の手数料収入を得る「販売代理事業」、当社グループが保有する土地・建物等の有形固定資産について有効活用することを目的とした不動産事業を行っております。
また当社グループは、当社、連結子会社4社、持分法適用関連会社2社で構成されます。㈱昭文社では市販出版物及び電子書籍・アプリの販売、雑誌広告・Web広告の販売、出版物に由来するブランドや商標権の権利許諾等を行っております。㈱マップルでは地図・ガイドデータベースの販売、同データベースを活用したシステム製品やソリューションの販売等を行っております。㈱マップル・オンではモバイル(情報端末/携帯電話・スマートフォン)向けアプリケーションソフトの企画開発及び販売とWeb広告事業を行っております。また、㈱昭文社クリエイティブでは当社デジタルデータベースの企画・制作業務を担当しております。
[ 事業系統図 ]
※画像省略しています。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績
当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日)におけるわが国経済は、海外経済の回復ペースの鈍化や地政学的リスクの高まりといった外部要因の影響を受けつつも、全体としては緩やかな回復基調を維持しております。特に、企業の設備投資や個人消費などの内需が景気の下支え要因となり、底堅い動きが続いています。一方で、家計部門においては、継続的な賃上げによる所得環境の改善が支援材料となっているものの、ウクライナおよび中東における紛争の長期化、さらに日米をはじめとする主要国間の金融政策の方向性の違いを背景とした急速な円安の進行により、エネルギーや食料品を中心とする物価上昇が続いており、個人消費の回復ペースを鈍らせる状況が続いております。
当社グループが主に関わる旅行・観光市場においては、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い急速な回復が見られた前年度と比較すると緩やかなペースではあるものの、全体としては回復基調を維持しております。国境をまたぐ渡航では、歴史的な円安が追い風となってインバウンド市場が急拡大し、2024年の年間訪日外客数は約37百万人に達し過去最高記録を更新いたしましたが、主要観光地におけるオーバーツーリズムや宿泊費をはじめとする物価高騰が顕在化し、地域住民の生活環境への影響に加えて、日本人の国内旅行を委縮させかねない懸念が広がっております。一方で、アウトバウンド市場の回復は依然として限定的であり、為替や物価の面からも引き続き慎重な動きが見られます。
当社グループは、長期化したコロナ禍に対処するため、グループ事業の再編や主力の市販出版物事業における事業構造改革、DXによる業務の合理化及び効率化、グループ保有資産の有効活用などの施策を実施してまいりました。この結果、市場環境の回復とともに、当連結会計年度を含め3期連続で当期純利益を計上することができました。なお、コロナ禍がほぼ収束した昨年度以降は、特にDX推進や脱炭素社会への取り組みなどを、当社グループの経営理念「安心な暮らしと楽しい旅をサポートする企業」と軌を一にしたサステナビリティ戦略の一環として位置付けています。これを基本方針として、今後も既存事業の効率化、新規事業開発、業務提携による商品・サービス開発などに注力し、持続的成長を実現していく所存です。
当連結会計年度の売上高は、コロナ禍明けで市場が急回復した前年には及ばなかったものの旅行関連の市販出版物及び電子書籍・アプリを中心に売上が引き続き堅調に推移いたしました。売上高は6,256百万円となり前連結会計年度に比べ153百万円(2.4%)減少いたしました(前連結会計年度は6,410百万円)。損益面では、売上減少に伴う利益額の減少に加え、物価高騰の影響及び前年にはなかった事業所移転関連の費用が計上されたため、販売費及び一般管理費が前年より増加した結果、営業利益は189百万円となり、前連結会計年度に比べ248百万円減少いたしました(前連結会計年度は437百万円)。これに伴い経常利益は、前連結会計年度に比べ221百万円減少し298百万円となりました(前連結会計年度は519百万円)。また、特別利益において投資有価証券売却益を計上したものの、前期に計上した固定資産売却益に匹敵する規模の特別利益がなかったこと等から、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ1,229百万円減少し、541百万円となりました(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益1,771百万円)。
当社グループのセグメント別の業績は以下の通りとなっております。
[メディア事業]
メディア事業では、市販出版物及び電子書籍・アプリの企画制作販売、雑誌広告・Web広告の販売、特注品の企画制作販売、出版物に由来するブランドや商標権の権利許諾等を行っております。
当連結会計年度において、コロナ禍明けで市場が急回復した昨年度には及ばなかったものの、まっぷるマガジン等の、国内主要観光地及び台湾やソウルなど近傍海外地域の旅行雑誌を中心に市販出版物の売上が堅調に推移し、また、同様に読み放題サービスを含む電子書籍も順調に推移いたしました。市販出版物では、コロナ禍を経て数年ぶりとなる海外版の改訂版を含む旅行雑誌の拡充に加え、ご好評をいただいている「スッと頭に入る」シリーズからも新刊を発売いたしました。具体的には、国別編において『中国』、『インド』の2点を追加し、これらに加え新展開として名画を切り口にした『絵画で世界史』や近年の歴史研究の成果を図解する『上書き日本史』など、多彩なラインナップを取り揃えました。また、2022年に全国47都道府県をコンプリートした大人気の『トリセツ』シリーズにおいて、新たに都市編として『横浜市』『大阪市』『名古屋市』『福岡市』を発売いたしました。
