株式会社昭文社ホールディングス

ブランドなど:マップル
情報・通信業出版スタンダードTOPIX Small 2

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

ニュース

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最終更新:

E00721 Japan GAAP

売上高

55.5億 円

前期

46.2億 円

前期比

120.2%

時価総額

68.9億 円

株価

379 (04/26)

発行済株式数

18,178,173

EPS(実績)

1.66 円

PER(実績)

228.59 倍

平均給与

519.9万 円

前期

502.6万 円

前期比

103.4%

平均年齢(勤続年数)

47.9歳(19.6年)

従業員数

29人(連結:232人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

当社グループは、市販出版物及び電子書籍・アプリの販売、雑誌広告・Web広告の販売、出版物に由来するブランドや商標権の権利許諾等を行う「メディア事業」、当社グループのコアコンピタンスである地図・ガイドデータベースの販売、同データベースを活用したシステム製品やソリューションの販売等を行う「ソリューション事業」、そして「その他事業」区分として、当社グループが保有する土地・建物等の有形固定資産について有効活用することを目的とした不動産事業等を行っております。

また当社グループは、当社、連結子会社4社、持分法適用関連会社2社で構成されます。㈱昭文社では市販出版物及び電子書籍・アプリの販売、雑誌広告・Web広告の販売、出版物に由来するブランドや商標権の権利許諾等を行っております。㈱マップルでは地図・ガイドデータベースの販売、同データベースを活用したシステム製品やソリューションの販売等を行っております。㈱マップル・オンではモバイル(情報端末/携帯電話・スマートフォン)向けアプリケーションソフトの企画開発及び販売とWeb広告事業を行っております。また、㈱昭文社クリエイティブでは当社デジタルデータベースの企画・制作業務を担当しております。

 

[ 事業系統図 ]

※画像省略しています。

 

23/06/29

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

 

①財政状態及び経営成績の状況

a.経営成績

当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日)におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症抑制と経済活動の両立が進むもとで、長引く資源高の影響を受けながらも徐々に持ち直しつつあります。輸出や鉱工業生産は供給制約の影響が次第に和らぐ中で堅調に推移しており、企業収益は全体として高水準を維持、これにより設備投資も緩やかに増加し、個人消費もサービス消費を中心として順調に増加いたしました。夏場にはオミクロン変異株による流行第7波が、秋以降にはこれまで最大規模となる流行第8波が年をまたぐ形で訪れ、医療体制がひっ迫する等の大きな影響が出たものの、国や自治体による人々の行動制限は見送られ、かつ県民割や全国旅行支援等の需要刺激策が追い風となり、当年度を通じて旅行シーズンには行楽地が多くの人でにぎわうなど、当社グループが主たる事業を営む旅行観光業界においても景気回復が目に見える状況となりました。2023年1月には厚労省から同感染症を季節性インフルエンザと同等の5類に見直す方針が、同3月にはマスク着用を個々の判断に委ねる方針が打ち出されるなど、社会全体がコロナ禍以前の生活環境を取り戻す段階に入っております。国境をまたぐ渡航においては、各国や地域における入国規制緩和が進む中、内外の金融政策の違いに加え貿易収支が大幅な赤字に陥ったことで歴史的な円安が持続する事態となり、アウトバウンド業界では市場回復への懸念材料となる一方、インバウンド業界の急速な市場回復が始まりつつあります。

このような状況において、当社グループにおきましては、長期化したコロナ禍に対応すべくグループ内での事業再編や市販出版物事業における事業構造改革を実施し、またグループ全体において新たな収益機会の獲得やさらなる業務の合理化及び効率化によるコストダウンに結び付ける戦略としてDXを積極的に導入・活用しております。また同時に国内の急速な市況回復に対応すべく、市販出版物事業における商品の品揃えの充実を進め、加えて脱炭素社会への対応等、アフターコロナに向けた新たな製品・サービス開発等の取り組みにも注力しております。

