株式会社昭文社ホールディングス( )

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E00721 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績に関する説明

当中間連結会計期間(2025年4月1日~2025年9月30日)におけるわが国経済は、海外経済の緩やかな回復が続く一方で、不確実性の高まりやウクライナ・中東情勢における地政学的リスクの高止まり、さらには米国の通商政策の方針転換(いわゆるトランプ関税)といった外部要因の影響を受けつつも、全体としては緩やかな回復基調を維持しました。特に、企業の設備投資は、脱炭素化・デジタル化対応や人手不足対策を背景とした国内投資の増加を反映し、底堅い動きが続いています。また、家計部門では、継続的な賃上げによる所得環境の改善が支援材料となっているものの、国際紛争の長期化や日米間を含む主要国の金融政策の違いが急速な円安を招き、エネルギーや食料品など輸入品価格の上昇が継続し、これが家計の実質購買力低下を招き、個人消費のペースに依然として抑制的な影響を与えています。

当社グループが主に関わる旅行・観光市場においては、新型コロナウイルス感染症からの急回復期と比較すると緩やかなものの、全体としては回復基調を維持しています。国境をまたぐ渡航では、歴史的水準の円安が追い風となり、インバウンド市場が堅調に推移しました。訪日外国人旅行者数は2025年9月時点で累計約31百万人に達し、過去最速で年間30百万人を突破しました。この記録的な水準は、円安を背景とした訪日需要の高まりを反映するものです。一方で、主要観光地ではオーバーツーリズム(宿泊費・飲食物価格の上昇、交通混雑など)が顕在化し、地域住民への影響や日本人の国内旅行の抑制懸念が広がっています。また、アウトバウンド市場は円安および渡航先の物価高の影響から引き続き慎重な姿勢が見られ、回復は限定的なものにとどまっています。

当社グループは、長期化したコロナ禍に対処するため、これまでグループ事業の再編や主力の市販出版物事業における事業構造改革、DXによる業務の合理化及び効率化、グループ保有資産の有効活用などの施策を実施してまいりました。この結果、前期まで3期連続で当期純利益を計上することができました。そして当期、今後10年先を見据えた新たな成長目標を売上高100億円(2035年3月期)に設定し、それに向け、当期を初年度とする2年間のアクションプラン「経営アクションプラン2025」を策定いたしました。本プランは、資本コストや株価を意識した経営のもと、M&Aを含む成長戦略の加速、DX・AI活用及びリスキリングによる事業基盤整備、収益性・効率性の向上、財務基盤の強化、資本市場との対話の充実を5本柱とし、2025年6月20日に当社グループWEBサイトにて公表済みですので、ぜひご参照ください。

当中間連結会計期間の売上高は、昨年に続き旅行・観光需要が順調に回復基調を続けていることから、主に旅行関連の市販出版物及び電子書籍・アプリを中心に売上が堅調に推移したことに加え『まっぷる 刀剣乱舞トラベラーズガイド』などのヒット商品が寄与したこともあり、売上高は2,844百万円となり前年同期に比べ88百万円(3.2%)増加いたしました(前年同期は2,756百万円)。損益面におきましては、主に事業所の移転統合の効果により販売費及び一般管理費が減少したため、営業損失は64百万円と、前年同期に比べ47百万円改善いたしました(前年同期は112百万円の営業損失)。経常損失は、営業損失の改善に加えて、営業外費用のうち前年同期に計上した為替差損がなかったことなどにより88百万円改善し、3百万円となりました(前年同期は92百万円の経常損失)。また、前年同期には特別利益において406百万円の投資有価証券売却益を計上しましたが、当期はそれに相当する規模の特別利益がなかったため、親会社株主に帰属する中間純損失は314百万円悪化し、52百万円となりました(前年同期は親会社株主に帰属する中間純利益262百万円)。

当社グループのセグメント別の業績は以下の通りとなっております。

 

[メディア事業]

メディア事業では、市販出版物及び電子書籍・アプリの企画制作販売、雑誌広告・Web広告の販売、特注品の企画制作販売、出版物に由来するブランドや商標権の権利許諾等を行っております。

当中間連結会計期間において、「大阪万博」の開催効果や「ジャングリア沖縄」開業効果もあり、『まっぷるマガジン』など国内の主要観光地を特集した旅行雑誌が好調であったことに加え、特にヒット商品『まっぷる 刀剣乱舞トラベラーズガイド』が寄与したことから市販出版物の売上は順調に推移しました。また、堅調な市況に支えられ、広告収益が前年同期を上回って推移したこともあり、全体の売上高は前年同期比で増加いたしました。市販出版物では、ご好評を得ている『スッと頭に入る』シリーズにおいて、様々な分野の知識を「スッと」楽しめるよう、新たに『スッと頭に入る孔子の教え』、『図解でスッと頭に入る浮世絵』、『地図でスッと頭に入る地経学』、『地図でスッと頭に入る豊臣一族の戦国時代』、『地図でスッと頭に入る核の脅威』、『スッと頭に入る哲学 哲学は人生の道しるべ』、『地図でスッと頭に入る世界の地理』を発売いたしました。また、『山と高原地図シリーズ』創刊60周年を迎えたことを記念した取り組みとして、『山と高原地図ジグソーパズル』を発売し、一時的に品切れとなるなど好評を博しております。