さらに、メディア事業の中核である昭文社の出版物を、オンラインで購入できる「昭文社公式オンラインストア」を新規にオープンしたほか、12月には2年ぶりとなるリアルイベント「ことりっぷ 旅するマルシェ2024」を表参道にて開催いたしました。
この結果、メディア事業の売上高は4,432百万円となりました(前連結会計年度は4,597百万円)。営業利益は222百万円となりました(前連結会計年度は445百万円)。
[ソリューション事業]
ソリューション事業では、当社グループのコアコンピタンスである地図・ガイドデータベースの販売、同データベースを活用したシステム製品やソリューションの販売等を行っております。
当連結会計年度において、引き続き景気動向に左右されにくい警察・消防等の官公庁向け受注獲得や民間企業向けストック型商材の契約更新に注力しております。
カーナビ関連では、スマホ無料ナビアプリ等の影響で市販PND市場が急速に縮小しているため、この減少分を補い新たな事業基盤とすべく業務用ナビの受注拡大に注力しており、主に巡回・送迎業務を行われているお客様から大変高い評価をいただいている業務用車載カーナビアプリ『ルートナビゲーター』に大幅な機能追加を行った新製品『ルートナビゲータープラス』を2025年2月に発売いたしました。また、半導体市況の回復に伴い、業務用ナビとともに高精度自律航法を実現する提携先スマートGPS製品の受注も着実に増加しております。
地域観光の活性化に向けては、LINE公式アカウントを活用した自治体向け情報プラットフォーム『デジタル観光パスポート』を提供しており、現在7つの地域にて観光来訪者の周遊や消費促進、ユーザーとの継続的な関係づくりを通じた顧客基盤の創出をサポートしておりますが、地域産業を活性化させる、より効果的なソリューションを広範囲にて実現すべく、2025年1月、当社子会社の株式会社マップルとLINEヤフー株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 出澤 剛)は地域創生に関する「共同取組推進に関する覚書」を締結いたしております。
円安で急拡大するインバウンド市場に向けては、訪日外国人向け媒体『DiG Japan!』関連の受注にも注力しております。
この結果、ソリューション事業の売上高は1,623百万円となりました(前連結会計年度は1,589百万円)。営業損失は124百万円となりました(前連結会計年度は営業損失151百万円)。
[販売代理事業]
販売代理事業では、顧客となる官公庁等がデータ制作等の業務委託を行う際に、当社が当該業務委託の契約窓口となり、当該取引の手数料収入を得る事業を行っております。
当連結会計年度において、顧客先より引き続き業務委託案件を受注しております。
この結果、販売代理事業の売上高は、111百万円となりました(前連結会計年度は145百万円)。営業利益は74百万円となりました(前連結会計年度は営業利益95百万円)。
[不動産事業]
当連結会計年度より、「不動産事業」について量的な重要性が増加したため、新たなセグメント区分として記載する方法に変更しております。不動産事業では、当社グループが保有する土地建物等の有形固定資産について外部取引先に向けて譲渡または貸与する不動産事業等を行っております。
当連結会計年度において、不動産事業は予定通り実施しております。当社が保有する有形固定資産の外部貸与エリアを拡張していることで売上は増加しておりますが、同様に拡張エリアを改修した費用の計上を行っております。
この結果、不動産事業の売上高は89百万円となりました(前連結会計年度は78百万円)。営業損失は49百万円となりました(前連結会計年度は営業利益31百万円)。
b.財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、18,417百万円となり、前連結会計年度末に比べ461百万円(2.4%)減少いたしました。この主な要因は、現金及び預金が183百万円、建物及び構築物(純額)が77百万円、工具器具備品(純額)が45百万円、無形固定資産その他が41百万円、投資有価証券が210百万円増加した一方で、売掛金が347百万円、流動資産その他が251百万円、投資その他の資産その他が410百万円減少したことであります。負債合計は、5,396百万円となり、前連結会計年度末に比べ792百万円(12.8%)減少いたしました。この主な要因は、未払費用が53百万円、固定負債その他が43百万円増加した一方で、短期借入金が130百万円、未払法人税等が274百万円、未払消費税等が462百万円減少したことであります。純資産においては、2024年5月15日に「資本金及び資本準備金の額の減少並びに剰余金の処分に関するお知らせ」にて開示した一連の会計処理手続きを実施したことにより、前連結会計年度末に比べ資本金が5,141百万円減少した一方で、資本剰余金が2,023百万円、利益剰余金が当期純利益の計上も合わせて3,567百万円増加しております。また、株主資本とは別に、その他有価証券評価差額金が77百万円減少しております。これらにより純資産合計は330百万円(2.6%)増加し、13,021百万円となりました。