当連結会計年度の売上高においては、オミクロン変異株による感染症流行第7波及び第8波が訪れたものの、国や自治体による人々の行動規制は見送られるなど年度全体を通じてコロナ禍が事業環境に及ぼす影響が和らぐもと、県民割や全国旅行支援等の需要刺激策も強い追い風となり、主力事業である市販出版物事業の売上が堅調に増加し、同様に広告事業及び特注品事業の売上も回復、また、電子書籍の読み放題という新たな収益モデルも売上増加に貢献いたしました。この結果、前年度に含まれていた一部連結子会社の業績が上記の事業再編を経て連結対象から外れた(下記セグメント別実績[その他事業]の記述をご参照ください)ものの、売上高は5,553百万円となり前連結会計年度に比べ933百万円(20.2%)増加いたしました。(前年は4,619百万円)。損益面におきましては、売上高の大幅な増加に加えて、特に市販出版物事業における事業構造改革の効果が出たことや、一部連結子会社が連結対象から外れたことにより売上原価、販売費及び一般管理費がともに減少し、営業利益は132百万円となり、前年に比べ1,539百万円改善いたしました(前連結会計年度は1,407百万円の営業損失)。これに伴い、経常利益は前年に比べ1,522百万円改善し234百万円となりました(前連結会計年度は1,288百万円の経常損失)。また、特別損失において投資有価証券評価損225百万円などを計上いたしましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は前年に比べ1,608百万円改善し、30百万円となりました(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失1,578百万円)。親会社株主に帰属する当期純利益においては、長期化したコロナ禍を経て2020年3月期以来、3期ぶりに黒字化いたしました。

当社グループのセグメント別の業績は以下のとおりとなっております。

 

[メディア事業]

メディア事業では、市販出版物及び電子書籍・アプリの企画制作販売、雑誌広告・Web広告の販売、特注品の企画制作販売、出版物に由来するブランドや商標権の権利許諾等を行っております。

当連結会計年度において、国内では3年ぶりとなる行動制限のない大型連休、夏休みシーズン、及び秋の行楽シーズンを迎えることができ、かつ国や自治体による県民割や全国旅行支援等の需要刺激策が後押ししたことで旅やお出かけに関連する人々の消費行動が喚起されました。市販出版物では、定番の旅行雑誌『まっぷるマガジン(国内エリア版)』の一部が品薄になるほどの需要回復も見られ、こうした環境変化に合わせて同旅行雑誌の在庫拡充に加えて、『まっぷる おいしい道の駅ドライブ』(最新改訂版)、『山と高原地図ガイド』、『全国キャンプ場ガイド』、『家族でおでかけ夏休み号 関東・首都圏発』『同 京阪神・名古屋発』を発売し、2018年創刊の旅行ガイドブック『カラープラス』シリーズの全面改訂版を順次刊行、年が明けてからは話題の大河ドラマの舞台を訪ねる旅ガイドの決定版『まっぷる 大河ドラマ どうする家康』や、ベストセラー登山地図『山と高原地図』及びライダーと共創する地図 『ツーリングマップル』の2023年度版を発売するなど、当連結会計年度を通じて国内における旅やお出かけ関連商品の品揃えの充実を図りました。また、累計発行部数1,800万部超の女性向け人気旅行ガイドブックシリーズ『ことりっぷ』、季刊誌『ことりっぷマガジン』等の電子書籍が読み放題となる同シリーズ初のサブスクリプションサービス『ことりっぷpassport』の提供開始に加え、スマートフォンアプリ『まっぷるリンク』にて、国内の『まっぷるマガジン』全エリア版の電子書籍が読み放題となるサブスクリプションサービス『まっぷるリンク 国内エリア版ガイドブック読み放題』の提供も開始いたしました。なお、同旅行雑誌『まっぷるマガジン』シリーズにおいては、9月発売分よりこれまでのAB判を面積で約25%コンパクトにするB5変型判(トラベラーズサイズ)へ刷新し、豊富な旅の情報量はそのままによりいっそう持ち運びやすく使いやすい雑誌へリニューアルするなど、新たな取り組みにも着手しております。一方で、ご好評をいただいている家にいても知的好奇心を満たすタイプのシリーズ企画においては、地図でスッと頭に入るシリーズで『地図でスッと頭に入る世界の三大宗教』、『同 中国戦国時代』、『同 中東&イスラム30の国と地域』、『同 世界の民族と紛争』『同 中南米&北アメリカ36の国と地域』、『同 世界の三大穀物』を、そしてトリセツシリーズでは初の海外編となる『台湾のトリセツ』や、シリーズの新たな展開として地学に着目した新刊『日本列島誕生のトリセツ』を発売いたしました。また、市販出版物事業に加えて広告及び特別注文品の事業においても売上が順調に回復し、メディア事業全体の堅調な売上増加を支えることとなりました。