この結果、メディア事業の売上高は2,065百万円となりました(前年同期は1,974百万円)。営業利益は3百万円となりました(前年同期は営業利益41百万円)。

 

 

[ソリューション事業]

ソリューション事業では、当社グループのコアコンピタンスである地図・ガイドデータベースの販売、同データベースを活用したシステム製品やソリューションの販売等を行っております。

当中間連結会計期間においては、例年同様、景気動向の影響を受けにくい警察・消防等の官公庁向け地図データや民間企業向けストック型商材の契約更新に注力しております。

カーナビ関連では、業務用ナビが前年同期に警察向けを中心に受注が進みましたが、需要が一巡し落ち着いてきていることから、現在はインフラ企業、タクシー業界、その他民間企業への受注活動に展開しております。なお、業務用ナビでは、2025年7月1日より物流業界の課題解決に貢献する『業務用カーナビSDK Ver.10.0』の提供を開始いたしました。

当期においては6月にサイボウズ株式会社が提供する業務改善プラットフォーム「kintone(キントーン)」に地図表示機能を追加できる「MAPPLE地図プラグイン for kintone」について、ユーザーの皆様からの声を反映し主要機能のバージョンアップを実施したほか、市販製品においては、デジタル地図、住所、POI(検索データ)、行政区画、道路ネットワーク、観光地エリアなどの各種データを搭載した最新版パソコン用地図活用ソフト『スーパーマップル・デジタル26』を発売いたしました。

この結果、ソリューション事業の売上高は660百万円となりました(前年同期は686百万円)。営業損失は128百万円となりました(前年同期は営業損失181百万円)。

 

[販売代理事業]

販売代理事業では、顧客となる官公庁等がデータ制作等の業務委託を行う際に、当社が当該業務委託の契約窓口となり、当該取引の手数料収入を得る事業を行っております。

当中間連結会計期間において、顧客先より引き続き業務委託案件を受注しております。

この結果、販売代理事業の売上高は49百万円となりました(前年同期は54百万円)。営業利益は35百万円となりました(前年同期は営業利益36百万円)。

 

[不動産事業]

不動産事業では、当社グループが保有する土地建物等の有形固定資産について外部取引先に向けて譲渡または貸与する事業を行っております。

当中間連結会計期間において、不動産事業は予定通り実施しております。

この結果、不動産事業の売上高は69百万円となりました(前年同期は41百万円)。営業利益は29百万円となりました(前年同期は営業利益13百万円)。

 

(2)財政状態の分析

当中間連結会計期間末における総資産は18,494百万円となり、前連結会計年度末に比べ77百万円(0.4%)増加いたしました。この主な要因は、現金及び預金が495百万円、仕掛品が106百万円、無形固定資産その他が100百万円、投資有価証券が138百万円増加した一方で、売掛金が293百万円、商品及び製品が195百万円、流動資産その他が258百万円減少したことによるものです。負債合計は、5,508百万円となり、前連結会計年度末に比べ112百万円(2.1%)増加いたしました。この主な要因は、返金負債が103百万円、繰延税金負債が51百万円増加した一方で、支払手形及び買掛金が70百万円減少したことによるものです。純資産においては、前連結会計年度末に比べ、その他有価証券評価差額金が96百万円増加した一方で、中間純損失の計上及び配当金の支払いにより、利益剰余金が142百万円減少しております。これにより純資産合計は34百万円(0.3%)減少し、12,986百万円となりました。

この結果、自己資本比率は70.2%と0.5ポイント低下しております。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間における連結ベースの現金及び現金同等物の残高は、6,570百万円となり、前連結会計年度末と比較して109百万円の増加となりました。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は715百万円となり、前年同期と比較して305百万円の減少となりました。

これは主に、税金等調整前中間純損失が15百万円となり、前年同期と比べ328百万円減少したことに加え、売上債権の減少額が543百万円減少、法人税等の支払額が313百万円減少(還付額62百万円を含む)した一方で有価証券及び投資有価証券売却損益が406百万円の増加したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は526百万円となり、前年同期と比べ74百万円増加しました。

これは主に、前年に投資有価証券の売却による収入418百万円があったことによるものおよび無形固定資産の取得による支出が55百万円増加した一方で有形固定資産の取得による支出が107百万円、投資有価証券の取得による支出が306百万円それぞれ減少したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は90百万円となり、前年同期と比べ129百万円減少しました。

これは主に、前年に短期借入金の減少額が130百万円あったことによるものであります。

 

(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について重要な変更はありません。

 

(5) 経営方針・経営戦略等

当中間連結会計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた問題はありません。

 

(7) 研究開発活動

当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、0百万円であります。

なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(8) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

資本の財源及び資金の流動性につきましては、当社グループの運転資金需要のうち主なものは製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要で主なものは、データベースやソフトウェア等の固定資産取得及び当社事業戦略に沿った提携先や当社事業との相乗効果が見込まれる事業会社への出資または取得(M&A)によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

運転資金は内部資金及び銀行等金融機関からの借入や社債発行を基本としております。

なお、当中間会計期間の末日における有利子負債の残高は640百万円となっております。また、当中間会計期間の末日における現金及び現金同等物の残高は6,570百万円となっております。