この結果、自己資本比率は70.7%と3.5ポイント向上しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローにおいて700百万円の資金を獲得、投資活動によるキャッシュ・フローにおいて279百万円の資金を使用、財務活動によるキャッシュ・フローにおいて220百万円の資金を使用、現金及び現金同等物に係る換算差額が△17百万円だった結果、現金及び現金同等物の増減額が183百万円増加となり、その期末残高は6,460百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は700百万円となり、前連結会計年度が664百万円の資金の使用だったのに比べ1,364百万円増加しました。
これは主に、売上債権の増減額が914百万円、その他流動資産の増減額が1,022百万円、その他固定資産の増減額が523百万円それぞれ増加した一方で、未払消費税等の増減額が821百万円減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は279百万円の支出となり、前連結会計年度が2,194百万円の資金の獲得だったのに比べ2,473百万円減少しました。
これは主に、投資有価証券の売却による収入が411百万円増加した一方で、有形固定資産の取得による支出が213百万円、無形固定資産の取得による支出が24百万円、投資有価証券の取得による支出が240百万円それぞれ増加したこと、有形固定資産の売却による収入が2,424百万円減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は220百万円となり、前連結会計年度に比べ220百万円増加しました。
これは主に、配当金の支払額90百万円があったことに加え、短期借入金の減少額が130百万円あったことであります。
③生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績を区分ごとに示すと、次のとおりであります。
|
区分 |
当連結会計年度(千円) (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
メディア事業 |
5,563,890 |
△34.9 |
|
ソリューション事業 |
1,548,669 |
6.7 |
|
合計 |
7,112,559 |
△28.9 |
(注)1.金額は販売価格によって記載しております。
b.受注実績
当社グループでは、メディア事業及びソリューション事業の一部において受注生産を行っております。当連結会計年度の受注実績を区分ごとに示すと、次のとおりであります。
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区分 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
メディア事業 |
784,954 |
△1.2 |
74,513 |
△4.6 |
|
ソリューション事業 |
1,548,669 |
6.7 |
76,309 |
△25.5 |
|
合計 |
2,333,623 |
3.9 |
150,822 |
△16.5 |
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績を区分ごとに示すと、次のとおりであります。
|
区分 |
当連結会計年度(千円) (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
メディア事業 |
4,432,144 |
△3.6 |
|
ソリューション事業 |
1,623,860 |
2.2 |
|
販売代理事業 |
111,164 |
△23.4 |
|
不動産事業 |
89,784 |
14.8 |
|
合計 |
6,256,953 |
△2.4 |
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
株式会社トーハン |
1,706,538 |
27.0 |
1,763,598 |
28.2 |
|
日本出版販売株式会社 |
1,489,752 |
24.6 |
1,430,845 |
22.9 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては「第5 経理の状況」の冒頭に記載のとおり、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)に基づいて作成しております。
重要な会計方針に関する事項につきましては「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、当面残るものと想定しており、国内の往来については徐々に回復、海外の往来については回復は難しいものと想定のうえ見積りを行っております。
連結財務諸表の作成にあたって重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
③資本の財源及び資金の流動性に係る情報
資本の財源及び資金の流動性につきましては、当社グループの運転資金需要のうち主なものは製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要で主なものは、データベースやソフトウェア等の固定資産取得及び当社事業戦略に沿った提携先や当社事業との相乗効果が見込まれる事業会社への出資または取得(M&A)によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
運転資金は内部資金及び銀行等金融機関からの借入や社債発行を基本としております。
なお当連結会計年度末における有利子負債の残高は640百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は6,460百万円となっております。