この結果、メディア事業の売上高は3,911百万円となりました(前連結会計年度は2,957百万円)。営業利益は164百万円となりました(前連結会計年度は、営業損失1,631百万円)。

 

[ソリューション事業]

ソリューション事業では、当社グループのコアコンピタンスである地図・ガイドデータベースの販売、同データベースを活用したシステム製品やソリューションの販売などを行っております。

当連結会計年度において、コロナ禍にあっても景気動向に左右されにくい警察消防を含む官公庁等向けの受注獲得や民間法人向けストック型商材の契約更新に引き続き注力しつつ、デジタル地図ソフト『スーパーマップル・デジタル23』、地図を好みに合わせて切り出せる WEB サービス 『マップル地図作成ツール』、『業務用カーナビSDK Ver.7.0』、『ルート探索モジュールVer.3』、同モジュールをエンジンとしたWeb API版『MappleAPIルート探索API』等、当社グループのコアコンピタンスを活用する最新のシステム製品及びサービスをリリースいたしました。『業務用カーナビSDK』においては、さらに構内道路や私道などの、通常は格納されない道路ネットワークデータをユーザー自身の手で追加・編集できるオプション機能『地図データメンテナンス機能』の提供も開始いたしました。また、脱炭素社会に向けた取り組みの一環として、ヘッドスプリング株式会社と共同で『EV充電スタンド』及び住宅用蓄電池『mapple GX battery』の提供を開始し、加えて通学路の危険箇所を地図上で点検・管理する『通学路安全支援システム』にて、三井住友海上火災保険株式会社と共同して同社保有の「事故データ」を用いた機能開発に着手するなど、新たな事業開発や製品の機能拡張への取り組みなどを進めております。

この結果、ソリューション事業の売上高は1,572百万円となりました(前連結会計年度は1,478百万円)。営業損失は118百万円となりました(前連結会計年度は、営業利益0百万円)。

 

[その他事業]

その他事業では、当社グループが保有する土地建物等の有形固定資産について外部取引先に向けて譲渡または貸与する不動産事業等を行っております。

当連結会計年度において、不動産事業は予定通り実施しております。

この結果、その他事業の売上高は68百万円となりました(前連結会計年度は183百万円)。営業損失は9百万円となりました(前連結会計年度は営業損失52百万円)。なお、前連結会計年度実績には、観光事業及びコールセンター事業が含まれておりますが、観光事業を担当していた株式会社MEGURU(同社連結子会社の海外現地法人を含む)及びコールセンター事業を担当していた株式会社Kuquluが、上に記載した通り前期末までに、ともに当社子会社ではなくなっておりますため、当期実績には両事業の数値が含まれておりません。

 

b.財政状態

当連結会計年度末における資産合計は、15,579百万円となり、前連結会計年度末に比べ328百万円(2.2%)増加いたしました。この主な要因は、現金及び預金が770百万円、売掛金が254百万円増加した一方で、仕掛品が64百万円、流動資産その他が86百万円、建物及び構築物(純額)が111百万円、土地が289百万円、投資有価証券が139百万円減少したことであります。負債合計は、5,065百万円となり、前連結会計年度末に比べ277百万円(5.8%)増加いたしました。この主な要因は、未払消費税等が119百万円、返金負債が241百万円増加した一方で、流動負債その他が101百万円減少したことであります。純資産においては、前連結会計年度末に比べその他有価証券評価差額金が74百万円増加し、退職給付に係る調整累計額が52百万円減少したことに加えて親会社株主に帰属する当期純利益を計上いたしております。これにより純資産合計は51百万円(0.5%)増加し、10,513百万円となりました。

この結果、自己資本比率は67.5%と1.1ポイント低下しております。

 

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローにおいて495百万円の資金を獲得、投資活動によるキャッシュ・フローにおいて275百万円の資金を獲得、財務活動によるキャッシュ・フローにおいて資金の獲得も使用もなかった結果、現金及び現金同等物の増減額が770百万円増加となり、その期末残高は4,741百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は495百万円となり、前連結会計年度が485百万円の資金の使用だったのに比べ981百万円増加しました。

これは主に、税金等調整前当期純利益が61百万円となり、1,593百万円改善したことに加え、有価証券及び投資有価証券評価損が225百万円増加したことに対して、売上債権の増減額が254百万円の増加となり、495百万円増加したこと、返金負債の増加額が141百万円、棚卸資産の減少額が221百万円それぞれ減少したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果獲得した資金は275百万円となり、前連結会計年度が82百万円の資金の使用だったのに比べ357百万円増加しました。

これは主に、有形固定資産の売却による収入が161百万円増加したこと、投資有価証券の取得による支出が298百万円減少したことに対して、前連結会計年度にあった連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入96百万円がなかったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果資金の獲得も使用もありませんでした。

③生産、受注及び販売の状況

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績を区分ごとに示すと、次のとおりであります。

区分

当連結会計年度(千円)

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

メディア事業

5,174,031

+9.1

ソリューション事業

1,602,731

+9.1

合計

6,776,763

+9.1

(注)1.金額は販売価格によって記載しております。

 

b.受注実績

当社グループでは、メディア事業及びソリューション事業の一部において受注生産を行っております。当連結会計年度の受注実績を区分ごとに示すと、次のとおりであります。

区分

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

メディア事業

782,200

+28.0

69,954

+266.4

ソリューション事業

1,602,731

+9.1

195,534

+18.2

合計

2,384,932

+14.7

265,489

+43.9

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績を区分ごとに示すと、次のとおりであります。

区分

当連結会計年度(千円)

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

メディア事業

3,911,896

+32.3

ソリューション事業

1,572,519

+6.4

その他事業

68,756

△62.6

合計

5,553,172

+20.2

(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

日本出版販売株式会社

953,146

20.6

1,096,846

19.8

株式会社トーハン

906,720

19.6

1,085,041

19.5

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては「第5 経理の状況」の冒頭に記載のとおり、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)に基づいて作成しております。

重要な会計方針に関する事項につきましては「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、当面残るものと想定しており、国内の往来については徐々に回復、海外の往来については回復は難しいものと想定のうえ見積りを行っております。

連結財務諸表の作成にあたって重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

 

③資本の財源及び資金の流動性に係る情報

資本の財源及び資金の流動性につきましては、当社グループの運転資金需要のうち主なものは製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要で主なものは、データベースやソフトウェア等の固定資産取得及び当社事業戦略に沿った提携先や当社事業との相乗効果が見込まれる事業会社への出資または取得(M&A)によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

運転資金は内部資金及び銀行等金融機関からの借入や社債発行を基本としております。

なお当連結会計年度末における有利子負債の残高は770百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は4,741百万円となっております。